エージェントブログAGENT BLOG

菅野 洋充(宅建士・リフォームスタイリスト)

社会に必要とされ人に役立つ企業を目指します

4.9

17

このエージェントに相談する

公開日:2019年9月30日

菅野です。

3日連続での特集で、消費税増税後にお得になる、不動産に関わる税制等の優遇措置を解説しています。

本日は「住宅取得等資金の贈与税の非課税」についておさらいします。

 

国税庁のサイトでは

No.4508 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税

となっていますが、具体的には

親や祖父母(直系尊属)から住宅を取得するための資金をもらったときに「贈与税」が非課税となる

という制度のことです。

「贈与」とありますが、合法的に相続人に対して資産を移行することができ、大きな相続財産を所有されている方の相続税対策として有効な制度です。

 

2015年(平成27年)に最大1500万円が非課税となったときは、”タワマンスキーム”と合わせて相続税対策として盛んに利用されました。

※タワマンスキームとは、タワーマンションの購入価格(購入時の時価)と相続税評価額のギャップを利用した相続税対策で、この差が大きいほど有利だと言われています。

以前は、建物の高さによる相続税評価額の差がなかった(最上階も1階も広さで評価額を計算していた)ため、上階であればあるほど購入価格と評価額の差が大きく有利となり、タワーマンション最上階近辺のプレミアム住戸が飛ぶように売れました。購入価格を評価額で割った数値を「圧縮率」と呼び、その比率が大きいほど良い物件とされました。

しかしその後、平成29年に国税庁はこの”タワマンスキーム”の対策として「階層別専有床面積補正率」という評価額按分方式を導入し、上階と下階の評価額に差が生ずることとなりました。

「不動産のリアル 階層で変わる? タワーマンションの固定資産税を不動産鑑定士が解説」に詳細があります。)

 

話がずれましたが、本題に戻ります。

今回、消費税増税にともないこの非課税額がアップしています。

表を作りました。

住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税

消費税10%を含む物件を購入した場合の非課税額は、来年3月まで省エネ等住宅だと

3000万円

までOKなのです。省エネ等住宅に該当しなくても消費税10%が価格に含まれていれば

2500万円

まで非課税になります。これは新築・リノベ物件購入で使えちゃいますね。

 

ちなみに「省エネ等住宅」の要件は

・断熱等性能等級4若しくは一次エネルギー消費量等級4以上であること

・耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)2以上若しくは免震建築物であること

・高齢者等配慮対策等級(専用部分)3以上であること)に適合する住宅用の家屋であること

のいずれかを証明する書面が必要となります。

新築なら

・住宅性能証明書
・建設住宅性能評価書の写し
・長期優良住宅認定通知書の写し及び住宅用家屋証明書(の写し)又は認定長期優良住宅建築証明書
・低炭素建築物新築等計画認定通知書の写し及び住宅用家屋証明書(の写し)又は認定低炭素住宅建築証明書

中古なら

・住宅性能証明書
・既存住宅に係る建設住宅性能評価書の写し

があればOKです。

 

また、この制度は住宅ローン控除に近い条件ですので、金額は低くなりますが中古の購入にも使うことが可能です。

建物の要件ですが(住宅ローン控除とほぼ一緒です)

・床面積50㎡以上240㎡以下で、その床面積の2分の1以上が受贈者(子または孫)の居住の用に供されるもの

・以下のいずれかに該当すること

①建築後使用されていないもの

②築後20年以内(耐火建築物の場合は25年以内)のもの

③耐震基準適合証明書・既存住宅売買瑕疵保険付保証明書・建設住宅性能評価書で耐震等級が1以上と証明されたもの(ただし2年以内に発行されたもの)

 

そしてお金を受け取った方(受贈者)の要件として

①日本国内に住所がある

②贈与者の直系卑属(子ども、または孫のこと)

③贈与を受ける年の1月1日現在で20歳以上

④贈与を受ける年の合計所得金額が2000万円以下

⑤贈与を受けた年の翌年3月15日までに受け取った資金の全額を充てて住宅の新築、取得、増改築を完了すること

⑥贈与を受けた年の翌年3月15日までにその住宅に住むこと

となります。

ここで注意する必要があるのは、⑤と⑥です。

今年中にお金を受け取って建物を新築する場合は、来年の3月15日に完成を間に合わせる必要があります。

ですので、完成が3月15日を超えてしまいそうな場合には、年が明けてから贈与を受けるほうが安全です。

 

相続税の基礎控除が2015年に最少で3600万円まで下がったため、財産を持つ方は相続税の対策に頭を悩ませてきたと思います。

せっかく拡充されたこの機会に、是非ともご利用されることをおすすめします。

 

最後に、私達不動産業者は高額帯の物件がこの非課税措置でまた動き出すのではないかという期待を持っておりますので、これから都内のマンション価格が下がるのではないかと考えているお客様も、諦めずご相談いただければと思います。

カテゴリー:

最終更新日:2019年9月30日
公開日:2019年9月29日

菅野です。

昨日の「住宅ローン控除」のおさらいに続きまして、本日は

 

すまい給付金

 

についておさらいしたいと思います。

 

 

「すまい給付金は、消費税率引上げによる住宅取得者の負担をかなりの程度緩和するために創設した制度です。消費税率8%時は収入額の目安が510万円以下の方を対象に最大30万円、10%時は収入額の目安が775万円以下の方を対象に最大50万円を給付するものです。」

”国土交通省「すまい給付金」サイトより”

 

まず、住宅ローン控除(住宅ローン減税)と比較してみます。

住宅ローン控除は、先日書いたとおり所得が多く税金を払っている方ほどお得になる制度です。

(税金を払っていないと減税も受けられません。)

ぶっちゃけ、中~高所得層のための制度と言っても良いと思います。

 

それに対して、所得はそれほど多くないけど頑張って家を買おうとする方のためにある制度が「すまい給付金」です。

所得が低いほど、マイホームを買ったらお金がもらえる仕組みとなっています。

(結局、金持ち優遇じゃんって言われないように政府が考えたんでしょうね。)

 

ただ、このお金をもらうための物件の条件は、住宅ローン減税に比べて厳しくなっています。

① まず、購入する物件が「宅建業者が売主」であること(REDSなら仲介手数料無料?)

② 建物の登記簿面積が50㎡以上であること(これは住宅ローン減税と一緒)

③ 検査を受けて一定の品質が確認された物件(これが厳しい)

 

③についてですが、以下の条件を満たす必要があります。

 

●新築住宅の場合

1,住宅瑕疵担保責任保険へ加入した住宅

2,建設住宅性能表示を利用する住宅(建設住宅性能評価書というものが発行されます。)

3,住宅瑕疵担保責任保険法人により保険と同等の検査が実施された住宅(保険法人検査実施確認書というものが発行されますが、あまり見ません。)

 

●既存(中古)住宅の場合

1,既存住宅売買瑕疵保険へ加入した住宅

2,既存住宅性能表示制度を利用した住宅で、耐震等級1以上のもの(性能評価のための調査で、耐震等級1を満たさないことが判明したらダメです。)

3,建設後10年以内であって、住宅瑕疵担保責任保険に加入している住宅又は建設住宅性能表示を利用している住宅

 

という条件なのですが通常、販売チラシなどに「すまい給付金対象物件」などと記載がありますので、よく見てみてください。

 

給付対象者については以下の通りです。

1,上記の条件に合致する住宅を買って所有し、そこに住んでいること。

2,目安で年収が775万円以下(これは給付額のところで説明します。)

3,住宅ローンを利用していること(50歳以上で、かつ年収650万円以下であれば住宅ローンを利用しなくとも可)

 

また、給付額について解説します。

給付額は (給付基礎額) × (不動産の持分) で決まります。

 

まず「給付基礎額」は、「都道府県民税」の「所得割額」で決まるんです。(ややこしいでしょ?)

しかも「都道府県民税の所得割額」は、「政令指定都市」に住んでいる場合とそうでない場合とで金額が変わるんです。(さらにややこしい)

関東ですと「さいたま市」「千葉市」「川崎市」「横浜市」「相模原市」が政令指定都市です。

さらにさらに、「神奈川県」は県民税に0.025%付加されるので、また金額が変わります。(もうわからなくなってきました)

 

ということで、給付基礎額の表は以下の通りです。

すまい給付金給付基礎額

年収(収入)はあくまで目安の額です。

これは、所得割額が各種控除の金額で上下するためです。

こちらの所得割額については、市区町村役場にて取得可能な「住民税課税証明書」にて確認できます。

 

この給付基礎額に、不動産の持分を掛けた金額をもらうことができます。

仮に、夫婦が二分の一ずつ共有して夫だけ申請した場合には、給付基礎額の半分しかもらえません。

(夫婦ともに申請してもらえれば、満額になります。)

 

最後に申請方法についてですが、これが用意する書類が多く非常に煩雑です。(ここで断念する人もいるとかいないとか)

申請書は「すまい給付金」サイトにありますが複数書式あり、間違えないように書いていくしかありません。

販売業者によっては申請代行をしてくれるところもありますので利用できれば利用したほうがよいです。(弊社では残念ながら行っておりません。)

物件の引渡し後1年以内(当面の間は1年3ヶ月以内)に申請する必要があります。

 

 

以上がすまい給付金の解説になります。

住宅ローン控除と違い、一般個人からの中古物件購入には使えず、新築やリノベーション物件でも厳しい条件がついてきます。

ですので、かなり利用しにくい制度であることは間違いないのですが、

「厳しい条件」=「優良な住宅」

という意味でもあります。

しかも、なんてったって最大50万円の給付は非常に大きいですよね!

 

次回は、「住宅取得等資金の贈与税の非課税措置」について書きます。

最後までお読みいただきありがとうございます。

カテゴリー:

最終更新日:2021年4月25日
公開日:2019年9月28日

菅野です。

あと3日で、クールビズも終わり、消費税も10%に上がってしまいます。

しかし、住宅の購入に関しては優遇措置が拡充されます。

きちんと勉強して購入すれば、消費税増税前よりお得に購入することが可能となります。

消費税増税前の3日間で、おさらいしていこうと思います。

 

最初は

「住宅ローン控除」

です。

 

まず、早見表を作りました。

住宅ローン控除早見表

この控除対象限度額ですが、住宅が「認定低炭素住宅」または「認定長期優良住宅」の場合は

5000万円

にアップします。ただ、上記の金額は

「消費税課税業者が売主」

の場合となります。

消費税が非課税となる個人から購入した(中古住宅を買った)場合は、控除対象限度額が2000万円、最大控除額が200万円、住民税からの控除限度額は9.75万円(前年課税所得の5%)となります。

 

つまり、住宅ローン控除を最大限に利用しようとすれば、

①年間で所得税を36万3500円以上支払っている方が、

②5000万円以上の「認定長期優良住宅」または「認定低炭素住宅」を

③今年10月から来年末までに、

④35年の住宅ローンを使って買い、

⑤住宅ローン控除の期間終了後に一括返済する。

ということになります。

 

①番については、最大控除額50万円から住民税控除額136,500円を引いた額が363,500円となります。

④番についての解説ですが、住宅ローン控除は「住宅ローンの年末残高の1%」を税金から控除する、という仕組みです。

返していくと残高が減り、控除も減ります。そのため、住宅ローン控除が使える間はできるだけ年末残高が高いほうがお得となります。

短い期間での借り入れは一度の返済額が大きく、残高がどんどん減っていくので、できるだけ長い期間で借り入れするほうが有利です。

⑤番は、住宅ローン控除が使えなくなったタイミングで一括返済することで、それ以降の金利支払いをなくす(減らす)ことができます。

住宅ローン控除が使える間は繰り上げ返済をじっと我慢して貯蓄し、使えなくなったら一気に返す!という方法をおすすめします。

 

いかがでしょうか?

所得税363500円支払っている方は、年収換算で約735万円くらいになります。

(お子さんがたくさんいて扶養控除が多い方は、もっと換算年収は高くなるかと思います。)

なかなか条件をバシッと当てはめられるのは難しいかもしれません。

年収735万円以上か、と思ったかたもいらっしゃるかもしれません。

大丈夫です。

それ以下の方に使える

「すまい給付金」

という仕組みがあります。

次回はこちらをおさらいします。

 

ところで、住宅ローン控除を有利に使うためには「消費税課税業者」から購入することが一つのポイントですが、これはもう一つお得なポイントがあります。

「REDSで購入すると仲介手数料無料になる」

確率が非常に高いということです。

この条件だけでも、百万円単位でお得になることもありますので、最大限の住宅ローン控除をぜひ狙っていってください!

 

カテゴリー:

最終更新日:2019年10月4日
公開日:2019年9月21日

中央防波堤

菅野です。

昨日、こんなニュースがありました。

 

オリンピックの開催を機に、大田区が訴えるかたちで始まったこの裁判ですが、40年以上も争われてきた埋立地の帰属問題に一つの結論が出たということは喜ばしいことです。

まだ、両者ともその結果を受け入れるかどうかという状況ではありますが、控訴した場合にはオリンピックに間に合わなくなるようですので、できたら両者とも矛を収めてほしいと思います。

 

ところで、こういう裁判で確定した境界を調査するために裁判所に行ったことがあります。

私が担当したのは、土地の一部がいわゆる「2項道路」に接道している物件で、セットバック(道路後退)が必要かどうかを役所に調査しに行った際に

「こちらの道路は裁判で確定しているので、裁判所で確認してください。」

と言われ、管轄裁判所の判決を管理する部署に連絡、予約して判決文を確認する、という作業をしてきました。

電話で利害関係人である旨を説明し、必要な書類を用意して、指定の時間に裁判所に行き判決文を見る、という形になりました。

コピーは認められず、メモもだめという厳しい条件でしたが、判決文は簡潔で、こちらの物件側はセットバック済みということが確認できたので、それを重要事項説明で買主側に説明しました。

 

こういった事例はたくさんあるわけではないのですが、注意が必要な物件であると言えるでしょう。

もしかすると道路の中心線で争うような、うるさい土地所有者が近隣にいる可能性があります。

(私の担当した物件は、依頼者の前の所有者が係争し、裁判に負けてセットバックしたという経緯のものでした。ですので周囲の方は関係なく、ご納得のうえ購入いただいております。)

 

埋立地の帰属も、道路のセットバックも、(ちょっと乱暴ではありますが)土地の所有に関する争いとしては似たようなもんです。

土地をできるだけ広く持っていたいという気持ちは皆、一緒なんですよね。

 

10月4日追記

どうやら、江東区、大田区とも控訴しないこととなったようですね。一件落着で良かった!

カテゴリー:

公開日:2019年9月17日

田舎の家

 

菅野です。

訳あって現在、地方の物件の売却のお手伝いをしています。

親族からの依頼で最初、私に売ってもらいたいと言われたのですがお断りし、無償で窓口対応をしている状況です。

 

1.レインズやポータルサイトがほとんど用をなさない。

 

最初、依頼されたときにレインズで近隣事例を確認したところ、ほとんど物件がありません。

いくつか登録されている物件にも、販売図面の登録は全くありません。

1年以内の成約事例もありません。

全く参考にならず、ポータルサイトを見たのですが、これまた物件が少ない!

相場観が全くつかめません。

いろいろ調べてみるとどうやら、その物件の場所は市内では比較的需要高めの地域で、レインズに登録しているのは地元需要がなく広く買い手を募らないといけない場所だ、ということは理解できました。

 

 

 

.調査がたいへん

 

弊社では、東京23区とその隣接地域までを取り扱っておりますが、東京市部や川口市などは調査する役所が比較的広範囲にあり苦労するところです。それでも同じ市内や近隣駅最寄りにあればなんとか1日で調査は済ませることができます。

しかし、地方では建築確認事務を広域で行っていることがほとんどで、この物件についても市外に建築確認を管轄する役所があり、行くのに物件から車で片道1時間ほどかかります。また、他にもたくさん調査する事項がありますが、管轄の部署が広く点在していて非常に大変でした。

 

 

 

.不動産業者が少ない

 

価格相場について直接業者に聞いてみようと思ったのですが、近くにあまり不動産業者はなく、選べる状況ではありませんでした。

夕刻早めでも電話のつながらない業者がいたり、住所をストリートビューでみると一戸建てで営業しているのかどうかわからない業者とか、地主が自分のアパートなどの管理会社と不動産屋を兼ねているとか。

とりあえず、所有者とお付き合いのある業者さんと、比較的大きめな地元企業の関係業者さんにお声がけをしました。

どちらも一般媒介で受けてもらい、現在販売しています。インターネットではほとんど露出がないのですが、なぜか案内はしばしば入るので、どのように集客しているのか今度聞いてみようと思っています。

 

 

やってみると、都内とはかなり勝手が違うので非常に大変です。

価格はもちろん都内ほど高くはないしお客様もたくさんいるわけではないようなので、弊社のような仲介手数料割引(または無料)ではちょっとできない仕事だなあと感じました。

カテゴリー:

公開日:2019年9月12日

菅野です。

先日、痛ましい事件がありました。

 

少子化が進む日本で「子どもの命を守る」ということは、最も大事で最優先でなければならないと考えます。

 

ところで、このニュースの中で

 

 

出水市は「パートナーがいることは個人情報なので突っ込んで聞かなかった。今後の方針を決めるところだったが、当時の対応を検証したい」としています。

 

 

というところがありましたが、この「個人情報」というのはおそらく「プライバシー」のことを指していると思われます。

 

 

 

 

また一方で、こういった事件もありました。

リクルートキャリア(リクナビの運営会社)が「リクナビ2019」を利用している新卒就活生たちの「内定辞退率」を予測した情報を、利用者たちに同意を得ず求人側企業に販売していたという、個人情報の意図的な漏洩事件です。

 

最初、リクナビ側は個人情報ではないなどと抗弁していましたが、明らかな「個人情報」の無断利用にあたり非難が殺到しました。

中にはこんな実害があったそうです。

 

本当にひどい話で、就活のために利用していたサイトのせいで、本人のあずかり知らぬところでこの人は内定辞退しやすい人だと判断されてしまったわけです。

これは、この書類選考で落とされた方と内定辞退率が紐付けされていて「個人と特定される状況」となっているので、「個人情報」を求人企業に提供したことになるのです。

 

 

 

個人情報保護法で定義される「個人情報」とは

 

本人の氏名、生年月日、住所などの記述等により特定の個人を識別できる情報

 

のことです。

 

一方、「プライバシー」とは

 

個人や家庭内の私事・私生活。個人の秘密。また、それが他人から干渉・侵害を受けない権利(デジタル大辞泉より)

 

という意味で、「個人情報」とは若干、意味が違います。

(「昔、浮気して離婚した〇〇さん」とか「▲▲社をクビになった●●さん」のように個人が特定できるのであれば個人情報にあたるので、「個人情報」と「プライバシー」は重なる部分もあります。)

どちらも個人の生活を守るためには重要で、取り扱いに慎重さを要するというところは一緒です。

ただ、個人情報保護法では「個人情報」の取り扱い方を定めていますが、「プライバシー」については明文化されていない、ということを知っておくべきだと思います。

「プライバシー」については、憲法第13条の「幸福追求権」に基づく権利であることが、判例上で認められています。

 

 

冒頭の事件の話に戻りますが、出水市は個人情報もとい「プライバシー」なので突っ込んで聞けなかった、と言っています。

 

日本国憲法第13条

すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。

 

この

「公共の福祉(最も守るべき人権であるところの生存権、言い換えれば、璃愛來ちゃんの命を守るということ)」

のために市は「プライバシー」について突っ込んで聞くべきだったと考えます。

残念です。

カテゴリー:

アーカイブ