菅野 洋充(宅建士・リフォームスタイリスト)
社会に必要とされ人に役立つ企業を目指します
CLOSE
公開日:2020年11月29日
菅野です。
先日、エージェントの井原さんに相談を受けました。
井原「菅野さん、なんかおすすめのWi-Fiルーターってないですか?」
菅野「おお、そうね。TP-LINKのWi-Fi6対応の最新機種は爆速でヤバイらしいよ!IPV6…」
井原「いやー、そういうごっついのはいらないんですわ。」
菅野「そういえば、井原君は一人暮らしだっけ?それなら、新しければなんでもいいんじゃない?」
井原「それが、非常に遅いんですよ。ルーターが古いからだと思って、替えようと思うんです。」
菅野「そう、でも一人で使うレベルなら、買い替えてもそんなに変わらんかもしれないよ。」
井原「そうなんですか?」
菅野「マンションのインターネット回線が遅い可能性もあるんじゃない?」
井原「ああ、もともと最初から込みで入ってるネット回線で、100M共有なんです。」
菅野「それが原因だよ。いくら低圧用のシャワーヘッドに変えても、水圧が極端に低けりゃどうにもならないのと一緒だよ。」
井原「管理会社に言ってるんですが、全然変わらないんですよね!」
という相談で、結論としては「引っ越すしかない」という感じでした。
2000年台前半から2010年台にかけて、マンション全体で常時接続インターネット回線(FTTH)を引き、管理費に組み込むスキームが流行しました。
そのころは「インターネットの契約をいちいちしなくてもすぐに繋がって便利」と考える人が多かったのは事実です。
しかし、このコロナ禍でテレワークが普及し、インターネット回線の使用頻度が上がってきています。
また「YouTube」は言うに及ばず「AmazonPrimeVideo」「Netflix」「Hulu」などの定額大容量動画配信サービスを利用する方も増え、回線の容量というものが建築当時に比べ、非常に重要な要素となってきています。
先ほどの井原さんのマンションですが「100M共有」という仕組みだそうです。
これは回線容量100Mbpsを32世帯で共有するという形で、実際に全戸が利用してた場合には最大「100/32」Mbpsまで速度が落ちます。
また、現在のインターネットプロトコルはIPV4という方式を利用していますが、これが速度遅延の原因となることが分かっています。
(IPV4 IPアドレス枯渇問題)
詳しくは上記リンクをご覧いただければと思いますが、IPアドレスが枯渇してしまった所為で「プライベートアドレス」という仕組みが使われています。
これは上記の100M共有と同じような仕組みで、それがISP(プロバイダ)でも行われ、ISPの回線が混むとそこから遅くなっていく、という事態になってしまいます。
こんな感じになってます。枝分かれがすごく、これではスピードはどんどん下がっていってしまいます。
この「IPアドレス枯渇問題」を解決するのがインターネットプロトコルヴァージョン6、いわゆる「IPV6」だといわれています。
ただ、マンション全体でインターネット回線を導入しているマンションで、プロバイダが指定されているものも多く、そのプロバイダが「IPV6」に対応していない場合は利用できません。
(IPV6を利用する場合には、終端装置やルーターがIPV6に対応しているものを利用しなければなりません。また、IPV4とIPV6の互換性がないため、別の問題がおこる可能性があります。詳しくはご利用のプロバイダ、回線業者にご確認ください。)
ということで、マンションを検討する際には、これからは「インターネット回線」についての調査も重要です。
特に購入される方は気をつけてください。買ってから「ネット遅い!」と思っても遅い場合もあるのです。
公開日:2020年11月21日
菅野です。
今週は、新型コロナウイルス感染症の各地の感染者数が毎日、過去最高を更新しています。
このコロナ「第3波」の影響で、gotoキャンペーンの一時中断が検討される事態となり、一時回復へ向かった経済への深刻な打撃が懸念されます。
そんな中で、首都圏の不動産価格はどのように推移するのでしょうか。
直近で注目した2つのデータがあります。
こちらは全宅連加入の宅建業者から今後の不動産の動向予想について回答を得た内容のデータです。
それによると、土地の価格動向について、調査した10月現在の状況は7割が「横ばい」という回答で、「上昇している」という回答(11%)と「下落している」という回答(18%)との差は大きくありません。
しかし、3カ月後の来年1月の予想は、上昇するという回答は非常に少なく、横ばいが6割に減り、下落するという予想が3割に増えています。
かなり悲観的に傾いていまして、しかもこれは第3波流行前の10月に調査した結果であることに驚きます。
こちらのデータは(一社)土地総合研究所による、不動産業者(デベロッパー・仲介業者・ビル賃貸業者)の経営状況についてのアンケートデータです。
前回調査の7月が非常に悪かったのですが、それに比べると改善傾向はあるものの、依然として業況は「悪い」に傾いています。
特に「ビル賃貸業」の悪化が顕著で、前回「良い」に傾いていたものが、急激に「悪い」に傾いています。
これも、第3波前の10月調査案件です。
上記から考えると、この後の状況は間違いなく悪化していく方向だと思われ、不動産の価格については、良くて「横這い」、そのまま推移するとほぼ下落方向に向かうのではないかと予想されます。
このまま新型コロナウイルス感染症の流行が拡大し続ければ、来年に延期したはずのオリンピックの開催も危ういです。
そうなれば、来年の経済は暗黒です。
不動産の価格だけ上昇や横這い、というわけにはいかないだろうと思われますが、皆さんはどうお考えになりますでしょうか。
公開日:2020年11月12日
菅野です。
この度
「ITを活用した重要事項説明に係る社会実験」
にREDSが参加することになりました。
実施準備ができ次第、アナウンスさせていただきます。
あくまでも社会実験ではありますが、このコロナ禍のなかでは対面での重要事項説明を必須とするという宅建業法はナンセンスであろうと皆、思っていることでしょうから、こういった非対面で行えるようになることは喜ばしいことです。
ただ、「やはり対面でないと不十分だ」などと言われるような重要事項説明ではいけません。
面前で行うのと変わらないクオリティの重要事項説明をおこなうことが求められます。
IT重説を行う際の必要事項として、国交省からガイドラインが発表されており、実験参加者はそれを遵守して行います。
また、IT重説直後、および実施3か月後に売主、買主、宅建士がそれぞれ国交省のアンケートに答えることを求められています。
ご参加者の皆様には、ご協力をお願いいたします。
そして、実施状況について定期的に国交省へ報告を行い、またトラブルがあった際には随時、報告を行うことも義務付けられています。
首都圏のみの営業となっている弊社では、機会はそう多くはないかもしれませんが、お客様からのご要望がございましたら、速やかに対応できるよう準備してまいります。
公開日:2020年11月2日
菅野です。
先週の日経の記事です。
住宅ローン減税特例、2年延長へ 22年入居まで、財務・国交省調整 小規模物件も検討
こちらの記事によると、
住宅ローン減税は、住宅の床面積「50平方メートル以上」を要件としている。政府はこの面積要件も緩和し、より小さな物件でも対象に含める案を検討する。
とあります。
どこまで緩和するかは今後の協議となるでしょうが、40㎡くらいまで緩和されるのではないかというのが関係筋の予測のようです。
ただ、今まで各地方自治体で「ワンルーム規制」をするための建築基準の厳格化を進めてきたことに矛盾するような気もいたします。
また、住宅ローン減税の期間が消費税増税後に延長されましたが、それも引き続き行っていくそうです。
住宅業界への景気対策だそうですが、金融庁の変な締め付けを減らすことのほうが、住宅業界への景気対策となりうる気がしますが、いかがなもんでしょうか。
銀行業界全体の「羹に懲りて膾を吹く」風潮もなんとかしてほしいと思いますが、この低金利で住宅ローンなんかやってらんねぇ、という銀行もしばしば見受けられるようで、なかなか厳しいな、という感じです。
政府はいろいろやりたがりですが、規制緩和して自由な取引を推進し、その中でルール違反は厳しく罰する、ということをやってくれさえすればいいのになあ、と思ってしまいます。