住宅ローンの事前審査とはPREJUDGING FOR MORTCAGE LOANS

住宅ローンの事前審査とは、買主が不動産を購入するために住宅ローンなどの融資を受けたい場合に事前に行われる審査のことです。売買契約 を締結する前に、借り入れができるかを金融機関に確認する手続きを行います。

売買契約の成立後、借りるつもりでいた融資が下りないとなると、売主・買主および関係者全員にとって不利益となるおそれがあります。そのため、事前に金融機関に よる仮審査を行うのです。

住宅ローン事前審査の必要書類

住宅ローンの事前審査は、金融機関に用意されている申込書に必要事項を記入し押印のうえ、必要に応じて以下の書類を提出します。条件により追加の書類が発生する場合もあります。

  • 01本人確認書類(顔写真付)

    本人確認書類(顔写真付)運転免許証、パスポート等公的証明書の写し

  • 02収入を証明する書類

    直近1年分の源泉徴収票(給与所得者)、直近3年分の確定申告書の写し(給与所得者以外の者及び法人事業主等の確定申告者)

  • 03勤続年数が確認できるもの

    健康保険証の写し等

  • 04物件資料

    物件概要、所在地、価格等が分かる資料、登記簿謄本(土地・建物)

基本的に金融機関では「これくらいの価格の物件を購入すると仮定して、融資はいくらくらい受けられるか」といった審査は行いません。

物件の担保評価と、本人の信用度を総合して融資の結果を出すため、申し込む物件を特定する必要があります。そのため事前審査は、購入したい物件が見つかり、購入意思を決めたタイミングで申し込むのが一般的です。

希望する借入額を決めて、その額の借り入れが可能かの審査を申し込みます。本審査で頭金を増やし、融資額を減らすことは可能ですが、融資額を事前審査の後から増やすときには、再審査となりますので、注意が必要です。

書類の不備や、追加があった場合などを除き、2日~1週間程度で返答がもらえるのが一般的です。早いときは、当日に結果が出ることもあります。

事前承認が下りたら売買契約を締結して、本審査に進みます。事前審査で承認が下りれば、おおよそ本審査も通ると考えて良いでしょう。(※フラット35を除く。)

自営業者の審査は比較的厳しめ

自営業者(給与所得者以外の者)や法人事業者(会社の役員)は、直近3年間の個人および法人の所得の状況も合わせて判断されるのが通常です。一部の金融機関では、直近3年間のうち一度でも赤字決算があると、否決になることもあります。前年の年収ベースで審査される給与所得者と比較すると、どうしても審査が厳しくなります。このような場合は前年の年収や所得証明だけで良いフラット35や、柔軟性のある他の金融機関をあたってみましょう。

カードローンやキャッシング、借金の経験がある人は注意

住宅ローンの審査では、信用情報機関に蓄積されている「個人信用情報」(以下、個信)が必ず照会されます。他の借り入れや、消費者金融などの借り入れがある人、キャッシングで延滞をしたことがある人は、この個信に履歴が残り、審査が通らなくなる可能性があります。

中でも、3カ月以上の延滞は事故情報として登録されるため、保有期間が過ぎて削除されるまでは、ほとんどの金融機関で融資申込が拒否されてしまいます。これは俗に言う「ブラックリスト」に載ってしまうためです。延滞は5年程度、自己破産などの官報の情報は10年程度の保有期間とされています。

現在借り入れがある場合は、完済できるのであれば先に完済するか、解約をするなどの整理をしておきましょう。完済証明書を提出することを条件に審査を通過した、というケースもあります。

また、借り入れや延滞がある場合は、事前審査の段階で「隠さず正直に話すこと」が重要です。

※学生時代の奨学金については、審査に影響しない場合が多いようですが、延滞がある場合はその限りではありません。担当者に相談しましょう。

住宅ローンの事前審査に落ちた場合、やみくもに繰り返さない方が賢明

1つの金融機関が否決となった場合は、条件を変えて別の金融機関に審査を申し込みます。個信に金融機関の照会→審査→否決の履歴が複数あると、次の審査で照会されたときの心証が良くありません。

むやみに申し込むのではなく、条件を確認し、目星を付けたうえで申し込みをする方が賢明です。

事前審査は、銀行などの金融機関の窓口や、インターネットでも受け付けています。不動産会社と提携のある金融機関を利用する場合は、営業担当者が手続きを代行してくれます。その場合は、「融資条件が自分にとって本当に魅力的か」を確認したうえで申し込みに進みましょう。

ただし、インターネットでの事前審査は、事前審査で承認となっても、本審査で減額されたり、否決となったりすることもあるため、注意が必要です。昨今は史上最低水準ともいわれる低金利で金融機関の競争も激しくなってきています。

事前審査で承認が下りても、必ずしもその金融機関で借り入れをしなくてはならないということではありません。検討したい金融機関が複数あるなら申し込みをして、金利や諸条件を比較してみてもよいでしょう。納得いくまで情報収集をして、より良い融資条件で住宅ローンを組んでください。

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