数ある職業のうち、公務員は住宅ローンを組むメリットが意外と大きいことをご存知でしょうか。公務員であれば官舎がある場合が多くそもそも家を買う必要がないし、しかもまとまった金額が見込める退職金で購入すればいい、という考え方もあります。今回はそんな考えをお持ちの公務員の方に向けて、あえて家を買うメリットを説明したいと思います。

 

公務員住宅ローン
(写真はイメージです。本文の内容とは関係がありません。)

 

公務員の属性の高さを生かすには

 

金融や不動産の業界では、「属性が高い」という言葉があります。「属性が高い」とは、長期間継続して返済が発生する住宅ローンでも返済が滞るリスクが少ないということです。

 

一般企業との違いは

 

具体的にどんな部分が安定しているのでしょう。それはズバリ、雇用、給与体系、身分保証の3点です。

 

雇用

 

「公務員、遅れず、休まず、働かず」という言葉がありますが、これは公務員の雇用の「安定性の高さ」を指しており、犯罪行為や業務上大きなミスをしたといった特殊なケースを除けば、解雇されることはありません。また自己都合で退職することがなければ、一生涯安泰といってもいいでしょう。

 

給与体系

 

一般企業と異なり、景気や業績に左右されることなく、一定の月給を受け取ることができます。総務省によると、平成28年の平均給与月額は、地方公務員で33万2,609円、国家公務員でも34万1,323円と、低いわけではありませんが、とびぬけて高いというわけではありません。しかし、その額を継続して受け取れるというのが前述の「属性の高さ」となります。

 

また、退職金も勤続年数や業種などで定められた規定の額が受取れます。近年は退職金の額は低く見直されてきているようですが、それでも確実に受け取れるのは大きな安心です。

 

身分保証

 

各種制度が充実し、固い身分保障がされているのも公務員の強みです。公務員ならではの休暇制度として、例えば育児休業があります。育児休業は民間企業だと現在のところ原則1年間ですが、公務員ならば希望すれば3年に延長可能です。また、病気休暇制度も手厚く、原則90日まで給与が満額支給されます。

 

その後は病気休職に切り替えれば最長3年間まで取得できます。病気休職は1年間は給与の80%受給できる制度です。1年経過後は支給停止となりますが、「公務員」という身分は保証されるのです。民間での雇用が不安定なご時世ですから、無職になるリスクが小さいのは魅力でしょう。

 

持ち家のメリットとは

 

ここまで、公務員の属性を高さについてお伝えしてきましたが、そもそも持ち家に興味がないという方もいるでしょう。確かに、しっかりお金を用意して一生賃貸暮らしをする、という選択肢も可能です。しかし、高齢になってから物件を探す場合、孤独死や介護への懸念から、貸す側としては躊躇するためなかなか見つからない可能性もあります。

 

持ち家ならば、資産として保有できますので、将来的に転売したり、子供に引き継がせることも可能です。立地に気を付ける必要はありますし、転売や換金に手間はかかりますが、持ち家を検討してみる価値はある、と考えます。

 

住宅ローンに懐疑的なときは?

 

住宅ローンを組むのは金融機関に借金をするということです。そのため、住宅に興味はあるが借金をしてまで持ち家をもつメリットはないと考える方もいるかもしれません。例えば「退職までは官舎に住み、退職金で家を購入」という手ならば、住宅ローンを組むことなく持ち家を取得することは確かにできます。

 

しかし、将来的に購入を考えているならば、購入するタイミングは低金利の今を選ぶ方がいいと思います。住宅ローンを組むメリットを見ていきましょう。

 

住宅ローンを組むメリット3

 

【メリット1 金利】

 

現在は低金利時代のため、利息がかなり抑えられます。そのため資金が豊富な人でも現金を温存し、一括払いを避けてローンを組む傾向にあります。適用金利は審査によって決まるため、公表金利と実際の融資金利が異なることも多いです。しかし公務員のように属性が高い場合は、最優遇金利を受けられる可能性が大きいのです。

 

審査による金利幅はどの程度なのでしょうか? 大手銀行の金利をご紹介します。

 

【例1:みずほ銀行・全期間重視プラン】 (2017年2月中旬 筆者調べ)

 

金利方式 適用期間 金利幅
変動金利 0.600% ~ 1.075%
固定金利選択 固定2年 0.725% ~ 1.20%
固定3年
固定5年
固定10年 0.825% ~ 1.30%
固定15年 1.075% ~ 1.55%

 

参照:みずほ銀行HP

 

【例2:三菱東京UFJ銀行・3年固定金利】 (2017年2月中旬 筆者調べ)

 

金利方式 適用期間 当初3年間金利 4年目以降店頭表示金利からの引き下げ幅
固定金利選択 固定3年 0.60% マイナス1.8%~マイナス1.85%

 

参照:三菱東京UFJ銀行HP

 

【例3:りそな銀行・当初金利引き下げタイプ】 (2017年2月中旬 筆者調べ)

 

当初設定した固定期間の金利が特に引き下げられるタイプです。

 

当初引下げ率
マイナス2.0%~マイナス2.2%

 

参照:りそな銀行HP

 

例を3つ挙げましたが、適用金利も引き下げ金利もともに幅があることがわかります。より低い金利が適用できれば、その恩恵を目いっぱい受けることができますね。

 

【メリット2 さまざまな特例】

 

現在は住宅購入の際にさまざまな優遇が受けられます。税制面では住宅ローン控除や新築住宅における固定資産税の特例がありますので、順に見ていきましょう。

 

住宅ローン控除

 

年末の住宅ローンの残高の1%が所得税から控除できます。特筆すべきは、控除率が住宅ローン金利よりも高いことです。納付する所得税額以上のものは還付できませんし、購入年度による上限はありますが、場合によっては利息以上の還付が可能です。なお、所得税で控除しきれない分は住民税からも一部控除できます。

 

住宅ローン控除は夫婦で住宅ローンを組んだときは夫婦で受けることができるのも大きなメリットですね。

 

新築住宅の固定資産税の特例

 

新築住宅を購入したときは、住宅の性能により5年から7年程度は住宅の固定資産税が半額になるという特例です。

 

住まい給付金

 

住宅ローン控除に比べると知名度が低いかもしれませんが、「住まい給付金」も忘れないようにしたいです。消費税の引き上げによる負担を軽減するために、現金で給付されます。所得により給付額は異なりますが、消費税率8%ならば、収入目安が510万円以下の世帯で最大で30万円が受給できるのです。

 

【メリット3 退職金を残せる】

 

公務員の場合、高額の退職金を確実にもらうことができます。その退職金を温存できれば老後の大きな安心です。もちろん、住宅ローンで大きな借り入れをしてしまえば定年時に退職金を切り崩すこともあるでしょうし、住宅ローンが残りわずかでも新たにリフォーム資金が必要になることもあるかもしれません。しかし、退職時点で新規購入するよりも金額は小さくて済むでしょう。

 

住宅購入の注意点

 

公務員にとってメリットが多い住宅購入ですが、注意点もあります。これはどの職業の方が購入する場合でも同じなのですが、自宅を購入するとなると諸経費もかかります。火災保険や固定資産税といった固定費が発生するのです。固定資産税は毎年納税通知書が送られてきますが、火災保険は自分で選択可能ですので補償範囲や払込み期間を吟味したいです。

 

また、住宅に対するリスクもあります。近年日本では災害が多発傾向にあります。火災保険だけでなく地震保険で災害リスクを少しでも軽減させたいです。

 

まとめ

 

公務員は、雇用や給与水準が安定しているので返済計画が立てやすく、長期返済の住宅ローンに向いています。現在は低金利であり、住宅ローン控除も受けることができるでしょう。将来的に購入する計画があるのであれば、早めに動かれた方がよいのではないでしょうか。

 

参考
地方公務員の育児休業等に関する法律
平成28年地方公務員給与実態調査結果等の概要 |総務省
相談室 病気休暇の取得について|大阪府
国家公務員宿舎使用料の見直しについて|総務省

 

横山晴美(ライフプラン応援事務所代表)
2013年にFPとして独立。企業に所属せず、中立・公平の立場で活動する。新規購入・リフォーム・二世帯住宅を問わず、家に関することなら購入額から返済計画まで幅広く対応。(AFP FP2級技能士 住宅ローンアドバイザー)

 

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