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菅野 洋充(宅建士・リフォームスタイリスト)

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公開日:2023年10月16日

REDSエージェント、宅建士・宅建マイスターの菅野です。今回は一戸建ての外壁材について調べてみました。

私の家は昭和末期建築の一戸建てで、外壁はモルタルの吹付タイル仕上げです。最近、ふと家の外壁を見上げたら出窓の下に雨筋汚れがくっきり見え、そろそろ2度目の塗り替えを検討するしかないか、と考えています。

最近の一戸建てはサイディングの外壁が一般的ですが、外壁材はいろいろな種類のものがあります。それぞれについて利点と欠点がありますので、一つずつ解説していきます。

外壁

モルタル塗り

モルタル塗り仕上げとは、外壁や内壁にセメントを主成分とするモルタルを塗布することで、その表面を仕上げる方法です。モルタルはセメント、砂、水などを混合して作られる建築材料であり、これを適切な厚さで塗布して固化させることで、壁の仕上げ面を形成します。適切な施工とメンテナンスが行われれば、モルタル塗り仕上げは非常に長持ちする耐久的な外壁仕上げとなります。

モルタル塗りのメリット

・非常に頑丈な材料であり、適切に施工されたモルタル塗りの壁は、長期間にわたってその性能を保持します。
・自然な風合いと質感を持ち、さまざまなデザインや質感の演出が可能です。
・サイディングのような継ぎ目やコーキングなどがなく劣化しにくいのもメリットです。

モルタル塗りのデメリット

・手作業で行われることが多いため、施工者の技術や経験によって仕上がりの品質が変わることがあります。そして、そもそも左官職人が近年ではだいぶ減ってきており、施工できる人が少なくなってきています。
・ひび割れが生じやすいというのが最大の欠点です。地盤沈下や建物の動き、モルタルの収縮などの原因で、ひび割れが生じる可能性があります。
・比較的重たい材料であるため、建物の構造や基礎に負荷がかかります。

タイル張り

タイル張りとは、焼き物や天然石を利用したタイルを壁材として貼り付けていく施工方法です。タイル張りは技術を要する作業であり、専門的な技能や経験を持つ職人が必要です。タイル張りの外壁は、その美観と耐久性から多くの建物で選ばれていますが、施工やメンテナンスに関しては高い技術が求められます。

タイル張りのメリット

・タイルや石材は上品で高級な印象を与えます。
・非常に耐久性が高く、天候や時間の経過による劣化がそれほどありません。
・汚れにくく、また汚れがついても清掃が容易であるため、長期的なメンテナンスコストは比較的低めです。
・非燃性であり、防火性があります。
・多種多様なデザイン、色、質感があり、建物の外観をカスタマイズすることができます。

タイル張りのデメリット

・タイルや石材、およびそれらを施工するための技術や材料は比較的高価であり、初期投資が高くなる傾向があります。
・重量があるため建物の構造や基礎に適切な対応が必要となります。特に既存の建物に後からタイルを張る場合、構造的な強化が必要な場合があります。
・タイル張りは技術を要する作業であり、専門的な技能や経験を持つ職人が必要です。
・地震や建物の沈下などの影響で、タイルにひび割れや剥がれが生じる可能性があります。

サイディング

サイディングは板状の外壁材で、組み合わせながら外壁に貼っていくものです。サイディングはその素材や製造方法により、以下のようなものがあります。

・窯業系サイディング
・金属系サイディング
・樹脂系サイディング
・木質系サイディング

それぞれについて見ていきます。

窯業系サイディング

窯業系サイディングとは、セメントに木質の繊維質を混ぜ板状に形成した外壁材で、窯で高熱にして仕上げるため“窯業系”と呼ばれます。サイディングのシェア約7割が窯業系サイディングです。圧倒的な使用率のため、さまざまな色や模様の商品が開発されています。窯業系サイディングは、その圧倒的シェアとデザイン、経済的な選択で多くの建物で利用されていますが、メンテナンスに関しては適切な頻度での施工が求められます。

窯業系サイディングのメリット

・色やデザインのバリエーションが非常に多く、多種多様な好みに対応できます。
・比較的安価です。
・施工期間が短く済み、施工できる業者もたくさんあります。
・セメントを利用しているので耐火性に優れています。

窯業系サイディングのデメリット

・セメントを利用しているため重量があります。
・メンテナンス頻度多めです。素材はセメントで吸水性があるため定期的な塗装が必要。またサイディングの継ぎ目にシーリングが必要なため、シーリングの充填も5~10年ごとに必要です。
・セメントに熱を蓄積しやすい性質があるため、夏は夜まで暑くなりがちです。

金属系サイディング

屋根にも使用されるガルバリウム鋼板やステンレス鋼板を使用したサイディングで、実は芯材に断熱材を使用しています。そのデザイン性と耐久性からモダンな注文建築で多く利用されていますが、使用する地域や環境、建物の用途などによって適切な材料や処理を選択することが重要です。

金属系サイディングのメリット

・断熱性が高い:金属だけだと熱伝導率は高いと考えがちですが、金属系サイディングは芯材に断熱材を使用しており、しかも裏材にアルミラミネートが施された金属系サイディングは高い断熱性能を誇ります。
・軽い:窯業系に比べて軽量で、建物の耐震性にも大きく寄与します。
・モダンな見た目:これは好みですが、シンプルで現代的な外観となります。
・防水性があり凍害に強い:金属は水を吸わないため寒冷地の凍害対策としても有効です。

金属サイディングのデメリット

・錆びる、塩害に弱い:金属ですので、劣化すると錆びが発生しやすくなります。また、海の近くなどでは塩害の影響を受けやすいデメリットがあります。
・傷がつきやすい、へこみやすい:台風などで飛んできた石などで傷が簡単についてしまったりする欠点があります。塗装に傷がつくと、そこが錆びの原因となります。また、衝撃でへこみやすく、子供が壁に体当たりした跡がついてしまったりします。
・ちょっと高い:普及率がそれほど高くなく、単価も窯業系に比べると1.5倍くらいの費用感となります。

樹脂系サイディング

塩化ビニル樹脂を使用したサイディングです。アメリカでは広く普及していますが、日本ではかなりマイナーなサイディングです。樹脂系サイディングは、その軽さや耐候性、メンテナンスコストの面での利点がある一方で、少ない施工業者、デザイン性への考慮が必要です。ほぼフリーメンテナンスのため、業界であえて普及させないようにしているのでは?と穿った見方もしてしまいがちな感じです。

樹脂系サイディングのメリット

・とにかく軽い!重量が窯業系の約10分の1だそうで、耐震性に大きく寄与します
・シーリングが不要なのでシーリングのメンテナンスも不要です
・塗装が不要なので塗装のメンテナンスも不要です
・樹脂自体に色がついているので色落ちしにくい
・吸水性がないので凍害にも強い
・塩化ビニルは不燃材なので耐火性も問題なし

樹脂系サイディングのデメリット

・全然普及していないので、扱っている業者が少ない
・全然普及していないので、選べる商品が少なくデザイン性に劣る
・全然普及していないので、施工費用が高くなりがち

木質系サイディング

木を使ったサイディングです。見た目は一番かっこよいです(個人の意見です)。その美観と温かみが魅力ですが、長期的なメンテナンスや耐久性の問題を考慮する必要があります。

木質系サイディングのメリット

・木質系サイディングは天然の木の質感を持っており、温かみと独特の風合いが得られます。この自然な外観は、多くの人々に愛されています
・木材の外壁は、高級な印象を与え、建物の価値を向上させる効果が期待できます
・木は再生可能な資源であり、適切に管理された森林からの木材を使用することで、環境にやさしいサスティナブルな選択となります
・木は良好な断熱性を持っており、冬は暖かく夏は涼しい室内環境を維持するのに役立ちます

木質系サイディングのデメリット

・木質系サイディングは、他のサイディング材料に比べてメンテナンスが頻繁に必要です
・湿気や紫外線、虫害などの外部要因に影響を受けやすく、長期的には劣化が進む可能性があります
・高品質な木材や、防腐・耐候性を向上させるための特別な処理が施された木質系サイディングは高額です
・燃えやすいので防火地域、準防火地域はおろか法22条区域でも利用できない可能性があります

まとめ

他にもALCとか石造り?とかもありますが、一般的でないので割愛します。自分がもし家を建てるとしたら、金属系サイディングか樹脂系サイディングを使ってみたいな、と思いました。近々、当社の工事課松本課長に相談して、自宅の外壁メンテナンスをしようと思います。その様子についても報告できたらよいなと思っております。

 

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