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菅野 洋充(宅建士・リフォームスタイリスト)

社会に必要とされ人に役立つ企業を目指します

4.9

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公開日:2020年2月7日

菅野です。

以前、このような記事を書きました。

住宅ローンの不正利用(フラット35を利用した不正融資)について

基本的に住宅ローンを投資に利用することは出来ないのですが、やっている人はかなり多くいたようです。

 

このフラット35を利用した投資を持ち掛け、詐欺まがいに買わせる悪徳業者が多数、横行していたようです。

今年2月4日の日経の記事です。

住宅機構、一括返済を要求 「フラット35」不正で

記事には、悪徳業者の不正(というよりほとんど詐欺)の手口が以下のように書かれています。

 

 

(以下、記事引用)

不動産業者から問題ないと言われ、フラット35を使って投資目的で東京・足立のマンションを約1800万円で買った埼玉県の20代男性は、契約時に計900万円強の架空のリフォームや家具購入の融資契約も結ばされた。信販大手2社への融資申込書には男性のものではない印鑑が押されていたという。

所有者から物件を借りて転貸するサブリース業者による家賃保証額も一方的に切り下げられているという。代理人を務める東京八丁堀法律事務所(東京・港)の白石紘一弁護士は「一貫して業者グループにだまされており非常に悪質。契約の無効を主張するほか、業者グループの不法行為責任も追及する」と話す。

(以上、引用終わり)

 

 

こちらは、2月5日のダイヤモンド不動産研究所の記事です。

フラット35を投資目的で不正利用した人の末路は? 一括返済できないと競売後に借金が残るケースも

この記事に、この不正がどのように広まったかを探るヒントがありました。

 

(以下、記事引用)

2009年に施行された、「中小企業者等に対する金融の円滑化を図るための臨時措置に関する法律」(返済猶予法)後に、返済が苦しくなったときには賃貸住宅に回して、賃料で返済することを認める措置が実施されたことがある。
この法律は2013年に期限切れになっているが、現在も、返済が苦しい場合には、機構は個別に返済相談に応じている。

(以上、引用終わり)

 

リーマンショック後の時限立法だったいわゆる「中小企業金融円滑化法」が、実はこのフラット不正が広がる始まりだったようです。

この記事にもあるように、この法律は2013年に期限切れとなっているのですが、皆そのままやっちゃっていた、というよりエスカレートしていった、というのが今回の事件の概要かなと思っています。

 

おおっぴらには言わないものの、昔から住宅ローンを利用して買った物件を賃貸に回すということは普通に行われていました。

よくある不正で、しかもかなりしっかり調べないとわからないし、転勤留守宅の賃貸(リロケーション)なんてことも「やむを得ない事情」ということで黙認されていたんです。

しかし、昨今ではあからさまに「フラット35を利用した資産運用」などと吹聴する輩が出てきて、挙句の果てには悪徳不動産業者がさも当然のように不正利用し、被害を受ける人たちがたくさん出てきたものだから、このたび規制というか厳格運用されるに至ったわけです。

 

この規制により迷惑するのは、普通に正しくやってきた人たちになります。

新たにマイホームを買おうとする人、そしてそれを売る普通の不動産業者です。

おそらく、今後はフラット35の申込手続きは煩雑化し、審査期間は長くなるでしょう。

まじめにやってきている人たちが迷惑を被るんです。本当に、許せません。

(許せないのは悪徳業者です。)

 

一括返済を求められている人で、悪徳業者の被害にあっている方はきちんと弁護士さんに相談し、業者に損害賠償請求すべきだと思います。

ただ、昨今の風潮で自分からフラット不正に手を出した方たちは、然るべき報いを受けるのは致し方ないのかな、と思います。

 

 

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公開日:2019年10月11日

菅野です。

史上最大級ともいわれる台風19号「ハギビス」が日本に迫ってまいりました。

10月12日土曜日から13日日曜日にかけて、関東を縦断しそうな状況です。

せっかくの3連休が台無しで大変残念ですが、皆様におかれましては不要不急の外出はぜひ避けていただくようお願いいたします。

弊社【REDS】スタッフ一同、物件をご案内したい気持ちは大きくございますが、12日土曜日は鉄道の計画運休がお昼頃からなされるようで、お客様も私たちも帰れなくなってしまう可能性が高い状況です。

ご無理をなさらないようにご検討いただけましたら幸いです。

 

10月11日17時現在でのアナウンス一覧です。

 

JR東日本

運行情報

JR東日本のサイトアナウンスによると、やはり計画運休となるとのこと。

以下、プレスリリースより

<10 月12 日の運転計画>
【首都圏在来線】
○運転を取りやめる線区・区間
・終日運転見合わせ
湘南新宿ライン、上野東京ライン(上野~東京間)、久留里線
・9 時頃運転を取りやめる線区
伊東線
・10 時頃運転を取りやめる線区
東海道線、横須賀線、京葉線、中央本線(高尾~小淵沢間)、相模線、総武本線(佐倉~銚子間)、
成田線(我孫子~成田間、成田~銚子間)、内房線(君津~安房鴨川間)、外房線(上総一ノ宮
~安房鴨川間)、東金線、鹿島線
・11 時頃運転を取りやめる線区
横浜線、青梅線(青梅~奥多摩間)、八高線
・12 時頃運転を取りやめる線区
京浜東北・根岸線、中央線(快速)、中央・総武線(各駅停車)、総武快速線、埼京線、川越線、
宇都宮線、高崎線、武蔵野線、総武本線・成田線(千葉~成田空港間)、常磐線(快速)、常磐
線(各駅停車)、常磐線(取手~水戸間)、青梅線(立川~青梅間)、内房線(千葉~君津間)、
外房線(千葉~上総一ノ宮間)、烏山線、吾妻線
・13 時頃運転を取りやめる線区
山手線、南武線、鶴見線、五日市線、両毛線、上越線、信越線、常磐線(水戸~いわき間)、
水戸線、水郡線、日光線

○運転を取りやめる首都圏特急列車
東海道線特急「スーパービュー踊り子」「踊り子」・・・全列車
中央線特急「あずさ」「かいじ」・・・全列車
常磐線特急「ひたち」「ときわ」・・・全列車
特急「わかしお」「しおさい」「新宿さざなみ」「新宿わかしお」…全列車
特急「日光」「きぬがわ」「スペーシアきぬがわ」…全列車
特急「草津」「あかぎ」・・・全列車
特急「成田エクスプレス」・・・東京発11 時03 分以降、成田空港発12 時20 分以降

とのこと。また新幹線も11 時以降本数を減らして運転し、早めに運休となるようです。

なお、最終列車は以下のとおり、

○東北新幹線
≪下り≫ 東京発仙台行 12 時12 分発 やまびこ209 号
東京発盛岡行 12 時36 分発 やまびこ51 号
東京発新函館北斗行 13 時20 分発 はやぶさ23 号
≪上り≫ 新函館北斗発東京行 9 時35 分発 はやぶさ16 号
新青森発東京行 11 時15 分発 はやぶさ52 号
盛岡発東京行 11 時07 分発 やまびこ44 号
○秋田新幹線
≪下り≫ 東京発秋田行 13 時20 分発 こまち23 号
≪上り≫ 秋田発東京行 10 時07 分発 こまち16 号
〇山形新幹線
≪下り≫ 東京発新庄行 12 時00 分発 つばさ137 号
≪上り≫ 新庄発東京行 9 時16 分発 つばさ136 号
山形発東京行 10 時57 分発 つばさ138 号
〇上越新幹線
≪下り≫ 東京発新潟行 12 時40 分発 Max とき321 号
≪上り≫ 新潟発東京行 11 時19 分発 とき318 号
〇北陸新幹線(東京~長野間運転取りやめ)
≪下り≫ 東京発長野行 12 時32 分発 あさま639 号
東京発金沢行 13 時24 分発 はくたか565 号
≪上り≫ 金沢発東京行 11 時45 分発 かがやき528 号
長野発東京行 12 時27 分発 あさま616 号

と、午後遅い時間にはどの路線も動いていないようです。

 

 

 

東京メトロ

台風接近に伴う東京メトロ線の運行について

東京メトロは、意地でも地下から出ない、という意気込みを感じる内容です。

丸ノ内線・・・茗荷谷~銀座

日比谷線・・・北千住~南千住

東西線 ・・・東陽町~西船橋

千代田線・・・北千住~北綾瀬

有楽町線・・・和光市~地下鉄成増、豊洲~新木場

副都心線・・・和光市~地下鉄成増

が、12日13時から翌13日午前中まで運休予定です。

 

 

東京都交通局

台風19号接近による列車等運行への影響について(10月11日 13時現在)

都営交通は、日暮里・舎人ライナーと都電荒川線、都営バスが12日14時以降運転見合わせとなります。

都営地下鉄については、14時以降に

三田線・・・本蓮沼~西高島平

新宿線・・・大島~本八幡

が運休となります。その他の線も運行本数の減少、ダイヤ乱れが予想されるとのことです。

 

 

西武鉄道

すべてのお知らせ一覧

西武は早々に全線運休を告知しています。

12日13時ころから運転を順次取りやめ、翌日午前中まで運休するそうです。

 

 

東武鉄道

台風19号の影響による運行計画のお知らせ

悪天候に強いと言われている東武線も、どうやら運休することになったようです。サイトのおしらせでは、

 

10月12日(土)11時頃から順次運転本数を減らし、13時頃から終日全線で運転を取り止めます。また、10月13日(日)も始発から運転を見合わせ、天候が回復した後に施設点検および安全確認を実施します。

 

とのことです。

 

 

京王電鉄

運行情報

京王線、井の頭線は12日正午から運転を減らし、14時から運休とのこと。

 

 

東急電鉄

台風19号の接近に伴う列車の運行について(10月11日13時30分現在)

東急各線は、12日9時から運転を減らし、11時30分には運休するそうです。

他社より早めの運休で安全確保ですね。

その後の運転開始は未定とのことです。

 

 

京急

台風接近にともなう運行予定について(10月11日(金)17:00現在)

京急は、12日の「12時頃から運転本数を減らし、16時頃には運転を取り止める可能性があります。」とのこと。

ギリギリまで運行しようという、強い意志を感じるアナウンスです。

 

 

京成電鉄

運行状況

京成電鉄、北総線、芝山鉄道については、12日に運休の可能性があります。

というアナウンスだけで、特に計画運休は決まっていないようです。

 

 

相模鉄道

電車運行情報

相鉄は、12日「午前10時頃より順次列車の運転本数を減らし、午前11時頃より終日運転を見合わせます。」とのことです。

 

 

つくばエクスプレス

計画運休に関するお知らせ(10月11日 13時30分現在)

つくばエクスプレスも12日は13時00分以降、順次運転取りやめとのことです。

私はお昼前には帰宅しないといけません。

 

最後に、首都高速ですが、やはり12時から16時まで全線通行止めの可能性があるようです。

台風19号接近による通行止め可能性について(10月11日 15時更新)

 

とにかく、明日は安全確保を第一に行動したほうが良さそうです。

皆様、お気をつけて!!

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公開日:2019年10月4日

事故物件

菅野です。

昨日にこんなニュースが飛び込んできました。

 

「無事故物件」と偽り自宅販売、容疑の男逮捕 茨城

 

産経新聞のニュースなのですが、記事によると

「逮捕容疑は、母親が所有するつくば市の事故物件の自宅を、無事故物件と偽って市内の中古住宅販売業者に売却し、昨年6月18日と7月23日に計約1500万円をだまし取った」

とのことでした。

 

ただ、買主は不動産業者、売主は一般個人の案件で、詐欺罪容疑で逮捕というのは尋常ではありません。

 

不動産業者の仕入れについては通常、商法が適用となります。

 

商法第526条
1.商人間の売買において、買主は、その売買の目的物を受領したときは、遅滞なく、その物を検査しなければならない。
2.前項に規定する場合において、買主は、同項の規定による検査により売買の目的物に瑕疵があること又はその数量に不足があることを発見したときは、直ちに売主に対してその旨の通知を発しなければ、その瑕疵又は数量の不足を理由として契約の解除又は代金減額若しくは損害賠償の請求をすることができない。売買の目的物に直ちに発見することのできない瑕疵がある場合において、買主が六箇月以内にその瑕疵を発見したときも、同様とする。
3.前項の規定は、売主がその瑕疵又は数量の不足につき悪意であった場合には、適用しない。

 

商法では買った側に検査する義務がありますので、普通、仕入れる前に不動産業者は調査を行います。

この「事故物件」という瑕疵は簡単に調べられないものだったということなのでしょうか。

(皆さんご存知「大島てる」で、かなりの事件事故は網羅されています。掲載されていなかったのかな?)

また、3項を適用するとしても、売主に悪意があったことが明白であるということなのでしょうか?

 

 

また「詐欺罪」というのは構成要件が厳しく認定が難しいと言われています。

詐欺罪の構成要件としては

 

① 欺罔行為(相手を騙すこと)

② 被害者が錯誤する(騙されること)

③ 交付行為、財産の移転(騙された結果、被害者が財産を交付し、その財産〈の所有権等〉が移転すること)

④ 上記一連の行為の因果関係が認められること

 

となり、今回の案件を想像するに、①は売主が「この物件は事故物件ではない」とでも言ったのでしょうか。

②はそれにまんまと業者が騙され(その言質を信じて)③はお金を1500万円払う契約をし、④は実際に支払いがなされた、という流れでしょうか。

①について、確実に事故物件であることを容疑者が知っていたという証明ができないとこの構成要件は破綻するので(知らなかったのなら騙す行為とならない)ここの証拠が間違いなくあるということなのでしょうか。

 

とにかく「事故物件を偽って売ったら逮捕される可能性がある」ということを今回の事件は示しています。

業界では「告知義務違反」と言われる内容ですが、悪意があれば「詐欺罪」立件もできるという一例となるのかもしれません。

大きなお金が動くのが不動産売買ですので「軽い気持ちで告知しなかった」じゃ済まされない、かと思います。

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公開日:2019年9月12日

菅野です。

先日、痛ましい事件がありました。

 

少子化が進む日本で「子どもの命を守る」ということは、最も大事で最優先でなければならないと考えます。

 

ところで、このニュースの中で

 

 

出水市は「パートナーがいることは個人情報なので突っ込んで聞かなかった。今後の方針を決めるところだったが、当時の対応を検証したい」としています。

 

 

というところがありましたが、この「個人情報」というのはおそらく「プライバシー」のことを指していると思われます。

 

 

 

 

また一方で、こういった事件もありました。

リクルートキャリア(リクナビの運営会社)が「リクナビ2019」を利用している新卒就活生たちの「内定辞退率」を予測した情報を、利用者たちに同意を得ず求人側企業に販売していたという、個人情報の意図的な漏洩事件です。

 

最初、リクナビ側は個人情報ではないなどと抗弁していましたが、明らかな「個人情報」の無断利用にあたり非難が殺到しました。

中にはこんな実害があったそうです。

 

本当にひどい話で、就活のために利用していたサイトのせいで、本人のあずかり知らぬところでこの人は内定辞退しやすい人だと判断されてしまったわけです。

これは、この書類選考で落とされた方と内定辞退率が紐付けされていて「個人と特定される状況」となっているので、「個人情報」を求人企業に提供したことになるのです。

 

 

 

個人情報保護法で定義される「個人情報」とは

 

本人の氏名、生年月日、住所などの記述等により特定の個人を識別できる情報

 

のことです。

 

一方、「プライバシー」とは

 

個人や家庭内の私事・私生活。個人の秘密。また、それが他人から干渉・侵害を受けない権利(デジタル大辞泉より)

 

という意味で、「個人情報」とは若干、意味が違います。

(「昔、浮気して離婚した〇〇さん」とか「▲▲社をクビになった●●さん」のように個人が特定できるのであれば個人情報にあたるので、「個人情報」と「プライバシー」は重なる部分もあります。)

どちらも個人の生活を守るためには重要で、取り扱いに慎重さを要するというところは一緒です。

ただ、個人情報保護法では「個人情報」の取り扱い方を定めていますが、「プライバシー」については明文化されていない、ということを知っておくべきだと思います。

「プライバシー」については、憲法第13条の「幸福追求権」に基づく権利であることが、判例上で認められています。

 

 

冒頭の事件の話に戻りますが、出水市は個人情報もとい「プライバシー」なので突っ込んで聞けなかった、と言っています。

 

日本国憲法第13条

すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。

 

この

「公共の福祉(最も守るべき人権であるところの生存権、言い換えれば、璃愛來ちゃんの命を守るということ)」

のために市は「プライバシー」について突っ込んで聞くべきだったと考えます。

残念です。

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最終更新日:2021年12月27日
公開日:2018年4月14日

菅野です。

前回より最近話題になっている、サブリースに関する問題を取り上げました。

前編はこちら

借地借家法とサブリース(前編)

このサブリースというのは、いわゆる「又貸し」です。

大家から安い家賃で物件を賃借し、それを高い家賃で又貸しすることによって差額を儲けとするわけです。

正直なところ、直接入居者に高い賃料で貸した方が大家はもうかるはずなのですが、なぜそれをしないのかというと、要はリスクを負いたくないという素人大家の心理に業者が付け込んでいるだけなんです。

「家賃を保証します!」

という業者の言葉を信じて業者に貸してしまうわけなんです。

ただそういうと反論として、銀行から融資を受けてアパートを建てたり購入したりする際には、素人が自分で賃貸経営するよりも業者が家賃保証した方が銀行としてはリスクが低いという判断もある、という方もいらっしゃいます。

まあそういった部分もなくはないのですが、どちらかというとその業者の紐づけで融資を受けることが多くそういう言い方をしているだけに過ぎない、という場合も少なくないのです。

銀行と建築会社がグル、というやつです。

(かぼちゃはかなり怪しいですが、どうなんでしょうね)

 

サブリース業者も企業です。何かあればデフォルトも倒産もするのです。

丸ごとサブリースをしてしまうと、その業者がつぶれたら一銭もお金が入ってこなくなるという悲劇に見舞われてしまいます。

そこで対策を取れるかたは良いのですが、サブリースしていれば安心だ、金融商品と一緒だなどと考えていたかたは、急に厳しい寒風吹きすさぶ不動産賃貸世界にさらされて身動きが取れなくなってしまうのです。

 

それでは解除すればよい、とお考えの方もいらっしゃるかと思いますが、そんな簡単な話ではないのです。

ここで(やっと!)出てくるのが「借地借家法」という法律です。

 

「借地借家法」というのは平成3年にできた法律ですが、その前に「(旧)借地法、(旧)借家法」という大正にできた法律があり、それが時代に合わなくなったために新たに作られました。

(旧)借地法というのは、廃止されましたが現在も旧法借地権の物件等で不動産を取り扱う者にとっては馴染みのある法律です。

上記の法律の立法趣旨は全て「借主の保護」です。

大家は強く借主は弱い立場の為、保護しなくてはならない、という考え方に基づいています。

はたして、どうでしょうか?

素人で先祖伝来の土地を持っていて、アパート建築業者から「もうかりますよ、家賃保証で安心ですよ」などと言われていうがままにアパートを建ててしまうような方は、強い大家なのでしょうか?

先日、元レオパレス(がサブリースしていたアパート)を売らせてもらいましたが、売主さんに話を聞くと、その売主さんが買われたときに元の所有者さんはかなり困っていらっしゃった様子で、先祖伝来の土地を守れなくて悔しい、と引渡しの時に泣いていらっしゃったそうです。

その後、売主さんに引き渡された元レオパレス(がサブリースしていたアパート)は、なけなしの入居者をレオパレス21が全部他の物件に移してしまい、全空きになってしまいました。

でも売主さんはご自身でいろいろ動かれ、賃貸状況を改善したうえで今回売却となりました(素晴らしい!)。

 

明らかにアパート建築業者やサブリース業者の方が強く、騙される土地持ちの素人は弱く保護されるべきだと考えるのですが、間違っていますでしょうか。

でも「借地借家法」では、サブリース業者だろうと借主は守られ、素人で騙されてアパートを建ててしまった大家は保護されないのです。

大家から借主であるサブリース業者に解除を求めることは法律上難しく、サブリース業者が解除することは簡単なのです。

どんなに無能であくどい業者でも、サブリースを解除するのは契約書に大家にとって良心的な条項がなければ非常に困難なのです。

 

銀行が投資信託などの金融商品を売る際には、リスクについてかなり突っ込んで説明をすることが求められています。

しかし、アパート経営(建築)やワンルームマンション販売などはそういったことは求められません。

これっておかしくないですか?ってことを私は言いたいと思います。

また「借地借家法」でサブリース業者が無条件に保護されるという方向性も時宜に合いません。

消費者保護法という法律がありますが、残念ながらアパート建設は事業とされ適用はないようです。

私はどちらかというと自由主義で規制にはあまり賛成なほうではありませんが、アパート建築業界についてはもう少し誠実さを持ってもらえるよう、法の規制は必要ではないかと考えます。

消費者保護法に準ずるような、弱い大家となる個人を業者から保護する法律が必要であると思います。

 

今日も長くなってしまいました。

最後まで読んでいただいた方、ありがとうございます。

 

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