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公開日:2016年9月9日

借地借家法にない建物賃貸借「終身賃貸借契約」

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ここ半月ほど、体があと3つ欲しいと感じるくらい忙しい菅野です。
と申しますのも、身内の介護と引っ越しを急に請け負うことになってしまい、千葉県鴨川市と埼玉県三郷市、八潮市を週に何度も往復する状況となっております。

 

いつまでも 無事と思うな 老両親
(字余り)

 

妻の両親はどちらも持病があったのですが、ここ数ヶ月で急激に悪化し、二人で暮らしていくことにドクターストップがかかってしまいました。

義両親のうち、義母は鴨川にとても愛着があり引っ越したくないと頑なでしたが、どうにか納得してもらい、私と妻の住む埼玉県東部に来てもらうことになりました。

私も祖母の一人が認知症だったこともあって、意識のはっきりしている義両親であれば、それほど苦労がないと考えていたのですが、入所する老人ホームの選定にまず一苦労しました。

最初は費用が安いと聞いていたので、特別養護老人ホームを検討していました。

越谷市に新しい施設で空きのある所があったので、相談に行きました。

そこで「介護度の壁」にぶつかってしまいました。

ご存じの方もたくさんおられるかと思いますが、2015年に介護保険制度が改正され、特別養護老人ホームには要介護度3以上でないと入所できないことになりました。

義父は要介護3なのですが、義母は要介護2で、これでは特別養護老人ホームには父しか入れません。

二人は仲がよく、分かれて別々のところに住まわせるのは可哀想ですし、二人の要望としても一緒が良いとのことでした。

 

結局、探しだしたのが「サ高住」と呼ばれる施設でした。

「サ高住」とは「サービス付き高齢者住宅」の略で、アパートのように賃貸借契約を貸主と結んで入居するのが特徴です。

二人の連帯保証人に私がなったのですが、その時に説明されたのが「終身賃貸借契約」という内容でした。

私は宅地建物取引士で、宅建マイスターです(笑)。

でも「終身賃貸借契約」ってなんぞや?と思ったのでした。

借地借家法には「期限の定めのない借家契約」という条項がありますが、それとは明らかに違います。

これは「サ高住」にほぼ限定される特殊な賃貸借契約で、入居者の死亡を持って契約期限とする、という契約です。

通常、不確定な期限を定めた契約は、借家人に不利な契約として無効となるため、以前はこういった契約は結ぶことが出来なかったのです。

しかし「高齢者の居住の安定確保に関する法律」という法律ができて根拠となり、そういった契約で老人用の住宅を運営することが可能になりました。

しかも「終身建物賃貸借事業者」として営業するには都道府県知事の認可が必要とのことで、厳しい基準で建てられた住宅やサービスが保証されるというメリットもあるようです。

 

一方では、国交省の管轄分野に厚労省がちょっかい出してきたという、うがった見方をする方も居るようです。

しかし、私はこの法律、制度があったことで、現在、助かっています。

 

 

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菅野 洋充
(宅建士・リフォームスタイリスト)

社会に必要とされ人に役立つ企業を目指します

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