REDS不動産流通システムの渡部です。
最近物件の調査で都内の某区の区役所に行きました。
最近は都市計画や道路の情報を各区のHP上で確認できる場合が多くなりとても便利になりました。
それでも役所の窓口に行かないと確認できない・資料が取得できないこともあります。
今回は調査物件が水害ハザードマップ(これ自体はWEB上で確認できます)でハザードがかかる地域内にあったため、【実際の浸水の記録】があるかどうか調べることが目的の一つでした。役所の「防災課」のようなところで数十年間のデータが確認できます。
するとその役所では、
データの写真を撮らせてくれるんですね。
軽い「感動」を覚えました。
浸水履歴のデータは閲覧は認めるが謄写(コピー)は不可、という扱いが多いので、あっさりしていて素晴らしいと思いました。
上記は履歴図の被害状況の説明部分ですが、以前はこうしたデータについて手書でメモを取ることしかできませんでした。重要事項説明書に反映させる過程で記載ミスが生じないように注意深くメモを取っていたものです。写真が撮れるのでしたら確実です。
行政というのは写真撮影はあまり認めてくれないことが多い印象です。
全ての区がこのような取扱いを認めているわけではないと思いますが、少しずつ変わってきているのだなと軽く感動を覚えた次第です。
その翌日に別の物件の調査で新宿の都庁に行ってきました。
建築に関連する調査事項で、大型物件の場合など、どうしても都庁で調査する必要が生じることがあります。特に東京都が建築確認を担当した中古物件の資料は都庁でないと調査ができません。
東京の不動産業者のおそらく「全員」が、都庁での手続には「不満」を感じていることと思います。
一定の書類については上の区役所のような「写真撮影」はもちろん、資料の「謄写(コピー)」もいまだに認めてくれません。
他の区や市町村ではコピーはほぼ認められているのに、都庁だけは「手書き」を強いるんですよね。。昔から変わりません。
「建築計画概要書」という、中古マンションなどの取引では欠かせない重要な資料があります。建築計画当時の法規制や建築主・設計者・施工者のデータなどが確認できます。
これを多くの不動産業者が都庁の窓口の前のテーブルで毎日黙々と手書きで書き写しています。
本当に馬鹿馬鹿しくて虚しくなります。
普段都内の物件を取引していない他県の業者様でしょうか、よく窓口で怒鳴り声を上げて喧嘩していますね。
そこにいる全員が共感できますが、役所に手続で文句を言ってもどうにもなりません。
たぶん、手書きしか認めない理由は、都庁側がコピーに伴う紙の供給や領収書の発行などが面倒なだけではないかと推測していますが。。それにしてもこの時代に「手書き」はいくら何でも。。
原本の書類は何度も何度も手書きのために不動産業者に使われて、手垢が付いて汚れているものもあります。東京都が担当しているのは延べ床面積1万平米以上といった大型物件ばかりなので書き写す内容も通常の物件よりも多く膨大で本当に大変です。
今回もにじんで読み取れない数字がありました。
すでに十数年手書きのために閲覧されてきて、夏の暑い日に膨大な量を書き写しながら額から汗でも落ちてしまったのでしょうか、文字がにじんでしまっています。
読めないので窓口の担当者に聞いてみました。
私 「この数字何に見えますか?他のデータで確認できますかね?」
担当者 「この紙だけだね。これは・・・「6」じゃないかな?」
私 「でも「8」にも見えるような・・・文字の上がにじんじゃってて分かりにくいですが・・・」
担当者 「うーん。「8」か。見えるね。ちょっと計算してみようか」
今回はにじんで読み取りにくい数字のところが他の数値との計算で「復元」することができるものだったため、何とか調査の目的は達成できました(正しくは「8」でした)。
万事がこのような感じです。正確な情報の提供ができるのか、まったく怪しいものです。
いったい「手書き」に何の意味があるのでしょうか。。
いつまでこの「手書き」は続くのでしょうか。。
写真撮影を認めてくれた区役所の対応に驚いたばかりだったため、旧態依然とした都庁の対応には残念な気持ちになりました。
行くたびに残念な気持ちになる都庁での調査。
将来、コピーを認めてくれるようになったり、メール等でデータで受信できるようになれば時代の変化を実感できると思いますね。
そんな未来は訪れないかもしれませんが、期待していきたいと思います。
渡部
この記事を執筆した
エージェントプロフィール
渡部 親三
(宅建士・リフォームスタイリスト)
安心と信頼を御提供できるよう努めさせていただきます。