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渡部 親三(宅建士・リフォームスタイリスト)

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公開日:2023年10月19日

REDSエージェント、宅建マイスターの渡部です。弊社・REDS不動産流通システムは1都3県を営業エリアとしており、特定の狭い地域で営業する多くの不動産会社とは異なり営業エリアがとても広いという特徴があります。

そんな広域営業の不動産会社だからこそ分かる、各地域の特徴や魅力。第1回の足立区、第2回の荒川区、第3回の板橋区に続き、4回目の今回は【江戸川区】について紹介します。

江戸川区

(写真はイメージです)

江戸川区の区名の由来

江戸川区の区名は、区の東端を南北に流れる「江戸川」からそのまま採られました。現在の江戸川区は、江戸川のほかにも、荒川、新中川、旧中川など、多くの川が流れる水辺の街です。区内には、葛西臨海公園や都立葛西海浜公園、葛西臨海水族園など、水辺を活かした観光スポットも数多くあります。葛西海浜公園は都内で唯一のラムサール条約湿地です。

江戸川区の歴史

江戸川区では縄文・弥生・古墳時代の貝塚などの遺跡が発掘されており、古代から人が住んできたことが分かっています。ただ区の南部地域は海または湿地帯で、人が居住するようになったのはかなり後の時代からのようです。

中世には、「下総国葛飾郡」の一部として、武蔵国と下総国を結ぶ水運の要衝として栄えました。江戸時代の江戸川区は、江戸城の水源として利用された江戸川の沿岸部に水田や畑が広がる農村地帯でした。また、江戸湾に面した地域では、漁業も盛んに行われていました。

明治時代以降、江戸川区は東京の近郊地域として急速に発展しました。鉄道や道路の整備により交通の便が向上したことで、多くの人が江戸川区に移住し、住宅地や工場が増えていきました。

昭和以降は、区内の河川の改修や埋め立てが進められ、宅地や工業用地が拡大しました。また葛西臨海公園や葛西臨海水族園などの大型レジャー施設が開業し、江戸川区は東京を代表するベッドタウンとして発展しました。

江戸川区の地質

江戸川区

区内全域が低地となっている江戸川区は、荒川・江戸川など河川の氾濫や蛇行によって形成された氾濫低地と、東京湾を由来とする海成の海岸低地とに分類されます。

江戸川区は、地下水の過剰なくみ上げによる地盤沈下が大きな問題となっています。区内では1960年代から1970年代にかけて、地下水のくみ上げ量が増加し、地盤沈下が急速に進行しました。その後、地下水のくみ上げ規制が行われ、地盤沈下は沈静化傾向にあります。

江戸川区は地盤沈下に加えて、液状化のリスクも高い地域です。液状化とは、地震などの振動によって地盤が液状化することで、建物が倒壊するなどの被害が発生する現象です。区内では氾濫低地を中心に液状化の危険性が指摘されています。

江戸川区の人気の街

江戸川区は2023(令和5)年度も待機児童ゼロを実現するなど、子育て環境が充実している自治体として知られています。住人の高齢化は東京のどの自治体でも課題となっていますが、江戸川区は年少人口割合、1世帯当たりの人口といったデータでも23区中でトップレベルの数字を記録しています。広い区ですが、歩いていると確かに子連れのご家族を見かけることが多い印象があります。そんな江戸川区の人気エリアをいくつかご紹介します。

船堀

船堀は区の東部に位置する街で、都心へのアクセスが良好なことからベッドタウンとして人気があります。また再開発が進んでおり、新しい商業施設や住宅が続々と誕生しています。

知名度はあまりないかもしれませんが、「船堀タワー」と呼ばれることもある駅前の「タワーホール船堀」は、展望台のあるタワーとしては東京スカイツリー、東京タワーに次いで都内で3番目の高さを誇り、「東京3大タワー」とされることもあります。映画館やホールも併設しています。

小岩

小岩は区の北部に位置する街で、下町情緒が残る街並みが魅力です。また、商店街も充実しており買い物や飲食に便利です。JR総武線の小岩駅と、京成電鉄の京成小岩駅があります。小岩駅はJR駅らしいロータリーがあり商店街が充実しています。

小岩駅は区内に所在する駅では最大の乗降客数を誇る駅です(ちなみに隣の新小岩駅は葛飾区に所在します)。京成小岩はより小規模な駅ですが、周辺は閑静な住宅地で、特に北小岩地域の一部は区画が整い整然とした住宅地で、雰囲気のよさが魅力です。

葛西

葛西は東京メトロ東西線葛西駅のエリアです。葛西の魅力はなんといっても大型レジャー施設がそろっていることです。葛西臨海公園には日本最大級の水族館である葛西臨海水族園や、日本庭園、遊園地などがあります。このほか、東京メトロ東西線は都心へのアクセスは良好です。

また葛西エリアはインド系の方々が比較的多く住んでおり、大きなコミュニティがあります。本場のインド食材を販売するお店などもあります。

瑞江

瑞江は都営新宿線瑞江駅のエリアです。駅周辺にスーパーや銀行などがとても多く、便利です。この辺りのエリアは区画整理がしっかり行われており、歩道が整備された歩きやすい道路が多いです。ファミリー層の多い住宅地で、付近の河川敷には広大な公園や運動施設が整備されており、ジョギングやサイクリングなどを楽しむことができます。また、農地も多く、小松菜などの農産物も有名です。どこかのんびりとした郊外型の住宅地で、バランスの取れた住みやすい街だと思います。

江戸川区の特徴や今後について

江戸川区の面積は約50㎢、人口は約69万人です。これは特別区23区のランキングでどちらも4位で、広い面積の区域に多くの住人が住んでいるのが江戸川区といえます。子育て支援が充実していることからファミリー層に人気があり、都心部への程よいアクセスもあって(政策やイメージに変化がなければ)将来も人気を集めそうです。

城東エリア全般に言えることですが、江戸川区は水害などの災害リスクは比較的高く、他地域から移住する場合はハザードマップで避難所の位置を把握しておくなど、十分に注意を払いたいところです。ただ、災害リスクがゼロの地域はこの世にありません。どれだけ安全な場所であっても勤務先へ通勤不可能なところに住むことはできません。リスクの大小を把握しつつ、利便性や環境など、その他の要素と総合的に検討していきたいですね。

海と河川に囲まれた水辺の街、江戸川区。環境のいいところが多いのでぜひ実際に散策してみてください。

 

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