日銀、大規模緩和を修正して【事実上の利上げ】 住宅ローンへの影響は?
皆様こんにちは。
REDS不動産流通システムの渡部です。
12月20日に大きなニュースが飛び込んできましたね。
「長期金利上限0.5% 日銀、大規模緩和を修正―事実上の利上げ、総裁は否定」
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022122000806&g=eco (2022年12月20 時事通信)
日銀が長期金利の変動容認幅を従来の誘導目標「0%程度」の上下「0.25%程度」から、「0.5%程度」へ2倍に拡大しました。【事実上の利上げ】と評価する方が多いようです。
さてこうなると気になるのは住宅ローンの金利です。
日銀からのアナウンスがあった12月20日当日は長期金利の指標となる新発10年物国債の流通利回りは0.250%から一時0.460%まで上昇しました。
固定金利は長期金利の影響を受けますので、来月以降の「新規の」固定金利が上昇するのはほぼ間違いないですかね。
今年は一年間、固定金利の変動の情報を当ブログで追ってきました。
2022年2月以降は固定金利は顕著に上昇し昨年までの流れとは明らかに変化がありました。
11月→12月にフラット35の主力商品は0.11%金利が上昇しましたが、果たして1月はどうなるか。。
今回の【事実上の利上げ】はインパクトが大きく、一気に0.2%程度上がることもありそうな雲行きです。
(また月初にチェックしていきたいと思います)
変動金利は今回の日銀の措置によっても影響を受けず、「固定金利との金利差がより強く意識されて変動を志向する方がより増えるのではないか」、という予想も目に付きます。
固定金利は「選びたい」方も一定数いるものの、流通の現場にいると「選ばざるを得ない」の方が多い印象です。
(固定金利は借入可能額が伸びやすかったり、代表的商品である【フラット35】の審査が比較的緩やかな面があり、間口は広めです。)
変動金利があまり動かず固定金利だけが上昇するということになるとその予想はあたりそうな予感はありますね。
固定金利を「選ばざるを得ない」方が市場から「退場」を余儀なくされるだけということもありそうですが。。
ただ短期金利に連動するとされる変動金利にも影響があるという指摘もあります。
大手都市銀行の変動金利の店頭金利の推移を確認してみると、2009年5月以降約13年間変動せず、一定のままでした。
2006年~2009年が0.2~0.3%程度「一時的に」高くなりましたが、そもそも2006年以前の1998年~2006年は現在よりも変動金利の店頭金利は低かった時代が続ていました。
(実際はその頃よりも現在の方が変動金利の適用金利は低くなっていますが、これは「金利優遇」の幅が銀行間の熾烈な競争等があって拡大しているためです。)
金利の先高感が意識されてくると変動金利にも影響があるという見方のようです。
今年(2022年)は都市銀行・地方銀行が変動金利のディスカウント幅を拡大し、実質的に変動金利が「史上最低」になった年だったと思います。
条件があるとはいえ都銀や有力地銀が少し前からするとあり得ないほど金利を優遇していていました。
このトレンドに変化が出てくるのか、少し前に戻るだけなのか、それ以上の金利引き上げはあるのか。
注意して見ていきたいと思います。
来年は日銀総裁の交代があるので金融政策の大きな変更もあり得ます。
ドラスティックな政策の変更があると不動産市場にも大きな影響がありそうです。
「受け止めて、対応するしかない」ものなので特段身構えても仕方がないですが、変化には対応していきたいと思います。
金利動向についてはまた当ブログでご紹介していきたいと思います。
皆様どうぞよろしくお願いいたします。
渡部