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成田 育子(宅建士・リフォームスタイリスト)

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公開日:2023年11月26日

皆様こんにちは。REDSエージェント、宅建士の成田育子です。

今回はご実家を相続した場合に起こると考えられる状況や対策を私の経験上からお伝えします。

相続

相続後、空き家になって放置されたら悲惨

不動産の相続後もご家族が住んでいればさほど問題がないことが多いのですが、空き家になってしまった場合、なるべく早く家の中をきれいに保つことをお勧めします。

戸建てとマンションの場合では、全く違う状況になります。どちらも空き家になり、まめに窓の開け閉めをしっかりして、家の中の空気を入れ替え、水道を流して排水管の通りもよくするなどして管理していれば、さほど問題はありません。

問題は、あまり管理されていない家が相続をした後も同じように管理されなかった場合です。相続後、自宅が空き家となり、放置されると、時間の経過とともに戸建ての場合は敷地内に草木が伸び放題となります。水を流すことがなくなると配管もさびつき、窓を開けて空気を入れ換えないと湿気もこもり、悪臭が漂うようになり、家中にカビが生えて手を付けられなくなります。

なので、築年数がかなり古い戸建てにもう住まないことが分かっているなら、解体して更地での売却をお勧めします。私は上記のような戸建てを、何度か相談を受けて売却をさせていただいたことがあります。庭木や庭にはたくさんの大きな石がそのまま、自転車が10台以上、バイクも置かれていました。家の中は荷物であふれかえり、他の部屋にも行き来ができにくく、足の踏み場もないという壮絶な現場でした。

こうした状態になると、まず個人のお客様には難しい物件になります。解体撤去だけでも何百万の費用がかかり、その費用プラス土地代となるとかなりの費用になるからです。私が相談を受けた案件は建て売り販売もする不動産業者に買い取っていただきました。

ただ、相続登記を身内で全て完了した後でしたので、契約から引渡しまでの手続き自体はスムーズに進みました。このようにスムーズにいくことはまれで、近隣住民に迷惑をかけているなど生前トラブルがあると、土地売却時の測量に協力をしてもらうのに時間がかかったり、最悪売却できないことになったりします。土地の売却時、測量はほぼ必須条件の場合が多いので、近隣とのトラブルを避けるため、空き家になっても手入れをし、ご挨拶することを心がけておきましょう。

一方、マンションの場合、よくあるのは残置物が多かったり、壁にカビが生えていたり、配水管の穴(洗濯機置場の穴、洗面、キッチンの水を流す穴)から臭いが上がってきていたり、エアコンを外した穴から虫が入ってきたりという状況です。実際に私が担当したワンルームマンションで1年空き家にしているお部屋にうかがったら、床中にコバエの死骸が散乱していたこともありました。特に古いマンションだとさらにひどいことになります。

相続前に人間関係の改善も大切

相続

不動産の相続をしても、すぐに売却できるわけではありません。税金面や、相続登記をするまでにかなりの時間を要します。

兄弟がいると尚更です。兄弟が多く、全員仲が良く、全ての理解を得られれば、スムーズにいきますが、お金が絡んでくるとなかなかそうはいきません。スムーズにいった場合と、ぐちゃぐちゃに揉めて何年も相続登記ができず、家がどんどんボロボロになっていく状況も目の当たりにしてきました。

相続側が多ければ多いほど揉める傾向ですので、生前元気なうちに揉めないよう、相続の準備をしておくことが一番です。そうは言っても「自分はまだまだ先」と思っていらっしゃる方がほとんどですよね。

不動産の売却にあたっては、あらかじめ買い手が決まっている場合や、立地条件が優れた不動産の場合を除き、すぐに買い手が見つかるわけではありません。不動産会社に売却相談をしてから買い手が現れて、売却完了までに一定の期間を要します。

また、相続税の取得費加算の適用を受けるためには、できるだけ早めに売却に向けて行動する必要があります(相続税の取得費加算とは、相続した財産を譲渡した場合に、譲渡益に対して相続税額の一定金額を取得費に加算することができる特例のこと)。個々の不動産によりけりで一概に言えませんが、売却に向けて動き出してから売却完了まで6カ月程度はみておいたほうがよいと思います。

まとめ

相続税の取得費加算の適用にこだわって売り急がずに、じっくり時間をかけて適正価格で売却したほうがよかったというケースもありますので注意が必要です。適正価格で売却できるようにするためには、最初にお話ししたように空き家の手入れを怠らずにいい状態にしておくことも大切です。皆様からのお問い合わせお待ちしております。REDS宅建士の成田でした

 

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