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成田 育子(宅建士・リフォームスタイリスト)

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最終更新日:2023年8月21日
公開日:2023年8月13日

REDSエージェント、宅建士の成田です。

最近、都心の狭い土地に立てられた狭い物件「極小住宅」のご案内をすることが以前に比べ、かなり増えてきました。「狭小住宅」ともいい、実際のところ明確な定義はないようですが、一般に約15坪(50㎡)以下の土地に建てられる住宅が狭小住宅とされ、その中でも特に土地の小さいものが「極小住宅」と呼ばれます。

今回は極小住宅を含む狭小住宅について解説します。

狭小住宅

狭小住宅のメリット

狭小住宅のメリットには、土地の購入価格を抑えられること、利便性の高いエリアに住めること、スペースをおしゃれに活用できることなどがあります。

立地がいいと、通勤・通学、買い物などに便利です。交通インフラが整っている都心部では、日々の移動に自動車を使わないため、自動車を持たない選択肢も生まれます。ガソリン代や自動車保険、自動車にかかる各種税金、駐車場代はけっこうな出費ですから、こうした費用がかからないことはメリットといえます。

狭小住宅は、3階建ての場合がほとんどです。3階建ての住宅は通常の1・2階建ての住宅と比べると地震や津波に強いことが国土交通省の調査により発表されています(構造計算により十分な耐震性をもつことを証明しないと、そもそも行政から建築許可が下りません)。

狭小住宅は、都心部に家を建てる「立地条件」と費用面、安全面などでお得な点が人気の理由といえるでしょう。

狭小住宅のデメリット

ただし、狭小住宅は上手に設計されていないと窮屈な家になってしまうため、注意が必要です。また、建築資材などの搬入時に人件費や車両費などが通常よりプラスされるため、建築費は高くなる傾向にあります。

なぜかというと、敷地が狭いため、建築地のすぐそばに大型トラックがつけられず、軽トラックなどでの搬入となった場合、同じ量の建築資材を運ぶにも往復する回数が増えます。さらに車が通れない道などの場合は人力で運ぶ状況も多くなるためです。さらに、工事現場に駐車場や資材置き場がないことが多く、工事費用の上がる原因につながります。

このようなプラスでかかる部分の費用については、認識しておきましょう。

一般的に築後10年程度が経過すると、建物の外壁修繕を行います。その際に、隣家との間が狭すぎて工事の足場が組めないなどの問題がよくあるそうです。民法上は、隣家との敷地境界線から50センチ以上離れたところに建てる必要がありますが、両隣とも少しでも広く建てようと実際には50センチない敷地もあるとのことです。いざ工事をと思っても実施できない状態にならないように注意しましょう。

狭小住宅は、上記のようなデメリットも理解した上で計画を進めましょう。

トイレが1カ所しかない場合は要注意

一般的に狭小住宅は必要最低限のスペースしかないため、居住スペースや寝室、キッチン、トイレ、シャワールームなどの基本的な設備はあったとしても、スペースを有効活用するために、サイズは小さめで、折りたたみ式の家具や収納スペースを活用する工夫がされています。

トイレの個数も通常の3階建てなら2カ所あるのに、狭小住宅は1か所しかないこともあります。家族が多いとトイレは2カ所ある方がいいですね。

狭小住宅の居住面積の目安

「狭小住宅」に定義はないけれど、どれくらいから狭小だと考えているのか知りたいという方のために、Google検索で『狭小住宅+○坪』という検索ワードに入る数字と、月間平均検索ボリュームを調査してみました!

その結果がこちら。検索数が多いものから並べています。

・狭小住宅 10坪…100~1000
・狭小住宅 30坪…100~1000
・狭小住宅 5坪…100~1000
・狭小住宅 15坪…100~1000
・狭小住宅 3坪…100~1000
・狭小住宅 4坪…10~100
・狭小住宅 10坪以下…10~100
・狭小住宅 20坪…10~100
・狭小住宅 7坪…10~100
・狭小住宅 8坪…10~100
・狭小住宅 価格 10坪…10~100
・狭小住宅 17坪…10~100
・狭小住宅 6坪…10~100
・狭小住宅 9坪…10~100
・狭小住宅 12坪…10~100

気を付けなくてはならないのは、「狭小住宅+坪」という広さのお話をするときに、その坪数は土地面積なのか、延べ床面積(建物面積)なのか、ワンフロアの最大床面積なのかによって話が全く変わってくるということです。

まとめ

先日渋谷区内の、10坪、15坪、12坪ほどの戸建て3件を案内しました。どれも広尾、恵比寿、代々木上原から徒歩圏内で、価格は1億円前後という高価格! どれも、本当に工夫して建てている印象でした。

住宅ローンについても借り入れできる銀行が限られたり、住宅ローン控除が使えなかったり、銀行によっては土地の広さが一定以上でないと借りられなかったりなどと制限がありますのでご注意ください。

一般的には土地が40㎡以上という条件が付く銀行が多いです。住宅ローンの控除は土地の面積には規定はありませんが、建物の床面積は50㎡以上必要となります。広さを取るのか、利便性のいい土地をとるのか、皆様はどちらを選びますか?

 

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