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坂爪 潤(宅建士・リフォームスタイリスト)

エージェントの質の違いをお確かめ下さい。

4.6

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公開日:2023年10月21日

REDSエージェント、宅建士・宅建マイスターの坂爪です。REDSは不動産売買専門の仲介会社ですので、当然のことながら日常的に住宅ローンを取り扱います。体感的なものですが、自社・他社を問わず住宅(投資向け以外)のご購入に際しては、95%以上の方が多かれ少なかれ利用されている印象です。

昨今は変動金利でお借り入れの場合には、0.3%を下回るような住宅ローンの商品もあり、手元に現金がある方でも、あえて住宅ローンを借りて住宅ローン控除を受けることで節税し、手元の資金は別の運用に回す、というお客様もいらっしゃいます。

この住宅ローンですが、誰でも貸してくれる訳ではありません。今回は住宅ローンの借り入れに関して、銀行(金融機関)が何をどのように見ているのかを簡単に説明いたします。

結論を申し上げますと

(1)借りる人は完済する能力はあるか?
(2)万が一の時に物件を売却したら完済できるのか?

当たり前ですが「貸したお金を返してもらえるの?」というところを厳しく審査する訳です。

住宅ローンの審査

お金を返せる人なのかという人的評価

・年収が1,000万円の人 or 500万円の人
・収入のアップダウンが激しい人 or 公務員や上場企業勤務のように収入が安定した人
・30歳の人 or 60歳の人
・何も借り入れもない人 or 借金まみれの人
・勤続10年の人 or 半年や1年ごとに転職している人
・家を買うためにコツコツ貯金をしてきた人 or 手持ち資金がない人

皆様はどのような人なら安心してお金を貸せますか?

極端な例をあげましょう。

Aさん:大学卒業後上場企業に就職。勤続8年30歳で年収は600万円。カードのキャッシングやリボ払いなどの借り入れは一切なし。家を買うためにコツコツと貯金をして自己資金は400万円。

Bさん:職を転々としながら現在45歳。フード配達と各種グッズの転売で年収は300万円。儲かるときは800万円くらいありますが、確定申告もまともにしていません。手持ちの資金はなくカードのキャッシングとリボ払いの残高あり。

皆様が自分のお金を貸すとしたらAさん、Bさんのどちらに貸しますか? さらにAさんBさん両方にお金を貸すとしたら、皆様ならどのような金利でお金を貸しますか? 同じ金利(条件)でしょうか?

私であれば安心してお金を貸せるのはAさんです。Bさんにはできれば貸したくありませんが、商売だと割り切れば高金利なら貸してもいいかもしれません。

銀行(金融機関)が人的評価をするときに見るのは安定感や計画性。住宅ローン商品によっても異なりますが、完済年齢は75歳から85歳、借入期間は35年にもなりますので安定感を重視します。仕事が長く続かない、収入に浮き沈みがある、計画性がなくキャッシングやリボ払いを多用する。こういった方はどうしても住宅ローンの借り入れは難しくなります。それでも貸す場合、リスクは高いから金利は高く設定しよう、となるわけです。

お金を回収できる物件なのかという物的評価

住宅ローンは「住宅」を買うための借り入れですので、購入後は家=物件が手に入るわけです。住宅ローンを貸した金融機関は、この家に抵当権を設定して、万が一返済ができなくなったら、この「家」を競売にかけて貸したお金を返してもらいます、という約束のもとにお金を貸すわけです。

お金を貸す側としては当然ながら気になるのが「この家いくらで売れるの?」です。専門的には担保評価という言い方をします。例えば5,000万円の住宅ローンを貸し出すのに、その家はどのように売っても3,500万円の価値しかないとなりますと、はたして5,000万円貸してしまって大丈夫なのかと、金融機関は不安になるはずです。

とある中古戸建てAは3階建てで4LDKの間取り、5,000万円で売りに出ているが、この物件の所在する場所は低層住宅のエリアで本当は3階建てが建てられないエリア。再建築すると狭小の2階建てがいいところで、2LDKが建つか建たないか。

物件Bは築年数が古いものの一見すると何の問題もなく、いわゆる閑静な住宅街の一戸建て。ところが登記記録などを調べたところ、どうやらBの敷地と道路(公道)の間に、古い時代の登記で個人名義Xの土地が挟まっていて、Bの土地は直接道路に接していない。建築された当時どのように建築確認などを取得したのか不明で、このままでは再建築(建て替え)ができないため将来はよくて資材置場。

中古戸建てAも物件Bも、これに住宅ローンを貸して大丈夫? 今売り出されている金額に相当する価値はある? と金融機関は不安になる要素だらけです。

人的評価と物件評価を総合して住宅ローンを融資

住宅ローンの審査

以上、(1)の人的評価と(2)の物的評価、2つを総合的に勘案して「それではZさんがC物件を買うにあたっては金利〇〇%で●●●●万円貸しましょう」となるわけです。

物的評価については借りる側(物件を購入する側)にはどうしようもない部分もありますし、こうした物件を買わなければ審査に影響はありません。一方、人的評価に関しては「ローマは一日にして成らず」「継続は力なり」と、コツコツと積みあげてきたものが評価の対象となります。住宅購入をお考えの方、今からでも遅くはありません、思い立ったが吉日、コツコツ積みあげていきましょう。

住宅ローンのご相談も、全員が宅建士のREDSエージェントにお任せください。

 

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