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藤ノ木 裕(宅建士・リフォームスタイリスト)

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公開日:2024年4月25日

REDSエージェント、宅建士の藤ノ木裕です。今回は「位置指定道路」ついてお話ができればと思います。

住宅と道路

位置指定道路について

位置指定道路とは建築基準法上の道路として認められており、特定行政庁(地方公共団体)から指定を受けた幅員4m以上の私道です。建築基準法上、建築物の敷地は幅員(道路の幅)4m以上の道路に2m以上接しなければならないという接道要件を満たすための道路を指します。

位置指定道路にするには、幅員を4m以上にし、側溝を設け、路面を舗装するなどの要件を満たす必要があります。位置指定道路部分の土地所有者(不動産会社や土地を購入した人々)全員の合意が必要です。

位置指定道路でない私道に面した土地でも、建物を建てることが可能な場合があります。建築基準法の43条の但し書きにより、建築基準法上の道路でなくても建築が許される場合もあります。

他人の位置指定道路は通行できるのでしょうか。位置指定道路や公衆用道路を含む私道において、その土地の所有者以外の人には「通行権(通行できる権利)があるとは断定できない」と過去の裁判の判例で示されています。通行権は発生していない以上、土地の所有者から通行料を請求されることもあり得ます。

位置指定道路は、土地売買や建物の建設を検討する際に理解しておくべき重要なポイントです。

位置指定道路のメリットとデメリット

位置指定道路には、メリットとデメリットがあります。以下にそれぞれの詳細を説明します。

位置指定道路のメリット

位置指定道路は、建築基準法上の接道義務を果たすために設定されます。建物を建てる際に、幅員4m以上の道路に接する必要がある場合、位置指定道路を利用することで接道義務を満たせます。土地の価値向上としての要件として、位置指定道路がある土地は、接道条件が整っているため、不動産の価値が高まります。建物を建てる際にも有利です。

都市計画や土地利用の規制緩和の要件として、位置指定道路がある土地は、都市計画や土地利用の規制が緩和されることがあります。建物の用途や規模に制限が少なくなる可能性があります。

位置指定道路のデメリット

位置指定道路は土地の一部を道路として指定しているため、固定資産税や都市計画税が発生する場合があることがデメリットかもしれません。

また、位置指定道路は私道の一種であり、通行権が発生していないことがあるのもデメリットです。他人が通行する際に通行料を請求される可能性があります。

このほか、位置指定道路は土地の一部を道路として指定するため、その部分は建物を建てることができません。土地の利用計画に影響を与えることがあります。

位置指定道路の設定にはどれくらい時間がかかるのか

位置指定道路の設定にはどれくらい時間がかかるのか、一般的なステップを以下に示します。

1.申請と調査:まず、特定行政庁(都道府県知事や市町村)に位置指定道路の設定を申請します。行政機関は土地の現地調査を行い、設定可能かどうかを判断します。
  ↓
2.合意の取得:位置指定道路の設定には、土地所有者全員の合意が必要です。各所有者との調整や合意取得に時間がかかる場合があります。
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3.道路の整備:幅員を4m以上にし、側溝を設け、路面を舗装するなどの要件を満たすために、土地の一部を整備する必要があります。これには工事期間がかかります。
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4.指定の手続き:行政機関は位置指定道路の指定手続きを行います。これには書類の作成や審査が含まれます。
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5.公示と効力発生が必要:位置指定道路の指定が公示され、効力を持ちます。総じて、位置指定道路の設定には数カ月から半年以上かかることがあります。具体的な期間は地域や個別のケースにより異なりますので、行政機関と相談しながら進めることをおすすめします。

以上、位置指定道路について記載いたしました。

 

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