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金谷 昭夫(宅建士・リフォームスタイリスト)

高く早く売却する方法をご提案致します。

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公開日:2024年5月6日

REDSエージェント、宅建士・宅建マイスターの金谷昭夫です。

最近の不動産広告はインターネット広告での掲載が主流となっています。紙媒体で多いものは「売却物件を探しています」という、物件を宣伝する目的のものではなくて、売却の依頼を受ける目的として、不特定多数のマンションに投函されるケースがほとんどです。

今回は、物件情報の広告について法律に基づく基本的な決まりを解説させていただきます。

不動産広告

不動産広告は2つのルールに従っている

不動産広告は、宅建業法および不動産の表示に関する公正競争規約(表示規約)の2つのルールに従って行います。

宅建業法

宅建業法における広告に関する主な定めは、誇大広告の禁止、広告開始時期の制限、取引態様の明示の3つです。

1.誇大広告の禁止

宅建業者が広告をするときは、宅地・建物の所在、規模、形質、現在もしくは将来の利用の制限、環境・交通その他の利便、代金・借賃などの対価の額もしくはその支払方法、代金もしくは交換差金に関する金銭の貸借のあっせんについて、著しく事実に相違する表示をしてはなりません。

また実際のものよりも著しく優良であり、若しくは有利であると人を誤認させるような表示も禁止されます。これらの規制が、誇大広告の禁止です(宅建業法32条)。

この内容が、一番大きな問題となります。売り手側は、物件の内容をなるべく優れた表示となるように広告を行うものだからです。たとえばこんな調子です。

  • 得をするように誤認させる表示:二重価格 3,480万円 → 2,980万円
  • 居室の表示で納戸を居室として表示:×3LDK 〇2SLDK

2.広告開始時期の制限

宅建業者は、宅地の造成または建物の建築に関する工事の完了前においては、工事に関し必要とされる開発許可や建築確認があった後でなければ、工事にかかる宅地・建物の売買その他の業務に関する広告をしてはなりません(同法33条)。未完成物件の売買は〝青田売り〟といわれますが、青田売りにおける広告は、広告開始時期の制限を受けるわけです。

一戸建ての場合は、更地の物件でも建築確認申請に基づき建築確認済証が発行されると「新築戸建」として広告表示を行って販売を開始することができます。ところが、建築確認の申請中もしくは申請も行っていないのにもかかわらず、「新築戸建」として広告を行っている業者も見受けられます。

土地のみで販売するより、〈土地+建物〉で販売するほうが、その取引に対して受領できる仲介手数料が多くなりますので、そのような目的で広告を行っている業者にはご注意ください。

3.取引態様の明示

宅建業者の取引への関与については、自らが契約当事者となる場合と、他人が当事者になる契約についての代理・媒介を行う場合があります。そこで、宅建業法では、宅建業者が宅地・建物の売買・交換・貸借に関する広告を行うには、自己が契約の当事者となって売買・交換を成立させるか、代理人として売買・交換・貸借を成立させるか、また媒介して売買、交換若しくは貸借を成立させるかの別(取引態様の別)を明示しなければならないものとされています(同法34条1項)。

取引態様は、インターネット広告でも、各ポータルサイトでも広告作成の入力項目として必須の項目となっております。

公正競争規約(表示規約)

適正な内容の表示

宅建業法が、不動産広告に関する基本的な禁止事項を定めているのに対し、表示規約では、「正しい広告はただ嘘(うそ)をつかないだけではなく、消費者が不動産を選ぶ場合に必要と考えられる事項を表示することだ」という立場から、不動産広告についてきめ細かいルールを定めています。

例えば、物件と各種施設までの距離・所要時間を表示することについては、徒歩時間は80mにつき1分として表示しなければなりません。広告における文字の大きさは、原則として7ポイント以上でなければならないという制約もあります。

消費者を誤認させる用語の使用禁止

不動産広告において、抽象的な用語を使用することによって、消費者に誤認を与える場合があります。そこで、消費者を誤認させる可能性のあるような一定の用語については、原則として使用が禁止されています。

使用が禁止される用語は、完全、完ぺき、絶対、日本一、抜群、当社だけ、特選、厳選、最高、最高級、格安、堀出、土地値、完売、など著しく人気が高く、売行きが良いことを意味する言葉などです。もっとも、その表示内容を裏付ける合理的な根拠がある場合には、使用は禁止されません。

まとめ

具体例をご覧いただいても、時々見かけるワードかいくつかあったのではないでしょうか? 不動産の広告は、その物件の販売を目的としているだけではなく、その広告を見てお問い合わせをいただいたことをきっかけに、別の物件をご紹介する、いわゆる「集客」のための目的もあります。

広告ですので、好条件については積極的に記載をし、悪いことは極力記載しないように表示されているものが多いというのが実情です。

気になる物件がございましたら、広告掲載を行っている業者様以外に、客観的にコメントできる別の業者へ問い合わせることも有効な手段となりますので、広告をご覧になり、疑問点がございましたら、お気軽にREDS【株式会社 不動産流通システム】までお問い合わせください。

 

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