金谷 昭夫(宅建士・リフォームスタイリスト)
高く早く売却する方法をご提案致します。
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公開日:2024年10月11日
REDSエージェント、宅建士・宅建マイスターの金谷昭夫です。
2024年10月より住宅ローンの金利が上昇することが発表され、これが家計や経済全体に与える影響は多岐にわたります。金利上昇に伴う影響を以下に記述いたしました。
(写真はイメージです)
住宅ローンの金利上昇は、住宅を購入する際の借り入れコストの増加を意味します。具体的には月々の返済額が増加するため、購入者の負担が大きくなります。
例えば、お借入金額が3,000万円で、変動金利の基準金利が2.475%の場合、元利均等払いの月々のお支払い額は10万6,846円となりますが、金利が0.15%上昇し2.625%の場合、月々のお支払いは10万9,269円となり、月額2,423円支払い額が増加します。そのため、金利上昇に伴い購入予算を見直しする必要も生じてきます。
変動金利で住宅ローンを借りている人々にとって、前述のとおり金利の上昇によって毎月の支払い額が増加します。日本においては、多くの住宅ローンが変動金利を採用しているため、金利上昇が直接的に家計に負担を与えます。
特に、生活費や子育てなど他の支出が重なる中で、ローンの返済額が増えることで、家計の余裕が圧迫される可能性があります。これにより、家計の消費余力が減少し、国内の消費全体にも影響を与えることが懸念されます。
一方、固定金利で借り入れを行っている人々は、契約時の金利がローン期間中に変わらないため、今回の金利上昇の影響を受けません。ただし、固定期間が終了した後に変動金利に移行する場合には、その時点での金利上昇が問題となるため、再度の資金計画が必要です。
金利の上昇は、住宅需要の低下を招く可能性があります。これは、借り入れコストの増加を理由に住宅購入が先延ばしにされるためです。
需要が減少すると、住宅価格の下落圧力がかかることが予想されます。不動産業者や建設業者にとっては、販売不振や在庫の増加といった問題が生じる可能性があります。また、住宅市場の低迷が続くと、不動産業界全体に悪影響を及ぼし、関連産業にも波及します。
一方で、投資目的で不動産を購入する層にとっては、価格の下落は逆に購入の好機となるかもしれません。金利上昇によりローンの利回りが低下するため、投資収益を見込むことが難しくなりますが、価格が下がれば、キャッシュで購入する投資家にとっては有利な状況が生まれる可能性もあります。
住宅ローン金利の上昇は、金融機関にとって利益率の改善につながる可能性があります。貸出金利が上昇すれば、融資から得られる利息収入が増加するため、銀行の収益が向上することが期待されます。
しかし、その一方で、金利上昇が過度に進むと、住宅ローンの借り入れが減少し、貸出残高が減少する恐れもあります。したがって、金融機関にとっては、金利上昇が収益にどう影響するかは需給バランスによるところが大きいといえます。
住宅ローン金利の上昇は、住宅購入を控えさせ、消費全体にも抑制効果を与える可能性があります。住宅を購入する際には、多くの関連消費(家具や家電、リフォームなど)が伴いますが、住宅購入が減少すれば、これらの消費も減少します。このような連鎖的な消費減少は、国内総生産(GDP)の伸びにブレーキをかける要因となり得ます。
住宅ローン金利の上昇は、政府や政策当局にとっても重要な課題です。住宅ローンは多くの国民にとって大きな支出項目であり、金利上昇によって生活が圧迫されれば、社会的な不満が高まる可能性があります。そのため、政府としては住宅支援政策や、住宅ローン控除といった減税措置を強化する必要が出てくるかもしれません。
さらに、日銀の金融政策にも影響が及ぶ可能性があります。日本は長らく低金利政策を続けてきましたが、物価上昇や景気回復の兆しを受けて金利の正常化が進む中、住宅ローン金利の動向は慎重に注視されるでしょう。政策金利の引き上げが過度に進めば、住宅市場や家計に対する悪影響が大きくなるため、慎重なバランスが求められます。
2024年10月からの住宅ローン金利の上昇は、家計や住宅市場、金融機関、そして経済全体に多大な影響を与えると考えられます。特に、変動金利での借り入れが多い日本では、家計への負担増加が顕著となり、消費の低迷や住宅市場の停滞が懸念されます。
一方で、金融機関にとっては利息収入の増加が期待されるものの、不良債権の増加リスクも同時に存在します。政府や日銀にとっては、金利上昇と経済成長のバランスを取ることが今後の課題となるでしょう。
住宅購入につきましても、金利の動向に応じて購入条件の見直しが必要になるかもしれません。不動産価格への影響につきましても、今後の動向に注視しながら、ご売却を検討されている方々も時期や売却価格等について適切にご検討いただくことが重要になると思われます。
ご購入、ご売却ともに最新の市況をお伝えいたしますので、お気軽に、REDS【株式会社 不動産流通システム】の金谷(カネヤ)までご相談ください。