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有馬 春志(宅建士・リフォームスタイリスト)

安全かつ安心して取引できる環境を提供。

公開日:2022年6月12日

矩計図とは、簡単に言うと建物の軒先を含む代表的な外壁部分の垂直断面になります。

矩計図という漢字を見て、すぐに読み方が分かる方は多くはないのではないでしょうか。これは「かなばかりず」と読みます。

建物を見るときの図面として、平面図や断面図があります。矩計図とは、建築物断面の全体寸法の基本をなす地盤の位置、床高、軒高、窓高、腰高、天井高など高さ関係を示す断面図のことです。一般的に20分の1から50分の1の縮尺で描かれています。

かなり細かく記された断面図となるため、詳細断面図の呼び方をとられることもあります。それぞれの高さなどを把握することができるため、家づくりの現場などで、現場監督や職人にとって欠かせない図面ともいえます。

専門家は、矩計図を見るだけで、使用されている材料やその厚さ等を確認できるため、住宅性能がわかるといわれています。

 

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公開日:2022年6月4日

第1種低層住居専用地域、第2種低層住居専用地域、田園住居地域では、道路や隣地との境界線から一定の距離だけ、外壁を後退させなければならない場合があります。

これを「外壁の後退距離」といいます。
この「外壁の後退距離」は、都市計画によって規定される制限です。逆にいえば、都市計画に定めがないならば、第一種・第二種低層住居専用地域であっても、外壁を後退させなくてよいということになります。
都市計画で「外壁の後退距離」が定められると、建築物同士の間に一定の空間が常に確保されるようになり、日照・通風・防火などの面で良好な環境が形成されます。
具体的には、低層住居系の地域内において、住宅などの外壁や柱面、建築物を敷地境界線から1mまたは1.5m以上後退させなければならないというものです。

道路側と隣地側を後退しなければならないため、敷地面積によっては希望する間取が制限されることがあります。

上記以外に建築協定、地区計画、風致地区などにより外壁後退を定めている場合があります。

 

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公開日:2022年5月29日

一般建築物は建築後いつでも使用を開始することができ、またリフォーム等の工事をしている最中にも通常の使用を続けることができますが特殊建築物等については、廊下・階段・出入口・消火設備・排煙設備等の避難設備に関係する工事を行なう場合や、建物を新築する場合には、原則として建築主事から検査済証を交付された後でなければ、建築物の使用を開始することができません。

これは特殊建築物等では、防災上特に配慮が必要なので、避難設備に関係する工事が進行中の時期や、避難設備そのものがまだできていない時期には、原則として人に使用させないということです。

ただし「検査済証」の交付の前であっても、次の2つのケースでは仮に使用が許されます。

1.特定行政庁が防火上・安全上支障がないと認めて承認をした場合
2.建築主が工事完了検査を申し出てから7日間が経過した場合

 

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公開日:2022年5月22日

債権者が金銭債権を持っているとき、債務者が返済を滞納している等の事情があり、債務者の財産状況が著しく悪化していることが明らかである場合には、債権者は裁判所に対して、債務者の財産(不動産など)の売却等を一時的に禁止することを申請することができます。
裁判所がその申請に相当な理由があると認めた場合には、裁判所は債務者に対して、財産の売却等を当分の間行なわないよう命令します。この裁判所の命令を「仮差押」と呼んでいます。
債権者から見れば、「仮差押」によって債務者の財産を一時的に凍結することができます。

仮差押えという言葉には、「仮」がついていることからもうかがえるように、当事者間の紛争は民事訴訟で決着をつけることが前提であるところ、仮差押えは、そのような決着がつくまでの間、仮定的・一時的に財産を差し押さえるものという性格があります。

仮差押登記がある不動産の売買は、可能ですが、すでに仮差押登記がありますので、買主が売主から本件不動産を購入したとしても、売主と債権者との間の民事訴訟で債権者が勝ち、強制執行になれば、せっかく購入した本件不動産を失う可能性があります。
このような事態を避けるためには、売主と債権者との間の紛争が解決するなどして、本件不動産の仮差押登記が抹消されてから、売主との間で売買契約を締結することが望ましいですが、売主は債権者に対して売買代金の一部を充当して抹消する場合もあります。この場合、仮差押登記の抹消が売買契約締結後になりますが、売買代金の決済時に抹消することが必要になります。

 

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公開日:2022年5月15日

「不動産流通システム」有馬でございます。

家事のための移動経路を家事動線と言います。

家事は異なる作業を異なる場所で行なう場合が多いため、間取りや家具・設備の配置によって動線に大きな違いが生まれます。
家事は、調理、洗濯、掃除、子供の世話などで構成されていますが、家事動線を検討することによって、これらの作業を効率よく進めるための工夫が可能となります。
家事動線は短くシンプルであるほうが良いと考えられていますが、一方で、移動に伴って、触れ合いや見守りなどの関係が生まれることもあるほか、家族の生活動線(居住生活のための移動経路)と家事動線との関係にも配慮しなければなりません。

家事は毎日のことですから、料理、洗濯、掃除はもちろん、こまごまとした「名もなき小さな家事たち」も含めると、積もり積もって、気が付くと一日中家事をしていた、なんてことも。

朝、洗濯をしながら料理をして、掃除をしながら子供の世話して、同時に様々な家事をこなすためには、できるだけ移動が少ない家事動線が理想的です。

家事の無駄な動きを減らすためには、キッチン、ランドリー、洗濯物を干す場所をなるべく近くに配置して、移動時間を短く、動きやすくするのが基本です。

家事が楽になる上で、もう1つ大切な視点が、家族が快適に暮らせる生活動線を考慮した間取りです。家事と生活は密接につながっていますし、同じ時間に同時に違うことができるのも大切な要素です。家族みんなが快適に生活できれば、家事もきっとスムーズになります。

 

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公開日:2022年4月30日

「不動産流通システム」有馬でございます。

コンクリート表面から鉄筋までの厚み(最短距離)のことを「鉄筋かぶり」といいます。

コンクリートにひび割れ(クラック)が生じると、アルカリ性のコンクリートは酸化し、雨水や外気で鉄筋は錆びてしまいますが、かぶり厚が大きければ酸化によるコンクリートの劣化も鉄筋のサビも防ぐことができます。結果、かぶり厚が大きければその分、建物の寿命は延びることにもつながります。

建築物の鉄筋コンクリートは建築基準法により、必要なかぶり厚が「柱」、「梁」、「床スラブ」などの部位によって分けられて指定されています。

 

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公開日:2022年4月24日

「不動産流通システム」有馬でございます。

土地区画整理事業において、正式な換地に先立って行なわれる換地のことを仮換地と言います。
土地区画整理事業では、事業によって、区画を変更する前の宅地(従前の宅地)から区画を変更した後の宅地(新しい宅地)へと所有権が変更されるが(これを「換地」という)、その時期は、土地区画整理事業を行なう区域のすべてについて必要な工事が完了した時点とするのが原則です。

しかし、工事に長期間を要することが多いため、工事が先に完成した地区において、仮に換地を定めて土地の利用を認めることがあります。このようにして仮に換地を定めるのが仮換地です。また、仮換地された土地そのものを仮換地ということもあります。
「仮換地」された宅地は、将来、そのまま正式に換地されるのが原則です。

 

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公開日:2022年4月10日

「不動産流通システム」有馬でございます。

「合掌造り」は、急勾配の大きな草葺き・茅葺き屋根を山形に組み立てた民家の形式のことです。

岐阜県の白川、荘川流域や富山県五箇山地域に見られます。

広い屋根裏を3〜4層に分け、養蚕などに利用していました。

「合掌」は、梁の上に山形を組んで棟木を支持する斜材のことで、「衩首(さす)」ともいいます。長い合掌を鋭角に高く組むことによって独特の建物形態が生まれますが、合掌造りは、そのような構造と形態を備えた民家の形式のことです。

合掌造り家屋が完成したのは江戸時代中期からと推測されています。 その頃、五箇山では養蚕が行われ、塩硝や和紙製造が加賀藩から奨励されていました。 こうした仕事に適したスペースを確保するために、高層の合掌造りに発展したと考えられています。

名前の由来は、手をピタリと合わせた時の両腕全体の形が屋根の形に似ているからのようです。

 

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公開日:2022年4月3日

「不動産流通システム」有馬でございます。

滑動崩落とは、盛土の地滑り的変動をいい、盛り土と地山との境界面や盛り土内部を滑り面とする変動現象のことです。

これによって、造成宅地における崖崩れや土砂の流出による被害が発生します。

滑動崩落を防止するためには、滑動崩落防止工事が有効と考えられています。

滑動崩落防止工事の方法には、①地下水の状態、大規模盛土造成地の地形などの条件を変化させることによって崩壊や変形を防止する工法(抑制工)と②構造物等を設けることによって、その抵抗力により崩壊および変形を防止する工法(抑止工)があります。

阪神・淡路大震災や東日本大震災等において、谷や沢を埋めた造成宅地又は傾斜地盤上に腹付けした大規模な造成宅地において、盛土と地山との境界面や盛土内部を滑り面とする盛土の地滑り的変動(滑動崩落)が生じ、造成宅地における崖崩れ又は土砂の流出による被害が発生しました。
東日本大震災で滑動崩落の被害を受けた宅地の多くは1970年代以前に造成されており、宅地造成等規制法等の改正により技術基準を強化した2006年以降に造成された宅地においては被害が発生していないことを踏まえ、既存の造成宅地について大規模盛土造成地の有無とそれらの安全性の確認(変動予測調査)、危険性が高い箇所の滑動崩落防止工事などの予防対策を早急に進める必要があります。
この予防対策を進めるためには、地方公共団体が変動予測調査を実施し、その結果を公表することで住民の滑動崩落被害に関する理解を深め、地方公共団体等において危険箇所の滑動崩落防止工事を進めていくことが重要であり、国土交通省では、この取り組みを支援するために、予算制度や調査方法の技術的助言等を整備しておりますが、現状においては十分な進捗が図られていない状況です。

 

 

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公開日:2022年3月27日

「不動産流通システム」有馬でございます。

瑕疵(かし)が発見されたときにそれによって生じた損失を補填することを、あらかじめ約束することです。不動産の場合の瑕疵とは、引渡後に物件に売主から知らされていなかった欠陥等が見つかった場合のことです。

売主は「瑕疵担保責任」を負っているため、契約の内容に適合しない瑕疵があった場合に、買主が補修や損害賠償を請求すると応じなければいけません。

それを補完するために、第三者が、瑕疵により発生した一定の損害を負担する仕組みが瑕疵保証です。

例えば、住宅の新築について工事請負人は引き渡しから10年間、住宅の構造体力上主要な部分などについて瑕疵担保責任を負うが、住宅の性能を評価する制度を利用すれば、評価者がその瑕疵を保証する仕組みが用意されています。

構造体力上主要な部分とは、建築物にかかる荷重と外力を支える部分で基礎、基礎杭、土台、壁、柱、小屋組み、筋交いや火打材などの斜材、床版、屋根版、梁やけたなどの横架材等のことです。

 

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