有馬 春志(宅建士・リフォームスタイリスト)
安全かつ安心して取引できる環境を提供。
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公開日:2021年4月30日
不動産流通システムの有馬でございます。
横浜駅から京浜急行で横須賀方面に乗り、2駅目にある日ノ出町駅近くの大岡川に子供たちの健やかな健康を願う「こいのぼり」が気持ちよさそうに泳いでいました。(2021年4月30日午前9時ころ)
今回は不動産の借地権についての話になります。
一般的に土地は「所有権」を売買されるケースがほとんど。これは文字どおり、土地を所有する権利のことで、権利形態が「所有権」の土地は自分のものとなります。一方、「借地権」とは、土地を借りて家を建てる場合に、その土地を借りる権利のこと。ここに家を建てると、土地は地主のもの、建物は自分のものとなります。
現存している借地権は、以前からあった「旧借地権」と、平成4年8月に制定された「借地借家法」の2種類。さらにこの「借地借家法」を大きく区別すると、「普通借地権」と、借りられる期間を定めた「定期借地権」に分けられます。
契約期限は決まっていますが、更新することで期限を延長して借りることができます。契約期間は、建物の構造によって異なります。
◎構造:木造等 存続期間:30年(最低期間20年) 更新後の期間20年
◎構造:鉄骨造・鉄筋コンクリート造 存続期間:60年(最低期間30年) 更新後の期間30年
契約期限は決まっていますが、更新することによって期限を延長して借りることが可能。 存続期間は構造に関係なく当初30年、合意の上の更新なら1回目は20年、以降は10年となっています。
最も多い「一般定期借地権」は存続期間が50年以上です。更新はなく、契約終了後は更地にして地主に返還する必要があります。更新はできないものの、最初の契約期間が50年以上と長いため、そこに永住する予定でなければ問題ありません。
一般定期借地権のほかにも「事業用定期借地権」、「事業用定期借地権」があります。借地権付きの家を所有していたり、相続したりする場合は、契約期間を確認しておくといいでしょう。
借地権付き建物のメリットは、大きく3つ
デメリットは
第三者に売買する場合は、地主に対して譲渡承諾が必要です。また、その他に地主から名義変更料を請求される場合が一般的です。
不動産売買に関することはお気軽に「不動産流通システム」にご相談下さい。
公開日:2021年4月1日
不動産流通システムの有馬でございます。
2021年3月末、横浜市南区某所で風に吹かれて桜の花びらが舞っておりました。
今回は主にマンション等の構造の話になります。
「RC」や「SRC」という用語を目にしたことがある人も多いでしょう。しかし、この二つの違いがよくわからないという人も少なくありません。
RC(Reinforced Concrete)は、鉄筋コンクリート造でその名の通り鉄筋で補強されたコンクリートです。鉄筋の枠型にコンクリートを流し込んで造られるもので、マンションの梁や柱など、強度が必要な骨格部分に使用されています。
SRC(Steel Reinforced Concrete)は、鉄骨鉄筋コンクリート造で基本となる骨格に「H型鋼」などの鉄骨が使用されることがRC造との大きな違いになります。支柱となる鉄骨の周囲に鉄骨の枠型を配置し、コンクリートを流し込むという構造になっています。
鉄筋コンクリート増のメリット
など
メリットばかりではありません。
デメリット
など
鉄筋コンクリート造は非常に強度が高い特徴があり、この強度はコンクリートに鉄筋を埋設したその構造に最大の秘密があります。コンクリートは圧縮に高い強度を持っている一方で引っ張る力に弱い特徴があります。その逆に鉄筋は引っ張る力に高い強度を持っている一方で圧縮に弱い特徴があります。そのため、鉄筋とコンクリートを組み合わせると圧縮にも引っ張りにも強い構造が出来上がるのです。
オフィスや商業用のテナントビルでは、S造(鉄骨造)が使われることが一般的です。しかし、マンションではS造が採用されることはあまりありません。S造はしなやかで強く、大きな空間をつくりやすいのですが、大地震のときに大きく揺れる傾向があるためです。またRC造に比べると、隣同士や上下階の住戸での音が伝わりやすいからです。なお、高層マンションでは、RC造の柱や梁の中に鉄骨を入れた「SRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)」も採用されていました。しかし近年では、超高層のタワーマンションでも高い強度のあるコンクリートを使い、RC造でつくられることが多くなっています。
現在、マンションの鉄筋コンクリートは、建設する現場でつくられることが主流です。骨組みとなる部分に鉄筋を組んでから周りに「型枠」というパネルを立て、中にセメント・砂・砂利から成るコンクリートを流し込み、固まるのを待ってから型枠を外して出来上がります。
建物の骨組みは人間の骨と同じように、まず頑丈であることが求められます。建物本体の重さを長期に渡って支え、地震や強風などで建物の外から加わる力に対して耐えなければなりません。そうとはいえ、建物の柱や梁といった骨組みを太くしすぎると、建物の中の居住スペースが小さくなってしまいます。また、重くなりすぎると外からの力の影響を受けやすくなり、材料費や建設費が余計にかかります。RC造の骨組みのサイズや量は、絶妙なバランスの中で決まっているのです。
RC造には、棒状の柱と梁を一体的に接合してフレームにする「ラーメン構造」と、面状の壁で箱のようにつくる「壁式構造」があります。マンションの室内で見ると、柱や梁が出っ張って現れているのがラーメン構造で、柱や壁の凸凹が出ていないのが壁式構造です。
壁式構造では、壁の中に柱と梁が含まれているイメージです。壁式構造には、床や壁を工場であらかじめパネル化して、現場に運んできて組み立てるものもあり、「壁式プレキャスト鉄筋コンクリート造(PCa)」といいます。
壁式構造のほうが室内に余計な柱や梁がなくスッキリとしていますが、壁式構造は一般的には地上の階数が5以下などの制約があります。壁式構造が用いられているのは、主に低層のマンションです。
また、ラーメン構造では間仕切り壁を将来的に動かすことができますが、壁式構造では動かしたり、撤去できない鉄筋コンクリートの構造壁が間仕切り壁として使われています。そのため間取りを変更することは、壁式構造では難しいといえます。
将来、家族構成の変化などによって部屋の数や大きさを変えたり、ワンルームの大空間にしたい場合、また浴室などの水回りの位置を変えたい場合などは、壁式構造のマンションは向いていません。
一方、ラーメン構造の住戸内の間仕切り壁は、構造とは直接関係がありません。現在の間仕切り壁は、LGSという軽量鉄骨の材料を並べて立ててビスで固定し、その上に石膏ボードを留め付けて造られます。
これらは取り払っても構造に影響がなく、工事は必要ですが間取りの変更が比較的しやすいといえます。ただし軽い造りの間仕切り壁は音を通しやすいので、音を伝わりにくくするためには厚い石膏ボードを重ね張りするなどの方法がとられます。