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有馬 春志(宅建士・リフォームスタイリスト)

安全かつ安心して取引できる環境を提供。

公開日:2021年7月25日

「不動産流通システム」有馬でございます。

特定行政庁から道路位置指定を受けた私道を、「位置指定道路」と呼んでいます。

建築基準法第42条第1項第5号に該当する道路です。

道路完成後に市区町村等に寄附(公道移管)をして「公道」になっていることもあります。

維持管理や通行・掘削等を考えると公道に越したことはないですが、地方自治体により

一定の条件を満たしていないと受付してくれない場合があります。

 

位置指定道路が造られる理由

建物を建てる場合、建築基準法上の道路に2m以上接している必要があります。

例えば大きな土地を分けて、建物を複数建てる場合、道路に面していない、敷地の奥の方では

接道義務を果たせないケースが出てきます。

そのような場合、敷地内に位置指定道路を設けるという方法を取ることがあります。

位置指定道路の幅員は4m以上で道路の長さにより、前から侵入した車両が奥へ行った際に、

切り替えしターンができるようにするなど、築造の条件があります。

このターンできる部分を「車返し」(くるまがえし)と称しています。

日本ではあまり見かけませんが、マッチ棒のような形をした「クルドサック」も車のUターンする目的で

設けられています。

 

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公開日:2021年7月18日

「不動産流通システム」有馬でございます。

建築基準法や条例などの規定に違反して、建築・改築した建築物のことを「違反建築物」といいます。
特定行政庁は、これらの違反行為があった場合、その建築物の所有者、建築主、工事請負者などに対して、工事の施行停止を命じ、または当該建築物の除却、移転、改築、使用禁止など、是正に必要な措置を指示することができます。

違反建築になった原因としては、
◎建築確認申請の内容と異なった建物を建ててしまった。
◎建物建築後に敷地の一部を売却したことにより、建蔽率や容積率オーバーの建物となっている。
◎無許可、あるいは許可内容と異なる増改築をしてしまった。
◎許可を受けた用途と異なった用途に使用している。
などが考えられます。

既存違反建築物でよくある事例として

・吹き抜け部分に床を張って居室にしている。

・本来駐車場として許可を受けた1階部分を店舗や居住スペースに改造している。
などがあげられます。

また、建築後にカーポートや物置を設置する場合も床面積に含まれる場合がありますので注意が必要です。

かなり前になりますが、下見の時に建築中の新築一戸建の柱に工事中止命令の標識(違反の内容については確認できませんでした。)が貼られていました。

また、数年前には後付けのサンルームによる建蔽率違反で是正措置命令の標識のある一戸建を見たことがあります。

 

違反建築物を購入する場合は、金融機関から住宅ローンの融資を受けることができない可能性が高いため、現金で購入するか、違反部分を是正してもらうか、金利の高いノンバンクから借入するかなどのデメリットがあります。

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公開日:2021年7月11日

「不動産流通システム」有馬でございます。

 

青田売りとは、完成する前に宅地や建物を売却することです。

新築マンションや戸建分譲住宅の販売手法として広く使われております。
売主は事業リスクを回避し、資金回収の目途が立つなどの利点があります。

買主には、確実に建物が完成するかどうか、完成後の仕様や品質が予定どおりであるかなど、引渡しまでのあいだ不安が残ります。

買主保護の観点から、完成前の契約締結によるトラブルを避けるため、宅地建物取引業法では以下のような規定をしています。
◎青田売りをする場合、不動産会社等は、開発許可や建築確認等、工事に必要な行政の許可を受けた後でないと、広告や契約をしてはならない。
◎不動産会社等は、契約前の重要事項説明で、完了時における形状、構造などについて記載した書面を交付して説明をしなくてはならない。
◎契約時に売主が買主から受け取る「手付金」が売買代金の5%を超える場合、または1,000万円を超える場合は手付金の保全措置をとらなければならない。

未完成物件の売買契約時の手付金は、売買代金の5%以下かつ1,000万円以下で取引することが大半を占めています。

 

買主のメリットとしては、希望する住戸や区画を購入することができます。

また、未完成の新築の場合、好みの設備に変更したり、柄や色の選択等ができることがあります。

 

参考までに青田売りの語源は、農民が経済的な困難から、まだ稲の青い時期に収穫を見越して先売りすることを意味した。 そこから転じて、工事の完了前に宅地や土地を販売する意味となったそうです。

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公開日:2021年7月4日

不動産流通システム有馬でございます。

新型コロナウイルスの対策は、ワクチンの接種が徐々に進んでおりますが、熱中症にも気を遣う時期となりました。

熱中症は炎天下での運動などで発症しやすいことが知られていますが、高齢者が熱帯夜にエアコンを使用せずに寝ているうちに発症するケースが増えております。

これからしばらくの間暑い日が続くと思います。

皆様のご健勝とご自愛をお祈り申し上げます。

 

マンションの住戸を構造的に支える構法に、「ラーメン構造」と「壁構造」があります。

ラーメン構造は、柱と梁を剛接合するものです。

壁構造は壁で荷重を持たせるものでそれぞれ一長一短があるが、ラーメン構法の場合は、柱や梁が室内側に出っ張り(出隅・入隅)、デッドスペースを生み出してしまう。

この短所を解消するのがアウトフレーム工法です。

柱や梁を住戸の外側に出してしまえば、住戸の室内には柱や梁の出っ張りはなくなるため、部屋を有効に使うことができます。柱はバルコニー側と開放廊下側にあるが、バルコニー側に出すケースが一般的です。

室内空間を非常に広々と使えるようになるため、家具の設置がしやすくなります。

柱に合わせて家具を特注しないためコストも抑えやすいことなどがメリットとして挙げられます。
しかし、アウトフレーム工法にもデメリットはあります。通常、バルコニー側に梁が出てしまうため、窓の高さが低くなってしまいます。そのため、天井より窓の高さが低くなってしまうことから採光性が悪くなってしまうという点があげられます。
そのため、アウトフレーム逆梁工法が考えられました。こちらは採光性に関する問題を解消するという利点があります。しかし、逆梁であるためにバルコニーを狭くしてしまうことがあるというデメリットも存在しています。

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