エージェントブログAGENT BLOG

有馬 春志(宅建士・リフォームスタイリスト)

安全かつ安心して取引できる環境を提供。

公開日:2022年10月23日

地震に耐える建物の構造の基準を「耐震基準」と言い、建築物を設計する際に最も重視されている基準のひとつです。

建築物の設計において適用される地震に耐えることのできる構造の基準で、1981年5月31日までの建築確認において適用されていた基準が旧耐震基準になります。
これに対して、その翌日以降に適用されている基準を「新耐震基準」といいます。
旧耐震基準は、震度5強程度の揺れでも建物が倒壊せず、破損したとしても補修することで生活が可能な構造基準として設定されています。

技術的には、建物自重の20%の地震力を加えた場合に、構造部材に生じる応力が構造材料の許容応用力以下であるかどうかで判断されます。
なお、新耐震基準は、震度6強~7程度の揺れでも倒壊しないような構造基準として設定されています。

新耐震基準が定められることになった、1981年(昭和56年)6月1日の建築基準法の改正は、1978年(昭和53年)の宮城県沖地震を受けたものでした。

 

カテゴリー:

公開日:2022年10月16日

逆梁工法とは、通常は天井から出っ張っている梁を、逆にして床から立ち上げるように設置する工法のことです。
一般に鉄筋コンクリート造のマンションは、ラーメン構造と呼ばれる柱・梁構造で出来ています。ラーメン構造では通常、柱と柱を結ぶ梁の上にコンクリートスラブ (床スラブ)を載せて、建物の床(下の階から見ると天井)としています。そのため室内には、天井から梁が出っ張ることになります。この出っ張りは、見た目にも圧迫感がありますが、天井から出っ張っている梁の下までしか窓の高さを採れないというデメリットもあります。
逆梁工法では、コンクリートスラブは梁の下側に設置されます。梁の上にスラブが載っているのではなく、梁がスラブを吊り下げているわけです。そのため天井はフラットになり、窓も天井近くまで高くすることが可能になります。また、逆梁工法は、梁が床スラブから突き出る形になりますが、この突き出た梁の上に上階の床板で蓋をすることで二重床として、床下を収納スペースや配管スペースとして利用することも出来ます。最近では、柱をバルコニー側に出すアウトフレーム工法と組み合わせた「逆梁アウトフレーム工法」も増えてきています。ただし、建築コストが増大の中でコストがかかるこの工法は採用しづらい面もあります。

 

カテゴリー:

最終更新日:2022年10月13日
公開日:2022年10月9日

規約敷地とは、区分所有法(建物の区分所有等に関する法律)により、区分所有者の規約によって区分所有建物の敷地とされた土地で、区分所有者が建物および建物が所在する土地と一体として管理または使用をするものです。
建物の敷地ではありませんが、庭園、通路、駐車場など、建物の敷地と一体的に利用される土地がこれに該当します。

なお、規約敷地は建物と隣接していない土地であっても設定することが可能です。例えば、マンションから数百メートル離れた駐車場も規約敷地に設定できます。

規約敷地は、区分所有建物の敷地(法定敷地)と同様に区分所有者の共有とされ、原則として専有部分と分離して処分することはできません。
規約敷地は、区分所有建物の敷地と建物利用のために必要な土地とが分離して管理処分されることを防ぐために設定されますが、その設定・廃止は管理組合の意思によります。意思決定においては、管理組合の総会において区分所有者および議決権の4分の3以上の賛成が必要とされています。

 

カテゴリー:

公開日:2022年10月2日

分譲マンションなどの区分所有建物では、区分所有法の規定により、区分所有者等は、区分所有者全体の「共同の利益」に反する行為をすることが禁止されています(区分所有法第6条)。
このような共同の利益を守るために、区分所有法では「義務違反者に対する措置」という条項を設けています。その内容は次の1.2.のとおりです。
1.区分所有者が共同の利益に反する行為をする場合
この場合には次の3つの措置が用意されています。
1)行為の停止等の請求(区分所有法第57条)
ある区分所有者が、共同の利益に反する行為をした場合(またはその恐れがある場合)には、他の区分所有者は、その行為の停止(またはその行為の結果の除去や、その行為を予防するために必要な措置を行なうこと)を、その区分所有者に請求することができます。
これは、迷惑行為をする区分所有者に対して、他の区分所有者は誰でもその迷惑行為の停止等を請求できるという意味ではありますが、実際には管理規約の定めにより理事長が理事会の決議を経て、理事長からその区分所有者に対して正式に行為の停止等を要求することが多いです。
なお、この行為の停止等を理事長等が裁判を起こして請求することも可能ですが、裁判を起こす場合には、集会の普通決議が必要になります。
2)使用禁止の請求(区分所有法第58条)
共同生活上の障害が大きく、行為の停止等の請求では十分な効果が期待できない場合には、理事長等が裁判を起こして、迷惑行為をする区分所有者に対して専有部分の一定期間の使用禁止を請求することができます。
この使用禁止の請求をするには、必ず裁判を起こす必要があり、また裁判の提起には集会の特別決議(すなわち区分所有者数の4分の3以上かつ議決権の4分の3以上の賛成)が必要になります。
3)競売の請求(区分所有法第59条)
共同生活上の障害が非常に大きく、使用禁止の請求では十分な効果が期待できない場合には、理事長等が裁判を起こして、迷惑行為をする区分所有者の建物・土地に関する権利を、強制的に競売することができます。
この競売の請求をするには、必ず裁判を起こす必要があり、また裁判の提起には集会の特別決議(すなわち区分所有者数の4分の3以上かつ議決権の4分の3以上の賛成)が必要になります。

2.区分所有者の同居人や賃借人が共同の利益に反する行為をする場合
この場合には次の2つの措置が用意されています。
1)行為の停止等の請求(区分所有法第57条第4項)
ある区分所有者の同居人や賃借人(区分所有法では「占有者」という)が、共同の利益に反する行為をした場合(またはその恐れがある場合)には、1.の1)の場合と同様に、他の区分所有者は、その行為の停止等を、その区分所有者に請求できます。
なお、この行為の停止等を理事長等が裁判を起こして請求することも可能ですが、裁判を起こす場合には、集会の普通決議が必要になります。
2)占有者に対する引渡しの請求(区分所有法第60条)
共同生活上の障害が大きく、行為の停止等の請求では十分な効果が期待できない場合には、理事長等が裁判を起こして、迷惑行為をする占有者に対して、専有部分の引渡しを請求することができます。
この請求をするには必ず裁判を起こす必要があり、また裁判の提起には集会の特別決議(すなわち区分所有者数の4分の3以上かつ議決権の4分の3以上の賛成)が必要になります。
この請求が裁判で認められると、占有者はその専有部分から退去しなければなりません。

 

カテゴリー: