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有馬 春志(宅建士・リフォームスタイリスト)

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公開日:2022年12月26日

借地借家法が施行された日(1992年8月1日)より前に成立した借地権であって、旧借地法にもとづく借地権のことです。借地借家に関する法制度は、かつては借地法・借家法の二本立てであったが、1992年8月1日に借地借家法が施行されたことにより、一本化されました。
この新借地借家法(1992年8月1日施行)にもとづく借地権であって、定期借地権ではない借地権のことを「普通借地権」と呼びます。
これに対して、旧借地法にもとづく通常の借地権のことを「旧法上の借地権」と呼ぶことがあります。
普通借地権と旧法上の借地権の間には、次のような違いがあります。
1).旧法上の借地権は、あらかじめ存続期間を定めなかった場合には、非堅固な建物については存続期間を30年とし、堅固な建物については存続期間を60年としていました。
しかし普通借地権では建物の堅固・非堅固による区別がなく、あらかじめ存続期間を定めなかった場合には存続期間を30年としました。
2).旧法上の借地権は、建物が老朽化し、朽廃した場合には、借地権が自動的に消滅することとされていた(旧借地法第2条、第5条)。しかし、普通借地権にはこうした朽廃による消滅の規定はありません。
このようにいくつかの相違点があり、しかも現在でも、旧法上の借地権による借地と普通借地権による借地が並存しているため、不動産広告等では両者の違いを明記することが多いです。

 

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公開日:2022年12月18日

資産の価格変動に伴って得る利益をキャピタルゲインと言います。

不動産や株式などの売買差益はこれに当たります。
資産から得られる利益の種類で、その保有により得る利益をインカムゲイン、その価格変動に伴って得る利益をキャピタルゲイン(損失はキャピタルロス)と言います。不動産の賃料、株式の配当、預金の利子などはインカムゲインで不動産や株式・債券などの売買差益はキャピタルゲイン(譲渡益、資本利得)です。例えば、株価30万円で購入した株式が、35万円になったときに売却した場合、差額5万円(手数料・税金を除く)がキャピタルゲインになります。

両者は税務上の取扱いなどが異なるため、投資に当たっても両者の性格の違いを十分に認識しておくことが重要です。
もっとも、両者は無関係ではなく、資産の価格はそれから得ることのできる利益を現在価格に還元したものの総額に等しいとされているため、例えばインカムゲインが増大すれば資産価格が上昇して、キャピタルゲインを得る機会となります。ただし、資産価格は期待や予想に左右されやすいことに注意が必要です。

 

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公開日:2022年12月4日

共有している土地や建物を管理することを共有物の管理と言います。

民法は、共有物の管理について、

1)共有物に変更を加えるためには、共有者全員の同意を要する

2)使用する共有者の決定など管理に関する事項は、各共有者の持分の価格の過半数で決する

3)補修などの保存行為は、各共有者が単独ですることができる

と定めています。

しかしながら、相続等によって、共有者が多数となる、共有者の一部が所在不明となるなどの状況が目立っています。そこで、民法の改正によって、共有物の管理について次のようなルールが制定・明文化されました。(2023年4月1日施行)

(1)軽微変更(共有物の形状又は効用の著しい変更を伴わない行為)については、持分の価格の過半数で決定することができる。 

(2)短期の賃借権等の設定(借地借家法の適用のある賃借権を除く)は、持分の価格の過半数で決定することができる。

(3)共有物を使用する共有者がいる場合や賛否を明らかにしない共有者がいる場合には、一定の条件を満たすときには、持分の過半数で管理(狭義の)に関する事項を決定することができる。

(4)所在等不明共有者がいる場合には、裁判所の決定を得て、所在等不明共有者以外の共有者全員の同意により共有物に変更を加えること、所在等不明共有者以外の共有者の持分の過半数により管理に関する事項(抵当権の設定等の所在等不明共有者が共有持分を失うことになる行為を除く)を決定することができる。

(5)共有物の管理者を選任できる(明文化)。

(6)遺産共有状態にある共有物に共有に関する規定を適用するときは、法定相続分(相続分の指定があるケースは、指定相続分)により算定した持分を基準とする(明文化)。

なお、区分所有建物の管理については、「建物の区分所有に関する法律(区分所有法)」の定めが適用されます。

 

 

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