有馬 春志(宅建士・リフォームスタイリスト)
安全かつ安心して取引できる環境を提供。
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公開日:2022年2月27日
「不動産流通システム」有馬でございます。
瑕疵(かし)とは、「きず」「不具合」「欠陥」などのことをさします。
「隠れたる瑕疵」とは、特定物(建物・土地などその固有性に着目して取引され代替性がない)の売買契約を締結した時点において買主が知らなかった瑕疵であり、かつ買主が通常要求されるような注意力を働かせたにもかかわらず発見できなかった瑕疵のことです。
例えば既存住宅の売買において、屋根の一部に欠陥があったため、引渡し後に雨漏りが発生したとします。この場合、屋根の欠陥が「瑕疵」に該当します。そして買主が売買契約当時にこの欠陥があることを知らず、かつ買主が通常要求されるような注意力を働かせても、この欠陥を発見することができなかったであろう場合には、この欠陥は「隠れたる瑕疵」に該当するといえます。
引渡後、欠陥を発見しても売買契約の特約条項で免責になっていたり、引渡しを受けてからの期間が定められており、それを過ぎると自身で修理することになりますので注意が必要です。
民法(債権関係)改正(施行は2020年4月1日から)以前は、民法で、特定物の売買契約において、その特定物に「隠れたる瑕疵」があったとき、売主は買主に対して「瑕疵担保責任」を負うものと規定されていましたが、改正によってこの規定は削除され、「隠れたる瑕疵」の担保責任を含めて契約不適合責任に統合・整理されました。
公開日:2022年2月20日
「不動産流通システム」有馬でございます。
買戻特約とは、不動産の売買契約から一定期間経過後でも、売主が売買代金と契約にかかった諸費用を買主に返すことで、不動産を取り戻すことができる契約解除の特約のことです。
担保目的の買戻しは、所有権を相手方に移しても、お金を借りるための一時的なものであり、貸金返済とともに取り戻すことを予定しています。
お金を借りた人が返せない場合、貸した人の損害を補うために設けられるものが担保です。多くは、借りた人(債務者)が貸した人(債権者)に不動産などの物品を保証として差し出します。
買戻しは、もともとは担保に利用されていたものですが、他の担保形態の利用が進むにつれて担保目的の利用は減少し、現在では、公的機関(都道府県、市町村、住宅供給公社、都市再生機構)が分譲するときに用いられます。分譲の際、買主が自ら居住することを条件とし、一定期間転売を禁止して、これを守らずに転売した場合は、買い戻すという特約を付けます。
買戻特約の登記は、売買による所有権移転登記と同時にする必要があり、所有権移転登記申請と同一番号で受付、その付記登記で行います。ただし民法改正では、必ずしも同時ではなくても良いと提案されています。
買戻しの期間は最長で10年でそれを超える期間を定めても10年に短縮されます。期間の定めがない場合は5年となります。
公開日:2022年2月13日
「不動産流通システム」有馬でございます。
第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、田園住居地域では、道路や隣地との境界線から一定の距離だけ、外壁を後退させなければならない場合があります。これを外壁の後退距離といいます。
外壁の後退距離は都市計画によって規制される制限になりますが、都市計画でその定めがなければ外壁後退の必要はありません。
外壁後退のある区域は、建築物同士の間に一定の空間が確保されることにより日照・通風・防火などの面で良好な住環境が形成されます。
都市計画で定めている外壁後退距離は、1mまたは1.5mのどちらかになります。
良好な住環境等の面ではメリットもありますが、敷地の広さによっては外壁後退の制限があることにより好みの間取が入らないなどのデメリットもあります。
上記以外でも風致地区や建築協定、地区計画等により外壁後退が定められている場合があります。
公開日:2022年2月6日
「不動産流通システム」有馬でございます。
建築物のエネルギー消費性能を評価するときの評価指標のひとつで、室内外の温度差による熱損失量のことを外皮熱性能といいます。この数値が小さいほど省エネの程度は大きくなります。
住宅の場合は、外壁や窓の外皮平均熱貫流率および冷房期の平均日射熱取得率を算定します。
これを基準として用いる場合には、地域の区分に応じて基準とする数値を調整します。
その具体的な算定方法は、国土交通大臣が定めるとされています。
なお、エネルギー消費性能の基準として外皮熱性能が用いられるのは、(1)住宅に関する省エネ基準と(2)全ての建物に関する誘導基準があります。