堤 延歳(宅建士・リフォームスタイリスト)
NHKドラマ正直不動産、現場監修担当の堤です。
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最終更新日:2021年9月24日
公開日:2021年9月23日
【仲介手数料最大無料】不動産流通システムREDS宅建士/CFP/1級ファイナンシャル・プランニング技能士/公認不動産コンサルティングマスターの堤 延歳(つつみ のぶとし)です。社会人スタートは教育業界で約10年。その後、不動産業界での門を叩いてからは今年で18年目となりました。
先日、大規模接種会場にてコロナワクチンの2回目の接種をしてまいりました。
会場は2019年10月31日(木)に、横浜・みなとみらいの新名所として開業した「横浜ハンマーヘッド(YOKOHAMA HAMMERHEAD)」です。
特に夜のハンマーヘッドはきれいです!(施設の名前の由来となったハンマーヘッドクレーンです)
ハンマーヘッドは、客船ターミナル・商業・ホテルの複合施設を兼ね揃えた世界初の海の駅で、素敵な景色をバックに宿泊が楽しむことができます。
今回も1回目と同じように夜の18時過ぎに左肩に接種。接種した新型コロナワクチンは1回目と同じモデルナです。1回目の接種からちょうど4週間後となります。1回目ほど痛くもなく、特になんら変わりなしです。前回同様15分待機して、問題なかったので大人しく帰宅しました。
12時間後くらいから違和感や痛みが出てくると聞いていましたが、12時間後の朝6時になっても熱はありませんでした。あれ?今回は微熱すら出ないのか?よし、たまっていた仕事でも片付けるか~と思っていた矢先・・・・18時間後のお昼過ぎくらいからやはり来てしまいました。接種部位の痛み、全身に渡る倦怠感、悪寒、熱は38.2℃で、すぐ横になりました。ここ10年以上、38℃を超えたことがなかったのでかなりしんどい感じです。初めは我慢していましたが、だんだんしんどくなってきて、解熱剤を使用。1日経った今でも微熱の37℃くらいあります。前回購入していた解熱剤、冷えピタ、ポカリスウェットが大活躍です。ちょっとびっくりしたのが1回目では出なかった左肩の腫れで真っ赤になってます。仕事には支障がないと思いますが、スポーツはちょっと無理そうです。
新型コロナワクチンの1回目はそれほど大したことはなかったですが、2回目はちょっとしんどいです。噂通りでした。中には4日も熱が続いたり、リンパ節が腫れたりする人もいるようです。それでもかなり予防効果が期待できるワクチンは打った方が良いと思います。みんなで打って集団免疫ができればまた元のマスクなし生活に戻れると信じております。
ワクチン接種時にできることとしては次の3つが大事だと思います。
① 解熱剤は必ず用意しておく・・・2回目は熱が出る確率が高いため。
② 翌日は必ず休みにする・・・周りの経験談でも2日でだいたい元通りになる。
③ 家族で接種日をずらす・・・絶対ずらした方がいいです。家族で助け合いましょう。
REDSでは在宅勤務を推奨しておりますが、やはり物件のご案内時はお客様と接する形をとります。ですのでアルコール消毒・マスク着用・ワクチン2回接種は当然として、コロナ収束に向けて、少しでもコロナ感染リスクを抑えるような行動を今後も心がけていきたいと思っております。
最終更新日:2021年9月15日
公開日:2021年9月14日
【仲介手数料最大無料】不動産流通システムREDS宅建士/CFP/1級ファイナンシャル・プランニング技能士/公認不動産コンサルティングマスターの堤 延歳(つつみ のぶとし)です。社会人スタートは教育業界で約10年。その後、不動産業界での門を叩いてからは今年で18年目となりました。
最近の物件の動きですが、ここ10年で、条件の良い物件の動きが非常に早いな~と感じております。今週の金曜日に内見希望のありましたマンションを5件ご案内する予定だったのですが、そのうち4件にお申し込みが入ってしまい、もう1度仕切り直しで物件を探すことになりました。
もちろん物件はこれからも出てきますし、あせる必要は全くないのですが、人気エリア・角部屋・高層階・築浅物件・間取り・広さ・価格帯などの条件が揃っておりますと、物件が販売開始された週の土日のご案内で決まってしまう確率は非常に高いと思います。
あと意外と多いパターンなのですが、はじめてのご案内で見た物件がものすごく条件が合っていたにもかかわらずタッチの差で購入できずに、それ以降その物件を基準に家探しをすることで、なかなか良い家に巡り会えないというケースがよくあります。やはり物件をはじめて購入する方は1回や2回のご案内で即断することは非常に難しいと思います。
私も個人的には物件購入においては、やはり色々な物件を見ていただいて、お客様ご自身で物件の良し悪しが判断できるようになること、これが非常に大事だと思っております。その結果、本当に良い物件に巡り会えた時にスピーディーに決断できるわけです。
ただ物件購入の決断ができたとしても、お申し込みだけでは物件を止めることはできません。基本的には現金で購入されるお客様以外は住宅ローンの事前審査をしていただく形となります。この住宅ローンにも色々な種類があるわけですが、大事なことは事前審査でいくらの金額が組めるのかをきちんと把握し無理のない資金計画を立てること、これに尽きます。
私の営業スタイル&ポリシーは基本的にこの2つだけです。
「お客様が住みたいところに住んでいただく」
「お客様が買いたい物件を買っていただく」
ですので、強引に結論を急かすような営業は一切致しません。
その結果、2番手となってしまうこともあるわけですが、これからもその営業スタイルを変えることはないと思います。
不動産購入は長い人生の中でおそらく最も高額な商品となります。その判断や決断をするためのサポートをお客様が納得するまでしていくこと。それが不動産エージェントとしての責務であり役割であると思っております。
最終更新日:2021年9月6日
公開日:2021年9月5日
【仲介手数料最大無料】不動産流通システムREDS宅建士/CFP/1級ファイナンシャル・プランニング技能士/公認不動産コンサルティングマスターの堤 延歳(つつみ のぶとし)です。社会人スタートは教育業界で約10年。その後、不動産業界での門を叩いてからは今年で18年目となりました。
居住中の中古戸建ての案内での出来事ですが、元付け業者さんの営業担当の方がバスルームの大きさの説明をしているときに「これは1616ですね~」とさらっと言っていたことがありました。少しお客様の顔色が???って感じになっておりましたが、住宅ローンにも色々な種類があるようにバスルームのサイズにも色々な種類があります。物件をご覧になっている方でしたらバスルームのサイズは知っている方も多いとは思いますが、少し気になったので調べてみました。
カタログやショールームなどでユニットバスを見ると、「0.75坪タイプ」や「1坪タイプ」など、坪数で表示されていることがあります。これは浴室の床面積を表示したもので、坪数が同じだからといって希望するユニットバスが設置できるとはかぎりません。
ユニットバスとは、壁・天井・床・浴槽など、あらかじめ工場でつくられたパーツを現場で組み立てるタイプの浴室です。サイズは「1616」や「1624」など、浴室内の奥行きと幅を表す数値で表現されています。
1616サイズであれば奥行き1600mm×幅1600mm
1624サイズであれば奥行き1600mm×幅2400mm
という具合です。
規格サイズは10cm単位で設定されています。これは浴室の内寸で、自分で測ることができるため、ぜひ確認してみてください。
一般的な規格サイズは次の8通りです。
0.75坪タイプ・・・1216(奥行1200mm×幅1600mm)
0.75坪タイプ・・・1317(奥行1300mm×幅1700mm)
1坪タイプ・・・・1616(奥行1600mm×幅1600mm)
1坪タイプ・・・・1717(奥行1700mm×幅1700mm)
1.25坪タイプ・・・1618(奥行1600mm×幅1800mm)
1.25坪タイプ・・・1620(奥行1600mm×幅2000mm)
1.5坪タイプ・・・1624(奥行1600mm×幅2400mm)
1.5坪タイプ・・・1818(奥行1800mm×幅1800mm)
ここで同じ1坪なのに、なぜサイズが違うの?と思われる方もいらっしゃると思いますが、上記のサイズはあくまで内寸です。1坪のサイズは1820mm×1820mmですので、ユニットバスの壁の厚みが120mmですと1717、壁の厚みが220mmですと1616という計算になります。
あとユニットバスの場合、浴槽の大きさは1坪タイプでも1.5坪タイプでもそれほど変わりません。ただ1.5坪タイプですとその分、洗い場が広くなりますので、親子で一緒に入る場合や介護が必要なご家族がいる場合などは快適に入浴できるのでおすすめだと思います。
最終更新日:2021年8月28日
公開日:2021年8月27日
【仲介手数料最大無料】不動産流通システムREDS宅建士/CFP/1級ファイナンシャル・プランニング技能士/公認不動産コンサルティングマスターの堤 延歳(つつみ のぶとし)です。社会人スタートは教育業界で約10年。その後、不動産業界での門を叩いてからは今年で18年目となりました。
先日、大規模接種会場にてコロナワクチンの接種をしてまいりました。
会場は2019年10月31日(木)に、横浜・みなとみらいの新名所として開業した「横浜ハンマーヘッド(YOKOHAMA HAMMERHEAD)」です。
2019年10月31日(土)に開業した「横浜ハンマーヘッド(YOKOHAMA HAMMERHEAD)」とは、日本初の「客船ターミナル」「商業施設」「ホテル」が一つになった複合施設。3方向を海で囲まれていて、どこにいても青い海を見渡すことができます。
横浜市民でありながらこの施設に入ったのは初めてでしたが、名前の由来が気になったので調べてみました。「ハンマーヘッド」という名前の由来は、横浜に残る歴史的な遺構「ハンマーヘッドクレーン」からとったそうです。
ハンマーヘッドは、客船ターミナル・商業・ホテルの複合施設を兼ね揃えた世界初の海の駅で、素敵な景色をバックに宿泊が楽しむことができます。
ワクチン接種をした帰りに少し館内を歩いてみたところ、ラーメン店やピザ、ステーキハウス、シーフードレストランなどのグルメをはじめスイーツ専門店やドーナツ専門店やコーヒーショップなどいろいろな形態のお店が入っておりました。人がたくさんいましたのでその日は長居せず、みなとみらいの夜景を見ながら接種会場と桜木町駅を結んでいる無料のシャトルバスで大人しく帰宅したのですが、コロナが収束したらぜひ遊びに行ってみたいスポットの1つになりました。
ちなみにワクチンは大規模接種ですのでモデルナです。ワクチン接種後の副反応に備えて、バファリンプレミアム・冷えピタ・ポカリスエット2ℓ×4本ほど購入していたのですが、副反応は12時間後に少し微熱(37.3度)が出た程度で、1日ですぐ平熱に戻りました。左腕はまだ少し痛い感じです。バファリンも特に使うこともありませんでしたので副反応はやはり個人差があるみたいです。
REDSでは在宅勤務を推奨しておりますが、物件のご案内時はお客様とお会いしてご説明をさせて頂く形をとりますので、日常生活でのアルコール消毒やマスク着用は当然として、ワクチンもしっかり2回接種することでコロナ感染リスクを抑えていきたいと思っております。
公開日:2021年8月20日
【仲介手数料最大無料】不動産流通システムREDS宅建士/CFP/1級ファイナンシャル・プランニング技能士/公認不動産コンサルティングマスターの堤 延歳(つつみ のぶとし)です。社会人スタートは教育業界で約10年。その後、不動産業界での門を叩いてからは今年で18年目となりました。
約1週間お盆休みということで長期休暇を頂いておりましたが、お盆中は停滞する前線の影響で西日本や東海地方で記録的な大雨が降り、ここ1週間だけで長崎県の雲仙岳では1266ミリ、佐賀県の嬉野市では1172ミリの雨量があったとのニュースが流れておりました。
このような大雨が止んだ後に起きやすいのが、雨の影響で地盤が緩くなったことで起きる【土砂災害】です。土砂災害をはじめとした自然災害につきましては4回シリーズのブログにてご紹介させていただきました。少々長い内容かもしれませんが、4回分すべてを読んで頂きますと自然災害に対しての考え方が一通り理解できる内容となっておりますので、お時間がある方はぜひこのブログを一読してみて下さい!
大雨といえば私が賃貸管理会社に在籍していたころ、大雨の次の日に必ずと言っていいほど相談があるのが【雨漏れ】でした。管理会社の担当者が一番怖い日、それは台風が過ぎ去った後の翌日です。相談レベルならばいいのですが雨漏れは緊急性が高い事案が多いので管理会社の担当は被害状況の確認や業者の手配など休み返上で対応することになります。令和元年の台風19号過ぎ去った日の翌日・・・担当者にとっては思い出したくないもない1日だった人が多いと思います。(私は当時、売買&相続案件担当でしたので、横でその姿を見ていただけですが・・・)
それでは早速、本題に行きます。
まず屋根の形状ですが色々な種類があり、主に12種類あると言われております。
① 切妻屋根(きりづまやね)
② 寄棟屋根(よせむねやね)
③ 片流れ屋根(かたながれやね)
④ 陸屋根(りくやね・ろくやね)
⑤ 方形屋根(ほうぎょうやね)
⑥ 入母屋屋根(いりもややね)
⑦ 半切妻屋根(はんきりづまやね)
⑧ 差しかけ屋根(さしかけやね)
⑨ 越屋根(こしやね)
⑩ バタフライ型屋根
⑪ 錣屋根(しころやね)
⑫ 鋸屋根(のこぎりやね)
今回は代表的な屋根の形状である①~④について考えていきたいと思います。
日本で一番多く使われている三角屋根。屋根は2つの面で構成されております。
【メリット】
・非常にシンプルな構造なので低コスト。メンテナンスもしやすい形状。
・換気のしやすい構造でもあり雨漏れリスクは低い。
・小屋裏のスペースが確保しやすく、ロフトや収納としても利用できる。
・南北方向に勾配を付けるとソーラーパーネルを載せる面積も十分確保できる。
【デメリット】
・敷地いっぱいに建物を建てると北側斜線制限や道路斜線制限に掛かりやすい屋根の形状となってしまう。
一般的によく見られる屋根。。切妻屋根の次に多い屋根の形状。屋根は4つの面で構成されております。
【メリット】
・屋根の形状が4面のため、雨や雪を分散しやすく、風への耐久性も高いので台風に強い。
・4方向が軒になり低くなるので北側斜線や道路斜線などをかわしやすくなる。敷地の前面道路が狭かったり、敷地が狭い場所での建売住宅などで寄棟屋根が多いのはこのためです。
・全方向の外壁を雨や紫外線から守ることが出来る。
【デメリット】
・ソーラーパネルを載せられる面積が狭くなる。
・雨樋や棟が長く、やや複雑な構造のためコストがやや高めである。
・屋根裏のスペースが狭くなりがちなので換気が必要。
屋根が1面だけで構成されているシンプルな構造。デザイン性が高いことから近年人気が上がっている形状です。
【メリット】
・シンプルな形状のため初期費用を抑えられる
・屋根の傾斜を南側に向けることができれば太陽光パネルの設置面積をかなり大きくとれる。
【デメリット】
・雨水や日光が当たりやすいため外壁が劣化しやすく、壁面からの雨漏りに繋がることがある。
・屋根の形状が1面のため、雨や雪を分散しづらく風への耐久性は低くなるので台風にはそれほど強くない。
屋上があるタイプの水平な屋根。アパート・マンションでよく見られますが、最近では一般住宅にも普及しております。
【メリット】
・屋上スペースを活用できる。
・メンテナンス時に足場が安定しているので安心。
・メンテナンスを実施していれば比較的、雨漏りには強い。
【デメリット】
・屋根に水勾配があまりないのでメンテナンスを怠っていると、ゲリラ豪雨のとき排水処理が追い付かないことがある。
・小屋裏空間が無いので、十分な断熱をしていないと太陽光の熱が階下に伝わりやすい。
・壁に直接雨が当たるので、メンテンナンスを怠ると雨漏りしやすい。
・ソーラーパネルを設置する場合、専用の架台が必要となりコストが掛かる。
ここ最近多い【デザイン性重視の軒ゼロ住宅】は、実は雨漏れに弱い形状です。軒の出というのは屋根の軒先の長さのことで、建物を紫外線や雨風から守るという重要な役割があります。デザイン性重視のため、軒ゼロを採用してしまうと外壁、開口部、排気口に直接雨風が吹き付けることになります。
そして雨漏れに弱い屋根の形状は【片流れ屋根の軒ゼロ住宅】です。片流れ屋根というのは軒の出があっても横殴りの雨に弱いという特徴があり、軒ゼロであればコーキング部分が劣化したら即雨漏れに直結します。
やはり雨は溜めずに速やかに排出することが大事です。重力に逆らわずに雨を流すような屋根の形状は雨漏れリスクに強いと言われております。
結論から言いますと、保険会社のデータでは【寄棟屋根】が保険事故物件の中で最も雨漏れが少ない屋根形状となっております。
最後にどのような屋根が雨漏れリスクに強いかをまとめてみました。この3つです。
① シンプルな形状は雨漏れリスクに強い
② 屋根勾配が大きい屋根は雨漏れリスクに強い
③ 軒の出がある屋根は雨漏れリスクに強い
木造の多い日本の住宅は水分に弱く、雨漏りの放置からシロアリの繁殖などを招き、気付いたときには雨漏り修理では対応できない・・・なんてことになりかねません。定期的なメンテナンスが一番大事ではありますが、もし雨漏りを見つけた時には、できるだけ早く専門業者に相談して修理してもらうようにしましょう。
最終更新日:2021年8月18日
公開日:2021年8月15日
【仲介手数料最大無料】不動産流通システムREDS宅建士/CFP/1級ファイナンシャル・プランニング技能士/公認不動産コンサルティングマスターの堤 延歳(つつみ のぶとし)です。社会人スタートは教育業界で約10年。その後、不動産業界での門を叩いてからは今年で18年目となりました。
ここ最近、中古マンションをご案内する機会が多いのですが、中古マンションを軸に探されている方の特徴として、リフォームを前提に資金計画を考えている方がかなり多いと感じることがあります。
ご案内の際には、【新築マンションではなく、なぜ中古マンションを探しているのか】を毎回お客様からお聞きすることにしているのですが、振り返ってみますと色々な意見がございましたので少しご紹介してみたいと思います。
このように当然お客様が100人いれば100通りの考え方がありますので色々な意見があるとは思いますが、予算面以外の理由として特に次の3つの理由が多いと感じております。
中古マンションを購入するにあたっては、利便性の高い物件や駅近の物件などを購入できれば、仮にお住み替えになっても資産としていつでも売ったり貸したりすることが可能です。マンションの資産価値とは【高く売れる・高く貸せる】ことであり、資産価値が落ちにくいマンションはやはり【立地が決め手】となります。
戦略的に中古物件を賢く購入し、自分のライフスタイルに合わせたリノベーションをして、自分らしさや快適性を追求する。このような視点で物件探しをされるお客様が増えており、今後もこの傾向は続いていくものと感じております。
事実、販売実績のデータを調べてみたところ、首都圏の数字とはなりますが2019年時点で新築発売戸数「31,239戸」、中古成約件数「38,109戸」という結果が出ており、中古市場のシェアが新築市場を逆転しておりました。
私が所属している営業所には建築士の資格を取得している設計が常勤しており、中古マンションや中古住宅のご案内の際には、リフォームを含めた様々なご提案が可能となっております。
REDSでは宅建士が物件を探して、建築士がリフォームプランを提案。建築施工管理技士がお部屋をチェックするのでアフターも万全。リフォームを含めた資金計画も住宅ローンに精通したエージェントがフォロー。不動産をご購入の際には、REDSのワンストップサービスをぜひご活用ください!
公開日:2021年8月6日
【仲介手数料最大無料】不動産流通システムREDS宅建士/CFP/1級ファイナンシャル・プランニング技能士/公認不動産コンサルティングマスターの堤 延歳(つつみ のぶとし)です。社会人スタートは教育業界で約10年。その後、不動産業界での門を叩いてからは今年で18年目となりました。
ここ最近ご案内させて頂いたお客様からのご質問で、ご案内している最中にインスペクション(建物状況調査)の内容について聞かれることが3回連続で続いておりましたので、今回は【インスペクション】について少々考えてみたいと思いました。
少々古いデータですが平成23年度の国土交通省の「土地問題に関する国民の意識調査」によりますと、中古住宅については下記のような理由により抵抗があるようなデータが掲載されております。
上記のデータは少し古いものでしたが、このような中古住宅への不安を払拭する1つの手段としてインスペクション(建物状況調査)があります。ですがこの調査が行われた平成23年から約10年が過ぎ、お客様自身の中古住宅についての考え方もだいぶ変わってきたような気がいたします。
それでは早速、本題に行きたいと思います。
宅地建物取引業法の改正により、平成30年4月より中古住宅の売買の際に行われる重要事項説明においてインスペクション(建物状況調査)を実施している場合には、その結果について説明することが義務づけられました。
インスペクションとは簡単に言いますと専門家による建物チェックのことを意味します。住宅をよく知る専門家(建築士など)が不動産の状態をチェックし、建物の欠陥の有無や劣化状況、改修すべき箇所や改修に必要なコストなどを診断します。第三者的な立場で専門家が診断を下すため、不動産売却においては買い手側の安心感にもつながり、不動産取引の透明性も高くなることが期待されております。
(国土交通省不動産業課ホームページより引用)
建築士(1級・2級・木造)で、既存住宅状況調査技術者の登録を受けた者。
非破壊調査で基礎・外壁・屋根・床の傾き、点検口からの目視確認。
過去に雨漏れがあったか、外壁の劣化、屋根の劣化、今後リスクとなりそうな箇所の状況が分かります。ただし非破壊調査なので限界があります。
中古住宅の引渡し後に発生した雨漏りや構造的な不具合に対し、1000万円までの補修費用を最長5年間保証するといった瑕疵保険付きのインスペクションもあります。
5万円から7万円くらいが一般的な相場だと思います。
インスペクションのメリット・デメリットについては売主側と買主側に分けて考える必要があります。
・引き渡し後のトラブル発生のリスクを軽減できる。
・建物の状況についての買主の不安が軽減され、売却しやすくなる。
・保険付保できる物件として売り出すことにより、売却しやすくなる。
・瑕疵保険の加入によって引き渡し後のリスクを軽減できる。
・インスペクションの費用が掛かる。
・インスペクションの結果、修理すべき場所がみつかり、修理の程度によってはかなりの時間や費用が掛かることもあり、販売計画そのものを見直す可能性もあります。
・建物の状態を把握することで、安心して住宅を購入できる。
・購入段階で住宅の状態を把握することで、入居後も建物の状態の変化を把握し、適切な維持管理をしやすくなる。
・建物の状況に応じた価格で購入できる可能性が高まる。
・保険付保できる物件かどうか事前に把握できる。
・瑕疵保険に入っている物件だといろいろな税制優遇措置を受けられる。
・売主側でインスペクションを実施していない場合、買主側の希望でインスペクションを実施すると、その費用負担は買主側となることが多い。
実際に中古住宅の売買が盛んな欧米諸国では、売買取引全体の7割以上でこのインスペクションが行われている地域もあります。そのような地域では、インスペクションを行って売主から買主へ建物の状態を正確に伝えることは、もはや常識になっております。日本でも近年は中古住宅を購入してからリフォームして住む人が増え、既存住宅への意識が変化してきています。
また、国の制度推進もあり、インスペクションは現在、急速に普及しはじめています。インスペクションの普及によって住宅の価値が可視化されることがスタンダードになれば、中古住宅を買うことへの不安感が薄れ、今後は中古住宅の売買がますます増えていくと思います。
あと私の肌感覚ではありますが、ここ最近のお客様は新築物件にこだわらず、仮に古い家が建っていたとしてもいずれ建て替えれば良いものだからということで、建物よりもまずは【立地重視】で物件探しをするといったようなお客様も実際増えているような気がします。
例えば新築のみで駅から徒歩10分以内の物件を探すよりも、中古物件も含めて駅から徒歩10分以内の物件を探す方が確実に選択肢の幅が広がります。物件探しは色々な視点で考えてみることが非常に大事です。あと新築物件は不動産業者の利益も考慮して販売価格が決定されているものですが、中古物件にはそのような利益を全く考える必要がないので、比較的、相場に見合う金額で売買されているケースが多いことも魅力の1つだと思います。
このように合理的に考えるお客様が増えている中で、売却物件につきインスペクションを実施していれば、他の物件より売却しやすくなるのは事実だと思います。ただしインスペクションも非破壊検査に過ぎず必ずしも万能ではないので、メリットデメリットをよく考えて実施するかどうか検討してみることをおすすめいたします。
公開日:2021年7月30日
【仲介手数料最大無料】不動産流通システムREDS宅建士/CFP/1級ファイナンシャル・プランニング技能士/公認不動産コンサルティングマスターの堤 延歳(つつみ のぶとし)です。社会人スタートは教育業界で約10年。その後、不動産業界での門を叩いてからは今年で18年目となりました。
2021年7月2日夜から東海・関東の太平洋側で記録的な大雨が降り、静岡県熱海市で大規模な土石流が発生しました。多くの家屋が流され、現場では行方不明者の捜索活動が続けられています。7月30日現在、死者は22名、行方不明者8名、被害棟数131棟とのことです。被災された皆さまに心よりお見舞い申し上げます。
この熱海で起こってしまった伊豆山土砂災害を見て、これから不動産を購入しようとされているかたにぜひ知っておいてもらいたいことをテーマにしてみたいと率直に思いました。
今回はREDS不動産エージェントとして1歩踏み込んだ災害リスクの考え方や調べ方などをお伝えしたいと思います。ブログなので都合4回に分けて書きたいと思います。今回は第4回目なので最終回です。
ここ最近の自然災害は人間の予想を超える事態が多く、それに対する備えが非常に大事になってきております。日本は特に地震が多い国です。
今後30年以内に約70%の確率で起こることが予想されている「南海トラフ巨大地震」と「首都直下地震」について内閣府が発表している予想される被害は次の通りです。
特に【南海トラフ巨大地震】においては、住宅全壊戸数が東日本大震災の約20倍の238万棟、死者・行方不明者数にいたっては32万人という衝撃的な数字を想定しております。
地震大国の日本。諸外国に比べて建物の構造等には地震災害を想定した厳しい規制が当然敷かれています。しかし堅固な建物を建築するだけで安心とは言い切れず、その建物の土台となる土地の地質や状態などをしっかりと調べておくことも非常に重要です。
そこで今回は地震に強い土地、建物を見極めるための大切なポイントを説明します。
早速、本題に行きます。
地震大国である日本で家を建てるには、「耐震性」に優れた家を建てることが大切です。しかしその前に家を建てるための地盤が強固でなければどんなに性能の良い家を建てたとしても、地震などの被害に見舞われる可能性が高くなります。
一般的に地震が起きた時の家屋の倒壊レベルには、その地震の距離や深さが関連してきます。その一方、地震からの距離や深さが同じエリアで起こった地震でも、ダメージに大きく違いが出るケースがあります。その原因は地盤の「固さの違い」です。
そこで地盤の固さと地震の関係を理解し、さらには地震に強いエリアで家を建てるための「土地探し」が重要になります。
地震に強い土地とは「地盤が固い土地」のことを言います。一般的に岩盤や砂れきを多く含む土地は固く締まりがあり、地震の揺れに対しても揺れにくい性質があります。
逆に地震に弱い土地とは「地盤が柔らかい土地」のことを言います。やわらかい粘土や砂から成り、土の強度が弱いのが特徴です。かつて湖沼・河川・池だった場所を埋め立てた土地などは水分を多く含む場合が多く地盤が柔らかい地盤、いわゆる軟弱地盤であることが多いです。このような水を多く含む土地では液状化現象が起きる可能性が高く地盤沈下も起きる可能性もあります。軟弱地盤は地震の揺れに対して揺れやすい性質があります。
このような軟弱地盤であるかどうかは地盤調査で判定できますが、地盤が弱いと判定された場合は、安全性を高めるための地盤改良工事が必要となってきます。
では地盤調査の結果、地盤改良が必要になった場合、具体的にどんな方法で地盤の強度を高めるのでしょうか。方法は主に(1)表層改良工法(2)柱状改良工法(3)鋼管杭工法の3つがあります。
(1)表層改良工法
軟弱だと思われる地盤が深度2メートル以下の時に行われる工法です。工事にかかる日数は1日~2日程度で済み、工事費用も1坪あたり2万円程度で済みます。
(2)柱状改良工法
軟弱だと思われる地盤が2メートル~8メートルのときに行われる工法です。地中にコンクリートの柱を建てる工法で工期は1週間程度かかり、費用としては1坪あたり5万円程度かかります。
(3)鋼管杭工法
地中に鉄製の杭を打ち込む工法で深度30メートルまでの工事が可能です。工期は1日~2日ほどで、費用は1坪あたり5万円~7万円ほどかかります。
土地の地盤改良工事が必要な場合には100万円~150万円程の費用がかかることが多くあります。地盤の強い土地であれば、地震のリスクを減らすこともできるので、意識的に地盤の強い土地を選びたいものです。地盤の強い土地を見極める1つの基準として「標高」が重要になってきます。一般的に標高の高い土地は地盤が強く、低くなるにつれて地盤は弱くなる傾向にあります。田んぼや沼、川や池などの水が関係する土地は地盤が弱いのも特徴です。一方で、昔から神社仏閣がある土地は地盤が強固な傾向があります。国土地理院「国土変遷アーカイブ空中写真閲覧」を見ると、その土地の昔の姿を見ることができるので活用してみるのも1つの方法です。
1995(平成7)年1月17日に起こった阪神淡路大震災は死者・行方不明者6000名以上、全壊家屋約10万棟という大災害をもたらした地震でした。死亡者の7~9割は倒壊した家屋や家具の下敷きによる圧死というデータがあります。
倒壊した家屋の調査から、以下のような倒壊した建物の弱点が指摘されております。
① 構造 : 瓦屋や土を置いて屋根が重くなっていた。耐力壁が少ないか配置バランスの悪い家。1階に駐車スペースなどの開口部があるため耐力壁のバランスが悪い家。各階の耐力壁がずれた家。
(注)耐力壁とは地震や風など、横方向・水平方向からの荷重に対抗する能力をもつ壁のこと
② 工法 : 筋交い・柱・梁をつなげる接合金物が不足していた。基礎と土台の結合が弱い。壁の筋交いが十分に入っていなかった。
③ 建築基準法 : 昭和56年5月31日以前の耐震基準で作られた木造住宅 (いわゆる旧耐震)
④ 立地条件 : 地盤の悪い造成地や埋立地に建てられた家
⑤ 管理 : 老朽化、シロアリ被害、水廻りの腐食で部材の結合部分が劣化
このような分析結果から、地震に強い建物にするためには以下の点に配慮する必要があります。
① 固くてしっかりした地盤を選ぶ、弱い地盤であれば補強工事を施す。
② 構造材(土台、柱、梁など)は太くて腐りにくいものを使用する。
③ 木材の接合部分に釘、ボルト、羽子板金物、帯板など金物を十分に使う。
④ 建物全体の形をなるべく長方形のシンプルなものとする。これによって、地震によるねじれるような揺れを防ぐことができる。
⑤ 筋交い入りの耐力壁は東西・南北方向ともに全体に十分な量をバランスよく配置する。
⑥ コンクリート基礎に鉄筋を入れる。
⑦ 基礎、床下、水廻りの換気口を確保し、腐食やシロアリに備える。防腐、防蟻処理を行う。
⑧ 屋根や壁を軽量化し、建物全体の重量を抑える。
以上が地震に強い建物の特徴となります。
今回のテーマ(全4回)のブログに書くにあたっては、気象庁・国土地理院・内閣府をはじめとした官公庁のサイトなどを時間が許す限り色々と検索して調べましたので、自分自身でもかなり勉強になりました。このブログをお読みいただいた方の今後の物件探しや家づくりにおいて、少しでもお役に立つことができれば幸いです。
最終更新日:2021年7月27日
公開日:2021年7月23日
【仲介手数料最大無料】不動産流通システムREDS宅建士/CFP/1級ファイナンシャル・プランニング技能士/公認不動産コンサルティングマスターの堤 延歳(つつみ のぶとし)です。社会人スタートは教育業界で約10年。その後、不動産業界での門を叩いてからは今年で18年目となりました。
2021年7月2日夜から東海・関東の太平洋側で記録的な大雨が降り、静岡県熱海市で大規模な土石流が発生しました。多くの家屋が流され、現場では行方不明者の捜索活動が続けられています。7月23日現在、死者は19名、行方不明者8名、被害棟数131棟とのことです。被災された皆さまに心よりお見舞い申し上げます。
この熱海で起こってしまった伊豆山土砂災害を見て、これから不動産を購入しようとされているかたにぜひ知っておいてもらいたいことをテーマにしてみたいと率直に思いました。
今回はREDS不動産エージェントとして1歩踏み込んだ災害リスクの考え方や調べ方などをお伝えしたいと思います。ブログなので都合4回に分けて書きたいと思います。今回は第3回目です。
ここ最近の自然災害は人間の予想を超える事態が多く、それに対する備えが非常に大事になってきております。日本は災害の多い国です。この世から災害をなくすことはできませんが、被害を減らすことは可能です!
災害の発生が予想されるときに私たちひとりひとりにできることは、的確な判断をしてすばやく避難のための行動をとることです。しかしながら、それがなかなかむずかしいことも事実です。なぜ避難が遅れてしまうのでしょうか。それは「災害時における人間の心理」が被害を拡大している側面があるようです。
人間は物事を自分に都合がよいようにバイアス(偏った見方)をかけて認知する傾向があり、災害時にリスク情報が過小評価されることがあります。
実はこのような認知バイアスへ陥らないための対策があります。
それは災害に対する訓練等を通じて「こういう事態に直面したらこのように行動する」という認識を身体にインプットすることです。その例として東日本大震災の際、津波による被害に見舞われた岩手県釜石市における小中学生の生存率は99.8%と非常に高いものでした。これは「津波の恐れがあるときは各自ばらばらに一刻も早く高台に逃げて自分の命を守れという考え方」が昔から地域に根付いており、普段から繰り返し防災訓練が行われてきた成果と言われております。
その考え方を三陸地方では【津波てんでんこ】と呼んでいて、防災思想として昔から語り継がれているそうです。
それでは本題にいきます。
水害の代表的なものとして洪水(外水氾濫・内水氾濫)・高潮・津波などがあります。
「洪水」とは、台風や豪雨によって河川の水かさが通常よりも増した状態のことです。この洪水には「外水氾濫」と「内水氾濫」の2つがあります。
「外水氾濫」とは、豪雨などによりかさが増した河川が堤防から溢れたり、堤防が決壊したりすることで発生する洪水です。河川の泥水が建物に浸水するため、洪水が引いた後も土砂が残されるなど復旧に時間がかかってしまいます。
「内水氾濫」とは、豪雨などにより排水路や下水管の雨水処理能力を超えた場合に溢れてしまい、建物や道路が浸水してしまう洪水です。大雨のときにマンホールなどから水が溢れて道路が冠水している映像をニュースで見たことがある人も多いと思いますがそれが「内水氾濫」です。都市部は道路がコンクリートなどで覆われていますが雨水が浸透しづらい特徴があるため、大雨が続くと発生しやすくなります。
「高潮」とは台風により気圧が低下し海水が吸い上げられたり、強風によって海面が吹き寄せられたりして海面の水位が通常よりも上昇し、陸地に海水が侵入する災害です。
「津波」とは、地震などで海底・海岸地形が急変することによって発生する大規模な波のことで、海底から海面までの全ての海水が波となって一度に動くため凄まじいエネルギー量になります。津波は周囲の物を破壊しながら陸に押し寄せていきますが、波が引いていく場合も力が衰えることはなく、破壊したものを引きずり込んでしまいます。そのため、短時間でも大きな被害が発生しやすいです。
前回のブログでは地形と自然災害が密接な関係にあることを検証してみました。熱海の土砂災害で起こってしまった土石流は、その流れ出した場所のほとんとが土石流や斜面崩壊の恐れがある「山麓堆積地」でした。実は水害リスクも土砂災害と同様、地形分類からその危険性をある程度推定することができます。
資料は滋賀県耐水化建築ガイドラインより
低平地・・・勾配が緩く、海や河川の周辺かつ水位環境の影響を受けやすい場所
干拓地・・・干潟や湖沼を人工的に陸地に変えた場所
道路鉄道敷・・・道路や鉄道を敷くために連続盛土をしている場所
河川合流部・・・河川合流部は水の逃げ場がない
狭窄部・・・川幅が突然狭くなる場所、水の流れが悪い場所
他にも水害リスクが高い場所として「旧河道」「氾濫平野」「後背湿地」「海岸平野」「三角州」「砂州」などがあります。治水地形分類図でも確認できますので気になる場所があれば一度確認してみて下さい
ひとつ例をあげて検証してみます。鬼怒川で発生した平成27年9月の水害です。
平成27年9月9日から11日にかけての関東・東北豪雨により、茨城県を流れる鬼怒川が氾濫し堤防が決壊、流域の5つの市が洪水に飲み込まれ、住民は孤立し約4300人が救助、20人が死亡。建物等の被害は全壊が81棟、半壊が7090棟、床上浸水が2523棟、床下浸水が13259棟など、大被害を受けました。この鬼怒川の氾濫も治水地形分類図から、浸水の危険性が分かります。
台地・丘陵・・・台のように周囲の低地に比べて盛り上がっている平らな土地のこと
自然堤防・・・川の両側に洪水で運ばれた土砂が堆積してできた丘のような地形
氾濫平野・・・過去の洪水によってつくられた平野。洪水氾濫の他、内水氾濫も発生しやすい。
後背湿地・・・自然堤防の背後にできる湿地帯。わずかな降雨でも浸水しやすく、浸水深・浸水時間ともに大きくなる。
鬼怒川の氾濫による浸水範囲が緑や黄色の部分とほぼ一致しているのが分かると思います。このように歴史上、洪水がたびたび繰り返されてきた場所は水害リスクが高く、それに対する備えが大事となってきます。
・地形と災害はとても関係が深い
・日本の平野は洪水災害リスクが高い場所が多い
・川が氾濫しなくても浸水することがあるので注意!
・川への排水ができずに浸水することもある
・内水氾濫は周りより低い土地で発生しやすい
・治水地形分類図を見るとその土地の洪水危険性がわかる
・水の流れは地形で決まるため、身の回りの地形や土地の高低をよく観察しておく
地形を知り、災害から身を守る方法を身に付けることが大事!
「天災は忘れた頃にやってくる」という言葉がありますが今の時代には通用しません。「天災は毎年必ずやってくる」と言っても過言ではなく、有事に備えて被害を少なくするための心掛けと準備をしておくこと、それが大事だと思います。
公開日:2021年7月16日
【仲介手数料最大無料】不動産流通システムREDS宅建士/CFP/1級ファイナンシャル・プランニング技能士/公認不動産コンサルティングマスターの堤 延歳(つつみ のぶとし)です。社会人スタートは教育業界で約10年。その後、不動産業界での門を叩いてからは今年で18年目となりました。
2021年7月2日夜から東海・関東の太平洋側で記録的な大雨が降り、静岡県熱海市で大規模な土石流が発生しました。多くの家屋が流され、現場では行方不明者の捜索活動が続けられています。7月16日現在、死者は12名、いまだ行方不明者が16名とのことです。被災された皆さまに心よりお見舞い申し上げます。
この熱海で起こってしまった伊豆山土砂災害を見て、これから不動産を購入しようとされているかたにぜひ知っておいてもらいたいことをテーマにしてみたいと率直に思いました。
今回はREDS不動産エージェントとして1歩踏み込んだ災害リスクの考え方や調べ方などをお伝えしたいと思います。ブログなので都合4回に分けて書きたいと思います。今回は第2回目です。
早速、本題にいきます。
ここ最近の自然災害は人間の予想を超える事態が多く、それに対する備えが非常に大事になってきております。自然災害の例としては【地震】【土砂災害】【ゲリラ豪雨】【スーパー台風】などが挙げられますが、水害の起こりやすい【低地エリア】、土砂災害の恐れがある【山裾エリア】、津波の危険性がある【沿岸エリア】などは特に注意が必要だと思います。
そもそも日本の国土は次のような特徴があり自然災害が発生しやすい環境です。
物件選びにおいても水害や土砂災害などの災害リスクが少ないエリアを重視される方がここ数年増えているような気がいたします。ハザードマップを検索しながら物件の立地を検討されている方もいれば、土地勘がある方は事前に災害リスクを想定して「この○○街道より北側限定で物件を探してください」「この路線より南側の物件限定でお願いします」といったリクエストを頂く事もよくあります。やはり昔から住んでいる方は、昔はそこがどういう土地だったのかをよくご存じなので当然お客様の条件に沿った物件探しをすることがベストとなります。
やはりお客様にとっての不動産の価値は、単なる地価相場や利便性といった見方だけではなく、災害リスクの少ない土地・良好な地盤などといった安全性も加味されて決まるところがあると思います。土地であれば「地盤」や「地形」、建物であれば「耐震性」「耐久性」「省エネ」などがポイントとなります。
まだ記憶に新しいとは思いますが平成30年7月豪雨や令和元年台風19号などでは甚大な大規模水災害を受けました。それがきっかけとなり、不動産取引時においては水害リスクに係る情報が契約を結ぶ上で大事な要素となることから【水害リスクの説明】が義務化されました。
具体的には2020年8月28日より水防法の規定に基づき作成された「水害ハザードマップ」を用いて取引の対象となる不動産の所在地について、その災害リスクを宅建士が必ず説明をすることになりました。水害には「洪水」「雨水」「出水」「高潮」などがあります。
今回は具体的にそのハザードマップからどのような情報が読み取れるのか?を考えていきたいと思います。
ハザードマップは各市町村から配布されておりますので一度は目を通したことがあると思います。ハザードマップとはある災害が発生したときに危険と思われる場所や災害時の避難場所をまとめたもので、災害の種類別に「洪水」「内水」「高潮」「津波」「土砂災害」「火山」などのハザードマップがあります。
このハザードマップはネットでも簡単に検索していろいろな災害リスクを調べることができます。【重ねるハザードマップ】と【わがまちハザードマップ】の2つがメインとなります。ポータルサイトはこちらです。
複数の防災情報を一つの地図上に重ねてみることができます。すごく便利です。「洪水」「土砂災害」「高潮」「津波」「道路防災情報」「地形分類」の6つがあります。
全国各市町村のハザードマップを直接検索することができます。
熱海で起こってしまった土砂災害ですが、この土砂災害にはがけ崩れ・地すべり・土石流などがあり、熱海の土砂災害は土石流と見られます。土石流は「山津波」とも呼ばれ、極めて危険な災害です。
今回はその熱海の土砂災害に限定してハザードマップを見ていきます。
熱海の土砂災害があった場所のハザードマップ(土砂災害で選択)
今回の土砂災害はある不動産管理会社による大規模盛土に原因があると静岡県の副知事が言っておりました。盛土をした不動産管理会社は、静岡県の許可を必要としない1ヘクタール以下の面積で造成計画の届出をしており、その届け出をした後に、当初の計画以上の盛土や産業廃棄物の不法投棄をしていたそうですので、かなり悪質で限りなく人災に近い土砂災害と言えそうです。
加えてハザードマップでこの土石流が流れた痕跡を見てみると、その大部分が【土砂災害警戒区域】に指定されており、もともと災害リスクの高い場所のすぐ近くで盛土をしていたことになります。そのような場所で当初の計画以上の盛土をして産業廃棄物の不法投棄をしていた事実を行政が把握していたにもかかわらず、静岡県や熱海市がどこまで対応していたのか後々、検証が必要になってくると思います。
熱海の土砂災害があった場所のハザードマップ(地形分類で選択)
また、地形分類では【山麓堆積地形(土石流堆)】と分類され、土石流などがくりかえし流出して形成された地形であるとわかります。今回の土砂災害の直接的な原因が無秩序に行われた盛土にあったとはいえ、ここまで被害が拡大しているひとつの理由として、地形的に土石流が起こりやすい場所で発生したからと考えていいのかもしれません。
第1回のブログでも少し触れましたが国土地理院のホームページから、古地図や昔の航空写真を検索できることは説明いたしました。それ以外にも国土地理院の地図情報を活用して様々な【地形分類図】が検索できます。国土地理院が整備している主な地形分類図には「土地条件図」「沿岸海域土地条件図」「火山土地条件図」「治水地形分類図」「活断層図」などがあります。ポータルサイトはこちらです。
自然災害の被害の軽減には、その土地の地形が持っている【土地条件】を知っておくことが非常に重要です。ちなみに地形分類図を活用することで、次のようなことを読み解くことができます。
今回は地形分類図のひとつである【土地条件図】を使って熱海の土砂災害を検証してみます。
土地条件図は、防災対策や土地利用・土地保全・地域開発等の計画策定に必要な、 土地の自然条件等に関する基礎資料を提供する目的で、 昭和30年代から実施している土地条件調査の成果を基に、 主に地形分類(山地、台地・段丘、低地、水部、人工地形など)について示したものです。
熱海の土砂災害があった場所の土地条件図(国土地理院の地理院地図より)
凡例で見ると、土石流が起こった場所は「山麓堆積地形」となっており、「斜面の下方、山間の谷底または谷の出口等に堆積した、岩屑または風化土等の堆積地形。崩壊や土石流の被害を受けやすい」と書いてあります。当然ではありますが、土地条件図においてもハザードマップの地形分類と同じ結果となりました。
最後にホームインスペクションでも有名なジャパンホームシールド株式会社の【地盤サポートマップ】を紹介いたします。実務でもよくお世話になっておりますが、こちらのサイトも非常に使いやすいと思います。地震・液状化・浸水などの地盤リスクがすぐ分かるマップとなっております。ぜひ参考にしてみて下さい。