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後藤 光志(宅建士・リフォームスタイリスト)

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公開日:2023年11月20日

REDSの宅建士・宅建マイスターの後藤です。

こんにちは、11月も半ばが過ぎ、紅葉の美しい季節ですね。皆様のお住まいの地域では、どんな景色が見られますか? 好きな場所、自慢の景色はありますか? 今月もよろしくお願いします。

不動産取引では擁壁のある物件に出合うことがあります。この擁壁が安全なのかどうか気になることはありませんか? 今回は擁壁に関係ある不動産用語を解説します。

擁壁

擁壁

擁壁とは、がけや盛土などの高低差のある土地の斜面の土を抑え(土圧を受ける)、がけ崩れを防ぐために造られる構造物が擁壁です。

宅地造成工事規制区域

『宅地造成工事規制区域』は、宅地造成等規制法第3条に基づき、「宅地造成に伴い災害が生ずるおそれが大きい市街地又は市街地となろうとする土地の区域であって、宅地造成に関する工事について規制を行う必要があるもの」として市長が指定したもので、この区域内で次の行為を行う場合には都道府県知事の許可が必要となります。

・高さが2mを超えるがけを生ずることとなる切土
・高さが1mを超えるがけを生ずることとなる盛土
・切土と盛土とが同時に行われる場合で、盛土部分に生じるがけが1m以下かつ全体で2mを超えるがけが生ずるもの
・以上に該当しない場合でも、切土または盛土の土地の面積が500㎡を超えるもの

ただし、都市計画法による開発許可を受けた宅地造成工事については許可が不要です。また、上記許可にかかる宅地造成工事の計画の変更をする場合、原則として都道府県知事の許可が必要となります。ここでいう「がけ」とは人工のがけ(擁壁など)を含みます。

開発許可

開発許可とは、都市計画法に基づく制度で、一定規模以上の開発行為を行う場合に必要な許可のことです。開発行為とは、主に建築物の建築や特定工作物の建設のために、土地の区画形質を変更することで、開発許可は、都道府県知事や市長が行います。

擁壁が安全かどうかは所有者の維持管理や立地、経過年数などにより変わってきますので一概にはいえませんが、法的に手続きが取られたものかどうかを確認することはできます。上記の「宅地造成に関する工事の許可」または「開発許可」を受けて築造されたものであり、検査済証の交付を受けているものであれば、法的基準に沿った擁壁だということになります。この許可、検査済証の交付時期が新しいものであればまずは安全と考えられるのではないでしょうか。

建築確認申請(工作物)建築基準法88条

宅地造成許可、開発許可が不要で2mを超える擁壁を築造する場合は、工作物の建築確認申請を行う必要があります。この工作物の建築確認申請及び検査済証があれば、これも法的基準に沿った擁壁だと考えられます。

では宅地造成工事の許可や開発許可がなく擁壁の高さが2m以下の場合はどうでしょうか? 法的手続きの必要がありませんからどんな基準で築造してもいいことになります。擁壁は高いものより低いものの方が安全なはずなのに法的手続きが不要では役所で調査しようがありません。

建築確認申請(建築物)建築基準法第19条

某役所に「2m以下の擁壁の安全は確認されないまま建築物の建築確認は取得できるのか?」と尋ねたところ、「2m以下の工作物の築造は確かにどんなもので作ろうと自由ですが、建物を建築する場合は違います。建築基準法第19条に敷地の安全性の条文があり、擁壁が安全でない場合はこの条文により建築確認済証の交付はできない。また中間検査、完了検査を行い安全性が確認できない場合は検査済証の交付もできません。建物が崩壊するようなものを建築したら建築士も責任を追及されるでしょうし、建築確認済、検査済証を交付した役所も責任を追及されます。危険な状態のままで建物の建築はできません」との回答でした。ということで直近の建築確認済、検査済証の交付があった建物であれば、その敷地の高さ2m以下の擁壁も一応安全と考えてよさそうです。

がけ(崖)条例

がけ(崖)条例とは、一定の高さの崖の上や下に建物を建築する場合の制限を定めた条例のことです。崖とは、2mまたは3mを超える高さで、30度を超える傾斜のある土地を指します。崖条例は、都道府県や市町村によって内容が異なりますが、一般的には以下のような規制があります。

・崖の上に建築する場合は、崖の下端から水平距離で崖の高さの2倍以上離れた位置に建てる必要がある
・崖の下に建築する場合は、崖の上端から水平距離で崖の高さの2倍以上離れた位置に建てる必要がある。

これらの規制は、崖が崩壊したり土砂が流れ込んだりする危険を防ぐために設けられています。しかし、これらの規制を満たさなくても、一定の条件をクリアすれば、規制が緩和される場合があります。例えば、以下のような対策を行うことで、規制緩和の対象となる可能性があります。

・崖と建物の間に高さ2mを超える擁壁を設置する
・崖の上に建築物を建築する場合、建物の基礎の応力が崖に影響を及ぼさないとき
・崖の下に建築物を建築する場合、その主要構造部が鉄筋コンクリート造若しくは鉄骨鉄筋コンクリート造である場合など

ちなみにこの崖条例に適合した建築物は、たとえ崖崩れがあっても建物に大きな影響がないとの判断によるものであり、擁壁についての検査済でない限り擁壁の安全性を約束したものではないので注意が必要です。

最後に

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