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菊池 弘之(宅建士・リフォームスタイリスト)

この仕事が好きです。

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公開日:2023年10月7日

REDSエージェント、宅建士の菊池です。マンションや戸建ての購入に際して渡される重要な書類について、注意事項を解説します。

ただし、以下の情報は一般的なことなので、具体的なケースによって異なることがあるため、不安なときはご相談ください。

書類

マンション・戸建て共通の重要書類

マンションと戸建てに共通する重要な書類と注意事項について解説します。

売買契約書の特約

不動産の売買契約書とは、売買取引の対象となる不動産を、契約書に記載されている金額をもって買主が買い受けることを規定している契約書です。売買代金のほかには、支払いの時期や手段、取引する不動産の住所、面積、売主と買主の住所、氏名といった詳細が記載されます。

特別な条件や取り決めが含まれている場合で、分かりにくい箇所は、必ず仲介業者に説明をしてもらいましょう。

不動産の登記簿謄本

不動産の登記簿謄本には不動産の所有者や所有権の詳細が記録されています。抵当権が付いている場合、売主の通常の住宅ローンであれば問題ありませんが、売買対象の不動産を担保にした不動産担保ローンでないか、地役権が付いている場合はだれに対してのものか、確認が必要です。

私道の持分を一緒に売買対象とするケースもあり、この場合は売買対象がどこの私道部分なのか、契約前にはっきりさせると安心です。

住宅ローン控除を利用するためには、この登記簿謄本に記載されている面積が基準となります。2023年の住宅ローン控除の対象となる面積は以下のとおりです。

・床面積が50㎡以上であること(※)
・合計所得金額が2,000万円以下であること(※)
※2023年末までに建築確認を受けた新築住宅で40㎡以上50㎡未満の場合、合計所得金額が1,000万円以下であること

固定資産税評価証明書・公課証明書

固定資産税評価証明書・公課証明書には、不動産の評価額と固定資産税額、都市計画税額が記載されています。これを確認して、今後の税金負担を予測しましょう。

不動産取得税については、新耐震基準(1981年6月以降に建築確認取得)か、旧耐震基準かどうかによって、税額がかなり変わります。特に旧耐震物件の不動産取得税は、事前に確認しておくのが望ましいでしょう。不動産取得税は税務署から、物件の引き渡し後3か月程度後に納税通知書が届きます。

戸建ての購入で重要な書類

戸建て購入特有の重要書類について解説します。

建物状況調査報告書(インスペクション報告書)

建物状況調査(インスペクション)とは、ホームインスペクターの有資格者や建築士が主に目視で行う検査です。外壁や防水の劣化具合から、すぐに外壁補修を行ったほうがいいのか、それとも当分補修は必要ないのかを判断します。木造の戸建ての場合は雨漏り・シロアリの害について、建物状況調査報告書(インスペクション報告書)に書かれている内容をホームインスペクターから十分に説明してもらいましょう。

建築確認済証・検査済証

建物の建築確認が完了していることや、違法建築・建物の構造に問題がないかどうか、不動産会社が作成する物件紹介図(販売図面)を確認しましょう。これらが終わっていれば、建築確認済証と検査済証が交付されているはずです。

住宅ローンを利用する場合、ネット銀行系では違法建築については厳密な基準があり、容積率や建ぺい率違反というだけで融資が付きません。

都市銀行でも、あるところでは「容積率・建ぺい率違反は10%オーバーまで」という内規があり、この割合を超えると住宅ローンを利用することはかなり難しくなります。例えば、建物建築後に、車庫を部屋に改造してしまったり、吹き抜けを埋めて部屋を作ってしまったりすると容積率にかかわり、また後付けのカーポートについては建ぺい率にかかわってきます。

マンションの購入で重要な書類

マンション購入特有の重要書類について解説します。

管理組合の規約・使用細則

マンションを購入する前に、必ず管理組合の規約を確認しましょう。共有施設の利用条件や管理費に関する情報が含まれています。

例えばペットの飼育に関してかなり細かく規定されているものがあります。飼育予定のペットが飼えないマンションだったということがないように、十分確認しましょう。また、車を所有されている方は駐車場についても確認が必要です。最近は車幅の広い車が多くなってきており、これまでの機械式駐車場では入りきらないこともあります。

重要事項調査報告書

重要事項調査報告書とは、管理会社が作成するマンション管理状況にかかわる現状報告書です。内容として主に次の点に注目しましょう。

■マンション全体の修繕積立金の積立額
総戸数に対してあまりにも少なすぎると要確認です。直近の大規模修繕工事をいつ行ったかということも同時に確認しましょう。

■管理費・修繕積立金の変更予定
マンションの維持修繕を行うために大事なことですが、変更幅は要確認です。

■直近の大規模修繕工事の予定、これまでの修繕履歴
大規模修繕工事の工期は、半年くらいかかります。その間は外観がシートに覆われ、日当たりは少し制限されます。また、これまでの修繕工事によって、適切に維持修繕されているかどうかの確認ができます。

■ペット飼育の可否
飼育したいペットが飼育可能かどうか確認しましょう。基本的に管理組合への届け出が必要になります。

まとめ

以上、マンションと戸建てを購入する際に交付される重要書類について解説しました。これらを慎重に確認し、不明瞭な点があれば仲介会社の担当者に相談することをおすすめします。また、契約前に物件を十分に調査し、実際の状態が契約内容と一致していることを確認することも大切です。ご不明点などございましたら、ぜひREDSにお気軽にお問い合わせくださいませ。

 

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