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菊池 弘之(宅建士・リフォームスタイリスト)

この仕事が好きです。

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公開日:2024年1月26日

REDSエージェント、宅建士の菊池弘之です。人生で多くても数回の経験となる不動産の購入において、気を付ける必要のある物件について、マンション・戸建て(土地含む)と種別ごとに解説いたします。将来の売却に直結する事柄ですので、参考になれば幸いです。

要注意物件

要注意物件1:管理形態が自主管理のマンション

総戸数が少ないマンションで、築年数が経過しているとおおむね自主管理になりやすいといえます。というのも、総戸数が少ない場合は管理会社が介入すると費用が割高になることと、マンションによっては管理会社から管理NGとなることがあるからです。

また、情報の開示量がどうしても少なく、仲介会社担当者のヒアリング能力によることになるので、購入者が必要な情報が足りないことも多いのがネックです。

要注意物件2:旧耐震物件でかつ耐震適合していない、もしくは特殊な形状のマンション

1981年6月以降に建築確認された物件は「新耐震基準」、これ以前のものは「旧耐震基準」となります。旧耐震基準でも物件によっては頑丈で、住宅供給公社が分譲主となった団地などは、壁式構造である点と単純な構造のため、これまでの地震でも大きな被害はないと言われております。

2024年1月1日の石川・能登地方の地震で8階建てくらいのビルが倒壊している映像がありましたが、旧耐震基準かつ特殊な構造(1階部分はピロティ)のため、倒壊してしまったと言われております。実際に、ピロティのあるマンションは東京都が耐震の助成金を設け、将来の地震に備えるような指針が出ております。以下のURLを参照いただければと思います。

https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2023/06/01/18.html

旧耐震基準の物件は近年さらに住宅ローンの取り扱いが厳しくなっていると感じますので、売却の見据えた購入を考えることが大切です。

要注意物件3:半地下の部屋、1階の北向きのマンション

半地下の部屋、1階の北向きのマンションは購入時の価格は安いかもしれませんが、売却する際にかなり難航します。

マンションのメリットである眺望や開放感があまり感じられず、湿気と暗さにより、気分も上がりづらいです。余程その部屋が気に入った場合は問題ありませんが、私個人的にはお勧めしておりません。

要注意物件4:1階が飲食店の小規模マンション

1階が飲食店の小規模マンションでは、どうしても害虫が発生しやすく、気になる人にとっては注意が必要です。特に古いマンションの場合は隙間も多いため、どんなに気を付けていても害虫は発生しやすくなります。

要注意物件5:駅から徒歩20分以上のマンション

特に東京23区などの人口密集地では、一般的にマンションに求めるメリットとして、駅からの距離という利便性があります。徒歩15分以上となると需要としては限定的になり、徒歩20分以上となると、かなり需要が狭まってきます。

ただ郊外の大規模マンションで、車生活がメインのエリアなどはこの限りではありません。

要注意物件6:4階以上なのにエレベーターがないマンション

住宅供給公社などが分譲したバブル期以前くらいのマンションで多くあります。エレベーターなしで3階までは抵抗のない方が多いのですが、4階、5階となると大変ですし、抵抗のある方が多いです。実際、4階以上となるとかなり売却まで時間がかかると思われます。

その分を価格で補うような形になると思います。実際、私の祖母も団地の4階なのですが、階段が大変そうです。なかなか気軽に外に行きづらくなるとも思います。

要注意物件7:検査済証がない、古い擁壁に存する中古戸建て

坂の多い地域では、まだまだ古い擁壁が多く存在しています。新築の建売住宅の場合では、建築ができない擁壁はしっかりと是正をして新築していますが、中古の戸建てを支えている擁壁の場合、その擁壁をしっかり確認することが大切です。調べる方法としては、役所で擁壁の「工作物台帳」があるかどうかを確認すること、なければ外観から問題なさそうか判断することです。

私が近々触れた事例ですと、5mの古い擁壁があり、水抜き穴もなく、地震があった場合は今にも崩れてしまいそうな擁壁でした。(下記写真参照)

擁壁

このような擁壁のやり替え工事は、おおむね見積もりよりも高い金額になります。擁壁のある物件の購入には注意が必要です。

要注意物件8:道路下にある戸建て・土地

道路下にある土地や戸建ては、マンションの半地下・北向きの部屋と似ていて、湿気が多くなりがちなため、カビが発生しやすくなります。

要注意物件9:但し書き道路に接道している戸建て・土地

但し書き道路に接道していると再建築の際に建築物が制限されます。ただそのぶん価格は安いので、金額重視の方は向いているかもしれません。

要注意物件10:新幹線・電車・幹線道路沿いにある戸建て・土地

新幹線、電車、幹線道路沿いにあると、音と振動に悩まされることになります。音だけだと思いきや、意外と振動もあるので、ぐっすり眠りづらくなります。また洗濯物を干す際にも、すすが付きやすいこともあります。

新幹線の近くや電車の近くの物件については、朝から夜まで電車の音が続くので、慣れていない方には厳しいと思います。ただ今までこのような環境で暮らしてきた方にとっては問題ないことも多いです。

今回は上記のとおり、注意が必要な物件についていくつかの具体事例を挙げてみました。REDSは将来的な価値まで考えて、物件を提案させていただきますので、ご安心ください。

少しでも皆様の物件選びのご参考になれば幸いです。

 

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