エージェントブログAGENT BLOG

公開日:2024年9月26日

増改築やリフォームをすると売れない? 不動産の価値を下げてしまう理由

【REDS】不動産流通システム、宅建士で宅建マイスターの菅野です。

普通であれば不動産の価値を上げるはずの増改築、リフォームが、なぜかその不動産の価値を下げてしまっているという物件を、しばしば見かけます。

なぜ価値を下げてしまうのか、について考えてみたいと思います。

リフォーム

(写真はイメージです)

増改築が不動産の価値にマイナス要因となる理由

「この物件は増築されています」という文言が基本的にネガティブに感じる方は、不動産仲介業者か、その関係者だと思います。

「増築」というのは文字どおり、建物の面積を増やして利用できる床面積を広げる行為のことを指します。広くなれば建物の価値は上がる、と普通の人は思ってしまいます。

なぜ、増築が建物の価値を下げてしまうか、というと「遵法性」がなくなる場合が非常に多いからです。「遵法性」がない物件というのは、いわゆる「建築基準法違反」の物件ということです。

通常、建物を建てたり増築をしたりする場合、物件所在地の特定行政庁(都道府県市区町村など)にて「建築確認」を受けて工事を開始し、完成後に「完了検査」を受けて建築基準法に違反しない建物であるかを確認してもらいます。

この「建築確認」「完了検査」で遵法性のある建物である証明となる「確認済証」「検査済証」というものが発行され、お墨付きを得るわけです。しかし、これを行わずに増築する方が非常に多いのです。

違反と知らずに増築してしまう人も多い

建物を建てる場合、その土地に建てられる床面積の制限があります。「建ぺい率」「容積率」というものです。「建ぺい率」とは建築面積の制限、「容積率」とは延べ床面積の制限を指しますが、建築確認を受けずに増築した場合、その制限を超過してしまうことがしばしばあり、そうなると「建築基準法違反」となってしまいます。

また、増築と認識せずに行う増築があります。「バルコニーを広げる」「駐車場に屋根を付ける」「バルコニーに廂(ひさし)をつける」などです。バルコニーと駐車場の屋根を兼ねて、大きなウッドバルコニーをつけた家を見かけたことがありますが、こちらは大きく建ぺい率をオーバーしていました。

建築面積は建物の水平投影面積のことで、建ぺい率は建物の水平投影面積が建っている土地に占める割合のことをいいます。つまり、上空から建ぺい率60%の物件を見たとき、土地部分が4割見えていなければならないのですが、屋根のなかった駐車場をバルコニーで覆ってしまうことで、建築物が占める割合が大きくなって建ぺい率をオーバーしてしまったのです。

さらに、屋根裏をロフトとして利用したり、吹き抜け部分に床を張ったりすることも、床面積を増やす増改築といえます。屋根裏部屋は、建築確認で2階建てとしている建物を3階建てにしてしまう可能性があります。また、吹き抜けに床を作ることによって、容積率を超過してしまう場合が多くあります。いずれも建築基準法違反となる可能性の高い行為です。

違法の物件だと売れない理由

建築確認を受けずに無断で増改築を行う人は「自分の家なんだからどのようにしたって勝手だ」と思っている方が多いようです。しかし、それによる不利益は大きいと言えます。

その1つは、物件を売却するときに購入者が住宅ローンを使えない可能性です。

購入者が住宅ローンを使えないということは、現金でしか買えない、ということになります。現金一括で不動産を購入できる方は多くはありませんので、買える人が減ることになり、売却が難しくなります。

また、特定行政庁に無断で行った増改築をすると、増改築部分を建築基準法に沿った状態に戻すよう、是正措置や改善命令を受けることがあります。

以上が、増改築によって建物の価値を下げてしまう理由です。

リフォームで不動産の価値が下がる理由

リフォームで価値が下がる要因としては大きく2つ考えられます。

  1. 独りよがりで一般ウケしないリフォーム
  2. 場当たり的で一貫性のない内装

独りよがりで一般的でないリフォーム

独創的で使い勝手のあまりよくないリフォーム物件をたまに見かけますが、そういった物件はなかなか売れないようです。ごくたまに、ものすごく刺さる方がいるようですが、そういった購入検討者は、そう多くはありません。

例えば「お風呂の壁がガラスでできていて、リビングから素通し」とか、「壁のボードをすべて剥がして、コンクリート躯体がむき出し」とか、「壁をできるだけ減らして、ほぼワンルームに近い間取りにする」など、用途によってこういった物件を選択する方がいないわけではないものの、そういった特異な物件を好む買い手はなかなかいないのが現実です。

家にかっこよさを求める人はもちろんいらっしゃると思いますが、やはり人それぞれです。また機能性や清潔であること、プライバシーを守ることを条件とする購入検討者もいます。「人の好みは千差万別」とはいえ、ある程度、多くの人に好まれるリフォームを行った物件のほうが、それを求める買い手が多いのは事実です。

場当たり的に行い、一貫性のない内装

古くなってくると、設備のあちこちに不具合が出てきて、交換が必要となる場合があります。その際に、壊れた設備を場当たり的にひとつずつ交換していくと、色味などに一貫性がない内装となる場合があります。

例えば、フローリングの張り替えを行う場合、部分張り替えで周囲に近いものを選んだとしても、傷み具合や色合いの違いがあとから目立ってしまうことがあります。また、子供部屋の壁紙がキャラクターデザインのものだったり、建具やキッチンの扉の色が違っていたり等、せっかく修繕やリフォームをしていても「購入後にまたリフォームしないといけない」と購入検討者に思われてしまうのは、損なことです。

買い手がリフォーム込みで購入価格を検討することは必至で、大きな価格交渉をされたり、市場価格として割高ととらえられたりしてしまいます。リフォームや修繕でお金をかけても、それを使ってもらえないのはもったいないし、悲しいですよね。

まとめ

増改築やリフォームを行う場合、遵法性や一貫性、一般性に注意を払うことは、不動産の価値を考えるなかで非常に重要といえます。

「一生住むつもりだから」と自分の好き勝手に「建築基準法なんてどこ吹く風」なんて言いながら増改築やリフォームをした物件は、万が一売らないといけなくなったとき、安い価格でしか売れなくても仕方ない、と思っていただくしかありません。

買い手にとっても、増改築やリフォームの内容については注意を払う必要があり、住宅ローンが組みにくい増改築物件や一般的でないリフォームが施された物件は、よほど気に入った場合でなければ、手を出さない方が安全です。

遵法性については、REDSのエージェントがしっかり確認いたします。頼っていただけると安心安全かと思います。

増改築やリフォームを検討している方は、値段や自分の希望も重要ではありますが、信頼できる工務店やリフォーム業者に依頼することを、こころからお勧めいたします。

 

この記事を執筆した
エージェントプロフィール

4.9

20

菅野 洋充
(宅建士・リフォームスタイリスト)

社会に必要とされ人に役立つ企業を目指します

4.9

20

このエージェントに相談する
カテゴリー:

嬉しい口コミも
多数いただいております

  • 40代男性(マンション売却)
    こちらでマンションの売却をいたしました。
    比較した大手の不動産屋よりも専門知識が豊富に感じ、なおかつ仲介手数料も安かったのでこちらにお願いしました。
    結果、売り出し価格で1回の内覧で決まり、満足しています。
    無駄な勧誘が一切なかったのもおすすめできます。
  • 50代女性(マンション購入)
    マンション購入にてお世話になりました。
    担当の鈴木朋子さんには、本当に親切にしていただき感謝しかないです。 いつも私たちの目線になり、分かりやすいアドバイスをしてくださりました!子供への気遣いも嬉しかったです。 何より、鈴木さんの表裏のない感じが私も夫も大好きです。(笑)
    不動産購入で後悔したくない方、安心して物件探しや手続きを進めたい方にはぜひお勧めしたいです! お世話になり、本当にありがとうございました。
  • 40代男性(中古マンション購入)
    中古マンション購入にあたり、いくつかの不動産仲介会社にあたってたところ不動産流通システムさんに辿り着きました。他の仲介会社さんは営業の電話が激しく、仕事の障害になる程でうんざりしておりましたが、不動産流通システムにて担当頂いた成田さんは、押し売りする様なことは一切無く安心して物件を探せました。

    女性ならではの細かい気配りと単刀直入に物件の懸念点をプロの目からアドバイス頂き、納得のいく物件選びができました。会社名が大手の不動産仲介会社ほど知れ渡ってはおりませんが、ネットでの口コミで良いサービスが良いものとして伝わり、より多くの消費者が良いサービスが受けれる様になればと思い書き込ませて頂きました。
    大手の名前だけに騙されて無駄な手数料払うのは、勿体ないですよ。
    不動産流通システムさんで物件を売り買いするのに、大手に引けを取らないサービスをより安価に受けれますので
  • 40代女性(住み替え:購入・売却)
    不動産の売却・購入の両方お世話になりました。
    以前中古マンションを購入する際は、不動産ポータルサイトに掲載している不動産会社に問い合わせをしないと内覧ができなかったことが何度かあり、大手不動産会社に任せると、売却の際幅広く宣伝活動がされないのではないかという不安がありました。
    そこで、「囲い込みはせず、他社にドンドン広告掲載してもらい幅広い媒体で宣伝してもらう」「LINEからの問い合わせも可能」「仲介手数料が安い」の3点に惹かれ、お任せしました。
    担当の鈴木さんの明るく、お茶目な人柄も好きだったので、購入売却にかかる庶務も憂うつにならずに対応できました。 いつも家族のことや、部屋についてもポジティブなことを言ってくれるので安心してお任せしました。
    最寄駅にはないので、いつでも会って相談するというのむずかしいかもしれませんが、心配なことはメールや電話ですぐに対応してくれるので、私達には十分満足できました。
    結果としては売却も1ヶ月で売出価格で決まり、購入時のローンも紹介していただき、購入・住み替えもスムーズに決まりました。また住み替えの際にはぜひお願いしたいです。
  • 50代男性(マンション売却)
    マンション売却で、担当していただいた津司さんには本当にお世話になりました。
    次に住む所の相談と住んでいるマンションの売却を同時進行で行いましたが、分かりやすい説明と進め方の提示が手際良く、安心してお任せする事が出来ました。
    ネットで何でも調べられる時代ですが相手が何を考え、何を優先するかは会話の中でこそ分かると思います。プロフェッショナルを感じました
  • 30代女性(マンション購入)
    とにかくレスが早い。
    専門知識も豊富で、説明が分かりやすいです。
    担当してくれた方は非常に業界に通じており、ホスピタリティーに溢れていてかなり信用できます。 他社と比べて手数料もとても安いのでオススメの会社です。
  • 60代男性(戸建て購入)
    酒井智様にご担当して頂きました!細かい相談も小さな不安も毎回本当に迅速に対応して頂き、無事マイホームを購入できました!
    酒井さんは大変親切な方でREDSを選んで本当に良かったです。
    仲介手数料も無料で!今物件等お探しで検討してる方は絶対REDの酒井さんに相談してみてください!
※Google口コミより他の口コミを見る

一生に一度あるかの家の購入・売却…

相談したいけど、まだ買うか売るか決まっていない...

いきなり不動産屋さんへ相談に行くのはハードルが高い...

そんな方へ!LINEから気軽に相談でき、宅建士のプロが対応します。

宅建士が対応! LINEでご相談

LINEで気軽に相談したい方へ!

アーカイブ