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戸村 麻衣子(宅建士・リフォームスタイリスト)

2年連続売却成約率100% 住まいを共に考えます

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公開日:2024年4月13日

こんにちは。仲介手数料が必ず割引・最大無料の「不動産流通システム」、REDSエージェント、宅建士の戸村麻衣子です。

桜も満開を過ぎ、新緑が目に嬉しい季節になってきました。4月の新年度に備えて、3月にお引越しをした方も多いと思われます。

お引越しの時に驚くのが荷物の多さ。ため込んだつもりはないのに、しまっていたものを引き出してみると、その量の多さに驚くことがあります。本当に必要なものを残してスッキリ暮らしたい!と思う方も多いことでしょう。

断捨離後の「自分に必要なもの」を収納するのにふさわしいのは、見た目にも美しいクローゼット……と、言いたいところですが、現実はものであふれるクローゼットになりがちです。

さて、収納力が高いウォークインクローゼットは現在では新築マンションなどに必須といっていい収納のひとつですが、最近増えてきたのはウォークスルークローゼットなどの、お部屋とお部屋のつなぎに設置するクローゼット。ただ、実際の使い勝手はどうなのか?

住宅のご案内や売却で数多くのクローゼットを拝見してきた実感も込めて、「使いやすい」ウォークスルークローゼットについてご紹介したいと思います。

クローゼット

ウォークインクローゼットとウォークスルークローゼットの違い

ウォークインクローゼットは出入り口がひとつで、人がなかに入れるものの通り抜けが不可能な収納スペースです。一方で、ウォークスルークローゼットはクローゼット内を通り抜けできる構造です。基本的に出入り口がふたつあり、部屋を移動するついでに洋服を選べます。

ウォークインクローゼットはすでに日本に定着した感じもあり、特に説明を要することはないかもしれません。一方で、ウォークスルークローゼットの認知度はまだ少し低いのですが、海外ドラマや映画などでも見られますので、最近は無理なく通じるようになってきました。

ウォークスルークローゼットのメリットとデメリット

ウォークスルークローゼットのメリット

ウォークスルークローゼットは、浴室と寝室の間に設けたり、最近では玄関からリビングの動線の中に組み込んだりするものが見られるようになってきました。

そうした事例が示すように、最大のメリットは無駄な動線を排除して洋服や小物などを収納できることにあります。また、通路も兼ねているので、通常のクローゼットのようにしまいっ放し、ということがなく、風通しもよく湿気対策や防虫が可能です。

ウォークスルークローゼットのデメリット

ウォークスルークローゼットは、名前のとおり、通り抜けるスペースなので「人が通るスペース」と「収納するスペース」が必要です。スペースを確保できたとしても、動線を広く取ることで肝心の収納スペースが狭くなる可能性があります。

何より、ウォークスルークローゼットは部屋全体の動線を意識しなければならないため、配置が難しいというデメリットがあります。スペースの関係で妥協してしまえば、不便なクローゼットになりかねません。

ウォークスルークローゼット失敗実例

お住み替えのお客様で、8帖のお部屋と2帖の収納スペースを合わせたうえで2つの部屋に分け、一方は寝室にし、そこから壁側にウォークスルークローゼットを付け、通り抜けた先を家事室にしたい、というご要望がありました。

そのお客様はリフォームを依頼する会社をすでにお決めになっていたので、現地確認で立ち会って横でご要望を聞いておりましたが、幅70cmほどのスペースでウォークスルークローゼットを作れないか、とご相談されていました。

幅70cmですと、通常体型の人ひとりが無理なく歩けるサイズ感です。しかもそこが壁の端、ということは、壁の厚さを考えるともっと狭くなります。そうすると、そもそもクローゼットとしてギリギリなサイズで、ウォークスルーなどは考えていないサイズです。

ところが、リフォーム会社の方が何も言わなかったため、余計なことかもしれないと思いつつ、その危険性をお伝えいたしました。ウォークスルーではなく、むしろ壁一面のクローゼットにしたほうがいいのではないかと。

ただ、そのときはご理解いただけなかったので、それ以上はお話しませんでしたが、お客様から「戸村さんが言っていることをようやく理解しました」とリフォーム終了後に連絡がありました。ウォークスルークローゼットを作るには、スペースが必要です。その点をご理解いただいた上で検討していただければと思います。

では、実際にどれくらいの寸法なら作れる?

一般に廊下の幅は何cmくらいかお分かりになりますでしょうか。一般的な木造住宅910mm幅の設計ですと、実際に使える寸法は約780mm(78cm)です。

もしウォークスルークローゼットの中で着替えもするとなると、そのくらいの幅は必要になります。また、その両脇にハンガーパイプを付けて洋服を収納する場合、壁から300~350mmのところのパイプ設置が推奨されます。そして、もちろん300~350mmはパイプの位置ですので、プラス300~350mm、計600~700mmがハンガーパイプスペースとして必要になります。

両脇に設置したい場合、780+700+700がゆったりと通れ、洋服にもストレスのかからないウォークスルークローゼットの幅となります。つまり、畳の狭い方の2.5~3枚分は必要になるイメージです。結構なスペースですよね。

収納力では普通のクローゼットが上

収納力でいうと、実は通常のクローゼットの方が上がると思います。実際にウォークスルークローゼットが付いているマンションのお部屋にお住まいの方で8~9割(個人の体感です)の方は、スルーせず、一方の入り口をふさいで使用していました。

歩くスペースが必要なウォークスルークローゼットは、非常に便利な反面、広さや使い勝手を選びます。リフォームや注文住宅をご検討の場合、ご自身にとって有用な収納を考えて、また、具体的な提案ができる方に意見を求めながら、プラン作りをしてみてください。

弊社のエージェントは全員がリフォームスタイリスト保有者です。リフォームに関してもぜひお問い合わせください。

 

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