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戸村 麻衣子(宅建士・リフォームスタイリスト)

2年連続売却成約率100% 住まいを共に考えます

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公開日:2024年6月29日

こんにちは。仲介手数料が必ず割引・最大無料の「不動産流通システム」、REDSエージェント、宅建士の戸村麻衣子です。

さて、今回も前回に引き続き太陽光発電についてのお話です。

ソーラーパネル

太陽光発電に危険性はある?

2024年元旦に起こった能登半島地震(お正月早々という驚きや半年以上たった現在も災害復興が遅れていることなど、ニュースでも変わらず取り上げられております。被害に遭われた方や関係者には心からお見舞いを申し上げますとともに、一日も早い復興をお祈りいたします)。

地震の起こった能登にある「太陽光発電施設」で破損・崩落が起こりました。2024年4月11日の読売新聞オンラインで以下の記事が掲載されております。

“能登半島地震で、太陽光発電施設が破損、崩落する事故が少なくとも19か所で起きていたことがわかった。国に報告があったのは16か所だが、読売新聞が航空写真を分析した結果、ほか3か所でも確認できた。破損したパネルは感電や発火の危険性がある。事業者が報告していないケースがほかにもあるとみられ、国は発生から3か月以上たった今も被害の全容を把握できていない。”

報告をしていなかった3事業所を含め、この後、被害の全容が把握できたのか、どのように対策されたのかについてはまだ確認ができておりません。

また、地震の被害ではなくとも、鹿児島県伊佐市のメガソーラー(大規模太陽光発電所)で2024年3月27日に発生した火災では、「感電などの危険発生を避けるため放水ができず、鎮火まで20時間を要した」という記事もありました(2024年4月2日産経新聞)。

住宅密集地で太陽光発電設備は火災の懸念あり?

そのことにより、「住宅が密集する東京で太陽光発電設置が義務化された場合、火災発生の危険が増すのでは?」という懸念が拡がったようです。実際はどうなのでしょうか。考えうる懸念点を2つ挙げてみます。

懸念点1:太陽光パネルの設置で家が崩れやすくなるのではないか?

太陽光パネルの重量は1㎡あたり12~16kg程度とのこと。一般的な家庭に設置する太陽光発電システムの平均は4kWの容量のシステムと考えると、パネルの総重量は240~470kgになります。それに対して、最も多い屋根材のスレートが1㎡あたり約20kg、最も重い瓦屋根で約50kgです。

耐震性に関してお話しすると、屋根は軽い方が揺さぶられる度合いが低く、重くなるほど揺れ幅は大きくなります。このため太陽光を載せることで、耐震性のリスクが高まります。ただ、新築で建てる場合は太陽光発電を載せる前提で設計しますので、構造も耐重量も計算しています。もちろん載せないほうが耐震性は高くなりますが、事前に対策を施すことによってその危険性は確実に減少します。

新築ではなく中古戸建てに設置する場合は改めて構造計算を行い、必要に応じて補強工事を行うことをお勧めします。補強工事により日当たりや見た目に影響があることもありますので、無理な補強を伴う太陽光設置はやめたほうが無難なこともあるでしょう。

どちらにしても、正しい対策を行えば家が崩れるリスクが減ることは間違いないと思われます。

今回の能登半島地震での崩落は、事業用の太陽光発電システムで起きています。

そのため、個人の住宅とは異なりますが少しだけコメントすると、原因は設置した事業者の危機意識の低さにあるように思います。太陽光発電システムの性質を考えると斜面に設置すると効率がいいのですが、そういった場所は地震などによる大きな揺れなどが起こった際に、土砂崩落の危険のある土地です。

太陽光発電システム設置には山を切り開いたりすることもあり、その際に地盤が緩んだことも考えられます。太陽光発電を事業として行う場合には、地盤補強などを行い、環境破壊などにつながらないような対策を施した上で、安全に太陽光発電システムを設置する必要があると思われます。もしその斜面の下に住宅などがあればなおさらです。

この件に関していうと事業者ばかりではなく、行政側の問題もあるように思いますが、別の話になってしまいますのでここでは割愛いたします。

懸念点2:火災の時に消火が困難になるのではないか?

記事の「放水できなかった」という証言から、「水による消火活動ができないのでは?」と考えられましたが、2013年時点での総務省消防庁の見解としては「水による消火活動は可能」だそうです。ただ、放水からの感電によるリスクを避けなければならないため、絶縁性の高い防具着用が必須とのこと。

2013年時点では事例がまだ少なく、対策の事例の積み重ねが必要、とありました。太陽光パネルがこれだけ問題になるのは、浸水・破損していても、太陽光が当たると発電することがある、という部分です。消火活動中も水に濡れることで感電するリスクが高まるため、住宅に設置した太陽光発電設備が被災した場合、むやみに近づくことは避けていただきたいと思います。

一般的な火災の場合はある程度、対応もできると思いますが、怖いのは自然災害です。災害の規模にもよるため、できれば設置義務を課する東京都には、災害時の具体的対処方法を考えて準備いただきたいところですが、「進んでいない」というのが実情なのではないでしょうか。

消防に携わる方は絶縁体などを準備できるのかもしれませんが、災害が起きて避難時に雨が降っていた場合など、私たちに対処する術はまだ少ないように思われます。

太陽光発電設備から被害を受けないためにできること

ただ、日々の生活の中で私たちが対応できることもあります。以下に記載しますので参考になさってください。

●日頃からメンテナンスを行う:配線や接続箱の汚れなどから起こる火災は全体の約23%を占めます(2005~2018年火災件数128件中29件)。定期的なメンテナンスを行うことで防げる火災です。

●自然災害による破損を受けた太陽光パネルなどがあればすぐにメンテナンス業者に連絡する:地震や台風などによる破損があった場合はすぐにメンテナンス業者に連絡して適切な処置を依頼しましょう。破損などによる漏電リスクを防ぐことができるかもしれません。

●破損が考えられるなら太陽光発電システムのブレーカーを落とす:破損がない場合であれば災害時用電気としての活用も見込めますが、破損が疑われる場合はブレーカーを落とし、可能な限り二次被害(火災)発生を防いでください。

川崎市のホームページには「災害時における太陽光発電設備の感電防止等について」というページから、注意喚起した各ホームページに飛べるようになっております(ただし、一部リンク切れあり)。

川崎市ホームページ
災害時における太陽光発電設備の感電防止等について

また、「太陽光発電 災害時 リスク」などで検索すると、危険性や対処法を指南してくれるホームページが出てきます。ぜひ一度ご確認ください。

 

REDSではお客様にいいことも悪いこともきちんとお話しして売却・購入に携わる「正直不動産」営業です。お客様に接する営業全員が宅建士であるREDSエージェントにお気軽にご相談ください!

 

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公開日:2024年5月23日

こんにちは。仲介手数料が必ず割引・最大無料の「不動産流通システム」、REDSエージェント、宅建士の戸村麻衣子です。

私の個人的な話で、全般的な傾向ではないと思いますが、最近、戸建てのご相談が増えたように思います。以前は圧倒的にマンションが多く、戸建ての割合は1~2割程度でした。それが2~3割となり、直近ですと半数以上が戸建てのご相談です。

ご質問が多いのが「住宅性能」についてです。住宅性能については何度かお話しておりますので、今回は住宅性能の中のひとつ「太陽光発電」に絞ってお話したいと思います。

太陽光発電

太陽光発電の設置が義務付けられた東京都・川崎市

東京都では、新築住宅への太陽光発電システムの設置を2025年4月から義務化する制度が創設され、大きな話題となりました。併せて神奈川県川崎市も同じタイミングで太陽光発電設置が義務化されます。今後は東京都や川崎市に続いて、全国の自治体でも太陽光発電システムの義務化が広まると考えられています。

日本では「2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、すなわち2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指す」とされています。

じゃあ、「カーボンニュートラル」って何?ということなのですが、具体的に言うと、上記にある「温室効果ガス」(二酸化炭素、CO2)やN2O(一酸化二窒素、フロンガスを含む)の排出を全て止めることはできませんが「全体としてゼロに」するとし、その方法は、「排出量から吸収量と除去量を差し引いた合計をゼロにする」ことを意味しています。

つまり、排出を完全にゼロに抑えることは現実的に難しいため、排出せざるを得なかったぶんについては同じ量を「吸収」または「除去」することで、差し引きゼロ、正味ゼロ(ネットゼロ)を目指す、としています。これが、「カーボン(ここでは二酸化炭素)ニュートラル(中立)」です。

カーボンニュートラル実現のための取り組みの中に、太陽光発電などの再生可能エネルギーの利用拡大が含まれており、それが東京都や川崎市の取り組みとなっているのです。今後、この動きは一部に限らず全国に拡大していくと思われます。しかも地球環境のことを考えると早急な手配が必要になると思われ、急速に拡大する可能性があります。

太陽光発電のメリット

カーボンニュートラル実現のための世界的な取り組みはもちろんですが、具体的に各住戸に太陽光発電をつけるメリットとは何でしょうか? 以下に主な3つを解説します。

電気代の節約になる

それはズバリ電気代の節約です。設置するkWや天候、各家庭の電気使用量によって違いますので一概に比較はできませんが、必ずメリットを感じられるはずです。また、売電(2024年時点で住宅用太陽光発電10kW未満で16円/kWh)が加わりますので、電気代はこれまでとは明らかに違ってくるでしょう。

災害時の電気利用が可能

これ以外にも、災害時の電気利用が可能になることなどもあげられます。災害などで停電した場合、エアコンや冷蔵庫、照明など日々の生活に必要な多くの機器が使えなくなります。もちろんスマートフォンを充電することもできません。その点、太陽光発電を導入しておけば、設備に異常がなく発電している昼間は、停電時にも電気を使うことができますから安心です。

ただし、電気を無制限に利用できるわけではなく、定置型蓄電池を併用すればある程度の余力はあると思われますが、停電時には節約をしたほうが無難なようです。

太陽光発電によっては、停電時に切り替え操作が必要なものと自動的に切り替わるものがありますので、あらかじめ確認が必要です。太陽光発電を導入したら、もしものときのために取扱説明書を確認し、切り替え操作の方法や使用できる電化製品をあらかじめ把握しておきましょう。また、電化製品を買い替えるときには、太陽光発電と相性のよい充電式を検討対象に入れることをお勧めします。

環境によい

環境によいということもメリットに挙げられますが、これは「なぜ設置義務化になったか」の理由と一緒です。太陽光をご自宅に設置することで二酸化炭素排出を抑えることができるため、環境負荷を低減できるとされています。

太陽光発電のデメリット

では逆に、太陽光発電のデメリットとはなんでしょうか。

設置にコストがかかる

まず、設置にコストがかかることです。ご自宅の屋根に取り付けられる太陽光パネルはおよそ3~5kWです。1kW設置するのにかかる費用がおおよそ25万~28万円ですので、80万~140万円が導入費用としてかかります。蓄電池を設置すると更にコストは増します。

発電量は天候に左右される

また、発電量は天候に左右されますので、安定的な供給量が得られるかどうかはわかりません。弊社の営業範囲(一都三県)ですと、安定的に日照時間が長いのは埼玉県です。全国的にみても日照時間が長いエリアが多いので、埼玉県にお住まいの方は将来的な義務化の可能性を考えても、積極的に導入を考えてもいいかもしれません。

メンテナンス費用がかかる

そして最後のデメリットは、どんなものもそうですが、メンテナンス費用がかかります。とは言っても実際はメンテナンスについてお聞きしたことは実は皆無で、一度設置してそのまま放置、という方が多いです。

メーカーの性能保証期間より長い20~30年ほど持つという話もよく聞きますので、メンテナンスというよりは、20~30年たったら交換を考えるかどうか、という話になるかもしれません。

まとめ

本日は太陽光発電についてお話させていただきました。また改めて太陽光についてお話させていただければと考えております。

REDSではお客様にとっていいことも悪いこともきちんとお話しして売却・購入に携わる「正直不動産」営業です。お客様に接する営業担当者全員が宅建士であるREDSエージェントにお気軽にご相談ください!

 

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公開日:2024年4月13日

こんにちは。仲介手数料が必ず割引・最大無料の「不動産流通システム」、REDSエージェント、宅建士の戸村麻衣子です。

桜も満開を過ぎ、新緑が目に嬉しい季節になってきました。4月の新年度に備えて、3月にお引越しをした方も多いと思われます。

お引越しの時に驚くのが荷物の多さ。ため込んだつもりはないのに、しまっていたものを引き出してみると、その量の多さに驚くことがあります。本当に必要なものを残してスッキリ暮らしたい!と思う方も多いことでしょう。

断捨離後の「自分に必要なもの」を収納するのにふさわしいのは、見た目にも美しいクローゼット……と、言いたいところですが、現実はものであふれるクローゼットになりがちです。

さて、収納力が高いウォークインクローゼットは現在では新築マンションなどに必須といっていい収納のひとつですが、最近増えてきたのはウォークスルークローゼットなどの、お部屋とお部屋のつなぎに設置するクローゼット。ただ、実際の使い勝手はどうなのか?

住宅のご案内や売却で数多くのクローゼットを拝見してきた実感も込めて、「使いやすい」ウォークスルークローゼットについてご紹介したいと思います。

クローゼット

ウォークインクローゼットとウォークスルークローゼットの違い

ウォークインクローゼットは出入り口がひとつで、人がなかに入れるものの通り抜けが不可能な収納スペースです。一方で、ウォークスルークローゼットはクローゼット内を通り抜けできる構造です。基本的に出入り口がふたつあり、部屋を移動するついでに洋服を選べます。

ウォークインクローゼットはすでに日本に定着した感じもあり、特に説明を要することはないかもしれません。一方で、ウォークスルークローゼットの認知度はまだ少し低いのですが、海外ドラマや映画などでも見られますので、最近は無理なく通じるようになってきました。

ウォークスルークローゼットのメリットとデメリット

ウォークスルークローゼットのメリット

ウォークスルークローゼットは、浴室と寝室の間に設けたり、最近では玄関からリビングの動線の中に組み込んだりするものが見られるようになってきました。

そうした事例が示すように、最大のメリットは無駄な動線を排除して洋服や小物などを収納できることにあります。また、通路も兼ねているので、通常のクローゼットのようにしまいっ放し、ということがなく、風通しもよく湿気対策や防虫が可能です。

ウォークスルークローゼットのデメリット

ウォークスルークローゼットは、名前のとおり、通り抜けるスペースなので「人が通るスペース」と「収納するスペース」が必要です。スペースを確保できたとしても、動線を広く取ることで肝心の収納スペースが狭くなる可能性があります。

何より、ウォークスルークローゼットは部屋全体の動線を意識しなければならないため、配置が難しいというデメリットがあります。スペースの関係で妥協してしまえば、不便なクローゼットになりかねません。

ウォークスルークローゼット失敗実例

お住み替えのお客様で、8帖のお部屋と2帖の収納スペースを合わせたうえで2つの部屋に分け、一方は寝室にし、そこから壁側にウォークスルークローゼットを付け、通り抜けた先を家事室にしたい、というご要望がありました。

そのお客様はリフォームを依頼する会社をすでにお決めになっていたので、現地確認で立ち会って横でご要望を聞いておりましたが、幅70cmほどのスペースでウォークスルークローゼットを作れないか、とご相談されていました。

幅70cmですと、通常体型の人ひとりが無理なく歩けるサイズ感です。しかもそこが壁の端、ということは、壁の厚さを考えるともっと狭くなります。そうすると、そもそもクローゼットとしてギリギリなサイズで、ウォークスルーなどは考えていないサイズです。

ところが、リフォーム会社の方が何も言わなかったため、余計なことかもしれないと思いつつ、その危険性をお伝えいたしました。ウォークスルーではなく、むしろ壁一面のクローゼットにしたほうがいいのではないかと。

ただ、そのときはご理解いただけなかったので、それ以上はお話しませんでしたが、お客様から「戸村さんが言っていることをようやく理解しました」とリフォーム終了後に連絡がありました。ウォークスルークローゼットを作るには、スペースが必要です。その点をご理解いただいた上で検討していただければと思います。

では、実際にどれくらいの寸法なら作れる?

一般に廊下の幅は何cmくらいかお分かりになりますでしょうか。一般的な木造住宅910mm幅の設計ですと、実際に使える寸法は約780mm(78cm)です。

もしウォークスルークローゼットの中で着替えもするとなると、そのくらいの幅は必要になります。また、その両脇にハンガーパイプを付けて洋服を収納する場合、壁から300~350mmのところのパイプ設置が推奨されます。そして、もちろん300~350mmはパイプの位置ですので、プラス300~350mm、計600~700mmがハンガーパイプスペースとして必要になります。

両脇に設置したい場合、780+700+700がゆったりと通れ、洋服にもストレスのかからないウォークスルークローゼットの幅となります。つまり、畳の狭い方の2.5~3枚分は必要になるイメージです。結構なスペースですよね。

収納力では普通のクローゼットが上

収納力でいうと、実は通常のクローゼットの方が上がると思います。実際にウォークスルークローゼットが付いているマンションのお部屋にお住まいの方で8~9割(個人の体感です)の方は、スルーせず、一方の入り口をふさいで使用していました。

歩くスペースが必要なウォークスルークローゼットは、非常に便利な反面、広さや使い勝手を選びます。リフォームや注文住宅をご検討の場合、ご自身にとって有用な収納を考えて、また、具体的な提案ができる方に意見を求めながら、プラン作りをしてみてください。

弊社のエージェントは全員がリフォームスタイリスト保有者です。リフォームに関してもぜひお問い合わせください。

 

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公開日:2024年3月1日

こんにちは。仲介手数料が必ず割引・最大無料の「不動産流通システム」、REDSエージェント、宅建士の戸村麻衣子です。

2024年に入って私たち不動産エージェントを悩ませているもの。「省エネ性能」。前回のご説明は「2024年以降に建築確認申請を受けたものは住宅ローン減税を受けるためには省エネ性能が必須」という内容でした。

さて、それでは、そもそも「省エネ性能」とはなんなのでしょうか。そしてそれを証明するものとはなんでしょう? 今回はそれを解説いたします。

省エネ性能表示制度

省エネ性能実現の努力義務を課す「住宅の省エネルギー基準」

「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律」(建築物省エネ法)により、住宅の建築主に対して、一定の基準以上の省エネルギー性能の実現に対する努力義務を課しているのが「住宅の省エネルギー基準」です。昭和55(1980)年に省エネ法にて制定され、平成27(2015)年には建築物省エネ法に移行され、法律の改正ごとに強化されてきました。

従来は、断熱性能や日射遮蔽性能など、住宅の外皮の性能(建物の外壁、窓、床、屋根、天井など、室内と室外を隔てる部分全体の断熱性能)を評価するものでしたが、平成25(2013)年に改正された現行の基準においては、外皮性能に加えて、住宅全体で使用するエネルギー量の二面から住宅の省エネルギー性能を評価するようになりました。

日本全国を気候条件に応じて8つの地域に分け、その地域区分ごとに基準値が示されています。具体的には

・外皮性能は「断熱等性能等級」
・住宅全体で使用するエネルギー量は「一次エネルギー消費量等級」

で示されます。

また、「省エネ性能適合」に必要な等級は

◎断熱等性能等級 5以上
◎一次エネルギー消費量等級 6以上

上記の等級以上が必要です。また、「省エネ基準適合住宅」になるには、どちらか、ではなく、どちらも、必要なものとなります。

実は改正前までの断熱性能等級の最高等級は「4」でした。改正建築物省エネ法の成立により、2025年以降は断熱等性能等級4が省エネ基準適合の最低条件となります。そこでこれまで最上位だった等級4の上に、上位等級の等級5~等級7が創設されました。

性能の詳細については密度の高さを示す数値など細かい内容になりますので説明は省きますが、今までの最高値の上にさらに3級ほど等級が追加されるという状況を鑑みると、今までの住宅基準は……と少し悩ましく思います。

住宅ローン減税を受けるのに必要な「省エネ性能」を示すものとは

さて、住宅ローン減税を受けるために必要な性能はわかってきましたが、「省エネ性能」を示しているもの、つまり、申請に必要な証明書となる書類は何でしょうか?
それは、以下のどちらかです。

1.建設住宅性能評価書
2.住宅省エネルギー性能証明書

建設住宅性能評価書

建設住宅性能評価書は登録住宅性能評価機関のみが発行できます。また、現実的に入手できるのはこちらが多いと思われます。なぜかというと、ハウスメーカーもほとんどがこういった評価機関に住宅性能評価の申請を行うからです。

「『新築時』住宅性能評価」という書面が一般的です。また、大抵は「設計」と「建設」がセットになっています。

住宅性能評価用のマーク

なぜ『新築時』か、というと、既存住宅で住宅性能評価をするには、「新築時住宅性能評価」がないとほぼ100パーセント性能評価がおりないためです。ですから、「既存住宅性能評価」がある既存住宅は、並行して「新築時性能評価」もあります。個人的には「既存住宅性能評価」を見たことがありません。「既存住宅性能評価」を取得している住宅は現時点では非常に珍しいものであるといえます。

また、新築時の住宅性能評価も実は多くありません。新設住宅着工戸数に対する設計住宅性能評価書の交付割合は令和3(2021)年時点で、28.2%にとどまっています。

<評価書交付割合>
設計:28.2%(新設住宅着工戸数86万5,909戸)

<評価書交付実績>
設計:24万3,970戸(対前年比8.1%増)
建設(新築):18万6,302戸(対前年比2.8%減)
建設(既存):428戸(対前年比5.9%減)

※上記は国土交通省が公表している令和3年度の住宅性能表示制度の実施状況です。
※参考URL
https://www.mlit.go.jp/report/press/house04_hh_001092.html

また「設計」と「建設」がセットになっているのは、まず「設計」で住宅性能評価を出すに値するものか検査・承認され、その上で建設中の住宅を検査(設計どおりに建設されているかの検査)した上で承認されるため、2つがセットになっています。「設計」は単独の取得が可能ですが、「建設」を取得する際には「設計」とセットであることが必須なのです。

住宅性能評価を受けるためには従来の住宅よりも高性能であることが必要でした。高性能である分、物件価格は上がります。また、性能評価を受けるためにも費用が必要。つまり、費用はかかりますが、住宅性能評価は、それを受けているだけで通常の住宅より性能が良いとの目安になったのです。また、検査を受けることにより構造部分の不具合と紛争処理の10年保証がつきます。

住宅省エネルギー性能証明書

住宅省エネルギー性能証明書は新設されたもののようです。内容を確認すると、評価機関以外でも、建築士事務所に属する建築士であれば、対象となる住宅の設計者・工事管理者である建築士が発行することも可能とのことです。

第三者の検査などは受けない点と、構造など重要な部分に保証がつくかは、その建築士事務所の方針などに左右されそうで、その点がやや気になります。

最後に

2025年以降は住宅性能を示す性能評価書も不要になる予定のようです。つまり、「省エネ性能」を保有していないと建築確認がおりない、ということになるのだと思われます。そこから、2024、2025年で新築住宅の住宅性能はかなり上がることが予想されます。

今までの建築物は、本当は対応できるのにそのレベルの建築物にしてこなかったということなのか……と、これまでの住宅政策について疑問も感じますが(おそらく費用の増加が懸念点となり強い政策が施行できなかったのだと思われます)、断熱性能が上がり省エネルギーで生活できることは、温暖化はもちろん、日常生活を送るうえでも利点が多く、歓迎すべき内容だと思われます。

制度の急激な変化には戸惑いを覚えますが、REDSではお客様に良いことも悪いこともきちんとお話しして売却・購入に携わる「正直不動産」営業に加え、新しい内容をエージェント同士で情報交換を行い、積極的に知識を増やしています。

お客様に接する営業全員が宅建士であるREDSエージェントにお気軽にご相談ください!

 

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公開日:2024年1月29日

こんにちは。仲介手数料が必ず割引・最大無料の「不動産流通システム」、REDSエージェント、宅建士の戸村麻衣子です。

2024年に入って私たち不動産エージェントを悩ませているもの。

それは「省エネ性能」です。

なぜ、「省エネ性能」が私たちを悩ませるのか? それは、住宅ローン減税に大きく関わってくる内容だから、です。

つまり、これから住宅を購入しようとするみなさまにも大きく関わってくる内容となります。今回は住宅ローン減税に関わる部分を中心に「省エネ性能」について、2回にわたってお話いたします。

省エネ性能表示制度

日本は建築物分野での温暖化対策が急務

独NGO「ジャーマンウオッチ」が公表した各国・地域の気候変動対策を順位付けした報告書「気候変動パフォーマンスインデックス」において64カ国・地域を評価した結果、日本は58位で、5段階評価で最低のグループ(54位以下)でした。

1~3位は「該当なし」で、最高(4位)はデンマーク、最下位(67位)はサウジアラビアということでした(毎日新聞の2023年12月8日の記事より)。

上記はいちNGOのランキングではありますが、COP28で日本が4回連続「化石賞」を受賞しているのを見てもわかるように、地球温暖化対策が世界で叫ばれる中で日本は後塵を拝しています。

2050年カーボンニュートラル、2030年度温室効果ガス46%排出削減(2013年度比)の実現に向け、2021年10月、地球温暖化対策等の削減目標を強化することが決定されました。これを受けて、日本のエネルギー消費量の約3割を占める建築物分野における取り組みが急務となっています。

建築物のエネルギー消費性能の向上を図るため、建築物省エネ法(建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律)を制定・改正し、建築物のエネルギー消費性能基準への適合義務などの措置が講じられました。

住宅の省エネルギー化とは

各所での取り組みが必要とされていますが、私たちにとって最も身近である住宅(家)のエネルギー消費性能基準への適合義務(=温暖化対策)とは、「住宅の省エネルギー化」です。

「住宅の省エネルギー化」とは具体的に何を指すのでしょうか。

住宅で重要なエネルギー要素は暖冷房エネルギーです。暖冷房エネルギーを少なくすることで省エネルギーが実現できます。暖冷房エネルギーを少なくするには住宅の断熱性能を高めることが必要です。断熱性能等を高めた省エネ住宅にすることで「住宅の省エネルギー化」が実現できます。そのため、2024年から重要な要素となるのが住宅の「省エネ性能」なのです。

2024年4月に始まる「省エネ性能表示制度」とは

上記の取り組みを実行するために、「建築物省エネ法に基づく建築物の販売・賃貸時の省エネ性能表示制度」(「省エネ性能表示制度」)が2024年4月に始まります。

「建築物省エネ法に基づく建築物の販売・賃貸時の省エネ性能表示制度」(「省エネ性能表示制度」)とは、販売・賃貸事業者が建築物の省エネ性能を広告等に表示することで、消費者等が建築物を購入・賃借する際に、省エネ性能の把握や比較ができるようにする制度です。

住まいやオフィスなどの買い手・借り手の省エネ性能への関心を高めることで、省エネ性能が高い住宅・建築物の供給が促進される市場づくりを目的としています。2024年4月以降、事業者は新築建築物の販売・賃貸の広告などにおいて、省エネ性能の表示ラベルを表示することが必要となります。

省エネ性能ラベル
省エネ性能ラベル(出典:国土交通省「住宅性能ラベル」広告用チラシより抜粋)

ただ、これは私たちが居住用に使用するすべての建築物に表示義務があるわけではなく、2024年4月以降に建築確認を受けた新築物件が対象となります。それ以前の既存建築物についても表示は推奨されますが、表示しない場合でも勧告などの対象とはなりません。

どちらにしてもこの「省エネ性能ラベル」で規定以上(規定については次回説明いたします)の表示がされていれば、安心して購入できる「目安」となることは間違いなさそうです。

住宅ローン減税を受けるにも「省エネ性能」が必須に

住宅ローン減税を受けるにも、2024年1月以降に建築確認を受けた新築住宅の場合は「省エネ性能」が必要となります。

「建築確認」とは、建築物を建てる際に「法令に沿った、こういう建築を建てますよ」と申請し、それが検査機関で確認されることをいいます。つまり、2024年1月以前に「建築確認」を受けている場合、「省エネ性能」は不要です。つまり住宅ローン減税を受けるのに、中古住宅に「省エネ性能」は不要、となります(2024年1月現在)

一方、新築住宅は戸建てに限れば、建築確認がおりればすぐに着工されるものがほとんどですので、2024年半ば以降は、ほぼすべての新築住宅(戸建て)が「省エネ性能」必須の物件になると思われます。

ここで一点、注意が必要です。住宅ローン減税の場合、2024年1月以降に建築確認を受けたものが対象ですが、先に説明した「省エネ性能表示制度」では2024年4月以降の建築確認を受けたものが対象です。その点をご注意ください。

まとめ

大きな目安としては2024年に居住用物件を購入する場合

・(2023年12月31日までに建築確認を受けた)既存住宅(中古住宅)は「省エネ性能」がなくても住宅ローン減税を受けられる
・2024年1月以降に建築確認を受けたもの(新築住宅)は「省エネ性能」がないと住宅ローン減税を受けられない

という、以上の2点が言えます。ただ、受けられる減税額は違いますのでご注意ください。

住宅ローン減税の借入限度額等
~令和6年度税制改正における住宅関係税制のご案内~
(別紙1)令和6年度住宅税制改正概要

新築住宅(主に戸建て)をご検討されている方は、「省エネ性能」にも注目して、物件選びをしてみてください。次回は、住宅ローン減税を受けられる「省エネ性能」とは何か、またそれを示すもの(申請に必要な証明書)は何かをご説明いたします。

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公開日:2023年12月21日

こんにちは。仲介手数料が必ず割引・最大無料の「不動産流通システム」、REDSエージェント、宅建士の戸村です。

民法改正が相次いでいます。宅建士である私たちにとっても新しい改正を確認し、それまでの法令との違いを理解するのに苦労するものです。今回ご説明する「契約不適合責任」は以前「瑕疵担保責任」と言われていました。2年近くたってようやく馴染んできた「契約不適合責任」は、以前と何が変わったのか。注意すべき点は何かを解説します。

契約不適合責任

契約不適合責任とは

2020年4月1日に改正民法が施行されました。これまでの「瑕疵担保責任」に変わって登場したのが、「契約不適合責任」です。不動産売買時の「契約不適合責任」とは、売買契約の履行において「契約内容と異なるものを売却したとき」に生じます。「契約」に「適合」しない責任を問われるので、文字どおりの意味合いとなります。

これまでの「瑕疵担保責任」では、その責任の対象が「隠れた瑕疵(=キズ)」に限定されていました。
隠れた瑕疵とは、買主が要求されるような注意力を働かせたにもかかわらず発見できなかった瑕疵のことです。こういった場合によく例として挙げられるのが雨漏りですが、買主が一見しても雨漏りする住宅であることがわからないような場合に、雨漏りは「隠れた瑕疵」に該当すると考えられます。

しかし、買主がその瑕疵が「隠れた瑕疵」であることを証明することは困難であり、「隠れた瑕疵」に該当するかどうかがしばしば問題となっていました。それをシンプルに、「契約書に記載されていた内容と違う場合は責任がある」としたのです。

つまり、「雨漏りはしない」と契約書に記載があり、売主・買主双方その認識で売買が成立したにもかかわらず、引渡後の保証期間内に雨漏りが発生した場合は、「契約不適合責任」に該当します。その場合、買主は売主に責任を追及できます。売主は責任を問われるリスクを減らすために、売買する予定の物件について状況をよく認識しておくことが必要になりました。

契約不適合責任で買主が持てる権利

契約不適合責任が発生した場合、購入した側は下記の請求をする権利を認められています。

●追完請求
●代金減額請求
●損害賠償請求
●契約解除

追完請求

追完請求とは、例えばリンゴ10個の売買予定だったのに8個しかもらっていない場合、「契約書どおり10個になるよう追加で2個ください」といった請求ですが、不動産の場合、種類や品質・数量などでは表せない場合も多くあります。数字では示せないので難しい場合もありますが、「雨漏りしないと言っていたのに雨漏りした」ということであれば、「雨漏りしないように(修補)請求する」という内容になります。

ただ、たとえ契約書に雨漏りについての記載がなかったとしても、その物件で雨漏りが発生した場合、そもそも住むことを前提として契約がなされている=契約内容とは異なる(住むための用を満たさない)ものを売った=契約不適合責任を負うことになりますので、ご注意ください。

最近の契約書は「物件状況報告書」などの説明の中に「雨漏り」について記載する箇所がありますので実際は「記載がない」ということはあまりないと思いますが。

代金減額請求

上記の追完請求を売主側が実行しない(できない)場合、買主は代金減額請求をすることができます。名前のとおり、売買価格を減額する請求です。

先の「追完請求」を例にすると、「追完請求」で「雨漏りを直してください」といった要望を修繕に必要と思われる期間を定めて売主に伝えます。そこで直してくれなかった場合、買主側が相当の期間を定めて履行の追完の催告をし、その期間内に履行の追完(修補)がないときに認められるものです。

つまり、いきなり減額請求ができる訳ではなく、まずは追完請求を行って、さらに「催告」をして、それでも直してもらえないときであれば「代金を減額してください」と請求できます。明らかに直せないものなど、追完の補修が不可能である場合は、催告なしで買主は直ちに代金減額請求することもできます。

つまり、代金減額請求権は、直せるものは直してもらい、「直さない」「直せない」場合に使える請求になります。

損害賠償請求

損害賠償請求とは、契約不適合によって生じた損害について金銭の支払を請求することです。履行の追完や代金減額請求をした場合であっても、これらと併せて損害賠償請求を行うことができます。ただ、特約で損害賠償請求はできないとされている場合もあります。できるとされている契約書でも範囲の限定が求められる可能性があるのです。

損害賠償が請求できる範囲は「信頼利益(契約が不成立・無効になった場合に、それを有効であると信じたことによって被った損害を指す)」も、「履行利益(契約が履行されたならば債権者が得られたであろう利益を失った損害を指す)」も含みます。

「信頼利益」は不動産売却の場合では、例えば登記費用などの契約締結のための準備費用が該当します。「履行利益」は不動産売却の場合では、例えば転売利益や営業利益などが該当します。どこまで、という範囲を決めるのが難しいものでもあるため(社会情勢や個人の特性にも左右される内容であるため)、特約で規制することが多いように思われます。

契約解除

契約の解除とは、契約をなかったことにすることです。債務の全部の履行が不能であるなど一定の場合を除き、原則として先に履行の催告をし、一定期間内に履行がないときに解除をすることができるとされています。

ただし、債務の不履行がその契約および取引上の社会通念に照らして軽微であるときは、解除をすることができません。解除にも「催告解除(修補するよう要求したが対応してくれなかった)」と「無催告解除(契約の履行が期待できないと明らかなとき)」があります。

最後に

「契約不適合責任」は、従来の「瑕疵担保責任」より明確にわかりやすくなったと実務を通しても感じます。ポイントは、「物件の状況をよく理解し」「契約書に記載する」です。契約書に記載があれば(それが一般に整合性のとれるものであれば)、それを元に話し合いができます。また、売主・買主、双方にとって納得しやすい形になると思われます。

売主は物件状況を理解し、仲介会社に伝え、仲介会社はそれを買主に伝え、かつ契約書に明記すること、そして買主は記載事項を理解して購入すること。

それが基本であり、トラブル回避のための上策です。「こんなはずじゃなかった」とならないよう、物件について理解を深めましょう。

 

マンションはもちろん、戸建ても土地もすべて仲介手数料が最大無料・必ず割引のREDSは、お客様にいいことも悪いこともきちんとお話しして売却・購入に携わる「正直不動産」営業です。お客様と接する営業全員が宅建士であるREDSエージェントにお気軽にご相談ください!

 

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公開日:2023年11月14日

こんにちは。仲介手数料が必ず割引、最大無料の【不動産流通システム】、REDSエージェント、宅建士の戸村です。

住まいにおいて、一般的に方角は「南向き」が人気です。ただ、タワーマンション、特に高層階においては「南向き」を選ぶと日常生活で不便なことがあるのをご存知でしょうか? 本日はその話をしたいと思います。

タワーマンション

住宅で南向きが人気な理由

通常の住宅、特に戸建て住宅は南向きが圧倒的に人気です。理由は、一日を通して陽当たりがよく、明るいからです。

昔の日本家屋を見るとよくわかりますが、庇を大きく張り出して、夏場は真上にくる太陽の日を避け、冬場は横から入ってくる日差しを十分に取り込めるようになっています。よく考えられている合理的な造りです。

昔の日本家屋であれば合理的な「南向き」ですが、現代のタワーマンション、特に高層階には当てはまらないことがあります。なぜ当てはまらないのでしょうか?

タワーマンションの高層階は影になる部分がない

タワーマンション高層階は、隣に高層建築物がない限り影になることはありません。南向きのお部屋の場合、日の出から日没まで日が差す可能性もゼロではありません。それが夏だったらどうなるでしょう?

昨今の夏は「観測史上初の高温」や「猛暑日」といわれる日が続くようになっています。日中は室内で過ごすように注意がほぼ毎日出る、という2023年の夏、タワーマンション高層階の南・西面側の方は強い日差しが入ってきて非常に暑い思いをされたのではないでしょうか。

高層階は地上より太陽に近く、また、地面で熱された空気は上昇します。タワーマンションは断熱や遮熱性能を施した窓や外壁になっていますが、それだけでは防ぎきれない暑さが一日中続きます。特に大きな窓の部屋では、そこから熱を取り込んでしまい、さらにコンクリートは熱をため込んでしまいます。

高層階のマンションは防犯や安全面のため風を部屋の中に通すことも難しい場合もあり、夜に空気を冷やすこともままなりません。エアコンをつけて過ごすしかないのですが、私が過去にお預かりしたタワーマンションの南向きのお部屋は、地上付近が32度くらいでも室内は35度以上になり、35度以上の猛暑日には40度近くになるとお客様が話されていました。体感としてはそれ以上だそうです。エアコンをつけても温度が下がらず、部屋の中にいたくないので低層階の共用部に移動してしのいでいたそうです。結局、そのお客様は戸建て住宅にお引っ越しされました。

タワーマンション高層階、オススメの方角は?

タワーマンション

周辺の建造物などにもよりますので一概には言えませんが、西向きのお部屋は午後からの日差しが長く家の中に差し込みますので、南向きと同じように暑いとされます。冬場にはそれが暖かさを運んでくれますが、夏場の午後は注意が必要です。また、タワーマンションに限らず、西向きの部屋については、家具や室内装飾が日焼けしやすい、と指摘されていることを知っておきましょう。

前面に建物がなく、眺望などに問題がないのであれば私は北向きや東向きをオススメいたします。

誤解されやすいのですが、北向きというのは決して暗くはありません。一定の明るさが保てるので、細かい作業される方が職場の北側の天井に天窓を付けて室内に明るさを取り込んでいるケースなどもございます。天窓からの光も、南向きですと明るさ以外の熱も取り込んでしまいますが、北向きは明るさのみを取り込み、人が「暑い」と感じるほどの熱までは取り込みません。

東向きは朝の日差しが若干強烈だと思いますが、午後からは落ち着いてきます。西日が入ることもありません。

高層階であれば湿気なども低層階などよりはたまりづらいので、カビなどの発生も比較的抑えられます。もちろん諸条件によって変わりますので断言はできませんが、北・東向きはタワーマンション高層階であれば比較的過ごしやすいでしょう。

最後に

タワーマンションの高層階においての方角選びは、一般的な戸建てやマンションなどとは違います。それぞれの特性を鑑みて、ご自身にあったお住まい選びをされるよう、このブログがお役に立てれば幸いです。

タワーマンションはもちろん、戸建ても土地もすべて仲介手数料が最大無料・必ず割引のREDSは、お客様に沿って物件のご提案をさせていただきます。良いことも悪いこともきちんとお話しますので、お気軽にご相談ください! どうぞよろしくお願いいたします。

 

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公開日:2023年10月10日

こんにちは。仲介手数料が必ず割引、最大無料の【不動産流通システム】REDSエージェント、宅建士の戸村です。

マンションを購入して、自分の理想を形にして暮らす。中古マンションの購入と同時にリフォームをすることを指して、そんな広告が最近増えたように思います。私は以前、ハウスメーカーのリフォーム営業を担当していたこともあり、お客様のリフォーム相談には積極的に乗らせていただきますが、業界関係者にとっては当たり前と思われてしまうことが、一般の方には浸透していないと感じることがあります。さらに、ネット検索してもスパッと出てこないことが多いため、今回はそういった内容を中心にご紹介したいと思います。

リフォーム

工事費用のお支払い時期と回数について

リフォーム工事費のお支払い時期と回数については、大まかにいって以下の2通りです。

(1)手付金、中間金、残金の3回払いもしくは中間金を除いた2回払い
(2)最終一括払い

以下、詳細をみていきます。

手付金・中間金・残金の3回払い/もしくは中間金を除いた2回払いの場合

〇支払時期:手付金(内金、着手金ともいいます)は契約時。中間金は工事がある程度進み次の工程に入る段階や、工期の半ば。残金は工事完了時、もしくは工事完了後の現地確認をした後など。
〇金額:総額を支払い回数で割った金額を要求されることが多い。

最終一括払いの場合

〇支払時期:工事完了時、もしくは工事完了後の現地確認をした後
〇金額:全額

(1)と(2)は請け負う会社の規定によって、また請け負う工事の規模によって変わる場合があります。工事費用が総額数十万円の場合は(2)の最終一括払いになることが多いです。ただ金額の大きい大がかりなリフォームの場合、一般的に多いのは(1)です。

リフォーム費用を最終一括にできない理由

なぜ最終一括払いにできないのでしょう? 支払う側としては工事完了を確認して支払いしたいですよね。それは、リフォーム会社がリフォームの材料や設備を購入するためです。

リフォームで依頼される設備や材料は依頼者の方が選定し、かつ、そのお部屋に合わせた仕様になっているため、他の現場で使うことができないものばかりです。転用できない材料や設備を発注した後、何かあって工事が中止になった場合、その損失をリフォーム会社が全て背負うこととなります。その危険性を避けるため、というのが大きいのです。

ちなみに最終一括支払いの場合でも、仮に請負会社に不備がなく、依頼者側の事由で解約などをした場合、発注した設備などの費用については実費で支払うことになる可能性がありますのでご注意ください。

リフォーム代金の支払時期

カレンダーと電卓

さて、ここからが本題です。ではリフォーム支払いの時期をマンション購入のスケジュールと合わせると、支払いはいつになるのでしょうか?

前回のブログでご説明したように、不動産売買は「契約」と「決済」がセットです。「契約」から「決済」まで通常で1~2か月ほどかかります。購入したマンションをリフォームしたい場合、リフォームの契約はこの不動産売買の「契約」から「決済」までの間に行うことがほとんどです。

そうすると、不動産売買契約時の「手付金」を出した後、今度はリフォームのための「手付金(内金・着手金)」を出さなければなりません。融資を受けて後で回収できるにしても、一時的にかなりの現金支出があるのです。このように、住宅の引渡し前に必要な現金支出が困難な方に向けて、資金を一時的に立て替えるローンとして「つなぎ融資」があります。

このことをご存知ない方が多いので、ご注意ください。ただ、手付金を自己資金で出すと金利優遇などが出やすいので、自己資金のご準備をしておくことをおすすめします。

また、通常は手付金を要求するリフォーム会社さんも、相談すると最終一括払いで対応してくださることもあります。一時的な費用を捻出するのがどうしても難しい場合などは、つなぎ融資について相談してみてください。

まとめ

ちなみに、弊社株式会社不動産流通システムには工事部がございます。弊社工事部は300万円くらいまでは最終一括支払いですし、それ以上の工事費用になっても一括支払いでご相談を承りますので、ぜひお問い合わせくださいね。

「マンションを買ってリフォーム」には「不動産売買」と「リフォーム工事請負」の2つの契約が関係してきます。1つだけでもわからないことが多く、大変なものが2つも重なり、そのスケジュール感もわかりづらいと思います。リフォームについても、工事部併設で経験豊富なREDSエージェントへご相談ください!

 

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最終更新日:2023年9月9日
公開日:2023年9月8日

こんにちは。仲介手数料が必ず割引、最大無料の不動産流通システム、REDSエージェント、宅建士の戸村です。

不動産売買は一般の方にとってはそう何度も経験することではないと思います。初めての経験であることがほとんどです。初めての経験にも関わらず、専門用語だらけの契約書や住宅ローンの借り入れや火災保険など、さまざまなことを考えなければなりません。私なら途方に暮れてしまいそうです……。

ただ、途方に暮れていても物事は進みません。わからないことは、単純化していくとわかりやすくなりますよね。私はよく「わからないことって整理整頓だな」と思います。ごちゃごちゃになっているものを切り分けて分類して整理していく。細分化しすぎると面倒なことにもなるので、少し大雑把に紐解いていくのが良いのかな、と思っています。

今回は、不動産における【契約】と【決済】について紐解いていきたいと思います。

不動産の契約

不動産における【契約】と【決済】

不動産売買は【契約】し、かつ、【決済】を完了することで成立します。つまり、【契約】だけでは不動産売買は成立しないのです。一般の方には【決済】は馴染みないものだと思われますが、ざっくりとそれぞれをご説明します。

契約

不動産売買における【契約】とは、「この不動産をいくらで、こういう条件で売買します」という約束事を取り決め、売主様と買主様が契約書に署名捺印(同意)することです。これは、買主様が「この物件を買いたい!」と売主様に購入申し込みをして、双方が合意してから約1週間~10日後くらいに行われます。

【契約】時点では不動産売買取引の内容について確認し合い、署名捺印、そして「手付金」(通常、本体価格の5%程度)を買主様が売主様にお渡しして成立です。この「手付金」は本体価格に含まれます。

ちなみに、買主様側は【契約】の前に、「買主様が買うのはこういう物件ですよ」ということを理解していただくための【重要事項説明】が行われます。物件についてのご説明ですね。これから購入する物件をご理解いただいた上で初めて【契約】に進めるのです。

【重要事項説明】は契約日と同日、契約直前に行われることが多いですが、契約前に行っていればいいので、場合によっては2~3日前に行うこともあります。

【契約】にかかる時間は1~1.5時間ほど。その前に行う【重要事項説明】もおよそ1~1.5時間ほどかかります(場合によってはそれ以上かかる場合も)。なので、買主様は2~3時間はお時間がかかるものだと思って、余裕を持って【契約】と【重要事項説明】に臨んでください。

決済

不動産売買における【決済】とは、「お金と不動産を交換して、不動産を得る(買主様)、もしくは、お金を得る(売主様)」ことです。【契約】で取り決めたことを【決済】で実行するのです。これは【契約】から通常1.5か月~2か月ほどで行われることが多いです(契約時の取り決めによって3か月後や半年後、という場合もあります)。

「なぜ【契約】が終わってから1.5~2か月もかかるの?」と思われるかもしれません。これは、不動産を購入する方のほとんどがローン(融資)を利用するためです。

ローン(融資)の審査は2回行います。1回目は【契約】の前に。いわゆる「事前審査(仮審査)」です。2回目は【契約】の後、【決済】を行うために。こちらは「本審査」です。

少し話が【契約】に戻りますが、ローンの「事前審査(仮審査)」が通らないと【契約】に進めません。なぜなら、買主様が「物件を買えるかどうかわからない」状態では売主様は【契約】をしないからです。買主様が「物件を購入できる(と思われる)」という保証が「事前審査(仮審査)」が通っている=事前承認が出ている、ということになるのです。

この「事前審査(仮審査)」は、できれば不動産会社を通して行ってください。なぜかというと、不動産会社を通さずに行う審査は購入する物件までは審査しておらず、【契約】後に行う「本審査」で落ちてしまう確率が高くなるためです。売主様側の不動産会社によっては、物件担保をみない「事前審査(仮審査)」は契約に進めない場合もございます。

さて、話を【決済】に戻します。【決済】を行うためには、今度はローン(融資)の本審査を通らなければなりません。【契約】後にすぐにローン(融資)本申請を行っていただきますが、本審査の申請から承認までに大抵の金融機関で10営業日ほどかかります。場合によってはそれ以上かかる場合もありますので、【契約】後、3~4週間程度でローン(融資)本承認がおりるかどうかの結果が出てくる、とお考えください。

ローン(融資)本承認がおりて初めて【決済】が行えることとなりますので、承認後に【決済】の日程調整を売主様・買主様双方で行います。ここからが大忙しです。

【決済】時に、売主様は売却する物件を基本空っぽにして明け渡しますので、お引越しなどを行っていただきます。買主様は物件を購入するための資金を金融機関から借り入れるための契約「金銭消費貸借契約(略して「金消契約」)」を結び、【決済】に備えます。ほかにも、火災保険やインフラ関連の手配、引越しの準備等々、やることは山積みです。

【決済】時に、金融機関からローン(融資)が買主様に実行され、そのお金が売主様に売買代金として入金されます(手付金の分を除く残金分です)。そうしますと、売主様は売却する物件の鍵を全て引渡します。ここでようやく【契約】が全て成立し完了した、となる訳です。

ローン(融資)を利用しない場合は【契約】から【決済】までの期間が短くなります。お借入れのための「本審査」も「金消契約」をしませんので、その分短くなるんですね。イメージとしては【契約】から【決済】まで、1か月前後です。

聞きなれない【決済】ですが、ある意味【契約】の一環です。【契約】時の取り決めを【決済】で完了して、一連のお取引が終了します。

まとめ

【契約】と【決済】について、ご理解いただけましたでしょうか?

ちょっとした豆知識も盛り込んでしまったので、逆にわかりづらくなっていたら申し訳ございません。ご参考になれば幸いです。

 

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公開日:2023年7月31日

こんにちは。仲介手数料が必ず割引、最大無料の不動産流通システム、REDSエージェント宅建士の戸村です。

私のブログの中でなぜかイイネ!がつきやすい記事が「土地購入からの戸建て建設について」だったので、改めてその記事をブラッシュアップしてご紹介したいと思います。

戸建て

土地から購入の場合、土地を探すより先に建築会社を探せ!

不動産仲介会社である弊社にもまれに入ってくるのが「この土地を見に行きたいです! 一戸建てを建てるための土地を探しているので!」というご相談です。

すぐにご案内したいのですが、まずお聞きしたいのは「ハウスメーカーはお決まりですか?」ということです。

建築物は「建築基準法にあった家」でないと建てられません。「建築基準法に問題がなく、かつ自分が望む家を、この土地に建てられるのか?」という判断は、家のプランを作ってくれるハウスメーカー(もしくは工務店)さんにやってもらわなければなりません。

土地と並行してハウスメーカーを探してもいいのですが、いい土地ほど早く売れてしまいます。いい土地を買い逃さないようにするためには、早い判断をする必要がありますから、希望するプランを具体化してくれるハウスメーカー(もしくは工務店)さんにお話しをし、ご希望のプランはどういった土地であれば建てられるのか、ぼんやり把握しておくことが重要です。まずはハウスメーカー(工務店)の候補を2社程度に絞っておくことをおすすめします。

エリア優先の場合は、そこで売っている一戸建てをまず見てみる

家を建てる条件もさまざまです。広さや間取り重視の方もいれば、エリア重視の方もいると思います。

エリア重視の場合、まずはそのエリアで売っている土地や一戸建てを検索してみて下さい。特に新築物件がどのような形状・広さで作られているかを確認すると、そのエリアで建てられそうな家がイメージできると思います。

そのイメージがあまりにも自分の理想とかけ離れている場合は、そのエリアでの購入をあきらめて別のエリアにするか、やはりエリア優先で建物自体は理想通りでなくてもいいと割り切るか判断できると思います。

具体的に土地探しを始める前に、お金について考えておく

土地からの一戸建て建築の場合

(1)土地を購入して決済(支払)
(2)購入した土地に家を建てて決済(支払)

上記のように、最低でもお支払いが2回あります。通常はもっと多いかもしれません。

資金が潤沢にあり、(1)か(2)のどちらかは現金で支払える、という場合はいいのですが、全てをお借入れで対応される方は、何よりも資金について確認しないといけません。

「金融機関にお金を借りて土地を購入したけれど、家を建てる資金が借りられなかった…!」なんてこと、通常は起こりませんが(金融機関や仲介会社が止めてくれると思います)、実際にそうなる可能性もありえなくはないのです。

資金の多くを金融機関借入で対応したい場合、以下の方法が考えられます。

・つなぎ融資
・建築条件付きなどで一括ローン対応の土地を購入
・一括のお支払いができるハウスメーカーに土地探しをお願いする

以下でひとつひとつ説明します。

【つなぎ融資】

つなぎ融資は土地購入から新築が建つまでの間、一時的に受けられる融資です。例えば土地の決済時に「つなぎ融資」を使い、新築物件を建築し、最後の建物の引渡しの際の借り入れで、一時的に借りた「つなぎ融資」を返済します。

【建築条件付きなどで一括ローン対応の土地を購入】

「建築条件付き土地」というのは、「建築するハウスメーカー(工務店)が決まっている土地」のことです。土地と建物のセット販売ですので、一括でお支払いできることが多いです。ただし、絶対ではないので確認が必要です。

【ハウスメーカーに土地探しをお願いする】

ハウスメーカーは金融機関とも提携して、土地・建物一括で住宅ローンを組むことができる場合も多いため、ハウスメーカーを決めて、そのメーカー担当者(もしくはメーカー提携の不動産会社)に土地を探してもらいます。

上記のような形であれば、最終的に一本化された住宅ローンを組むことができます。

まとめ

土地からの新築一戸建て建設、駆け足のご説明ですが、まとめサイトがあまりないので、ざっくりとイメージを作っていただこうと今回のブログを書きました。

土地購入からの一戸建て新築は資金と根気が必要です。思い立ってすぐにできるものではないので、まずはこういったポイントを知ってから、土地からの一戸建て新築を検討してみてください。このブログが方向性を決める材料になれば幸いです。

 

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