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近藤 未来(宅建士・リフォームスタイリスト)

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公開日:2023年6月25日

土地や家、マンションを購入する際には、それらの不動産がどこにあるのかをチェックする必要があります。すなわち、その不動産がどんな「用途地域」に属しているのかということです。用途地域とは土地の使用目的や規制を定めた区域のことで、異なる用途地域では住環境がガラリと変わってしまいます。そんな用途地域について、解説します。

街並み

用途地域とは?

用途地域とは都市計画や土地利用の管理を目的として、特定の地域における土地の使用目的や規制を定めた区域のことを指します。「都市計画区域」内の「市街化区域」に市町村(東京23区は東京都)によって指定され、地域ごとに異なる用途が定められています。建てられる建物の種類や大きさなども地域ごとに制限があります。

用途地域にはどんな種類がある?

用途地域は、以下のように13種類があり、大きく住居系・商業系・工業系の3つのカテゴリに分かれます。

・第一種低層住居専用地域
・第二種低層住居専用地域
・第一種中高層住居専用地域
・第二種中高層住居専用地域
・第一種住居地域
・第二種住居地域
・準住居地域
・田園住居地域
・近隣商業地域
・商業地域
・準工業地域
・工業地域
・工業専用地域

住居系地域

住居系地域では、住環境が優先されるため、基本的には大きな工場や商業施設は建てられません。

・第一種低層住居専用地域
低層住宅のための地域です。「絶対高さ制限」があり、10mや12mなどに制限されています。建築可能なのは一戸建て住宅、低層のマンション、小学校、中学校、診療所などです。

・第二種低層住居専用地域
主に低層住宅のための地域です。「絶対高さ制限」は第一種低層住居専用地域と同様です。第一種低層住居専用地域の用途に加えて、150㎡までの小規模な店舗(コンビニなど)や飲食店などが建築可能です。

・第一種中高層住居専用地域
中層および高層の住宅のための地域です。「絶対高さ制限」はありませんが、日影規制(建物が他の建物や公共スペースに与える日陰の影響を制限すること)がある場合が多く、日影規制のない場合には北側斜線制限があり、実質的な高さ制限となります。

病院、高校、大学、中規模の店舗や飲食店(2階建て以内&床面積が500㎡以下)のほか、病院や図書館などが建築可能です。あくまでも住居系ですので、中高層マンションは建築できても、オフィスビルは建築できません。

・第二種中高層住居専用地域
主に中層および高層の住宅のための地域です。第一種中高層住居専用地域の用途に加えて、中規模の店舗や事務所(2階建て以内&床面積が1500㎡以下)などが建築可能です。

・第一種住居地域
住宅の環境を守るための地域です。「絶対高さ制限」がないことに関しては、第一種中高層住居専用地域と同様です。第一種・第二種中高層住居専用地域で可能な建物に加えて、3000㎡までの店舗や事務所、ホテルなどが建築可能です。

・第二種住居地域
主に住宅の環境を守るための地域です。第一種住居地域の用途に加えて、ボウリング場、スケート場、パチンコ店、カラオケ店などが建築可能です。

・田園住居地域
農業と調和した低層住宅の環境を守るための地域です。第一種・第二種低層住居専用地域と同様に「絶対高さ制限」があり、低層住居専用地域に建築可能なものに加えて、2階建て以下の農業施設(農産物直売所や農家レストランなど)が建築可能です。

・準住居地域
幹線道路沿いの業務の利便に加えて住居の環境を保護する地域です。第二種住居地域の用途に加えて、車庫、倉庫、自動車修理工場、200㎡未満の劇場や映画館などが建築可能です。

商業系地域

商業系地域は、商業活動が行われる地域であり、店舗やオフィスなどが立地します。主に商業施設などが優先されますが、住宅を建築することも可能です。

・近隣商業地域
主に住宅地域に近接して設定され、近隣住民が日用品の買い物などをする商業地域です。店舗や事務所、劇場や映画館などに床面積の制限がなく、住環境悪化の恐れがある工場や、危険性の高い工場以外はさまざまな用途の建築が可能です。しかし、キャバレーやナイトクラブ、個室付浴場などの建築をすることはできません。

・商業地域
主に商業活動が中心となる地域です。都市の中心部や交通の要所、商業拠点として指定されます。近隣商業地域では建築できないキャバレーやナイトクラブ、個室付浴場などの建築が可能です。

工業系地域

工業系地域は、工業活動や製造業が主体となる地域で、そうした業種の利便性を高める地域となっています。工業専用地域以外は、住宅を建築することが可能です。

・準工業地域
準工業地域は、工業活動や軽工業が行われる地域です。住環境悪化の恐れがある工場や、危険性の高い工場、個室付浴場以外は、さまざまな用途の建築可能な地域です。住宅やホテル、ボウリング場、映画館、病院、教育施設などの建築が可能です。

・工業地域
工業地域は、主に重工業や製造業、物流業などの産業活動が中心となる地域です。どんな工場でも建てられますが、ホテルや映画館、病院、教育施設などの建築はできません。住宅や店舗の建築は可能です。

・工業専用地域
専ら工業の利便を増進する地域です。どのような工場でも建てられますが、住宅、学校、病院、ホテル、映画館などの建築はできません。

まとめ

以上、見てきたように用途地域ごとに建てられる建築物の種類や制限、街の景観や利便性など生活環境が異なってきます。

住居系地域でしたら閑静な住環境を求める方に、商業系地域でしたら多少賑やかでも利便性を重視する方に、工業系地域でしたら大規模分譲マンションに住みたい方や工場の騒がしさが気にならない方に向いています。

マンションなど不動産を探す際には、ご自分のライフスタイルや理想とする暮らしを想像いただき、最適な用途地域を見つけていただければと思います。

 

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