REDSエージェント、宅建士の小野田です。2026年9月16日、国土交通省から「令和8年都道府県地価調査」(7月1日時点の地価)の結果が公表されました。
今回の調査では、全国の地価は、景気が緩やかに回復している中、地域や用途により差があるものの、三大都市圏では上昇幅が拡大し、地方圏でも上昇傾向が継続するなど、全体として上昇基調が続いていることが明らかになりました。
特に注目したいのが、東京を中心とする首都圏の地価動向です。東京都では、東京23区の住宅地の平均変動率が前年比8.7%、商業地が13.3%となりました。しかも、住宅地・商業地ともに23区すべてで平均変動率がプラスとなっています。
「東京の土地は、今どのくらい値上がりしているのか?」
「この地価上昇は、マンションや戸建て住宅の価格にも影響するのか?」
「不動産を売るなら今がいいのか?」
「これから住宅を購入する場合、どう考えればいいのか?」
今回は、2026年9月に発表された最新の地価調査をもとに、東京23区と首都圏の不動産市場について、不動産仲介の現場から分かりやすく解説します。

(画像はイメージです)
都道府県地価調査とは? 2026年7月1日時点の土地価格
まず、今回のニュースについて整理しておきましょう。今回、2026年9月16日に公表されたのは「都道府県地価調査」。各都道府県が毎年7月1日時点の基準地の価格を調査し、公表するものです。
今回の「令和8年都道府県地価調査」は、令和8年(2026年)7月1日時点の地価を示しています。全国2万1466地点が調査対象となり、実際の土地取引価格を考える際の重要な公的指標のひとつとなるものです。そのため、今回の調査結果を見ることで、2026年7月1日までの土地市場がどのように動いていたのかを知ることができます。
東京23区・多摩・首都圏3県の地価動向
東京23区|住宅地8.7%・商業地13.3%上昇
まず注目したいのが東京23区です。
「令和8年都道府県地価調査」では、東京23区の住宅地の平均変動率は8.7%となりました。前年の8.3%から上昇幅がさらに拡大しています。さらに特徴的なのは、23区すべてで住宅地の平均変動率がプラスとなっている点です。区別に見ると、住宅地では港区が16.3%、台東区が15.6%、文京区が13.8%と高い上昇率となりました。
商業地については、23区全体で13.3%上昇。こちらも23区すべてでプラスとなっており、台東区19.6%、北区・荒川区16.9%など、大きな上昇率を示した区もあります。
東京23区については、「一部の超都心だけが上昇している」というより、住宅地・商業地とも幅広いエリアで地価上昇が確認されたことが大きな特徴です。
多摩地区|住宅地3.5%上昇
では、23区から少し離れた多摩地区はどうでしょうか。本記事では、東京都のうち23区と島部を除く26市3町1村を「多摩地区」と表記しています。
「令和8年都道府県地価調査」では、多摩地区の住宅地の平均変動率は3.5%上昇となりました(26市1町がプラスとなり、日の出町・檜原村・奥多摩町は0.0%でした)。23区の8.7%と比較すると上昇率は小さくなりますが、多摩地区でも地価の上昇傾向は続いています。
多摩地区の中では、国立市が7.5%、国分寺市が7.0%、立川市が5.6%と比較的高い上昇率となっています。東京23区と比較すると、土地や住宅を購入する際の選択肢が広がるため、駅へのアクセス、商業施設、教育環境などの条件が整った地域では、引き続き住宅需要が期待されます。
神奈川県|住宅地3.1%・商業地7.2%上昇
次に神奈川県を見てみましょう。
「令和8年都道府県地価調査」で神奈川県は、住宅地が3.1%上昇、商業地が7.2%の上昇となりました。住宅地は5年連続、商業地は14年連続で上昇しています。特に商業地については、県内の継続調査地点239地点のうち230地点が上昇し、下落地点はありませんでした。
神奈川県では、横浜・川崎などの都市部だけでなく、交通利便性や住宅需要のある地域でも地価の上昇が確認されました。東京23区と比較すると割安感のある価格水準のため、住宅購入者にとっては「都心からの距離」と「購入価格」のバランスで魅力的なエリアとなります。
埼玉県|住宅地1.6%・商業地3.3%上昇
「令和8年都道府県地価調査」で埼玉県は、住宅地が1.6%上昇、商業地が3.3%の上昇となりました。住宅地・商業地はいずれも5年連続の上昇です。東京23区や神奈川県と比較すると上昇率は小さく見えますが、地価は上昇傾向を維持していることが分かります。
神奈川県と同様、東京23区と比較すると割安感のある価格水準のため、住宅購入者にとっては「都心からの距離」と「購入価格」のバランスで魅力的なエリアとなります。
千葉県|住宅地3.4%・商業地5.1%上昇
「令和8年都道府県地価調査」で千葉県は、住宅地が3.4%上昇、商業地が5.1%の上昇となりました。全用途平均でも3.8%上昇しており、住宅地・商業地・工業地のすべてで上昇しています。
千葉県では、林地を除く継続調査地点870地点のうち、616地点で地価が上昇しました。東京への通勤圏として人気の高い地域だけでなく、再開発や交通利便性の向上など、地域ごとの要因によっても地価が動いています。
地価が上がるとマンション価格も上がる?
ここで、住宅購入を検討している方からよく聞かれる疑問があります。
「土地の価格が上がっているということは、マンションもさらに高くなるのでしょうか?」
これは非常に重要なポイントです。マンション価格は土地価格だけで決まるわけではありません。土地価格に加えて、建築費、人件費、金利、マンションの立地、築年数、管理状況、専有面積、階数、眺望など、さまざまな要素が関係します。特に近年は建築コストや人件費なども住宅価格に影響する重要な要素となっています。
したがって、「地価が8%上昇したから、マンション価格も8%上昇する」という単純な関係ではありません。
しかし、マンションが建つ土地そのものの取得コストが上昇すれば、新築マンションの事業費に影響する可能性があります。また、人気エリアでは土地の供給量が限られる一方、住宅需要が存在するため、土地価格と住宅価格の両方に上昇圧力がかかるケースもあります。
戸建て購入で確認したい土地の価値
戸建て住宅を購入する場合には、今回の地価調査をより身近な情報として捉えることができます。
例えば同じ4,000万円の戸建て住宅でも、「土地3,000万円+建物1,000万円」なのか、「土地2,000万円+建物2,000万円」なのかによって、資産としての性質は異なります。
建物は時間の経過により劣化しますが、土地そのものは建物のように消耗する資産ではありません。ただし、土地の価値は立地や周辺環境、市場の動きなどにより上下します。
そのため、住宅を購入する際には「家そのもの」だけを見るのではなく、「どこに土地を購入するのか」という視点も非常に重要です。特に駅からの距離、土地の形状、接する道路、用途地域(建てられる建物の用途などを定める区分)、容積率(敷地面積に対する延べ床面積の割合の上限)などによって、土地価格は大きく異なります。
不動産の適正価格を調べる方法と査定のポイント
不動産の売却、購入を検討されていて、「今売却すると、どの程度の価格になるのだろう?」「この価格で購入して大丈夫なのだろうか?」と、ご自身で不動産価格を調べる際には、「地価調査」や「地価公示」などの公的データは市場全体を見るための「物差し」として活用し、そこに実際の成約事例や物件ごとの条件を組み合わせて考えることが重要となります。
国土交通省が公開している「不動産情報ライブラリ」では、実際の不動産取引価格、都市計画、防災情報、人口情報などを地図上で重ねて確認することができます。公的な地価データと実際の取引価格を組み合わせることで、その地域の不動産市場をより具体的に把握できます。
ただし、実際の取引価格は、土地の形状や接する道路、建物の傷み具合など、物件ごとの条件にも左右されます。
また、不動産は日用品のように同じ商品が数多く取引されるわけではありません。似た成約事例が少ない地域もあるため、単価を並べるだけでは価格水準を判断しにくいことがあります。
そんなときは、お気軽に弊社(REDS)へご相談ください。弊社(REDS)では、最新の成約事例や現在の売り出し状況なども踏まえ、一件ごとの適正価格をご提案しています。「今の自宅はいくらで売れるのか」「検討している物件は適正価格なのか」など、不動産に関するご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
では、また。
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