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公開日:2025年10月19日  大西 進

マンション管理費・修繕積立金にも値上げの波。引き上げ幅を抑える方法とは

仲介手数料最大無料REDSの不動産エージェント、宅建士の大西 進(おおにし すすむ)と申します。こちらのページをご覧いただきまして、誠にありがとうございます! 皆さまのご期待にお応えできるよう、毎日一生懸命お仕事をさせていただいております。

今回は、現在マンションの購入をご検討されていらっしゃるお客様よりいただいた、住宅ローン以外の支払額、今後の管理費や積立金などの引き上げについてのご相談をもとに、管理費と修繕積立金の値上げ問題について解説します。

マンション管理費

(写真はイメージです)

引き上げられるマンションの管理費と修繕積立金

「35年の住宅ローンを利用し、マンション購入を検討しております。住宅ローンの返済に加えて、管理費と修繕積立金を支払っていくことになりますが、物価上昇が加速する中、私たちが購入希望するマンションでも管理費や修繕積立金の引き上げが検討されていると、重要事項調査報告書に記載がありました。入居後に、引き上げないで済む方法や、また、引き上げの合意に向けての手続き、引き上げるにしても引き上げ幅を小さく抑えるためにできることについてアドバイスが欲しいです」

お客様からこんな内容の相談がありました。

私が不動産業に携わってから約35年間、物価が上がらない、または下がる時期が長く続きました。

マンションによっては、管理費を抑えるために、管理委託費が安い管理会社への切り替えが行われ、工事を先送りすることで、結果的に修繕積立金を引き上げずに対応した管理組合もあります。

ただ、ここ最近は、修繕に必要な資材や人件費などすべての物価が上昇し、管理費や修繕積立金の引き上げの必要性に迫られるマンション管理組合も多くあります。管理費や修繕積立金の引き上げが必要となっている背景、原因を把握し、できる対策方法を探ってみます。

資金計画

住宅ローンの返済、管理費、修繕積立金のほか税金を含めて資金計画を立てる場合、管理費、修繕積立金は今後、上昇する前提で資金計画を立てましょう。

管理費、修繕積立金は自分だけでは決めることはできませんが、区分所有者が一体となって維持費を見直すことはできます。

管理費

収入面では、駐車場を増やして使用料収入を図るといいでしょう。

支出面では、光熱費の上昇、火災保険、地震保険の保険料上昇、点検、清掃費用の上昇を念頭に置きましょう。

修繕積立金

今後は工事の人件費、資材費の増加が見込まれます。

また、マンションの管理業務の担い手として大きな役割を果たしていた高齢者も、従来の職場にそのまま65歳、70歳まで働き続けることができる環境が整い、管理人の採用も非常に難しくなっています。賃金の上昇から管理会社への業務委託費の上昇も懸念されます。

管理費の引き上げ幅を抑えるためにできること

管理費の引き上げ幅を抑えるために考えられる主な方法と懸念点を整理してみます。

〈支出を減らし収入を増やす、管理の見直しの着眼点と懸念点〉

  • 管理員の勤務の見直し
    ・住み込みから日勤、常駐から巡回へ変更は可能か
    ・勤務日数・勤務時間を減らすと管理の質が下がる可能性はないか
  • 維持・点検、清掃の頻度の見直し
    ・安全性を担保できるか
    ・トラブルや事故があった場合に問題にならないか
  • 空き駐車場の外部貸し出し
    ・外部居住者との意識の違い
    ・内部居住者に対する貸出よりも収益性低下
  • 駐輪場、駐車場利用料の有料化、値上げ
    ・放置駐輪、放置駐車の増加
    ・外部駐車場利用の増加で更なる空き増も→管理費への活用に注意
  • カーシェア、サイクルステーション設置
    ・関係のない自転車の増加、騒音
  • トランクルーム設置による収入増
    ・安全性に問題がないか
  • 火災保険の補償の見直し、地震保険の取りやめ
    ・万一の場合の備えを外してよいか
    ・災害などの修繕事象が発生した場合の費用

修繕積立金の見直しには長期修繕計画の見直しが必要

修繕積立金の計算で根拠となる長期修繕計画も定期的に見直しが必要です。

国土交通省は、長期修繕計画について30年以上分を作成し、大規模修繕が2回以上含まれることのほか、5年程度ごとに調査し、定期的に見直すことを推奨しています。

現実的には、管理会社や調査会社に、長期修繕計画の見直し案を作成してもらうことが考えられます。どのような対策にも、メリット、デメリットがあります。以上のような検討を行ったうえで、管理費や修繕積立金の引き上げが必要であれば、管理費、修繕積立金の見直し案を理事会で作成して、検討することになります。

国土交通省の調査結果やガイドラインは、参考となりますので以下にまとめておきます。

管理費の平均額

管理費の適正額は、個々のマンションの戸数、規模、共用設備、業務量によって異なりますが「令和5年マンション総合調査」によれば、単棟型の管理費総収入(月額・戸当たり)は以下のとおりです。

  • 平均:1万7,214円
  • 3階建以下:2万112円
  • 4~5階建:1万7,529円
  • 6~10階建:1万6,944円
  • 11~19階建:1万6,597円
  • 20階建以上:2万4,585円

単棟型のマンションの1戸あたりの管理費は1万7,214円、団地型では1万4,295円となっています。

修繕積立金の月額平均額

2011年(平成23年)に発表された国土交通省の「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」が参考になります。

調査の条件が多少変わっているため、単純比較はできませんが、修繕積立金の㎡単価は大きく上昇しており、定期的に長期修繕計画の見直し、修繕積立金の引き上げ、見直しが必要であることが分かります。

〇マンションの修繕積立金に関するガイドライン平成23年4月
修繕積立金の月平均額(専有面積1㎡あたり)

修繕積立金の月平均額2011年
(注)機械式駐車場の費用を除く
(出所)国土交通省

〇マンションの修繕積立金に関するガイドライン令和6年6月改定
修繕積立金の月平均額(専有面積1㎡あたり)

修繕積立金の月平均額令和6年6月改定
(注)機械式駐車場の費用を除く
(出所)国土交通省

管理費や修繕積立金の引き上げ案は管理組合で作成を

管理費や修繕積立金の引き上げ案は管理会社ではなく、管理組合で作成するようにしましょう。あくまでも管理主体は、管理組合だからです。

理事会としては「単に値上げをしただけ」「管理会社から言われたから値上げした」などと見られないためにも、理事会議事録を各戸に配布したり、郵便受けコーナーやエレベーター内に掲示するなど、情報を公開することで、「いきなり値上げの話が出た」とならないことが大切です。

管理組合はひとつの自治体ですから、その意思決定に向けては、組合員(区分所有者)に広く、わかりやすく、通知・説明し、より多くの同意と理解を得たうえで実行することが大切です。

まとめ

管理費はマンションの日常的な共用部分の維持管理に充てられる「今の費用」で、修繕積立金は将来の大規模修繕工事に備える「未来の費用」である「貯金」です。どちらもマンションの資産価値を維持し、快適な居住環境を保つために不可欠な費用であり、居住者全員で考えて最適な金額を決定することが大切です。

 

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大西 進
(宅建士・リフォームスタイリスト)

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※2025年11月09日現在 本社・首都圏営業所の数値

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    144

    3 週間前

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    1 か月前

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    1 か月前

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    1 か月前

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    1 か月前

    気になる物件が既に決まっていましたのでREDSさんにお願いしました。

    当初、仲介手数料のお見積もりをした際に無料とのことでしたので何かあるのではないかと勘繰ってしまいましたが(笑)
    内見までのスピーディーな段取り、ローンについての知識等全てにおいて満足することばかりでした。

    初めてのマイホームということで不安な中、担当の下山さんはとても親身に接して下さり、気持ち良くお引き渡しの日を迎えることができました。

    仕事や育児で物件契約に向けて取れる時間が限られてる中、要所要所を押さえつつしっかりとしたご対応が有り難かったです。
    ありがとうございました。