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大西 進(宅建士・リフォームスタイリスト)

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公開日:2024年4月16日

こんにちは、REDSエージェント、宅建士の大西進(おおにし すすむ)です。私のブログをご覧いただき、ありがとうございます。

今回は、「令和6年能登半島地震」に学ぶ建物に関する注意点について解説します。

地震

地震では老朽化した木造建物が倒壊

2024年1月1日16時10分に発生した能登半島を震源とした地震から4カ月が過ぎました。石川県によると、死者は輪島市106人、珠洲市103人、穴水町20人、能登町8人、七尾市5人、志賀町2人、羽咋市1人の計245人で、うち災害関連死は15人。住宅被害は7万6125棟にのぼります。

一方、台湾の東部沖で4月3日に起きた地震では、これまでに13人の死亡が確認され、6人と連絡が取れなくなっています。お亡くなりになった皆さまのご冥福をお祈りするとともに、被害に遭われた方やそのご家族の方にお悔やみを申し上げます。

過去の経験から、地震による被害の多くは、建物の倒壊そのものや倒壊した建物によるものです。今回の地震では、住宅用建物の3分の2が倒壊し、その多くは老朽化した木造の建物でした。

能登半島地震で判明した2つの注意点

この地震から、以下の2つの点に注意すべきことがわかりました。

1.建物の構造と築年数

伝統的な木造建築や土壁、瓦屋根は、鉄筋コンクリート造りなどに比べて倒壊しやすい傾向があります。

商業や工業用建物の多くは鉄骨造りで高い耐震性を持っているため、被害は比較的少なかったといえます。一方、住宅用建物の多くは木造で、耐震性が低いため、多くが倒壊するという結果となりました。石川県の住宅の3分の1は、1981(昭和56)年以前に建てられた建築物で老朽化したものが多く、これが被害拡大の一因となりました。

日本経済新聞の調査によると、能登半島北部では、1970(昭和45)年以前に建てられた木造建築の割合が、全国平均の7%に対し、珠洲市で40.6%、輪島市で34.6%、能登町で32%と、非常に高いことがわかりました。

2.地盤液化のリスク

地震によって、地盤の孔隙水圧(こうげきすいあつ:土や岩石に含まれている隙間にある流体の圧力)が上昇し、土が液体状になる現象を地盤液化といいます。

地震発生時に、SNSなどで地面が隆起したり、道路が割れたり、水が噴き出したりする映像が拡散されたのをご覧になった方もいるでしょう。これは地盤液化によって、地面が沈下したり、地盤が弱くなったりしたために起こったと考えられています。

東日本大震災では、震源から遠く離れた東京都内や千葉県内でも、地盤液化が発生し、多くの建物が倒壊しました。能登半島地震では新潟県内でも地盤液化が発生し、900棟以上の建物が倒壊しました。

首都直下地震で地盤液化が起こる場所

NHKが1月9日に地震による地盤液化のリスクを予測する調査を行いました。首都直下地震で液状化リスクが起こりやすいのは以下の場所だということです。

  • 東京都:荒川や隅田川沿い、湾岸の埋め立て地など
  • 神奈川県:横浜市や川崎市の沿岸
  • 埼玉県:荒川沿い
  • 千葉県:湾岸の埋め立て地や江戸川沿いの低地など

東京都建設局の「東京都の液状化予測図」ウェブサイトも参考にすることができます。土壌液化リスクが高い地域がすべて危険な場所であるとは限りません。

軟弱地盤でも対策すればOK

専門家によりますと「リスクの高い場合、100パーセントの安全性は達成できませんが、より強固な鉄柱を深く地面に打ち込んだり耐震技術を利用したりなどの対策を講じることで、倒壊後も修復が容易になり、被害の深刻さを軽減することができます」と指摘しています。

軟弱な地盤だからといって、建物を建てることができないわけではありません。土壌の特性や地質状況を考慮して、より強固な改良工事が行われているかどうかにかかっています。

地震による建物の倒壊は、防災において重要なリスクです。建物の建造や購入に際しては、建築構造や築年数に注意することをおすすめします。鉄筋コンクリート造りなどの耐震性に優れた構造の建物を選ぶことで、地震による被害を軽減することができます。

また、土壌液化リスクが高い地域で建物を取得した場合でも、過度に心配する必要はありません。不動産仲介業者や建て主に、建物の耐震性や地震保険の加入などを確認しておくことで、万が一の際には保険金の支払いを受けることができ、被害を最小限に抑えることができます。

最後に

もちろん、何よりも大切なのは「命を守ること」です。地震はいつ、どこで、どんな時に起こるかわかりません。いざというときの一瞬の行動が生死に関わります。あらかじめ、家や外出時、職場などシーン別での避難方法を知っておくことで緊急時でも心に余裕をもって避難できます。このページをご覧いただき、ご自身がどれだけ避難場所や避難方法を理解しているか確認していただけましたら幸いです。

参考:地震発生時の行動から生活再建までのポイント|東京都防災ホームページ

 

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