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下山 聡(宅建士・リフォームスタイリスト)

理想の住まいを手に入れるお手伝いをしていきます。

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公開日:2023年9月19日

みなさま、こんにちは。《仲介手数料無料または割引》不動産流通システム、REDSエージェント、宅建士・宅建マイスターの下山です。

さて、今後施行が予定されている建築基準法の改正内容の中で、木造住宅の建築確認の条件が厳しくなりそうですので、解説します。

建築

建築確認って何?

建物を建てるときには、自治体や指定検査機関が行う、建物や地盤が建築基準法や自治体の条例などに適合しているかの事前審査や、建築完了後の検査を受けます。これを「建築確認」といいます。

都市計画区域や準都市計画区域、準景観地区内では、基本すべての木造住宅に対して建築確認が必要です。ただし、2階建て以下かつ床面積500㎡以下の木造住宅については、建築士が設計・工事管理をした場合には、構造計算(建築確認時に構造耐力などの審査や検査)の省略が認められています。

構造計算って何?

構造計算とは、建築物や土木構造物などが、さまざまな荷重によってどのように変形や応力が生じるかを数値的に求めることです。

構造計算の方法や内容は、構造物の種類や規模、用途、地域などによって異なり、建築基準法やその他の関連法令に適合するように行われます。構造計算によって、構造物の安全性や使用性を確認することができます。

建築基準法改正のポイント

建築確認・検査の対象となる建築物の規模の見直し、階高の高い木造建築物等の増加を踏まえた構造安全性の検証法の合理化を図り、建築基準法が改正されます。施行日は、公布の日から3年以内(2025年4月1日施行予定)です。

改正の主なポイントは以下のとおりです。

・建築確認・検査の対象となる建築物の規模の見直し
・階高の高い3階建て木造建築物の構造計算の合理化
・構造計算が必要な木造建築物の規模の引き下げ

それぞれのポイントについて、詳しく説明していきます。

建築確認・検査の対象となる建築物の規模の見直し

建築基準法では、原則すべての建築物を対象に、工事着手前の建築確認や、工事完了後の完了検査など必要な手続きを設けています。今般、すべての建築物に義務づけられる省エネ基準への適合や、省エネ化に伴い重量化する建築物に対応する構造安全性の基準への適合を、審査プロセスを通じて確実に担保し、消費者が安心して整備・取得できる環境を整備するため、木造建築物の建築確認検査や審査省略制度の対象を見直し、非木造と同様の規模とするそうです。

都市計画区域・準都市計画区域・準景観地区内の、平屋かつ延べ面積200㎡以下の建築物は、構造によらず、構造規定の審査が必要になります。省エネ基準の審査対象も同一の規模となります。

都市計画区域・準都市計画区域・準景観地区外は、構造によらず、階数2以上または延べ面積200㎡超の建築物が建築確認の対象になります。

階高の高い3階建て木造建築物の構造計算の合理化

現行では、高さ13メートルまたは軒高9メートルを超える木造建築物を建築する場合、高度な構造計算により構造安全性を確認する必要があります。

一方で、近年の建築物では、階高を高くした建築物のニーズが高まっていることから、今般の改正により、2級建築士による簡易な構造計算で設計できる建築物の規模について、高さ13メートル以下かつ軒高9メートル以下から、階数3以下かつ高さ16メートルへ拡大します。

これに伴い、建築士法でも、2級建築士の業務範囲について、階数が3以下かつ高さ16メートル以下の建築物にするなどの改正を行います。

構造計算が必要な木造建築物の規模の引き下げ

昨今、大空間を有する建築物が増加しており、これらの建築物に対応した構造安全性の確保が必要となっています。

そのため、2階建て以下の木造建築物で、構造計算が必要となる規模について延べ面積が500㎡を超えるものから、300㎡超えるものまでに規模を引き下げます。

まとめ

これまで構造規定などの審査が不要だった建物も、きちんと建築士が設計している以上、決して安全性が疎かにされていたわけではありません。それでも安全を確認する範囲が広がることは、家を購入する方にとって、より安心できるようになるといえるでしょう。

基準や法自体は世の中の変化とともに変化するものです。私もしっかりと変化していきたいと思います。少しでも皆様の住宅探しにお役に立てれば幸いです。

それでは、また、お会いしましょう。【REDS】不動産流通システムの下山でした。

 

【REDS】不動産流通システム
下山 聡
080-3082-8409
E-mail: s.shimoyama@red-sys.jp

 

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