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島崎 正輝(宅建士・リフォームスタイリスト)

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公開日:2024年5月12日

REDSエージェント、宅建士の島崎正輝です。

お住まいにならなくなった分譲マンションは、一般的には売却するケースが多いですが、賃貸に出すという選択肢もあります。分譲マンションを他人に貸す際のメリットや注意点のほか、実際に賃貸に出す方法やかかる費用をご説明します。

賃貸

分譲マンションを賃貸に出すという方法

マンションを購入後、転勤や親との同居などの理由で住めなくなり、マンションをどうしたらよいかお困りの方が多数いらっしゃると思います。売却を検討される方がほとんどでしょうが、「賃貸に出す」こともできます。

マンションを貸すことにより、通常の給与とは別の家賃収入を得られます。分譲マンションを所有していると、管理費や修繕費、固定資産税などが発生しますが、かかるコストを家賃収入でカバーできます。ほかにも賃貸に出すことで得られるメリットはいくつかあります。具体的に見ていきましょう。

自宅マンションで家賃収入を得る

マンションを賃貸に出す最大のメリットは、家賃収入が得られることです。マンションを売却するとまとまったお金が入ってはきますが、収入として得られるのは一度きりです。マンションを賃貸に出せば、マンションを手放すことなく家賃収入という不労所得を一定期間にわたって得ることができます。

分譲マンションは、一般的な賃貸マンションと比べて設備のグレードが高い傾向にあるため、より高く貸し出せる可能性があります。設備だけでなく、専有面積や防音性や断熱性にも優れているため、賃貸マンションより家賃相場が高くなる傾向にあります。

もうひとつのメリットとして、賃貸に出すことで、必要経費として落とせるものが発生します。たとえば、室内クリーニングや、リフォーム実施時にかかる修繕費です。ただし、ひとつの修理にかかる費用が20万円未満であることが条件です。

他に、以下の支出も経費として計上することができます。

  • 固定資産税
  • 都市計画税
  • 入居者の募集にかかった費用
  • 火災保険料
  • 地震保険料
  • ローンの利息
  • 管理手数料

自宅マンションを売却することは、資産を手放すことでもあります。賃貸に出せば、資産を保持しつつ家賃収入を生み出しながら、マイホームの価値を維持できます。売却するのは、貸し出した後にどうしてもまとまった資金が必要になってからでも遅くありません。

将来その家が自分の住居として必要になった場合、資産として所有していれば、そのマンションに入居することができます。住まいは、空室にしていると傷みが早くなるので、住んでもらうことにより、資産価値を維持してもらえることもメリットといえるでしょう。

マンションを賃貸に出す際の注意点

マンションを賃貸に出すことのメリットをご紹介してきましたが、一方で注意しなければならない点もあります。

空室リスク

マンションを賃貸に出しても、入居者が決まらないことがあります。その間は家賃収入を得ることができません。家賃収入がない状態でランニングコストを支払い続けることになるので、当然赤字になるリスクがあります。

マンションを賃貸に出すメリットとして、家賃収入が得られるというのは、家賃を確実に支払ってくれる入居者がいることが前提です。

貸す場合は金融機関の確認が必要

住宅ローンが残っている状態で、賃貸に出すことはできません。住宅ローンを借りた際に「ローン契約書」に記載されている資金用途に反するためです。

ただし、正当な理由があって金融機関に認められ、了解が得られた場合には、貸し出せる場合があります。金融機関に正当事由として認められない場合は、住宅ローンから「投資ローン」への借り換えを行うといった選択肢もあります。投資ローンとは、不動産投資が目的となり収益を得るローンです。

住宅ローン控除が不適用

住宅ローン控除は、「居住を目的」とした物件が対象です。マンションを賃貸に出すと、住宅ローン控除の対象外となります。住宅ローン控除を受けている場合にはそのあたりの注意が必要です。

修繕費用がかかる

部屋の設備に不具合が発生した場合、借主が原因でできたもの以外は、原則は貸主が費用負担します。大きな修繕費が発生するのは、入居者が入れ替わるタイミングがほとんど。入居者が新しく入れ替わる際に、ハウスクリーニング実施や、設備が故障していれば修理が必要です。

このように、マンションを賃貸に出す場合は、修繕費用が継続して発生することも考えなくてはなりません。

管理会社への委託費がかかる

管理会社へ賃貸管理を委託する場合、入居中はずっと管理料が発生します。管理会社を入れないで貸主自身が管理を行う場合は、管理料は発生しませんが、仕事をしていたり、遠方に住んでいたりするとなかなか難しいでしょう。

このほか、借主を見つけるために不動産業者に依頼した場合は、仲介手数料が発生します。

途中で賃貸借契約を解除できない

マンションを貸し出し、賃貸借契約を結んでいる場合は、正当事由がない限り貸主都合で解除することは困難です。

賃貸借契約には、「普通賃貸借契約」と「定期賃貸借契約」があるのですが、一般的には「普通賃貸借契約」を締結します。多くの場合、2年に1回の更新をする契約となります。借主に退去してもらうには、正当事由があることに加え、通常は6か月前までに借主に退去通告をして、なおかつ立退料を負担する必要があります。ですから、ほとんどのケースが貸主側からの更新拒絶は無理であるということです。

一方の定期賃貸借契約は、貸主が決めた契約期間満了時に、確実に賃貸借契約を終了できるため貸主に有利な契約です。そのため、将来的にマンションに戻ってくる予定がある場合は、定期賃貸借契約のほうが有効といえるでしょう。ただし入居者が定期借家契約を警戒する場合が多く、募集家賃も安くなる傾向にあります。

いかがでしたでしょうか? 一見簡単そうにみえる「マンションの賃貸」ですが、十分検討が必要です。皆様のお役に立てましたら幸いです。

 

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