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公開日:2025年10月8日  島崎 正輝

媒介契約のひとつ「一般媒介契約」にはどんなメリットが?

不動産会社に仲介を依頼する際に結ぶ媒介契約のひとつに、「一般媒介契約」があります。媒介契約には「一般媒介契約」のほかに「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」がありますが、「一般媒介契約」は売主に対する制限が少なく、自由度が高いものです。

一般媒介には「複数の業者を通して物件情報を幅広く周知できる」「売主自身でも買主を見つけられる」といったメリットがあります。今回は、「一般媒介契約」の特徴、およびほかの契約方法との相違について考察します。

一般媒介契約

(写真はイメージです)

一般媒介契約の特徴

一般媒介契約は3つの媒介契約のなかで最も自由度が高いと申し上げました。具体的にどのような特徴があるのでしょうか。

複数の不動産仲介会社と媒介契約を結ぶことが可能

「一般媒介契約」は媒介契約の種類の中で唯一、複数の不動産仲介会社と契約が可能です。「専任媒介契約」や「専属専任媒介契約」の場合は、複数の不動産会社と契約してしまうと違約金が発生します。一般媒介契約であればそのような制約がなく、複数の不動産会社に不動産の販売活動を依頼することが可能となります。

契約期間の目安は3カ月単位

一般媒介契約の契約期限は宅建業法上では定められていないものの、3カ月を目安としている不動産会社がほとんどです。不動産会社によって契約期間が異なるため、事前に必ず確認しましょう。売主の希望があった場合は契約更新が可能です。

媒介契約は期間終了後に自動更新されないため、再度書面で「更新」の申し入れをする必要があります。解約したい場合は電話、店舗にて口頭で伝えてもいいのですが、可能でしたらFAXやメールなど「書面に残る方法」で解約を伝えるとトラブル防止になります。

一般媒介契約の解約には費用がかからない場合がほとんどですが、まれに「違約金の特約」が設定されている場合もありますので、内容を確認しておく必要があります。

レインズの物件登録および報告義務がない

「専任媒介契約」や「専属専任媒介契約」では、不動産会社はレインズへの登録や、売主への「業務処理報告」をする義務がありますが、「一般媒介契約」はそうした義務はありません。

※レインズ(指定流通機構)とは、全国の不動産業者が利用可能な不動産取引のネットワークシステムです。レインズには「販売中」の物件や過去の「成約事例」等の取引など、さまざまな情報が掲載されています。このレインズに売却物件を掲載することで、物件の売主は全国の不動産会社に物件を周知できるという大きなメリットがあります。

仲介手数料の上限額は成約価格によって異なる

一般媒介契約を含めた「媒介契約」を利用した際の仲介手数料は、成約した金額によって異なります。その報酬額の上限の詳細は以下のとおりです。

  • 400万円を超える部分:「成約価格(税抜)×3%+6万円」+消費税
  • 200万円を超え~400万円までの部分:「成約価格(税抜)×4%+2万円」+消費税
  • 200万円以下の部分:「成約価格(税抜)×5%」+消費税

「仲介手数料の上限」額は宅地建物取引業法で定められたものです。不動産会社が独自に上限を超える価格を売主に求めることは業法違反となります。また、一般媒介契約で複数社と媒介契約をした場合であっても、仲介手数料を支払う相手は、実際に成約した仲介業者1社のみとなります。

一般媒介契約には明示型と非明示型の2種類

一般媒介契約は、契約する形態を「明示型」「非明示型」の2種類から選ぶことが可能です。明示型では、契約している不動産会社に、ほかの不動産会社との一般媒介契約の有無を告知する義務がありますが、非明示型は告知する義務がありません。

売主からすれば告知する義務のない非明示型のほうが安心かもしれません。しかし、ほかの不動産会社との一般媒介契約の有無を伝える明示型のほうが競争心が働くため、不動産会社が売却に向けてより熱心に対応してくれる可能性も高くなるので、特段の理由がなければ明示型にするほうが効果的と思われます。

一般媒介契約を利用するメリットとは

物件情報を複数の不動産業者を経由して幅広く周知できる

一般媒介契約は多くの不動産会社と契約できるので、複数社から広告してもらえる可能性が高くなります。物件情報を幅広く周知できる可能性があります。

売主の自己発見取引ができる

売主が直接買主を見つけた場合、不動産会社を介さずに直接交渉する取引を「自己発見取引」といいます。一般媒介契約は「自己発見取引」ができる契約方法の1つです。この場合は、仲介手数料が発生しないため売却経費を抑えられるメリットがあります。

しかし、「自己発見取引」は、売主と買主の間で想定していなかった法律や制限のトラブルが起こる可能性があります。たとえ買主が知り合いの場合であっても、不動産の売却について不安がある方は、不動産会社に仲介を依頼するべきです。

好条件で売れる可能性がある

一般媒介契約は複数の不動産会社が競うため、本当に良い物件であれば好条件で売れる可能性が出てきます。また、依頼した不動産会社の売却活動が要望どおりでなくて不安に感じた場合に、ほかの不動産会社にも重ねて依頼できるため、不動産会社選びに失敗しない点がメリットでしょう。

一般媒介契約のデメリット

いろいろ手間が発生する

複数の不動産会社と一般媒介契約を結んだ場合、売主は各不動産会社へ販売活動の状況を確認する必要があります。そのほか、「明示型」で新たな不動産会社と契約した場合にはその旨を都度他の不動産業者と「共有」する必要があります。

また、同じ日時で内覧依頼があった場合は、日程調整を売主自身が行わなければなりません。仕事が忙しい方にとってはある意味で負担になってしまうこともあります。

サポートが受けられないことがある

不動産会社は売却をスムーズに進めるために「ハウスクリーニングサービス」や、不動産を引き渡した後の「設備保証」など、サポートやサービスを提供しているケースがあるのですが、これらのサポートは「一般媒介契約」では対応していない場合が多いです。

広告費を削られる場合がある

「一般媒介契約」は、最終的に他社で成約になって自社で成約できないこともあるため、広告費用を最初から削られる可能性があります。SUUMOやアットホームといったポータルサイトの掲載費用はコストがかかるため、採算が読めない「一般媒介契約」はこの広告費が削減される可能性があります。

専任媒介契約との違い

「専任媒介契約」は不動産会社を1社に限定して3カ月間、媒介契約を締結する方法で、一般媒介契約と同様に「自己発見取引」が可能です。専任媒介契約では、媒介契約締結日から7営業日以内に物件をレインズに登録し、2週間に1回以上の売主に対する「業務処理報告」の義務が発生します。

自己発見取引が可能ではありますが、媒介契約を1社のみに限定する分、上記のような義務が不動産会社に発生しますので、より売却活動に向けて積極的に対応してもらえる効果も期待できます。

専属専任媒介契約との違い

「専属専任媒介契約」は、専任媒介契約と同様に仲介を依頼する不動産会社を1社に限定して3カ月間、媒介契約を締結するものです。ほかの2つの媒介契約方法とは異なり「自己発見取引」ができない点が特徴となります。

「専属専任媒介契約」では、不動産会社は媒介契約締結日から5営業日以内に物件をレインズに登録し、売主に対する「業務処理報告」は1週間に1回以上行う義務が発生します。

売主にとっていろいろ媒介契約の制約が多くなりますが、媒介契約を受任する不動産会社の責務も更に大きくなりますので、売却活動の進捗や成果をより把握できる点が最大のメリットです。

最後に

「一般媒介契約」は、複数社と契約が結べる点はメリットですが、不動産会社によっては積極的に売却活動を行ってもらえない可能性もあります。「専任媒介契約」や「専属専任媒介契約」は1社としか契約を結ばないため、一般媒介契約に比べて手厚いサポートが受けられるでしょう。

上記のように、3つの媒介契約には異なる特徴があり、売主の状況に応じて適切な契約方法は異なります。ご自身にとってベストな媒介契約を選びましょう。

弊社不動産流通システム(REDS)では、「専任媒介契約」のみのお取り扱いとなります。お客様にとって最大のメリットがあるのが「専任媒介契約」であると考えているからです。

 

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島崎 正輝
(宅建士・リフォームスタイリスト)

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※2025年11月09日現在 本社・首都圏営業所の数値

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    144

    3 週間前

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    1 か月前

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    1 か月前

    不動産流通システム【REDS】の小林響平さんに、一年越しでお世話になり、理想のマンションを購入できました。
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    不動産購入に不安を感じている方、実需とともに資産形成を見越して検討したい方に、心からおすすめしたい担当者です。

    1 か月前

    5年前に不動産売却、購入で小野田さんにお世話になり、
    今回は両親の不動産購入で担当いただきました。
    いつもレスポンスが早く、問い合わせに丁寧に正確に回答してくださるので安心できました。
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    周りにも紹介しようと思います。

    1 か月前

    気になる物件が既に決まっていましたのでREDSさんにお願いしました。

    当初、仲介手数料のお見積もりをした際に無料とのことでしたので何かあるのではないかと勘繰ってしまいましたが(笑)
    内見までのスピーディーな段取り、ローンについての知識等全てにおいて満足することばかりでした。

    初めてのマイホームということで不安な中、担当の下山さんはとても親身に接して下さり、気持ち良くお引き渡しの日を迎えることができました。

    仕事や育児で物件契約に向けて取れる時間が限られてる中、要所要所を押さえつつしっかりとしたご対応が有り難かったです。
    ありがとうございました。