不動産売買では立場が優位なのは売主！　買主の賢い立ち回り方とは？

こんにちは。仲介手数料が必ず割引・最大無料の「不動産流通システム」REDSエージェント、宅建士の小林 響平（こばやし きょうへい）です。

不動産の売買契約は、民法上「売主」と「買主」が合意して初めて成立する契約です。形式的には当事者は対等な立場にあり、どちらかが一方的に有利になることはない――そう考えている方も多いと思います。

しかし、実際の現場を見てみると、両者の関係は決して〝完全に対等〟とは言えません。物件を手放す「売主」のほうが優位に立ちやすい構造があります。今回はその点について解説いたします。

（写真はイメージです）

売主が強い立場にある理由

物件は「唯一無二」の商品

不動産は二つとして同じものが存在しません。立地、間取り、方角、眺望……。すべてが唯一無二です。買主が「この物件が欲しい」と思った瞬間に、売主の立場は自然と強くなります。

不動産会社が売主の場合

新築マンションや建売住宅など、売主が不動産会社であるケースでは契約条件が定型化されています。手付金の割合や契約解除の条件などは「売主のひな形」に従うのが基本であり、買主が交渉できる余地は限られます。

個人売主でも「他の検討者」が存在

中古物件では、買主候補が複数いると、買主ひとりの交渉力は下がります。人気エリアや価格帯では、少し迷うだけで他の買主に取られてしまうこともあります。仮に同時申し込みや同条件でも、売主には「誰に売るか」を選ぶ権利があります。

契約不適合責任や現況渡しの条件

売主は「現況有姿（現状渡し）」を条件にすることができます。その場合、不具合リスクを買主が負うこととなり、売主は責任を限定できます。

買主が取るべき立ち回り方

売主が優位に立ちやすい以上、買主は「上手に立ち回る」ことが不可欠です。立ち回り方を4つ紹介します。

本気度を示す

売主にとって一番のリスクは「買うと言ったのに途中でやめられること」です。したがって、買主は誠実さと本気度を早めに伝えることが重要です。

• 内見時に真剣さを示す（いい点・不安点を率直に質問する）
• 資金計画を早めに整える（住宅ローン事前審査を済ませると効果大）
• 契約の意思決定を先延ばしにしない

これらがそろえば、売主は「安心して契約できる相手」と認識し、交渉にも柔軟になります。

値引き交渉には根拠を

単に「安くしてほしい」ではなく、周辺相場やリフォーム費用など客観的データを示すことが大切です。「自分の都合で予算が足りない」という理由だけでは、売主に響きません。

価格以外の条件で工夫する

売主の希望を叶えることで、交渉全体を有利に進められることがあります。

• 早期契約の意思：「今日・明日でも契約可能」と伝える
• 引渡し時期を合わせる：売主の引越し予定や資金計画に寄り添う
• 残置物を受け入れる：家具や家電の処分を買主が引き受ける
• 手付金を多めに設定：価格の5％前後を目安に、買主の本気度を示す

こうした配慮は「この人に売りたい」と思わせる効果があります。

競合がある場合の立ち回り

複数の買主が申し込むケースでは、最終的に誰を選ぶかは売主しだいです。

• 提示条件が明確か：資金計画が固まっているか、ローン審査は済んでいるか
• 意思決定のスピード：期限内に即答できるか
• 誠実な人柄：売主に安心感を与えるか

特に「誠実な印象」は見逃せない要素です。

売主から見た「優位性」というチャンス

ここまでは買主目線でしたが、売主にとっても「優位性」は大きな武器になります。

• 適切な価格設定と販売戦略で複数の申し込みを集められる
• 競合状態を作り、交渉を売主主導にできる
• 内見調整や販売開始のタイミングで条件をコントロールできる

「不動産は唯一無二」という事実を生かせば、有利な売却を実現することが可能です。

まとめ

不動産売買は法律上対等ですが、実務では売主が優位に立つ場面が多いのが現実です。買主はその点を理解し、誠実かつ戦略的に立ち回ることが成功のカギとなります。

同時に、売主はこの優位性を生かして、より良い条件で売却できるチャンスがあります。

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最後に

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