REDSエージェント、宅建士の島崎です。
分譲マンションから戸建てへの住み替えにはメリットがたくさんありますが、注意しなければならない点も多数あります。今回は、メリットや注意点のほかに、住宅ローンが残っているマンションから戸建てへの住み替えと流れ、そして最適なタイミングなどについて考察します。

(画像はイメージです)
分譲マンションから戸建てに住み替えるメリットは
マンションから戸建てへの住み替えをお考え中の方には、「マンションと戸建てはどう違うのだろうか」「本当に住み替えても大丈夫だろうか」というご不安が尽きないのではないでしょうか?
分譲マンションの特徴とメリット
分譲マンションには以下のような特徴があります。
- 分譲マンションは専有部分以外の建物と敷地を他の住人と共有している
- 分譲マンションは「管理規約」というものが存在している
- 分譲マンションには「管理組合」があり、所有者全員が必ず管理組合員にならなくてはならない
- 分譲マンションは毎月の「管理費」と「修繕積立金」の支払いが必要である
- 戸建てと比べて立地に恵まれた場所にあるケースが多い
分譲マンションは敷地と建物を他の居住者と共有しており、「区分所有法」という法律が提供されています。そして、その「区分所有法」によって「管理規約」が定められ、「管理組合」が作られています。また、「管理規約」に、毎月の「管理費」や「修繕積立金」の支払いが定められています。そのほか、住まい方やリフォームなども「管理規約」によっていろいろと制限されています。
さらに、分譲マンションは、土地と建物を他の区分所有者と共有することにより、大規模なメリットがあります。戸建てに比べて、比較的土地価格が高く利便性に恵まれた場所に建築されています。また、新築として比較すると、仮に戸建てと同じような立地の場合、戸建てよりもお手頃な価格で購入できる場合が多いです。
戸建ての特徴とメリット
一方、戸建ては以下のメリットが考えられます。
土地の単独所有ができる
分譲マンションから戸建てへ住み替えた場合、土地権利が仮に「所有権」であれば、財産の1つとして、他の人と共有することもなく、土地を所有することができます。マンションは「敷地利用権」と言われ、ほかの区分所有者と土地を共有して所有することになりますが、戸建てのように個人や家族などだけで土地を独占利用することはできません。
管理費や修繕積立金の支払い義務がない
戸建てに住み替えれば、「管理費」や「修繕積立金」の支払いが不要になります。特に「修繕積立金」は、「長期修繕計画」に従って年々積立金額が上がることが多く、負担が増えていきます。戸建ても将来の修繕に必要な資金の準備は必要なのですが、所有者の都合で実施する時期を決められます。
建物の「建て替え」や「リフォーム」に制限がなく自由に行える
マンションは区分所有法により、所有者の5分の4以上の賛成がなければ、建物の再建築をすることができません。室内のリフォームについても「管理規約による制限」があります。サッシ窓や玄関ドアといった外部と接する部分のリフォーム、バルコニーの造作や配管の共用部分の改修も規約で禁止されています。それにより、戸建てのほうが生活の変化に合わせて自由にリフォームができるといえるでしょう。
好きなペットの飼育、そしてガーデニングを楽しむことができる
分譲マンションは、ペット飼育、バルコニーのなどの利用方法に関係する規約があります。対して一戸建てであれば、そのような規約はありませんので、自由に生活することが可能です。例えば大型犬と暮らしたり、庭で花や緑を育てたり、バーベキューを楽しんだりなど、暮らしの自由度が広がっていきます。
個人の希望ではできない、マンションの屋根に太陽光発電設備を設置して「省エネ対策」をする、またはインターネットの事業者を使う人の都合で自由に選ぶ、といったことも戸建てでしたら可能になります。
マンションから戸建てに住み替える上での注意点
マンションから戸建てへの住み替えには多くのメリットがありますが、注意しなくてはならない点も多数あります。
セキュリティに注意をする必要
分譲マンションから戸建てへ住み替えをしたら、今までと違ってセキュリティに注意する必要が出てきます。特に比較的新しい分譲マンションは「監視カメラ」や「オートロック」などで対策は万全ですが、一般的な戸建てでは高機能な防犯設備が付いていないケースがほとんどだからです。
戸建ては「窓」や「勝手口」など外部からの侵入経路が多く、かつ管理人もいないため、日常的に自分や家族の防犯意識を高める必要があります。
修繕する費用を自分で計画的に積み立てる必要
戸建ては、建物や設備の修繕費を自分で積み立てておく必要があります。マンションのような「管理費」や「修繕積立金」の出費が必要ない代わりに、一戸建ての故障や修繕は自分で行わなければならないのです。
自分で預金をしておく以外に、災害に備えた保険(火災保険や地震保険)に加入するなどの備えをしておくとよいでしょう。
光熱費がかさむ場合がある
マンションより戸建てのほうが、光熱費は割高になる傾向が強いです。戸建ての場合は仮にマンションと同じ面積でも、2階建てや3階建てだと上部への空間が広がっています。
このため熱が上階へと逃げやすく、光熱費がその分多く発生する訳です。特に木造戸建ての場合、鉄筋コンクリート造のマンションと比較すると気密性や断熱性が低くなる傾向があり、冷暖房費が多く発生するという事情があります。
生活動線が長くなる
基本的にマンションはメゾネットタイプを除いて室内に階段がなく、生活動線が平面的です。対して2階建てや3階建ての戸建ては、生活する上で上下階の移動が必須となります。戸建ては生活の動線が長くなって家事などの効率が下がる、そして高齢者にとっては上下階の移動が体の負担に感じることとなります。
ローン残債があってもマンションから戸建てに住み替える方法
住み替えを検討しているものの、「マンションの住宅ローンが残っている」という理由でちゅうちょしている方も多いと思います。
しかし、住宅ローンが残っていても、売却資金で残債を完済すれば住み替えは可能です。住宅ローンの残債があっても住み替えられる方法をご紹介します。
マンションの売却資金で残債を返済する
マンションの売却資金で住宅ローンの残債を完済し、抵当権を抹消することで、戸建てを購入するための住宅ローンが利用できるようになります。
抵当権とは、住宅ローン融資の金融機関が、ローンの返済が滞ったときのために、対象の不動産を担保として、債権を回収するための権利です。この抵当権は住宅ローンを完済した時点で消滅します。ただし手続きを行うまで抵当権の登記抹消はされません。
不動産に前所有者の抵当権が残っていると、買主が住宅ローン融資を利用できない関係で、抵当権登記の抹消が条件となっています。買主が仮に住宅ローンを利用しなくても、抵当権が残ったままでは、買主にリスクがあります。
売却した資金で残債を返済できるかどうかを事前に調べるには、住宅ローン残債額を先に確認する必要があります。不動産会社に売却査定を依頼して売却査定額を調べてもらいます。
マンションの売却で得られる資金が住宅ローンの残債を上回れば、その資金でローンを完済できます。しかし、マンションの売却で得る資金が住宅ローンの残債を下回る場合は、手持ちの資金を使って住宅ローンを完済する必要があります。
住み替えローンを検討する
ただし、「返済資金が足りない」という場合は、「住み替えローン」の利用も可能です。
住み替えローンは、今住んでいるマンションを売却して得た資金を返済に充てても住宅ローンが残ってしまう場合に、その残債と購入する戸建ての購入資金を合わせた額の融資を受けられる住宅ローンのことです。
住み替えローンが利用可能であれば、資金が不足していても前の住宅ローンを完済できて、残債と新居の住宅ローンの支払いを一本化することが可能です。ただし、新たに購入する戸建ての購入代金よりも多くの融資を受けることになるため、審査は通常の住宅ローンよりもかなり厳しくなります。融資金利も高くなり、返済額もかなり増える場合があります。
マンションから戸建てへの住み替えの流れ
マンションから戸建てへの住み替えを行う場合は、売却と購入のタイミングをよく検討して進める必要があります。
確実な資金の計画を作成する
まずローン残債を売却資金で返済できるかどうかを調べます。現在のローン残債を、借りている金融機関に確認し、不動産会社に売却査定を依頼して売却推定価格を確認します。
査定額から売却にかかる経費を差し引いた額がローン残債を上回っていればその資金で一括返済を、下回っていれば自己資金を追加して残債を支払うか、「住み替えローン」の利用を検討します。
次に、資金計画の見通しを立てましょう。「戸建ての購入+購入時の諸経費の合計」に対して、購入に自己資金がいくらか、併せて必要な融資額を見積もります。そのとき毎月の返済額もシミュレーションしてみましょう。
売却先行で住み替える
今住んでいるマンションを売却してから戸建てを購入する方法は「売却先行型」と呼ばれます。最大のメリットは、売却資金が事前に確定するので、毎月の返済や一戸建ての購入費に充てられる資金が明確になる点です。
ただし、売却先行では住み替え先の戸建てが決まるまで、「仮住まい」しなければなりません。その関係でマンションから仮住まい、仮住まいから戸建てへと2回引越しするため、その分の手間と費用が多くかかります。
購入先行で住み替える
戸建てを購入してから今住んでいるマンションを売却する方法は「購入先行」と呼ばれます。メリットは、上記の仮住まいが必要なく、ゆっくり新居探しができることです。
ただし、戸建ての購入を「自己資金」と「住宅ローン」で賄わなければなりません。またマンションに住宅ローンの残債がある場合、売却するまでの期間は「二重ローン」が発生してしまうことです。
さらに二重ローンを組む際の「住み替えローン」は、融資審査も特に厳しくなりますし、使える金融機関も限定されます。そして売却時期が長くなると、返済負担もその分が増えてしまいます。
「購入先行」は、売却に時間をかけると支払負担が増えるので、「早期売却のために売却価格を安くしすぎる」というミスも起こります。
売却先行か購入先行は自分に合ったものを
「売却先行」と「購入先行」のどちらを選ぶかは、一長一短ですのでご自身に合った方法を考えましょう。
購入する戸建てが新築であれば、先行して購入を決定し、「買い替え特約」を付けた売買契約を締結して、今住んでいるマンションを売却することができる場合があります。ただし、特約には期間が定められており、その新居を購入したい場合は、期間内に今までの分譲マンションを売却する必要があります。
まとめ
戸建てと一口に言っても、「建売住宅」や「中古住宅」、「注文住宅」などがあり、それぞれ購入にかかる費用や間取り、設計・デザイン、設備の選択の自由度に違いがあります。
分譲マンションからの住み替えの場合は、どの種類の戸建てを選ぶべきか比較検討して、「住み替えてよかった」と思えるような新居を見つけてほしいものです。
この記事を執筆した
エージェントプロフィール
島崎 正輝
(宅建士・リフォームスタイリスト)
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