みなさま、こんにちは。仲介手数料が《必ず割引・最大無料》の「不動産流通システム」、REDS宅建士・宅建マイスターの戸村です。
物件を購入する際、「土地の権利」は重要な検討ポイントの一つです。今回は土地を所有せず、土地を借りて建てた借地権付きマンションについてご説明します。
借地権付きマンションは、一般的な所有権マンションとは価格や維持費、将来の資産価値の考え方が大きく異なるため、仕組みを理解して購入することが重要です。

(画像はイメージです)
借地権付きマンションとは
借地権とは、土地所有者(地主)から土地を借り、その上に建物を所有する権利です。マンションの場合は、以下のような権利形態となります。
- 土地:地主の所有
- 建物:区分所有者(購入者)の所有
現在流通している物件の多くは、次のいずれかの契約形態です。近年の新築マンションでは、特に「一般定期借地権」の割合が非常に高くなっています。
- 一般定期借地権:契約期間が50年以上(原則として更新がなく、期間終了時に更地にして返還する)
- 普通借地権:契約期間満了後も更新ができる
借地権付きマンションの4つのメリット
価格が安い
最大のメリットは購入価格を抑えられることです。土地を購入しないため、一般的には所有権マンションより10~30%程度安く購入できます。例えば所有権だと8,000万円の物件が借地権だと6,000万~7,000万円になるケースも珍しくありません。そのため、人気エリアや駅近、ブランドマンションでも予算内で購入できる可能性があります。
立地が良い
地主が土地を手放したくない一等地(都心部、駅前、歴史ある住宅地)など希少立地に建つことが多いです。
固定資産税(土地分)が不要
土地は所有していないため土地にかかる固定資産税・都市計画税は地主負担です。購入者は建物部分のみ課税されます。
住宅ローンを抑えられる
価格が安い分、毎月返済・総返済額・金利負担が軽くなります。
借地権付きマンションの5つのデメリット
地代がかかる
住宅ローンの返済や管理費、修繕積立金とは別に、毎月「地代(ちだい)」を地主に支払う必要があります。そのため、所有権マンションよりランニングコストは高くなることがあります。
更新料が必要なことも(普通借地権の場合)
普通借地権では更新時に数十万円〜数百万円の更新料が必要になる場合があります。契約内容によって異なります。
資産価値が下がりやすい
借地期間は年々短くなるため残存期間が短くなるほど資産価値は下がりやすい傾向があります。
建て替えや大規模改修に制約がある
マンション全体の建て替えや大規模変更には地主の承諾が必要になる場合があります。
売却しにくくなる時期がある
借地期間が短くなると住宅ローンが組みにくくなるため買い手が減ります。
新築で購入する場合の注意点
新築は定期借地権が多い
現在販売される新築の多くは一般定期借地権です。つまり契約終了後地を更地にして返還しなければならず、原則として更新はできません。
解体積立金がある
契約終了時の建物解体費用を積み立てるため毎月解体積立金が徴収されます。管理費などと合わせると、所有権マンションより毎月の支払いが高くなる場合があります。
残存期間が長い
50~70年程度あるため住宅ローンも比較的組みやすいです。
売却もしやすい状態です。だからこそ、「永住するのか」「20年以内に売却するのか」といった将来の出口戦略をあらかじめ想定しておくことが大切です。
中古で購入する場合の注意点
残存借地期間を確認
残存期間は非常に重要で、「残り45年」と「残り15年」では物件の価値は全く違います。これは住宅ローンにも大きく影響します。
地代の値上げ条件
借地契約によっては、物価・固定資産税・地価などに応じて地代改定があります。契約書で確認しましょう。
更新できる権利形態か
普通借地権なのか定期借地権なのか必ず確認してください。更新できるかどうかで将来の資産価値が変わります。
地主への承諾料
売却時に地主承諾料が必要になるケースがあります。契約内容を確認しましょう。
金融機関の融資(住宅ローン)事情【2026年最新】
ここが借地権マンション最大のポイントです。金融機関は土地を担保にできないため所有権マンションより慎重に審査します。ただし、「借地権だから融資不可」というわけではありません。
新築の場合
比較的融資は出やすいです。その理由は以下のとおりで、一般的な都市銀行、地方銀行、ネット銀行でスムーズにいくでしょう。
- 残存期間が長い
- 担保評価しやすい
- デベロッパー販売
中古の場合
2026年7月現在の状況ですと、ネット系の金融機関での融資借り入れはほとんど期待できません。メガバンク系では、マンションごとに取り扱い可否の確認が必要となります。実務の経験上、メガバンクで借地権付き中古マンションの融資が承認されるのは「分譲時にその銀行が融資した実績があるマンション」であるケースが大半です。
取り扱いができる場合でも地主の承諾書取得など、細かな条件が付くこともありますので早めに金融機関に確認して、取得書類がそろうよう準備しましょう。
【残存期間による融資の違い(目安)】
- 残り45年→問題ないことが多い
- 残り35年→金融機関によって評価が分かれる
- 残り25年→借入期間が短縮されることがある
- 残り20年以下→融資不可となる金融機関も
金融機関によっては借入期間を「借地残存期間マイナス数年」に制限することがあります。例えば、「残存期間が30年あっても、住宅ローンの借り入れができるのは25年まで」などです。借入期間が短くなると毎月返済額は増えるほか、金融機関によっては自己資金10~20%程度を求められる「フルローン不可」のケースもあります。
金利は一般的には所有権マンションと大きく変わらないことが多いですが、物件や借地契約の内容によっては、審査が厳しくなったり、利用できる金融機関が限られたりすることがあります。
所有権マンションとの比較まとめ
| 項目 |
所有権マンション |
借地権マンション |
| 購入価格 |
高い |
安い |
| 土地所有 |
あり |
なし |
| 地代 |
不要 |
必要 |
| 土地固定資産税 |
必要 |
不要 |
| 資産価値 |
比較的安定 |
残存期間に応じて下落しやすい |
| 売却しやすさ |
高い |
残存期間次第 |
| 住宅ローン |
組みやすい |
金融機関・残存期間の影響を受ける |
| 更新 |
不要 |
契約内容による |
まとめ
借地権付きマンションは、都心や駅近など、本来であれば予算的に手が届きにくいエリアで暮らせるという大きな魅力があります。
その一方で、土地を所有していないという仕組みから、将来の資産価値や売却のしやすさには所有権とは異なる視点で計画を立てなければなりません。大切なのは、「借地権だから良い・悪い」ではなく、ご自身のライフプランに合っているかどうかです。、
「何年住む予定なのか」「将来的に住み替えを考えているのか」「相続まで見据えるのか」を整理したうえで、「この価格差と借地権の特徴を受け入れられるか」を判断することが、後悔しない購入につながります。
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