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坂本 和典(宅建士・リフォームスタイリスト)

不動産営業に対するイメージを変えます

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公開日:2024年3月29日

いつもご覧いただき、ありがとうございます。《不動産仲介手数料が無料もしくは割引》不動産流通システム、REDSエージェント、宅建士の坂本和典です。

2024年3月19日に、日本銀行はマイナス金利政策の解除を発表しました。2024年以降の住宅ローン金利はどうなっていくのでしょうか。マイナス金利解除で住宅ローン金利が上昇するのか気になる方も多いかと思いますので、考えてみましょう。

住宅ローン

今後の金利推移はどうなる?

マイナス金利解除の発表を受け、気になる今後の住宅ローン変動金利推移について、ご説明します。

結論からいうと、変動金利は直ちに大幅に上昇するわけではなく、現在のところ低金利は続く見通しです。今回のマイナス金利解除では、変動金利は変わらない銀行も多いと予想されます。ただし、今後利上げが続けば、変動金利は緩やかに上昇していくと考えられます。

短期金利が今後0~0.1%程度で推移するようになると、「変動金利は上がるのでは?」と考える方も多いかもしれません。しかし、今回0~0.1%程度で推移するのは無担保コールレートで、短期プライムレートとは別のものです。

  • 無担保コールレート:金融機関どうしが無担保で資金を借りて、翌日に返済する取引にかかる金利
  • 短期プライムレート:金融機関が最優良企業にお金を貸し出す際の「最優遇貸出金利」のうち、1年以内の短期貸出金利→変動金利の基準。

短期プライムレートは、無担保コールレートを参考にして各金融機関が独自に決定しています。

日銀は金融緩和を継続していくと表明しているので、今後急激に利上げをすることも考えづらいと考えるのが理由ですが、今後、短期金利(無担保コールレート)のさらなる利上げがあれば、変動金利も上昇していくことが考えられます(「日銀が年内にも追加利上げするとの観測が広がる」との一部報道がありますので、今後の動向にも注意が必要です)。

固定金利は4月に上昇の可能性

固定金利については、10年国債利回りなどの「長期金利」を参考に決められます。今まではYCC(イールドカーブ・コントロール)によって金利操作をされていましたが、撤廃されることが決まりました。

2024年3月は一部の金融機関で固定金利が引き上げられました。金融機関によって対応が分かれていて、前月と金利が変わらないところや引き下げをしているところもあります。

3月は緩やかな上昇傾向のため、4月の固定金利は上昇する可能性があります。固定金利は金利が上下しやすく、さらに現在は先が予想しづらい状況です。物件契約から融資実行までの期間が長い場合には、契約時点の参考金利から大幅に変わる可能性もあるということを念頭に置いておきましょう。

気になる首都圏マンション価格の動向は?

都心の不動産、特に新築マンション価格の高騰が続いていますが、その大きな要因が金融緩和(マイナス金利政策)です。マイナス金利政策が行われている間は、金融機関が日銀にお金を預けるとマイナスになってしまいます。そのため、金融機関は積極的に企業や個人にお金を貸すようになりました。

結果的に不動産デベロッパーに多くのお金が流れ、マンション用地の仕入れ価格は上昇し続けました。

「マイナス金利政策が解除されるなら、不動産購入は価格が下がる」「マンション価格は下がるのを待ったほうがいい」とお考えの方もいらっしゃるかと思います。しかし、首都圏に限ってはマンション価格の極端な値下がりは考えづらい状況です。

都心の人気エリアの販売状況は引き続き堅調で、特に海外投資家からの支持も高く、建築資材や人件費が高騰しているので、価格が下がる要因が見当たらないからです。考え方は逆ですが、住宅ローンが低金利の今のうちに住宅の購入をするほうがいいと考える方も増えてくるかもしれません。

今の変動金利の相場は0.3~0.5%ですが、ネット銀行などでは0.2%台で借りることもできます。団信が充実している金融機関も数多く見られます。

将来金利が上がって返せなくなるかもしれないと不安を感じる場合には、資産性を重視して住宅選びをしましょう。資産性が高い住宅であれば値下がりしづらく、いざというときのリスクヘッジとなります。

まとめ

住宅ローンの変動金利はここ数年を見ると、大幅な変化はしていません。一方で、固定金利はこの1~2年で大きく上昇したので、変動金利との金利差が大きくなっています。

不動産購入に際してご注意いただきたいのが、住宅ローンが低金利となっている一方で物件価格は高騰しているという点です。今後の市況変化や、万が一の住宅市場の悪化に備えて、慎重に検討を進める必要があります。

住宅購入は長期にわたり返済を行うことになりますので、無理のない返済計画で購入検討されることをお勧めします。不動産流通システム【REDS】では、引き続き皆様からのお問い合わせを心よりお待ちしております。

 

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