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公開日:2025年7月22日  伊藤 靖陽

購入申込みしたのに買えなかったのはなぜ? 売主側の本音を教えます

【話題のドラマ『正直不動産』監修】のREDSエージェント、宅建士の伊藤 靖陽(いとう やすあき)です。

ようやく購入希望の不動産を見つけ申込書を提出したのに、僅差で別のお客様に負けてしまい、購入できなかったという辛い経験をされた方を何人も見てきました。マイホームを探すだけでも体力的にも精神的にも疲れるのに、やっと購入決断できた物件も他者に持って行かれては気がめいってしまいますよね。
 
実際、私がご案内したお客様がそうなってしまったことも何度もあり、残念な気持ちと申し訳ない気持ちで胸がいっぱいになりました。今回は、購入申込みが他者と重なったときに売主側は何を考えているのか、その本音のところを解説します。

購入できない

(写真はイメージです)

他者に負けるケース1~住宅ローン事前審査~

契約ができる状態とはどういった状態なのでしょうか。その条件は2つあります。

  1. 購入申込書を提出すること
  2. 申し込みする物件で住宅ローンの事前審査が可決されていること

1つ目の購入申込書を提出すること自体は簡単(申込書に記入するだけ)なのですが、2つ目の「住宅ローン事前審査が可決していること」についてはやや面倒なところがあります。

申し込む物件での住宅ローンの事前審査の承認を得なければならないということなので、過去に他の物件にて住宅ローンの事前審査を行い、承認を得ている実績があったとしても、それはあくまで他物件での審査ですので無効とされることがほとんどです。

それはなぜなのでしょうか。銀行の住宅ローン審査とは、お客様の属性を審査するのと同時に、その物件の担保評価を出して、抵当権を設定できるかどうかも審査しているからです(物件の審査)。

また各銀行に審査基準というものがあり、物件ごとの審査があるためです。

新耐震物件と旧耐震物件で審査は変わる

各銀行の審査基準は違います。マンションでいえば「新耐震基準」か「旧耐震基準」かで大幅に変わります。

●新耐震物件

1981(昭和56)年6月1日以降の「新耐震基準」に基づいて建築確認を受けた建物。震度6強〜7程度の大地震でも「倒壊・崩壊しない」ことを想定しています。現行の耐震基準に近いため、安全性が高いとされます。一般的に地震保険の料率も割安で、不動産売買・賃貸でも人気が高くなっています。

●旧耐震物件

1981年5月31日以前の「旧耐震基準」に基づいて建築された建物。震度5強程度の地震に「耐える」ことを前提にしています。大地震で倒壊するリスクがあるとされ、耐震診断や補強工事が推奨されます。賃貸や売買では敬遠されがちで、住宅ローン減税や税制優遇が受けられないこともあります。

旧耐震物件であっても、耐震補強がされており、新耐震基準を満たしていれば、審査可能としている銀行もあります。

戸建てや土地でローン審査NGとなりやすいもの

戸建てや土地では、借地権、底地権、私道未整備、再建築不可などが絡むケースや、共有持分が複雑なケース、登記と現況が一致していないケースは必ず事前審査する必要がありますし、銀行によってはそもそも住宅ローンNGとなる可能性があります。

要はどれだけお客様の属性が良くても物件によって審査の結果が変わることになるため、物件ごとに審査する必要があります。

もし、現時点でご検討されている物件が旧耐震基準の物件の場合や土地・戸建てで上記に該当する場合は、事前に住宅ローンの事前審査をするなど詳細を担当者へ聞いておいたほうがよさそうです。

事前審査は早急に

以上のこともあり、契約ができる条件「2つ目」は、物件によって審査結果が変わることがあるため、物件ごとに住宅ローンの事前審査を早急にクリアしておく必要があります。

なぜ「早急に」かと申しますと、同じ物件で他者の申し込みが重なるケースが多いからです。そして、2つの条件がそろいしだい、売主様に判断していただけるからです。2つの条件がそろうスピードが速ければ速いほど有利ということです。

物件の内見は土日祝日に行われることが一般的に多いのですが、そこで購入を決断します。ここまでは他者も同じです。土日祝日は銀行は営業しておりませんので、事前審査を開始するのは翌営業日(平日)からとなり、皆一斉にスタートして、条件が整いしだい、売主様サイドへ条件がそろったことを報告します。

「僅差で他者に負けて、購入できなかった」という経験がある方は、上記の理由で購入できなかったケースが大半かと思われます。

他者に負けるケース2~現金購入は強い~

住宅ローンを利用するお客様より、現金一括で購入されるお客様は、上記のローン審査をする必要がなくなるため、申込書を記入したら即売主様へ報告できます。

その点でよりスピーディーに売主様へ報告できる点と、まれに事前審査で可決しているお客様が、本審査で否決になる可能性も少なからずあることを考えると、現金購入の場合の不動産売買契約からお引渡し(残金決済時)までの履行期間中の安心度は、売主様にとって大変有利に働きます。

現金で購入するという方が最強なのです。

他者に負けるケース3~申し込みが満額か指値(値引き)か~

購入申込みが満額か指値(値引き)かも大変重要です。我々としては少しでもお得に購入していただきたい気持ちはあるのですが、皆さまが購入申込みしたい物件はほかにも申し込みしたい人がいるのです。

例えば、30万円でも指値をして購入申込書を提出したとします。しかし、次の日に満額でほかの人から購入申込書が入れば、それは他者に負ける可能性が大です。売主様は売出値で売却したいので、それは当然と言えます。

他者に負けるケース4~手付金の額~

不動産における「手付金」とは、売買契約を結ぶ際に買主が売主に支払うお金で、主に契約の成立を示す「証拠金」のような役割を果たします。

不動産売買契約後、手付金は「解約手付」となり、鍵のお引渡し(残金決済時)まで履行できるかどうかの一つの判断基準となり、売主様からすればそれは多ければ多いほど安心できる材料となります。

【解約手付】
一定の条件のもとで、契約を解除できる権利付きの手付金。買主が手付金を放棄すれば契約解除可能で、逆に売主は、受け取った手付金の倍額を返せば解除できます(民法第557条)。

満額で他者と申込みが重なる場合は、手付金の額で判断することも多々あります。売主様にとっては安全に履行したいので、ここも大変重要です。

まとめ

弊社REDSはお客様より物件見学のリクエストをいただくと、現在申込者はいるのかどうか状況を把握できますので、事前にお伝えすることも可能ですし、住宅ローンについてもほぼすべての銀行をご利用いただける体制が整っているため、好条件の銀行をお勧めすることも可能です(もちろん審査スピードも速いです)。

その点で、多少皆さまには急がせてしまうこともありますが、全ては上記の理由があるからだと思っていただけましたら大変助かります。

また、弊社をご利用いただけるなら、仲介手数料は必ず、「無料」「半額」「割引」のどれかとなりますので、お得と感じていただけるはずです。

必ず皆様のご要望にお応えできるよう尽力いたしますので、何かありましたらお気軽に申し付けください。

 

この記事を執筆した
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伊藤 靖陽
(宅建士・リフォームスタイリスト)

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※2025年11月09日現在 本社・首都圏営業所の数値

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    144

    3 週間前

    担当してくださった下山さんには、大変お世話になりました。
    初めてのマンション購入で、物件選びはもちろん、ローンや保険など、細かな決め事や判断を無数に迫られる中、本当にわからないことや悩む場面が多くありました。

    そんな状況で、日々のメールや電話、内見にご同行いただいた際には、これでもかというほど質問をしましたが、いつもレスポンスが早く、とても親身にご対応いただけました。そのおかげで、安心して物件を購入することができました。本当に頼りになる方でした。

    仲介手数料も他社と比べて圧倒的にお得ですし、今後不動産に関わることがあれば、またぜひお願いしたいと思います。周りの人にもぜひ勧めたいです。
    このたびは本当にありがとうございました!

    1 か月前

    投資区分を購入しましたが、レスポンスが非常に素早く、スムーズに手続きを進めることができました。金額が大きくない案件にもかかわらず、親身になって対応してくださり感謝しています。(子供連れでの重説も快くご対応くぁさりました。)
    特に、売主側との交渉力が高く、専門的なコンサルティング助言もいただけたおかげで、納得のいく取引ができました。中古の一般の媒介物件で不動産投資を考えている方には、仲介費用も節約できますし大変おすすめです。
    もちろん自宅用をお考えの方には更におすすめです。

    1 か月前

    不動産流通システム【REDS】の小林響平さんに、一年越しでお世話になり、理想のマンションを購入できました。
    独身女性として、実需と資産形成を兼ねた物件購入には体力も精神力も必要で、正直とても不安でした。そんな中、小林さんは多くの内見に丁寧に付き合ってくださり、物件ごとのメリット・デメリットを率直に教えてくれる誠実な方です。

    予算内で見つけたブランドマンションを内見した際、「もう他にはないかも」と迷っていた私に、「外観もロビーも素敵だけど、陽の入り方が弱いから他を見たほうがいい」と率直に伝えてくださいました。営業トークではなく、本当に信頼できるアドバイスをくださる担当者です。

    物件探しに疲れて少し休んだ後、再スタートしたすぐの内見で、小林さんが「これはおすすめです」と自信を持って言ってくださった表情が忘れられません。あの瞬間、安心して決断し、契約まで進めることができました。

    再検討からわずか2週間。これまでの会話や、自分が大切にしてきた暮らしのイメージが自然と重なり、心から納得できる物件に出会えました。これから住み始めてからも、リフォームや将来の買い替えなど、また小林さんに相談したいと思っています。

    不動産購入に不安を感じている方、実需とともに資産形成を見越して検討したい方に、心からおすすめしたい担当者です。

    1 か月前

    5年前に不動産売却、購入で小野田さんにお世話になり、
    今回は両親の不動産購入で担当いただきました。
    いつもレスポンスが早く、問い合わせに丁寧に正確に回答してくださるので安心できました。
    両親は初めての不動産購入で不安に感じる点も多かったので、嫌な顔をせずに話に耳を傾けてくださるのも、とてもありがたかったです。契約書の内容など細かい点について私から色々質問してしまったのですが、メールだけでなく電話でも時間をかけて説明して下さったり、誠実に対応してくださって感謝しています。
    周りにも紹介しようと思います。

    1 か月前

    気になる物件が既に決まっていましたのでREDSさんにお願いしました。

    当初、仲介手数料のお見積もりをした際に無料とのことでしたので何かあるのではないかと勘繰ってしまいましたが(笑)
    内見までのスピーディーな段取り、ローンについての知識等全てにおいて満足することばかりでした。

    初めてのマイホームということで不安な中、担当の下山さんはとても親身に接して下さり、気持ち良くお引き渡しの日を迎えることができました。

    仕事や育児で物件契約に向けて取れる時間が限られてる中、要所要所を押さえつつしっかりとしたご対応が有り難かったです。
    ありがとうございました。