エージェントブログAGENT BLOG

松本 信明

現場経験41年多種多様な工事お受けします。

公開日:2024年7月22日

こんにちは、REDSリフォーム、一級建築施工管理技士補の松本信明です。

私は住宅業界に40年以上かかわってきまして、大工として木造住宅の請負もしていました。今の住宅と昔の住宅の大きな違いは何かというと気密、断熱性能です。しかし、根本の構造は今も昔もほぼ変わっていないと思います。

今回は、住まいの構造の要である壁について詳しく説明します。

壁

壁の構造は大きく分けて3種類

住宅の壁構造はさまざまな方法で設計されていますが、構造の種類は大きく分けて3つです。「木造」「鉄骨構造」「鉄筋コンクリート造」、それぞれの特徴を比較してみました。

木造

木造住宅は、柱や壁などの主要部材に木材を使用した建築方法です。日本では気候や風土に合った木材が豊富にあり、古くから発展してきました。

代表的な2つの木造構造は「在来軸組工法」と「ツーバイフォー工法(2×4工法)」です。

  • 在来軸組工法:柱や梁を組み合わせて骨組みを作り、壁を取り付けて建築します。
  • ツーバイフォー工法:北米由来で、小断面のツーバイフォー材を使って骨組みを作ります。

木造のメリットは調湿効果がありデザイン性が高いこと、デメリットはシロアリや火災に弱く、老朽化が進みやすいことです。

鉄骨構造

鉄骨を使用して建築される鉄骨構造の住宅は強度が高く、耐震性や耐久性に優れています。

鉄骨構造には「重量鉄骨」と「軽量鉄骨」があります。 重量鉄骨は高層ビルなどに使用され、軽量鉄骨は戸建て住宅に使用されます。

鉄骨構造のメリットは強度が大きく、間取りに自由度があること、デメリットはさびやすいため処理が必要なことです。

鉄筋コンクリート構造

コンクリートに鉄筋を組み合わせて作られる鉄筋コンクリート構造は耐火性に優れ、中層階のマンションなどで使用されます。

そのメリットは耐久性が高く品質が安定していること、デメリットは断熱対策が必要で建築コストが高めになることです。

木造住宅の壁には2種類

このように住宅には3種類の構造がありますが、木造は仕様に違いがあります。木造住宅の壁は、大別して「真壁」と「大壁」の2つの構造があります。

真壁

真壁とは、柱が室内に露出している構造です。壁と壁の間に柱を入れ、柱が見えるようにします。柱が見えることで和室らしい独特の雰囲気を醸し出します。

大壁

大壁は、壁が柱を覆い隠す構造です。柱の表面に壁を作り、柱を見えなくします。重厚感があり、洋室はほとんどがこの構造です。

和室の柱はカンナが命

昔の住宅のほとんどが真壁でした。最近では和室も大壁仕様の和室になってきており、真壁で設計している住宅は少なくなっています。

大工の仕事として、和室の柱は、化粧仕上げの柱が表に出ていますので、骨組みを作るにあたり、墨付け、きざみを行い、柱は電気カンナにて粗削りをし、表に見える部分は粗カンナ、仕上げカンナと使い、柱を仕上げます。

今は化粧仕上げしている柱が流通していますので、カンナを使う機会はほとんどなくなっています。私が若いころまでは、カンナで仕上げを行っていました。カンナの調子が悪いと、うまく仕上がらず、カンナ自体のメンテナンスがとても大事です。研ぎも嫌というほど行いました。

断熱材には2種類

住宅外面の壁内には、断熱材を入れなくてはなりません。壁の断熱材は主に繊維系と発泡プラスチック系の2つに分類されます。以下にそれぞれの特徴を簡単に説明します。

繊維系断熱材

  • グラスウール:木造住宅で最も一般的な断熱材。厚みがあり扱いやすい
  • ロックウール:燃えにくい性質を持ち、価格はやや高め。ヨーロッパの住宅でよく利用される
  • セルロースファイバー:古紙や段ボール、おがくずなどを原料とした断熱材。耐火性や防虫効果、防音性に優れる
  • インシュレーションボード:木材を加工して作られる断熱材で、吸音効果や調湿性に優れている

発泡プラスチック系断熱材

  • ポリエチレンフォーム:ポリエチレン樹脂に発泡剤を加えた断熱材。入り組んだ場所に敷き詰めやすく、耐水性や吸音性に優れる
  • ビーズ法ポリスチレンフォーム:発泡スチロールの断熱材で、耐久性があるが、主に一部に使われる
  • 押出法ポリスチレンフォーム:ビーズ法ポリスチレンフォームと同じ原料の断熱材で、切断しやすく施工性が広い
  • 硬質ウレタンフォーム:現場で吹き付けるタイプの断熱材が多く、断熱性と耐久性が高い一方、燃えると有毒ガスが発生する
  • フェノールフォーム:フェノール樹脂に発泡剤と硬化剤を混ぜた断熱材で、高価だが耐熱性や耐水性に優れる

まとめ

昔と比べると、住宅の壁内の断熱仕様はよくなっています。

ただ、壁内の全てに断熱材が入っているわけではなく、木造住宅およびマンションの間仕切り壁の壁内に関しては、ほぼ断熱材は入れないため壁内はほぼ空洞になっています。

音が気になる場合は遮音シートを壁に張ることや、プラスターボードを2重、3重張りにして、音を遮断するといいでしょう。

 

カテゴリー:

最終更新日:2024年6月27日
公開日:2024年6月12日

こんにちは、REDSリフォーム、一級建築施工管理技士補の松本信明です。

マンションリフォーム時に間取り変更を検討する際、特にキッチンの配置を変える場合に留意しなければならないことのひとつが排水管経路の問題です。

排水管は適切な勾配を付け施工しなければならないので、キッチンを壁付け式から対面式にしたいと思っても排水管の経路の問題でできないことが結構あります。排水管は、家庭や建物から不要な水を適切に排出するための重要な設備です。

今回は排水管について解説します。

シンク

排水管の種類と材質

排水管にはさまざまな種類があり、それぞれ特定の用途や設置場所に応じて使用されます。排水管の種類と特徴、排水設備の仕組みについてまとめました。

・塩ビ管(プラスチック製):耐食性に優れ、軽量で施工性がよく、価格も安いため、一般的によく使用されます。硬質ポリ塩化ビニル管(VU管やVP管)があります。

・鋼管(金属管):耐熱性に優れており、配管用炭素鋼鋼管や硬質ビニルライニング鋼管があります。これらは塩ビ管の内管に鋼管の外管を取り付けることで、耐熱性と耐食性を兼ね備えています。

・耐火二層管:繊維モルタルの外管を塩ビ管の内管に取り付けたもので、遮音性・耐食性・耐火性に優れ、結露に強いです。

排水設備の仕組み

排水設備は、個人で所有する設備と市町村などで管理する公共下水道の2つに分けられます。敷地内の排水設備は個人で設置・維持管理が必要です。

排水は、建物内の排水が集結し、屋外排水設備に運ばれるまでの流れがあり、その過程で排水管の名称が変わることがあります。例えば、排水管を縦に配置すると配水立て管、横引き管を配水横主管と呼びます。

排水設備では、スムーズに汚水を排除するために適切な勾配が必要です。管の径の大きさによって勾配は変わり、下流のほうが、径が大きくなるように設計されています。これは、汚物や異物がつまる原因を防ぐためです。排水管施工に関しては、建築基準法により決められています。

日本における排水管の歴史

排水管は、古代文明から現代に至るまで、人々の生活環境を改善し、公衆衛生を守るために発展してきました。以下に、日本における排水管の歴史の概要をご紹介します。

・古代からの排水設備:日本では、飛鳥時代に寺院で使用されたと推測される土管が出土しており、古代からの排水設備の存在が確認されています。また、江戸時代には竹を利用した管が排水用として使用されていたことがわかっています。

・近代下水道の始まり:日本での近代下水道の整備は、明治時代に始まりました。明治17(1884)年に東京で日本初の近代下水道が開通し、公衆衛生の向上に大きく寄与しました。

・昭和49(1974)年以前:昭和初期までは「亜鉛メッキ鋼管」が使用されていました。これは鉄管を亜鉛で加工したもので、衛生的にも品質的にも現在の基準からは好ましくないとされています。管内にさびが発生し、赤水が出ることもありました。

・昭和50(1975)年~平成5(1993)年:昭和50年代には「硬質塩化ビニル鋼管」が開発され、直管内のさび問題が解決されました。しかし、接合部やバルブは依然としてさびやすかったため、問題が完全には解決されませんでした。

・平成5(1993)年~平成10(1998)年:接合部の問題を解決するために「コア内蔵継手」が発明され、鉄管の使用が減少しました。しかし、継手の問題が残りました。

・平成10(1998)年以降:技術革新により「ステンレス鋼管」と「ポリエチレン管」が開発され、鉄さび問題に終止符が打たれました。これにより、配管がつまるリスクも軽減され、清潔な水が供給されるようになりました。

排水管のつまりとメンテナンス方法

このように、排水管は時代とともに進化し、現代ではさまざまな材質の管が使用され、より効率的で衛生的な水の管理が可能になっています。排水管の材質がよくなったとしても、汚れたりつまったりすることがなくなることはありません。排水管のつまりは、家庭内でよく発生する問題のひとつです。以下に、一般的な原因と、それに対するメンテナンス方法をご紹介します。

排水管のつまりの一般的な原因

・キッチン:油汚れが固まったり、食材のカスやヌメリが蓄積したりすることが原因です。また、固形物が排水管に入り込むこともあります。

・洗濯機:泥、髪の毛、糸クズ、洗濯洗剤などが排水管で絡まり、蓄積によって排水が流れるのをせき止めます。

・浴室:髪の毛や体毛、皮脂や垢、シャンプーやボディソープのせっけんカスなどが原因で、つまりが発生します。

・洗面台:髪の毛、ヌメリ、水アカ、小物類などが排水管をつまらせる原因となります。

メンテナンス方法

・お湯を流し込む:油が原因の場合、60度前後のお湯を流すことで油を溶かし、つまりを解消できます。

・洗浄剤を使う:市販のパイプクリーナーを使用して、髪の毛やヌメリ、水アカなどを溶かすことができます。

・ラバーカップ(スッポン)を使用する:つまりが解消されない場合、ラバーカップでつまりを取り除く方法が効果的です。

・定期的な清掃:排水管内に流れ込んだ毛髪に洗剤やせっけんのカスが蓄積し、塊となって排水管のつまりや悪臭を引き起こすことがあるため、日頃の清掃で除去し、せっけんカスが排水管に残らないように水で流すことを習慣づけることが重要です。

これらの方法でつまりを解消できる場合が多いですが、自分で対処できない場合や複数の場所で水が流れなくなった場合は、専門の業者に依頼することをお勧めします。また、排水管のつまりを防ぐためには、日常的な予防措置が非常に重要です。例えば、キッチンでは油を直接排水管に流さない、浴室では髪の毛をしっかりと取り除く、などの習慣をつけることが効果的です。

以上、排水管について、お伝えしました。

 

カテゴリー:

公開日:2024年5月10日

こんにちは、REDSリフォーム、一級建築施工管理技士補の松本信明です。

昨今の住宅からは和室がなくなり、畳を見ることが少なくなっています。既存の畳をフローリングに変更するリフォームもとても多くなっています。

廃棄処分場に行くと畳が山積みになっていて、「もったいないな」といつも思います。原料の稲わらやイグサが減少し、職人も減っているため、今後はさらに畳を見る機会が減ってしまうかもしれません。

ちなみに私は、畳の上に布団を敷いて寝ています。とても安らぎ、良質な睡眠ができています。そんな畳を詳しく調べてみましたので、お話していきます。

畳

畳を構成する3つの要素

畳は、以下の3つの要素で構成されています。

  1. 畳表(たたみおもて):表面の部分で、通常はイグサを織ったものです。特殊用途の畳を除いて、イグサが一般的に使用されます。畳表は畳の美しさや質感を決定します。
  2. 畳床(たたみどこ):芯材となる部分で、畳の厚みを出します。畳床は稲わらを圧縮して縫い合わせたもの(ワラ畳)や、ポリスチレンフォームをはさんだもの、木質系の繊維板を使用したものなどがあります。
  3. 畳縁(たたみべり):畳表と畳床を縫いつける部分で、畳の周囲を飾る役割を果たします。

日本の伝統、畳のいいところ

畳は、日本の住宅文化に深く結びついた和室の床材です。最近ではフローリングなどの洋風の床材も増えていますが、畳は多くの人々に愛されています。畳の主ないいところをご紹介します。

  1. 自然素材:畳はイグサを主成分としています。天然素材なので、環境にやさしく、自然の風合いを感じさせます。
  2. 保温性と調湿効果:畳は床に敷くことで、床からの冷気を遮断してくれます。湿度を調整してくれる機能も持っています。
  3. 足触りと静音性:畳の表面は柔らかく、歩いたり座ったりする際に心地よい感触があります。また、歩行音を吸収してくれるため、家が静かになります。
  4. 和室の雰囲気:畳の風合いや香りは、日本の伝統的な住まいの雰囲気を演出してくれます。
  5. リラックス効果:畳の上で座ると、心を落ち着かせ、リラックスさせてくれます。日本茶を飲みながら畳の上で過ごす時間は、特別なひとときです。

日本人の歴史は畳とともに

畳は、日本の文化やライフスタイルに深く根付いており、多くの人々に愛されています。畳の歴史についても調べてみました。

畳の原料「イグサ」はいつからあるのか?

畳の原料であるイグサは、古来より世界中に自生していたと考えられています。その種類は300種にも及び、日本のみならず中国、インド、アメリカにも存在していました。

日本人は自分たちの生活をより快適なものにするために、イグサを使った敷物を生み出し、畳へと発展させていったのです。弥生時代ごろから、棺に入った人骨と一緒にイグサのむしろ(敷物のこと)が発掘されており、埋葬の際に遺体を包むものとして使用されていたようです。この時代は、狩猟生活から農耕生活にシフトチェンジした大変革の時代で、日本人は自分たちの「家」を持つようになり、衣食住の「住の文化」が誕生しました。

畳の誕生

イグサの敷物は、床つきを軽減するために次第に厚みを増していきました。最初はただ敷物を重ね合わせていただけでしたが、バラバラになるのを防ぐために縁を布で縫い合わせるようになりました。これが、畳の原型です。

奈良時代に建てられた正倉院では、世界最古ともいえる畳が見つかりました。この畳は御床畳(ごしょうたたみ)と呼ばれ、天皇が就寝の際に使用されたベッドのようなものの上に敷かれていたとされています。

また、日本最古の書物『古事記』からは畳の記述を見ることができます。皇族ヤマトタケルが船で海を渡っている際、その海の神様の怒りを買ってしまい、船が転覆しそうになります。その際、后(妻のこと)が神様の怒りを鎮めようと、海の上に畳を敷いて神様の目の前に赴き、怒りを鎮めたといいます。この2つの事実から考えてみると、少なくとも奈良時代(西暦700年前後)には畳が存在していたことが分かります。

ただ、当時の畳は現在のように床が付いた頑丈なものではなく、折り畳みが可能な、現在のイグサのカーペットのようなものであったといわれています。絵巻物などにも、当時の畳と見られる絵が散見されます。

地域で異なる畳のサイズ

畳のサイズは地域によって異なります。代表的な地域別の畳のサイズを以下に示します。

  • 京間(きょうま):京都や関西地方、中国地方、九州地方などで用いられており、サイズは「191cm×95.5cm」で最も大きいです。
  • 中京間(ちゅうきょうま):サイズは「182cm×91cm」で、京間の次の大きさです。
  • 江戸間(えどま):全国的な標準規格で、サイズは「176cm×88cm」です。
  • 団地間(だんちま):サイズは「170cm×85cm」で最も小さいです。

地域によって畳の寸法に違いがありますが、基本の建物の寸法が違うということですね。

畳のメリットとデメリット

畳のデメリットとメリットを詳しく説明します。

畳のデメリット

  1. 掃除や手入れに手間がかかる:畳は繊維と繊維の間にすき間があるため、ホコリや髪の毛などの汚れが溜まりやすく、掃除が大変です。畳とフローリングの境目にもホコリが落ちることがあります。定期的に畳を持ち上げて干す必要があります。
  2. カビやダニが繁殖する可能性:掃除や定期的な乾燥を怠ると、畳の細かいすき間にカビやダニが繁殖することがあります。特に子どものいる家庭では気になる点です。
  3. 洗濯物の部屋干しがしづらい:高湿度の環境でカビやダニが発生するため、雨天時に洗濯物を畳の上で干すことが難しいことがあります。
  4. シロアリの食害も:畳の裏側がシロアリに食害されるケースも報告されています。定期的なメンテナンスが必要です。
  5. 家具を置きづらい:畳は柔らかい繊維で形成されているため、家具を置くとへこみが生じることがあります。
  6. 現代の住宅のイメージに合わない:シンプルモダンな内装や大理石調の住まいにおいて、和室の持つ日本的な雰囲気が合わない可能性があります。部屋の雰囲気を一新しづらい点もデメリットです。
  7. 畳の表替えや新調に費用がかかる:居住空間の環境を良好に維持するためには畳表や畳床の交換が必要で、メンテナンスに費用がかかります。
  8. 新築時の建築費用が高額になる:新築住宅に設ける場合は一般的にはフローリングよりも施工費用が高くなります。

畳のメリット

  1. 柔らかい:畳は柔らかいため、子どもや高齢者が遊んだり横になったりする際に安心感があります。
  2. 空気を含んでいるため、夏涼しく冬暖かい:空気を含んでいるため、夏は涼しく、冬は暖かく過ごせます。
  3. イグサの香りでリラックス効果を期待できる:イグサの香りはリラックス効果を持ち、畳の上で過ごす時間が特別なひとときになります。

以上畳について調べてみました。今後減少していく畳ではありますが、日本の文化として、継承しなければならない畳をどのように取り入れていくかは、住宅を仕事としている私も考えていかなければならないと思います。

 

カテゴリー:

公開日:2024年4月1日

こんにちは、REDSリフォーム、一級建築施工管理技士補の松本信明です。今回は、住宅の耐震補強についてお話しします。

耐震補強

能登半島地震ではどんな状態の住宅が倒壊したのか

1月1日に石川能登地方に起きたマグネチュード7.6、最大震度7の地震は、その後も強い揺れが広範囲にわたって観測されています。また、南海トラフ周辺では今後30年以内に震度6弱以上の激しい揺れに襲われる確率が70〜80%程度とされており、地震に対する警戒が必要といわれています。

今回の石川県能登地震で倒壊した家屋が多くありましたが、どのような家が主に倒壊したか、以下のようなことがわかりました。

  • 重い屋根材:現地で使われていた「能登瓦」は非常に重く、多くの家屋の倒壊に影響を与えたとされています。重い屋根材は、地震の際に建物に大きな負荷をかけるため、倒壊のリスクを高めます。
  • 壁の少なさ:昔ながらの木造家屋では壁が少なく、構造的な弱点となり、倒壊につながった可能性があります。
  • 旧耐震基準の建物:旧耐震基準に基づいて建てられた建物は、新しい耐震基準に比べて耐震性が低いため、地震による倒壊のリスクが高まります。

これらの特徴は、耐震補強の必要性を示しており、特に重い屋根材の軽量化や構造的な補強が重要な対策となります。地震に強い住宅への改修や新築を検討する際には、これらの点を考慮することが推奨されます。

木造戸建ての耐震補強の方法

上記を踏まえ、耐震補強について詳しく説明します。木造戸建ての耐震補強には、さまざまな方法があります。主なポイントは以下のとおりです。

  • 基礎の補強:旧耐震基準の家では基礎部分の耐震性能が不足していることが多いため、基礎にひび割れがある場合は補修工事を行い、無筋基礎の場合は基礎コンクリートを増し打ちするなどの方法で補強します。
  • 接合部の補強:柱と土台、柱と梁、柱や横架材と斜めに入る筋交いなどの接合部には、地震の際に大きな力が加わるため、金物を使用して強度を高めることが一般的です。
  • 壁の補強:筋交いや面材による壁の補強で揺れに対する強度を高めることができます。また、耐震タイプの外壁を施工することも効果的です。
  • 屋根の軽量化:屋根は軽い方が全体の耐震性が高まります。瓦屋根の場合は、ガルバリウム鋼鈑などの軽量な屋根材に交換することが推奨されます

耐震補強は家の構造や地盤など、全体のバランスを考慮して行う必要があります。プロの耐震診断を受け、自宅に最適な耐震リフォームを行うことが重要です。また、自治体によっては耐震診断や設計に対する助成金制度があるため、まずはお住まいの市町村の窓口で相談することをお勧めします。

壁の耐震補強に

上記の中で、壁の耐震補強について、以下に主な工法をご紹介します。

  1. 耐力壁の導入:耐力壁(構造用合板)は、水平方向の力に強い壁で、耐震性を高めるために使用されます。耐力壁は、家全体に均等に配置することで、横揺れに対する抵抗力を高めます。
  2. 筋交い(すじかい):柱と柱の間に斜めに構造材を設置し、ゆがみを抑える工法です。圧縮力と引っ張り力に対応するため、厚さや接合方法に注意が必要です。
  3. 接合金物の使用:壁の接合部分に金物を使用して補強し、耐震性を向上させます。金物は、釘打ちだけでは不十分な接合部の強度を高めるために役立ちます。
  4. SRF工法:壁にポリエステル繊維のテープを貼り、釘を増し打ちすることで、耐力壁の強度を大幅に向上させる方法です。激しい揺れで釘が曲がっても、完全に引き抜けるまでの耐力と靭性を提供します。

SRF工法というあまり聞きなれない工法も近年よく耳にします。筋交いとSRF工法は、耐震補強の方法として共通する目的を持ちながらも、そのアプローチにおいて異なります。以下に主な違いを説明します。

筋交い
木造建築における伝統的な耐震補強方法です。柱と柱の間に斜めに補強材を入れ、建物のゆがみを抑えることで構造の強度を増します。地震による横揺れや強風による揺れなど、水平方向から加わる力に対抗するために使用されます。木材や鉄筋などの硬い材料で作られ、建物の骨組みに直接取り付けられます。
SRF工法

SRF工法は、しなやかで強靭なポリエステル繊維製のベルトやシートを使用する現代的な耐震補強方法で、柱や壁、梁、接合部などにポリエステル繊維製のベルトをウレタン系の高弾性接着剤で貼り付け、巻き付けることで収震補強します。

SRF工法は、大きな地震が発生しても建物を支え続け、建物を壊させない復元力があります。施工は比較的簡単で、大きな機材や特殊な工具を必要とせず、工事費も工期も節約できます。

これらの方法は、それぞれの建物の構造や既存の耐震性能に応じて選択され、専門家による適切な診断と工事が必要です。

耐震工事の流れ

耐震工事はどんな流れで行われるのでしょうか。住みながらできるものなのか不安な方もいるでしょう。結論から言うと、木造戸建ての耐震補強工事は、工事の内容や規模によっては住みながら行うことが可能です。以下に、住みながら耐震補強を行う際のポイントをまとめました。

  • 耐震診断:まずは専門家による耐震診断を受け、家の現状と耐震補強の必要性を把握します。
  • 工事の内容:補強が必要な箇所や工事の規模によって、住みながらの工事が可能かどうかが決まります。例えば、壁の耐震補強や接合部の補強など、部分的な工事であれば住みながらの工事が可能です。
  • 生活への影響:工事中は騒音やほこりが発生するため、生活スペースの確保や工事音への対策が必要です。
  • 安全性の確保:工事中も家の安全性を確保するため、プロの業者としっかりと計画を立てることが重要です。

住みながらの耐震補強工事は、一部の工事に制限がある場合もありますので、専門家と相談しながら最適なプランを立てることをお勧めします。

 

カテゴリー:

公開日:2024年2月19日

こんにちは、REDSリフォーム、一級建築施工管理技士補の松本信明です。

戸建てリフォームでの外装工事や屋根・外壁の改修工事を行う場合、屋根の工事をどのようにするか、悩む方が多いと思います、既存の屋根材によってさまざまな工法がありますが、今回は屋根の「カバー工法」についてお話したいと思います。

屋根の工法

屋根カバー工法とは

屋根カバー工法は、古い屋根の上に軽い屋根を張ってかぶせる工事方法です。

1.工事の目的:古い屋根をはがして処分する手間と費用を省きつつ、新しい屋根を重ねて設置することで、工事費用と工事期間を抑えることができます。
2.適用例:一般住宅では、古いコロニアル(スレート)の上に軽い金属屋根(ガルバリウム鋼板もしくはエスジーエル鋼板)をかぶせる工事がよく行われています。
3.工事手順:
○防水シートの貼付:最初にコロニアルの上に防水シートを貼ります。この防水シートは雨漏りを防ぐ役割を果たします。
○金属屋根の設置:防水シートを貼った後、軽い金属屋根を張ります。金属屋根自体も防水機能を備えているため、長期にわたる屋根の機能を取り戻します。

ただし、以下の屋根にはカバー工法が適用できませんので注意が必要です。

・瓦屋根:波立っている形状の屋根には適用できません。
・古いトタン屋根:屋根下地が傷んでいる場合は適用できないことが多いです。
・劣化が進んだコロニアル:築後40年以上経過した場合や雨漏りが生じている場合は避けたほうがよいです。

アスベストに強いガルバリウム鋼板カバー工法

カバー工法は、古い屋根の上に軽い屋根を張ってかぶせるため健康被害を及ぼすアスベスト入りの屋根材をリフォームする際に有用です。アスベストを使用していないスレート屋根は脆弱で、割れや欠け、剥離が発生しやすいのに対し、築20年以上経過してもダメージが目立たない場合、アスベスト入りの可能性があります。

そんなスレート屋根には「ガルバリウム鋼板カバー工法」が推奨されます。メリットは既存の屋根を解体せずに新しい屋根材を重ねるため、解体工事や廃棄物処理が不要であることです。葺き替え工事と比較して費用を抑えられるだけでなく、生活への影響が少ない工期で済むこともあげられます。

カバー工法の注意点

カバー工法を採用する際の注意点を4点紹介します。

1.屋根の状態を評価:まず、既存の屋根の状態を評価しましょう。屋根が劣化している場合、カバー工法が適しているかどうかを判断します。特に、古い屋根材が剥がれているか、傷んでいるかを確認しましょう。

2.アスベスト対策:アスベスト入りの屋根材をカバーする場合、アスベストは健康被害のリスクがあるため、適切な対策を講じる必要があります。

3.新しい屋根材の選定:カバー工法では、新しい屋根材を既存の屋根の上に重ねて設置します。適切な屋根材を選ぶことが重要です。軽量で耐久性のある材料を選びましょう。

4.専門業者の相談:カバー工法は専門的な工事です。屋根の専門業者に相談し、適切な方法を選定してください。工事のプロセスや費用、リスクについて詳しく説明してもらいましょう。

屋根の葺き替え工事とは

屋根

屋根のリフォームにおいて、カバー工法と異なるアプローチとして、葺き替え工事があります。以下にそれぞれのメリットとデメリットを詳しく説明します。

葺き替え工事のメリット

●屋根の寿命を延ばせる:下地を含めた屋根全体を一度にリフォームできるため、新築時のような仕上がりになります。屋根の寿命が長くなるのが嬉しいポイントです。

●瓦屋根は見た目をガラッと変えられる:瓦屋根を使用している家屋の場合は、新たな屋根材にまったく違うものを採用することでガラッと家の印象を変えることが可能です。

●災害による破損は火災保険が適用されることがある:台風などの自然災害が原因で破損が起きた場合は、火災保険が適用になることがあります。

葺き替え工事のデメリット

●費用と日数がかかる:作業内容が大がかりで、すでにある屋根を撤去する際に、廃材の処分費用と作業にかかる人件費が必要です。工期は5日から2週間程度とどうしても時間がかかってしまいます。

●廃材がたくさん出る:屋根の解体中は埃やチリが発生しやすいため、近所に気を使ってしまうという方もいるでしょう。

●工事中は雨漏りのリスクも:屋根が完全になくなってしまうため、雨が降った際に雨漏りを起こしてしまうことがあります。

カバー工法のメリット

●工事費用が安価:既存の屋根材を撤去処分することがないため、撤去費用・処分費用を省くことができます。

●工期が短い:作業工程も葺き替え工事より少ないため、工期が短くて済みます。

カバー工法のデメリット

●対象が限られる:カバー工法はスレートや金属屋根材のような平らな屋根が対象です。元々の屋根材よりも重たい素材は選べません。

●アスベストが含まれていたら費用が割高に:2004年以前のスレート屋根はアスベストが含まれている場合があります。アスベストを含むスレート屋根をリフォームする場合、破片が周囲に飛び散らないよう対応しなければならないため、その分修繕費用が高くなることがあります。

どちらの工法が自宅に適しているかは、屋根の状態やご予算により異なりますので、専門業者にしっかり見ていただく必要はあります。以上、屋根カバー工法についてご説明いたしました。

 

カテゴリー:

公開日:2024年1月12日

2024年、明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。今年も健康で1年過ごせるよう、祈ることから始めましたが、残念なことに、石川県では「令和6年能登半島地震」が起き、大変な状況になっている現在、大変胸が痛い思いで、いっぱいです。

明日はわが身との思いで、地震対策をしなければいけないと、改めて考えさせられます。そのことから、地震対策について、お話したいと思います。

耐震

建物の耐震性能を高める

地震による建物の被害を軽減するためには、建物の耐震性を高めることが重要です。日建設計によると、建築物の耐震性能を高めるためには、「耐震構造」「制震構造」「免震構造」の3つの構造形式があります。

耐震構造

耐震構造は建物自体の強度を上げて揺れに耐え抜き倒壊を防ぐということですが、正確に言うと、耐震構造は地震が起きた時に柱や梁、壁で地震の力に抵抗し、建物自体の強度を上げて揺れに耐え抜き倒壊を防ぐ構造です。

耐震構造は、現行の耐震基準(新耐震基準)によって、中規模の地震(震度5強程度)に対しては、ほとんど損傷を生じず、極めてまれにしか発生しない大規模の地震(震度6強から震度7程度)に対しては、人命に危害を及ぼすような倒壊などの被害を生じないことを目安としています。

耐震構造を実現するためには、建物の構造体を強くすることが必要です。耐震構造を実現するためには、以下のような方法があります。

1.柱や梁の強化:柱や梁の断面積を増やすことで、建物の強度を上げる。
2.壁の設置:壁を設置することで、建物の強度を上げる。
3.基礎の強化:基礎を強化することで、建物の強度を上げる。

制振(制震)構造

制振(制震)構造は制振装置で地震のエネルギーを吸収し揺れを抑えるということですが、正確に言えば、制震構造とは、地震が起きた時に建物の揺れを抑える構造です。

制振(制震)構造は、建物の構造体に振動軽減装置を組み込むことで地震エネルギーを吸収し、揺れを抑える構造です。制震構造には、オイルダンパーや鋼材ダンパーなどの制震装置が主に用いられます。制震構造は、高層ビルや超高層の建物に適用されています。

免震構造

免震構造とは、基礎部分に免震装置を設置して揺れを伝わりにくくするということですが、詳しくは、免震構造は地震の揺れを吸収する免震装置を使って建物に地震の揺れを伝わりにくくする建築です。

免震装置にはアイソレータとダンパーがあり、それぞれに種類や働きがあります。

1.アイソレータ:建物の基礎部分に設置されたゴム製の装置で、地震の揺れを吸収することで、建物に地震の揺れを伝わりにくくします。

2.ダンパー:建物の柱や梁に設置された装置で、地震の揺れを吸収することで、建物に地震の揺れを伝わりにくくします。

免震構造は、高層ビルや超高層の建物に適用されています。

地震対策のために今すぐしたい家具の固定

地震対策

以上は、建て替えをしないとできない対策ですので、これから新築、もしくは建て替えを検討している方には具体的で大変重要な情報ですが、本当は今すぐにでも対策をしないといけません。自分の身は自分で守るため、簡単にできる対策が家具の固定です。

以下、家具を固定する4つの方法を紹介します。

L型金具での固定

家具と壁を木ネジやボルトで固定する方法です。最も確実な方法で、強度が高いです。固定する際は、壁の下地にしっかり止まっていなければ、意味がありません、現在の建物の壁の構造は、石膏ボートでできていますので、どこでもビスが効くわけではなく、しっかり柱や間柱に固定しなければなりません。そこが意外に難しい所です。しっかりプロに頼むのが賢明かもしれません。

突っ張り棒での固定

家具と天井の隙間に設置する方法です。ネジ止めする必要がなく、簡単に取り付けられます。簡単にできることではありますが、天井によっては強度がなく、突っ張れば突っ張るほど天井が上がってしまうこともありますので、要注意です。

粘着マットでの固定

家具の底面と床面を接着させる方法です。簡単に取り付けられますが、強度が低いため、重い家具には向きません。

ストッパーでの固定

家具の前下部にくさびをはさみ込む方法です。家具を壁際に傾斜させることで、転倒を防ぎます。

以上を踏まえ、今回の大地震を他人事ととらえず、早めに対策を講じることをお勧めいたします。

 

カテゴリー:

公開日:2023年12月7日

REDSリフォーム、一級建築施工管理技士補の松本です。今回は、どの家にもついている換気扇についてお話したいと思います。

換気

換気はなぜ必要か

以下の理由から、住宅では換気が必要です。

・新鮮な空気を取り込む
・二酸化炭素やダニ、ウイルスなどの有害物質を排出する
・食べ物などのニオイを排出する
・湿った空気を排出し、結露やカビを防ぐ
・燃焼に必要な酸素を供給し、不完全燃焼を防止する
・シックハウス症候群を予防する
・冬場の一酸化中毒を防ぐ
・精神面にリフレッシュ効果を与える

換気は季節を問わず必要です。換気をしないと、古く汚れた空気が室内に溜まり、体調を崩す可能性があります。部屋の酸素量が減ると、ストーブや石油機器が正しく燃焼できなくなり、一酸化炭素中毒を引き起こす危険性もあります。

換気の方法は常時換気、局所換気、間欠換気の3種類

換気には、自然換気と機械換気の2種類があります。自然換気は、窓やドアを開けることで行われます。機械換気は、換気扇や空調設備を使って行われます。

換気の方法には、常時換気、局所換気、間欠換気の3種類があります。常時換気は、24時間換気扇を稼働させることで、室内の空気を常に入れ替える方法です。局所換気は、台所やトイレなど、汚れた空気が発生しやすい場所に換気扇を設置する方法です。

間欠換気は、室内の空気が汚れたときに、一定時間換気扇を稼働させる方法です。この方法は、常時換気と比べて省エネで、室内の空気を効率的に入れ替えることができます。間欠換気は、室内の空気が汚れたことを感知して自動的に稼働するため、手動で換気扇を操作する必要がありません。また、常時換気と比べて、室内の温度や湿度を一定に保ちやすいという利点もあります。

間欠換気は、台所やトイレなど、汚れた空気が発生しやすい場所に設置されることが多いです。人感センサー温度センサーで作動する換気扇もあります。

エアコンについた換気機能だけを使うのは危険

エアコンで換気ができる機能が付いたものも出ています。エアコンは空気を循環させることで、室内の空気を入れ替えることができますが、エアコンだけで完全に換気をすることは難しいです。エアコン本来の機能は、空気の温度を管理することだからです。

一般的なエアコンは、部屋の空気を取り込んで部屋に戻す仕組みなので、外の空気を取り込むことはありません。換気する機能が付いたエアコンもありますが、外気を取り入れる吸気口が小さく機能が十分ではないでしょう。なので、エアコン使用時には自分で空気を入れ替えることが必要です。部屋の中の花粉・細菌・ウイルス・カビ・ハウスダストなどの有害物質や汚染物質を、部屋の外に出したり薄めたりするためです。

湿度や温度が高くなると、空気中にダニやカビなどが増加してハウスダストとなり、めまいや頭痛などシックハウス症候群を発症する可能性があります。マンションなどの機密性が高い住宅は、空気の入れ替えをしないと部屋の中の汚染された空気が外に出にくいので、定期的な換気が必要です。エアコン使用時にも、以下の方法で換気しましょう。

窓を開ける

窓を開けることで、室内の空気を外に排出し、新鮮な空気を取り入れることができます。窓を開ける時間帯は、朝晩がおすすめです。朝晩は、外気温が低く、室内の温度が下がりにくいため、エアコンの負荷を抑えることができます。

換気扇を使う

エアコン使用時に換気する方法としては、換気扇を使うことも効果的です。換気扇を使うことで、室内の空気を外に排出し、新鮮な空気を取り入れることができます。窓を開けて換気扇を使えば、換気効果を高めることができます。

空気清浄機を使う

空気清浄機を使うことで、室内の空気を浄化し、新鮮な空気を取り入れることができます。空気清浄機を使う場合も窓を開けておくと、換気効果を高めることができます。

以上の方法を組み合わせることで、エアコン使用時に効果的に換気することができます。

換気扇の耐用年数は

換気扇はどの程度の期間まで使用できるかが決められた目安があります。

換気扇は、約15年を目途に「設計上の標準使用期間」を迎え、同期間を超えて使用すると、経年劣化による発火・けがなどの事故に至るおそれが指摘されています。また、換気能力(風量)も低下する可能性があります。

住宅用の24時間換気のシステムのほとんどが、機械式なので、15年を過ぎると故障し動かなくなるかもしれません。戸建ての場合、排気・吸気を含め10カ所程度付いていますので、いっぺんに壊れると、費用がかさみます。異音が出てきたら、すぐに交換をすることをおすすめします。気密性の高い住宅事情の中、換気は最も大事な設備です。安心して暮らしていくためにも、お掃除やお手入れもまめに行いましょう。

 

カテゴリー:

公開日:2023年10月29日

REDSリフォーム、一級建築施工管理技士補の松本です。今回は、住宅の配水管について詳しくご紹介します。

排水管トラブル

住宅排水の概要

住宅排水には、トイレからの汚水を流す排水、キッチン・浴室・洗面など雑排水を流す排水、雨水を流す排水と3種類あります。いずれも住宅排水管を使って下水道や浄化槽に流します。一般的には灰色の塩ビ管(硬質ポリ塩化ビニル管)が使用されます。建物のデザインに合わせた色の塩ビ管が使用され、たとえば神社・仏閣などでは、銅でできている管がよく使用されます。

住宅排水管の構造は、住宅の箇所ごとに異なりますが、基本的には以下のような構造になっています。

●排水口:汚水や雨水が排出される場所です。キッチンやトイレなどの設備機器に設置されています。

●排水トラップ:排水口と排水管の間にある部品で、封水と呼ばれる水を溜めておくことで、下水道からの悪臭や害虫の侵入を防ぎます。ワントラップ、逆ワントラップ、ボトルトラップ、ドラムトラップ、サイホン型トラップなどの種類があります。

●排水管:排水トラップから下水道までの管です。直径や勾配などは建築基準法や下水道法などの規定に従って設計されます。排水管には、主排水管(主幹配管)、分岐排水管(分岐配管)、立上げ排水管(立上げ配管)などがあります。

●汚水桝:住宅内部の排水管と下水道とをつなぐための枡です。インバート桝と呼ばれる溝が彫り込まれたものが一般的です。清掃や点検が容易に行えるように、住宅敷地内の要所に設置されています。

住宅排水管のトラブル

長年使用していると、排水管が詰まったり、水漏れしたり、悪臭が発生したりすることがあります。排水管のトラブルは生活に不便や不快をもたらすだけでなく、建物や家財にも損害を与える可能性があります。排水管のトラブルの原因はさまざまですが、主に以下のようなものが挙げられます。

●排水管内に汚れや異物が溜まって詰まる
●植物の根が排水管内に侵入して詰まる
●排水管が破損して水漏れする
●排水管の傾斜が逆になって逆流する

排水管のトラブルの対処法は、自分でできる場合と業者に依頼する場合があります。ワイヤーブラシやラバーカップ(すっぽん)などを使って、排水口付近の汚れを落としたり、吸引したりしたことのある方も多いでしょう。業者に依頼すれば、高圧洗浄やカメラ調査などを行ってもらえますが、費用や対応エリアなどを必ず確認しましょう。

排水管のトラブルは未然に防ぐこともできます。排水口にゴミ受けを設置し、定期的にお湯や重曹などで洗浄しましょう。また、業者に定期的にメンテナンスを依頼することも有効です。

排水口に詰まったときは以下のような対処法を試してみましょう。

●お湯を一気に流す:油汚れや軽度の詰まりに効果的です。シンクにお湯を溜めて、一気に流すことで、排水口内の汚れを流し出します。

●重曹とクエン酸で汚れを落とす:重曹とクエン酸を混ぜると発泡し、排水口内の汚れを分解してくれます。重曹とクエン酸を同量ずつ排水口に入れて、お湯を注ぎます。しばらく放置した後、水で流します。

●汚れや程度に合わせた洗剤を使用する:液体パイプクリーナーなどの専用洗剤を使うと、排水口内の汚れを溶かしてくれます。洗剤の種類や使用方法は商品によって異なるので、注意書きをよく読みましょう。

●ラバーカップや真空式パイプクリーナーを使う:ラバーカップや真空式パイプクリーナーは、排水口に圧力をかけて詰まったものを引っ張り出す道具です。排水口に当てて押し込み、引き上げる動作を繰り返します。水が流れ出したら詰まりが解消されたサインです。

●ワイヤーブラシで汚れをかき出す:ワイヤーブラシは、排水口内に溜まった汚れをかき出すことができます。ワイヤーブラシを排水口に押し込んで、動かなくなったところでハンドルを回します。薬品と組み合わせるとより効果的です。

●ペットボトルで詰まりを押し流す:ペットボトルは、空気圧で詰まりの原因を押し流すことができます。ペットボトルのキャップに穴を開けて、排水口に当てます。ペットボトルを潰して空気圧で詰まりの原因を押し流します。

まとめ

共同住宅の場合、管理費でまかなうことで定期的に配管清掃を専門業者にて行うことができますが、戸建ての場合はご自分で行うか、専門業者に依頼するようになります。市販の高圧洗浄機を使ってご自分で清掃する方もいます。

これを機に、排水管の問題点を確認し、しっかりメンテナンスを行って配水管のトラブルを防止しましょう。

 

カテゴリー:

公開日:2023年9月25日

REDSリフォーム、一級建築施工管理技士補の松本です。

今回は住宅に使用している木材や、加工方法などについてお話しします。

建築木材

針葉樹と広葉樹が適材適所に

住宅に使用している木の種類は、針葉樹と広葉樹の大きく2種類に分けられます。針葉樹には、ヒノキ・スギ・マツ・ヒバなどがあり、広葉樹には、ケヤキ・クリ・ブナ・タモなどがあります。それぞれの木材には、硬さや耐水性で特徴があります。

住宅の柱、土台、梁などの構造材に使われる木材は、強度・耐久性・耐水性・耐蟻性などにすぐれたものが選ばれます。柱には、ヒノキ・スギ・ベイツガなどが最適です。土台には、ヒノキ・ヒバ・ベイヒバなどが最適です。梁には、集成材という強度が高い木材が使われることが多いです。

住宅に使用される主な木材を個別に解説

それぞれの木材の特徴と価格について、以下のようにまとめました。

ヒノキ

香りが良く、耐久性・耐水性・耐蟻性に優れています。色は淡黄色で、美しい木目が魅力的です。柱や土台などに使われます。価格はスギより高く、1㎥あたり約10万円です。

スギ

スギは強度が高く、加工しやすいのが特徴です。色は赤みがかっており、木目は粗く、柱や梁などに使われます。価格はヒノキより安く、1㎥あたり約5万円です。

ベイツガ

ベイツガは強度が高く、耐久性・耐水性・耐蟻性に優れています。色は淡黄色で、木目は細かく、柱や梁などに使われます。価格はヒノキと同じくらいで、1㎥あたり約10万円です。

ヒバ

ヒバは香りが良く、抗菌・防虫効果があります。色は赤みがかっており、美しい木目です。土台や柱などに使われます。価格はヒノキより高く、1㎥あたり約15万円です。

ベイヒバ

ベイヒバはヒバと同じく香りが良く、抗菌・防虫効果があります。色は淡黄色で、木目は細かいです。土台や柱などに使われます。価格はヒバより安く、1㎥あたり約10万円です。

集成材

集成材とは、小さな木材を接着して作られた木材で、強度が高く、反りや割れが少ないのが特徴です。色や木目は接着された木材によって異なります。梁や桁などに使われます。価格は使用される木材によって異なりますが、1㎥あたり約5万~20万円です。

木材の価格については、2021年から2022年にかけて、世界的な需要の増加や輸送コストの高騰などの影響で、大きく上昇する傾向にありました。アメリカや中国からの需要が特に高く、木材の輸入価格(合板)は2021年12月に前年同月比で68%上昇。木材・木製品の国内価格も、2022年3月に前年同月比で59%上昇しているのが現状です。

住宅に使用される木材の加工方法

大工

住宅に使用される木材の加工方法には、木材切削、木材乾燥、木材接着、木材表面装飾などがあります。それぞれの方法について簡単に説明します。

木材切削

木材切削とは、丸太を製材するときや、木材を加工するときに使われる方法です。丸太を横に切って板状にしたり、板を直線や曲線に切ったり、斜めやコの字に切ったり、窓抜きや面取りなどの加工をしたりします。切削するときには、ノコギリやジグソーなどの工具を使います。

木材乾燥

木材の水分を減らして品質を向上させる方法です。木材は水分が多いと反りや割れが起こりやすくなります。木材干燥には、自然乾燥と人工乾燥があります。自然乾燥は、屋外や屋内で風通しのいい場所に置いて自然に水分を蒸発させる方法です。人工乾燥は、乾燥室や電気オーブンなどで温度や湿度を調節して水分を蒸発させる方法です。

木材接着

小さな木材を接着剤で貼り合わせて大きな木材にする方法です。集成材や合板などがこの方法で作られます。木材接着によって、強度や反り・割れの防止、形状やサイズの自由度などが向上します。

木材表面装飾

木材の表面に色や模様を付けたり、塗料やワックスなどで保護したりする方法です。木材表面装飾によって、見た目や耐久性・耐水性・耐汚染性などが向上します。

大工が行う木材加工

上記は、製材会社が工場などで加工していますが、住宅の木材加工については、大工が自ら行うことがあります。主に以下のようなことです。

木材の選定

住宅の用途や設計に合わせて、木材の種類やサイズ、品質、強度などを選びます。例えば、スギやヒノキなどの針葉樹、クリやサクラなどの広葉樹といった木材の種別、天然木や集成材、合板などの加工品からの選定を行います。

木材の切削

木材を必要な長さや角度に切ります。切削するときには、木目や節などの特徴を考慮し、ノコギリやジグソーなどの工具を使います。

木材の組み立て

切った木材を組み合わせて、住宅の骨組みを作ります。組み立てるときには、水平や垂直などの寸法や角度を測り、釘やボルトなどの金物や、接着剤やネジなどの接合材を使います。

木材の仕上げ

組み立てた木材に色や模様を付けたり、ワックスなどで保護したりします。仕上げるときには、木目や節などの特徴を生かし、ペンキやスプレーなどの塗装用具や、サンドペーパーやブラシなどの研磨用具を使います。

まとめ

以上が大まかな流れですが、実際には住宅の種類や工法によって異なります。

例えば、プレカット工法では、木材は工場であらかじめ機械で加工されており、現場ではほぼ組み立てるだけです。一方、手刻み工法では、現場で大工が一から木材を加工して組み立てます。プレカット工法は効率的で安価ですが、手刻み工法は伝統的でオリジナルです。

大工の木組手刻み工法は、大工が木材に墨付けをして大工道具(ノコギリ・カンナ・ノミなど)を使って加工していく工法で、神社仏閣の建築や補修を行う宮大工の間で受け継がれてきた伝統工法、曲がり梁や渡り顎などの特殊な仕口を作ることができます。

以上、住宅に使用する木材から価格、加工と簡単に説明させていただきました。

 

カテゴリー:

公開日:2023年8月22日

REDSリフォーム、一級建築施工管理技士補の松本です。今回は住宅に使用している屋根材についての話をします。雨露をしのいでくれる屋根は戸建てを購入する方には軽視できない存在です。その種類と特徴について知っておきましょう。

屋根材

住宅の屋根材の種類

住宅の屋根材には、瓦、スレート、金属板、アスファルトシングルなどがあります。それぞれの特徴を見ていきましょう。

まずは瓦について説明します。

日本瓦

瓦は、日本の気候風土に合っているため、耐久性や断熱性、遮音性が高く、デザイン性に優れています。日本瓦は、釉薬を塗って窯で焼く製造方法と、全く釉薬を塗らずにそのまま焼く2つの製造方法に種類分けできます。釉薬を使用し焼き上げた釉薬瓦はさまざまな色を出せることが魅力です。ただ、日本瓦は、耐震性能が低いため地震に弱い点があります。

瓦の歴史は、誰によっていつごろ発明されたかはよくわかっていないそうですが、世界で最も古い瓦は中国の陳西省西安の近郊から出土したもので薄手の平瓦だったといわれていて、およそ2800年前のものです。日本では飛鳥時代から瓦が使われており、そのほとんどの期間において寺院などの宗教施設か、宮殿、官衙、城などの政治拠点で限定的に使用されていたようです。

和瓦と洋瓦

瓦には、和瓦と洋瓦がありますが、材質が同じなので耐久性、防災性については変わりません。和瓦は緩やかなカーブで和の趣が感じられ、比較的落ち着いた色が多く、重厚感が感じられる雰囲気です。一方、洋瓦は凸凹が大きく、より丸みを帯びており、カラーバリエーションが豊富で明るい色も多く、個性的な印象になります。

セメント瓦

瓦にはセメント瓦という種類もあります。セメント瓦とは、セメントと川砂を1:2〜1:3の比率で混ぜて作られた瓦のことです。1970年〜80年の住宅不足だった高度経済成長期によく使われていました。耐用年数は、30~40年とされています。

セメント瓦は、20世紀初頭に英国で作られ始め、日本では1939年から製造が始まったとされています。

スレート

スレートは、セメントに繊維質を混ぜて5mm程度の厚さにした板状の屋根素材です。薄くて軽く施工性が高いため、新築時の費用が安く済む一方でコケやカビが発生したり割れたりする頻度が高く、定期的なメンテナンスが必要になります。

スレート屋根は、大きく分けて「天然スレート」と「人工(化粧)スレート」の2つに分類されます。天然スレートは、天然鉱物である粘板岩を素材とした屋根材のことで、青黒色で独特な模様が美しい、高級感のある素材です。一方、人工スレート(化粧スレート)は、主原料にセメントと繊維素材を使用しているため、軽量で運搬や施工がしやすく、施工費用も安いので、建売の一戸建てなどの建物で最も多く使われています。

スレートには、アスベストを含んでいるものがあるため、リフォーム時に十分注意が必要です。2004年以前に製造された屋根材のうち、スレート屋根とセメント瓦にはアスベストが含まれているものが多く存在するとされており、注意が必要です。

金属性の屋根材

金属製の屋根材は瓦などに比べ軽量のため、建物全体の耐震性アップに貢献できる点、塗装が容易でデザイン性が高い点が人気です。一方で重いものが当たると凹みができるなど傷つきやすく、台風や強風で浮いてしまったり、場合によっては剥がれ飛んでしまったりすることも起きてしまいます。屋根のリフォームでは、既存の屋根材の上に重ね葺き(カバー工法)として工事は主流になっています。

金属屋根材には大きく2種類あります。ひとつはガルバリウム鋼板といわれ、鉄板にアルミニウム・亜鉛合金をめっきしたもので、耐食性が高く、軽量で強度があります。屋根材や外壁材として使用されることが多いです。もうひとつはステンレス鋼板で、耐食性が高く、美観性に優れています。

金属屋根の歴史は新しいですが、人間と金属のかかわりあいは古く、紀元前4000年~3000年頃のエジプト・メソポタミアなどの古代文明では、精錬・鍛造・鋳造の技術が発達していて、彼らが手に入ることのできた金属は、金・銀・銅・鉄・鉛・錫(スズ)および水銀の7種類であったといわれています。ローマ時代には、銅と亜鉛の合金である真鍮(シンチュウ)も作られています。金属が屋根葺き材として使われ始めるのもこの頃であると推測されています。

日本で金属屋根が登場するのは、江戸時代です。徳川幕府による労働力の結集と新技術の開発によって、城・神社仏閣および武家・商人の住宅が銅瓦によって葺かれるようになっていたようです。しかし、銅は高価であったため、庶民の住宅にまで普及することはなかったようです。

アスファルトシングル屋根材

アスファルトシングル屋根材は約100年前、気候の厳しい北米で生まれた屋根材です。長い歴史を持ち全米の住宅屋根の多くにシングル屋根材が使用されています。アスファルトシングル屋根材は、ガラス繊維を素材に用いたシングル屋根材でグラスファイバーシングルとも呼ばれており、洗練された意匠性と優れた機能性(防水・消音・耐候)かつ軽量で施工しやすい屋根材です。

アスファルトシングル屋根材は、施工費用が安価であることから、住宅用途に多く使われ、近年の建売の屋根材の主流になっています。ただ、耐久性はあまり高くないといえます。

以上、屋根材について説明いたしました。

 

カテゴリー: