REDSエージェント、宅建士・宅建マイスターの菅原です。
不動産の売買契約を締結すると、「これでマイホーム購入の手続きは一段落した」と感じる方も多いのではないでしょうか。しかし、売買契約はゴールではなく、あくまで通過点です。
契約後には、住宅ローンの手続き、決済日の調整、引越しの準備、火災保険の手続きなど、買主様が行わなければならないことがいくつもあります。特に初めてマイホームを購入される方からは、「契約した後は何をすればいいのですか?」「決済日はいつ決まるのですか?」「引越し業者はいつ手配すればいいですか?」といった質問をよくいただきます。
今回は、売買契約を締結してから決済・引渡しを受けるまで、買主様が何をしなければならないのか、そして、なぜその手続きが必要なのかを、売買契約書の内容と照らし合わせながら解説します。

(写真はイメージです)
売買契約を締結したら、まず確認したいこと
売買契約書には、売買代金の支払時期や物件の引渡し時期など、売主様と買主様が守るべき約束と期日が記載されています。つまり、契約を締結した時点で、既に「いつまでに何をするのか」が決まっているのです。
契約書を受け取ったら、まず確認しておきたいのが、次の項目です。
- 決済・引渡し日
- 売買代金の支払時期
- 住宅ローン利用の有無
- 融資承認取得期日、融資特約の解除期限
- 手付解除の期限
- その他の引渡しまでに売主様・買主様が行うこと
- 付帯設備や残置物などの取り決め
特に住宅ローンを利用する方は、契約書に記載された融資特約の内容と期限を確認しておく必要があります。融資特約については、こちらの記事で解説しておりますので、ご参照ください。
契約後は「不動産会社から連絡が来るまで待つ」のではなく、自分がいつまでに何をするのかを確認することが大切です。
住宅ローンの本審査・融資手続きを進める
住宅ローンを利用する場合、契約前に事前審査を行い、売買契約締結後に本審査を進める必要があります。
金融機関に売買契約書等の追加の必要書類を提出し、本審査を受け、正式な融資承認を得ます。正式承認が得られたら、決済日を確定することができますので、まず住宅ローンの手続きを速やかに進め、決済日を確定することが重要です。
決済日を確定する
住宅ローンの正式承認が得られたら、売主様と決済期日までの間で調整を行い、決済日を確定します。決済日が確定したら、買主様は金銭消費貸借契約やお引越しの準備等を進めることができます。
売主様も抵当権抹消など、決済日が確定しないと進めることができない手続きがありますので、決済日が確定したら、売主様にも準備を進めていただきます。
決済日は、売主様と買主様の都合だけでなく、司法書士の手配も必要です。場合によっては、司法書士との事前面談が必要な場合もあります。住民票などの必要書類はケースバイケースですので、いつまでに何が必要か、担当者に確認して、準備を進めます。
引越し業者を手配する
決済日や新居への入居日が見えてきたら、引越し業者の手配も進めます。特に繁忙期は希望日に予約できないこともあります。ただし、決済日が確定する前にキャンセル料が発生するような契約をする場合は注意が必要です。
住宅ローンの本審査がまだ終わっていない段階では、決済日が確定していないこともあります。そのため、引越し業者には状況を説明し、日程変更やキャンセルの場合の条件を確認したうえで手配することをおすすめします。
現在の賃貸住宅の解約手続きをする
現在、賃貸住宅にお住まいの場合は、退去の手続きも必要です。
- 解約予告は何か月前までか
- 退去日はいつにするのか
- 退去立会は必要か
- 家賃は日割りになるのか
確認をする上で注意したいのが、決済日と引越し日は必ずしも同じではないということです。決済日に鍵を受け取っても、すぐに引越しができるとは限りません。リフォームやエアコン工事などを予定している場合は、引渡し後に工事を行ってから引越しをすることもあります。
一方で、賃貸住宅の解約は早めに手続きをしなければならない場合があります。そのため、売買契約後は決済日だけでなく、「いつ新居に入居できるのか」まで考えてスケジュールを組むことが重要です。
電気・ガス・水道の手続きをする
新居で生活を始めるためには、ライフラインの手続きも必要です。電気・ガス・水道について、以下の項目を確認しておきましょう。
- 使用開始日
- 開栓・開通の立会いが必要か
- 現居の停止日
特にガスは、開栓時に立会いが必要になることがあります。引越し当日にガスが使えないということにならないよう、早めに手続きをしておくことが大切です。
設備の動作確認は引渡し後、速やかに行うことをおすすめします。実際の引越し日まで待たずに、引渡し後速やかに開栓手続きをし、給湯器やガスコンロなどの動作に問題がないかを確認しましょう。売主様に修理を請求できる期限がありますので、その期限内に確認し、不具合があった場合には期限内に担当者へ連絡しましょう。
火災保険の手続きをする
火災保険についても、決済・引渡しに向けて準備しておきます。重要なのは、保険の始期日をいつにするかです。
一般的には、買主様が物件の引渡しを受ける日を基準に保険が開始するように手配します。住宅ローンを利用する場合は、金融機関から火災保険の加入について案内されることもあります。
「決済直前に申し込めばいい」と考えるのではなく、早めに保険会社や代理店に相談しておきましょう。
決済に必要な書類・資金を準備する
決済が近づいたら、司法書士や仲介会社から案内された必要書類を準備します。
- 本人確認書類(運転免許証やマイナンバーカード等)
- 住民票
- 印鑑証明書
- 実印
- 銀行口座の情報
- 決済に必要な自己資金
ただし、必要書類は取引内容や住宅ローンの有無などによって異なります。また、売買代金だけではなく、登記費用、住宅ローン関係費用、仲介手数料、固定資産税等の清算金など、決済日に必要となる資金も確認しておきましょう。
「住宅ローンが実行されれば大丈夫」と思っていたら、別途必要な自己資金が足りなかった、ということがないよう、決済前に必要な金額を確認しておくことが重要です。
決済前立会を行う
決済前には、売主様・買主様・仲介会社などで物件の最終確認を行う「決済前立会」を実施することがあります。
- 設備が契約内容どおり残っているか
- 売主様が撤去するべきものが残っていないか
- 残す予定の設備が撤去されていないか
- 契約時から新たな破損や漏水などが発生していないか
決済前立会については、こちらの記事で詳しく解説していますので、こちらもぜひご覧ください。
決済前立会は、単なる形式的な確認ではありません。売買契約書で定めた内容と、実際に引渡しを受ける物件の状態が一致しているかを確認する、重要な機会です。
契約後から決済までの買主ToDoリスト
ここまでの内容をまとめると、買主様が行うことは次のとおりです。
□ 売買契約書の内容を再確認する
□ 住宅ローンの本審査を進める
□ 融資承認を確認する
□ 決済日を確定する
□ 金銭消費貸借契約など融資実行の手続きをする
□ 賃貸住宅の解約手続きをする
□ 引越し業者を手配する
□ 電気・ガス・水道の使用開始・停止手続きをする
□ 火災保険の手続きをする
□ 決済に必要な書類を準備する
□ 決済に必要な自己資金を準備する
□ 決済前立会を行う
□ 決済当日の持ち物・集合場所・時間を確認する
こうして見ると、売買契約から決済までにやることは意外と多いことをご理解いただけると思います。
まとめ
不動産売買では、売買契約を締結したら、あとは決済を待つだけというわけではありません。契約書には、売買代金の支払い、引渡し、融資特約など、契約後の取引を進めるうえで重要な約束が定められています。
買主様は、その約束どおりに決済・引渡しを完了できるよう、住宅ローンの手続きや必要書類の準備を進めなければなりません。
さらに、現在の住まいの解約、引越し業者の手配、電気・ガス・水道、火災保険など、不動産会社との手続き以外にも、買主様自身が行うことがたくさんあります。特に重要なのは、決済日が決まってからすべてを始めるのではなく、決済日を決めるために必要な手続きと、その後の生活に必要な手続きを並行して進めることです。
契約後から決済までは、買主様にとって「待っている期間」ではありません。新しい住まいを確実に受け取るための準備期間です。分からないことがあれば、売買契約書を確認しながら、仲介会社に「次に何をすればよいのか」「いつまでに必要なのか」を一つずつ確認していきましょう。
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