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最終更新日:2025年8月8日
公開日:2025年8月1日  福島 直哉

相続した不動産売却時の税金トラブルを避ける! カギは税額を左右する「取得費」

REDSエージェント、宅建士・宅建マイスターの福島です。

「実家を相続したけれど、住む予定がないから売却したい」「親から引き継いだ土地、そろそろ整理したい」…。相続によって取得した不動産の売却を検討されている方は少なくないでしょう。しかし、相続した不動産の売却には、通常の売却とは異なる税金上の注意点や、適用できる特例が存在します。

今回は、相続した不動産を売却する際に知っておくべき税金の基礎知識、特に「取得費」の考え方や、活用できる特例について詳しく解説し、トラブルなく売却を進めるためのポイントをお伝えします。

相続

(写真はイメージです)

相続した不動産の売却益にかかる税金の基本

不動産を売却して利益が出た場合にかかる税金は、「譲渡所得税」と呼ばれます。これは所得税と住民税の総称で、原則として分離課税となります。

譲渡所得税の計算式は以下のとおりです。

◇譲渡所得=売却価格-(取得費+譲渡費用)

この「譲渡所得」に、所有期間に応じた税率を掛けて税額を算出します。

所有期間と税率の再確認

通常の不動産売却と同様に、相続した不動産を売却する場合も、その不動産の所有期間によって税率が変わります。

  • 短期譲渡所得(所有期間5年以下):所得税30%+住民税9%=合計39%
  • 長期譲渡所得(所有期間5年超):所得税15%+住民税5%=合計20%

※2037年までは、所得税額に対して復興特別所得税2.1%が別途加算されます。

相続不動産の「所有期間」はいつから?

ここで重要なのは、「所有期間」のカウント方法です。

相続した不動産の所有期間は、被相続人(亡くなった方)がその不動産を取得した日から計算されます。つまり、相続人がその不動産を所有した日ではなく、元の持ち主が所有していた期間も通算されるということです。

例えば、親が30年前に購入した家を相続し、相続後すぐに売却した場合でも、所有期間は30年超となり、長期譲渡所得の税率が適用されます。これは、相続人が有利になるよう配慮された規定と言えます。

相続不動産の「取得費」が大きな問題に!

譲渡所得の計算において、売却価格の次に重要なのが「取得費」です。取得費は、その不動産を購入したときの価格や、購入時にかかった仲介手数料、登録免許税、不動産取得税、さらには建物の減価償却費などが含まれます。

しかし、相続した不動産の場合、この「取得費」の把握が非常に困難になるケースが多々あります。

なぜ取得費の把握が難しいのか?

  1. 古い不動産の場合、購入時の資料がない:親や祖父母が購入した不動産の場合、当時の売買契約書や領収書が残っていないことがよくあります。
  2. 取得費が不明な場合の特例(概算取得費):もし、取得費が不明な場合や、その金額を証明する書類がない場合、税法上では「売却価格の5%」を取得費とみなす「概算取得費」というルールが適用されます。

この概算取得費は、不動産を高く売却できた場合に大きな問題となります。例えば、1億円で売却できたとしても、取得費が500万円とみなされてしまい、非常に大きな譲渡所得が発生し、多額の税金がかかる可能性があるのです。

例えば、5000万円で売却した不動産の取得費が不明な場合、概算取得費は5,000万円×5%=250万円となります。これに譲渡費用(例えば150万円)を差し引いても、譲渡所得は4,600万円となり、長期譲渡所得の税率20%を掛けると920万円もの税金がかかってしまいます。

実際の取得費が5,000万円だった場合、譲渡所得は5,000万円-(5,000万円+150万円)=-150万円となり、税金はかかりません。いかに取得費の把握が重要かお分かりいただけるでしょう。

相続した不動産売却で活用できる特例

相続した不動産の売却には、通常の売却にはない、または適用要件が緩和される特例がいくつかあります。

相続財産を譲渡した場合の取得費加算の特例(相続税の取得費加算)

これは、相続によって取得した不動産を売却した場合、支払った相続税のうち、その不動産に対応する部分を譲渡所得の計算における「取得費」に加算できるという非常に重要な特例です。

◇適用要件の主なポイント

  • 相続や遺贈によって取得した財産であること
  • 相続税が課税されていること
  • 相続開始のあった日の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年以内に売却すること

この特例を適用することで、譲渡所得を減らし、結果として譲渡所得税の負担を軽減することができます。特に相続税を支払った方にとっては、ぜひ活用したい特例です。

被相続人の居住用財産(空き家)を売却した場合の3,000万円特別控除(空き家特例)

これは、少子高齢化による空き家問題に対応するため、特定の要件を満たす空き家を売却した場合に、譲渡所得から最高3,000万円まで控除できるという画期的な特例です。通常の3,000万円控除は自身の居住用ですが、こちらは相続した空き家に適用されます。

◇適用要件の主なポイント

  • 昭和56(1981)年5月31日以前に建築された家屋であること(旧耐震基準の家屋)
  • 区分所有建物登記がされている建物でないこと(マンションは対象外)
  • 相続開始の直前まで被相続人が一人で居住していたこと
  • 相続から売却までの間に、事業用や貸付用として使用されていなかったこと
  • 相続開始の日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却すること
  • 売却代金が1億円以下であること
  • 家屋を取り壊して土地のみを売却する場合は、その家屋が取り壊された日の翌日から1年以内に売却し、かつ、その家屋の敷地であった土地であること

この特例は要件が非常に細かく、リフォームや取り壊しの有無によっても適用可否や控除額が変わる場合があります。適用できるかどうかは、必ず税理士に相談することをお勧めします。

相続不動産売却を有利に進めるためのポイント

1.取得時の資料を探す:まずは、購入時の売買契約書、領収書、登記費用などの資料を徹底的に探しましょう。もし見つからない場合は、過去の固定資産税評価証明書や、当時の路線価などから取得費を推計できる場合もあります。不動産会社や税理士に相談し、あらゆる可能性を探ってもらうことが重要です。

2.相続税を支払ったか確認する:相続税を支払っている場合は、「相続税の取得費加算の特例」が適用できないか検討しましょう。相続税の申告書や計算書を確認してください。

3.空き家特例の適用可能性を検討する:被相続人が一人で住んでいた古い家屋を売却する場合は、「空き家特例」の要件を満たすか確認しましょう。適用できれば、税負担を大幅に軽減できます。

4.専門家(税理士・不動産会社)との連携:相続した不動産の売却は、通常の売却よりも複雑な要素が多いです。相続に強い税理士に早めに相談し、税金対策を講じることが最も重要です。また、売却を担当する不動産会社にも、相続不動産であることを伝え、税務上の注意点も共有してもらいましょう。

5.売却のタイミングを見極める:「相続税の取得費加算の特例」や「空き家特例」には期限があります。これらの特例を最大限に活用できるよう、売却のタイミングを慎重に見極める必要があります。

まとめ

相続した不動産の売却は、思わぬ税金がかかるケースもあれば、適用できる特例によって大幅に税金を抑えられるケースもあります。特に「取得費」の扱いは、税額に直結する重要なポイントとなります。

ご自身のケースでどの特例が適用できるのか、取得費をどう計算すべきかなど、複雑な判断が求められる場面が多いため、自己判断せずに必ず専門家である税理士に相談してください。適切な知識と準備をもって、相続した大切な不動産を賢く売却し、後悔のない結果につなげましょう。

 

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福島 直哉

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※2026年07月19日現在 本社・首都圏営業所の数値

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    1 か月前

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    3 週間前

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    3 か月前

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    担当の山崎一さん対応がスムーズで、とても安心感がありました。こちらが気になることや質問にも毎回正確に答えていただけただけでなく、自分では気づいていなかった点まで補足して教えてくださり、終始安心してお任せできました。

    4 か月前

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