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志水 恵吾(宅建士・リフォームスタイリスト)

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公開日:2023年11月1日

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マンションの耐震等級、実はほとんどが耐震等級1!
一戸建てでは、耐震等級3も多いのになぜ?

地震大国ともいわれる日本なのに、マンションは「耐震等級1」が多い理由を解説します。

耐震等級

耐震等級ができた理由

1981年の建築基準法施行令改正により「震度5強程度の中規模地震でほとんど損傷しない、震度6強から7に達する程度の大規模地震で倒壊・崩壊しない」ことを基準とする、いわゆる「新耐震基準」が定められました。

その後、2000年施行の「住宅の品質確保の促進等に関する法律」に基づき、「住宅性能表示制度」の運用が始まり、同制度により定められた指標が耐震等級です。

現在、新耐震基準を満たすことは義務であるため、満たしていないと建物の建築はできません。一方、住宅性能表示制度を利用して耐震等級を取得するのは任意であり、取得していなくても建築は可能です。国土交通省の調査によると、住宅性能表示制度の利用割合は、2019年度において着工された新築住宅の27.7%にとどまっています。

耐震等級3つのレベル

耐震等級は地震に対する建物の倒壊・損傷しにくさを基準に、「耐震等級1」「耐震等級2」「耐震等級3」の3つのレベルに分けられています。数字が大きいほど高い耐震力があると評価されます。

各々の等級をみていきましょう。

耐震等級1

建築基準法で定められた耐震性能のレベルを満たしていることを示します。震度6強から7に相当する、大地震に耐えうる強度を持つように構造計算されています。100年に1度といった極めてまれに発生する地震でも倒壊や崩壊はしません。さらに、数十年に1度程度の地震による力に対しては、構造躯体に損傷を与えない性能となります。

耐震等級2

耐震等級1(建築基準法のレベル)の1.25倍の倍率の耐震強度があることを示しています。100年に1度といった極めてまれに発生する地震による力の1.25倍の力でも倒壊や崩壊はしないとされています。さらに、数十年に1度程度の地震による力の1.25倍の力でも構造躯体に損傷を与えない性能となります。

耐震等級3

耐震等級1の1.5倍の耐震強度があることを示しています。100年に1度といった極めてまれに発生する地震による力の1.5倍の力でも倒壊や崩壊はしませんし、数十年に1度程度の地震による力の1.5倍の力に対しては、構造躯体に損傷を与えません。

耐震等級の割合

2013年度の国土交通省の住宅性能表示制度の利用状況を見ると、新築の鉄骨造、鉄筋コンクリート造のマンションのうち、住宅性能表示制度を利用している割合は42.7%となっています。また、マンションなどの共同住宅の耐震等級の取得状況をみると、耐震等級1が87.1%、耐震等級2が8.5%、耐震等級3が1.2%、その他免震構造などという状況です。

9割近くの新築マンションが耐震等級1となっています。一方、戸建て住宅については、耐震等級1の割合は、10.0%、耐震等級3の割合は83.1%とマンションとはほぼ逆の結果になっています。

なぜマンションには耐震等級1が多いのか

理由1:居住スペース

理由のひとつとしては、建築工法の問題が挙げられます。階数や規模にもよりますが、マンションの構造は鉄筋コンクリート造(RC造)最も一般的です。鉄筋コンクリート造でも地震の縦揺れに強い柱や梁による「ラーメン構造」と、壁によって地震の揺れを受ける「壁式構造」があります。

耐震等級を重視の設計を考えると、どうしても柱を太くしたり梁を大きくしたりする必要があります。壁も厚くして、壁量を増やすために窓や開口部を少なくすることもあります。その結果、採光や通風、間取りが使いにくいことになり、住居としての魅力がなくなる可能性が出てきます。そうすると売りにくい物件となります。マンションデベロッパーとしては、耐震等級を高めることよりも魅力的な住環境を作ることのほうが優先ですから、等級1になるのです。

理由2:建築コスト

耐震等級1のマンションが多いもうひとつの理由は建築コストです。戸建てと違い、マンションは大規模な建築物で耐震性能を上げるとなると建設コストに対する影響は多大です。

耐震性能を上げるためには、柱や梁の大きさや使用する鉄筋の量や壁量などの材料にかかるコストが増えるとともに、施工時間も増える傾向にあります。コストが増えれば、マンションの建築費も上がり、当然マンションの販売価格にも影響してしまいます。

このように、耐震等級の高いマンションを建築しても居住スペースの魅力を感じられないうえに価格が高いとなると、売れないマンションになるため、ほとんどのマンションは耐震等級1となっているのです。ただ、決して地震に弱いというわけではありません。また、マンションの地震対策として耐震構造以外にも免震構造、制震構造を採用しているマンションもあります。

こちらについては、今後機会があればご説明したいと思います。REDSでは、マンション・戸建てにかかわらず、お取り扱い可能な場合、仲介手数料が必ず「割引」・最大「無料」となります。

 

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