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公開日:2026年8月21日  郡山 出

【2026年4月施行】マンションの管理ルールが激変! 改正区分所有法で知っておくべき6つの重要ポイントと中古購入時の注意点

REDSエージェント、宅建士の郡山です。

マンションを購入すると、専有部だけでなく、廊下、階段、外壁、屋上、エレベーターなどを、ほかの所有者と共同で管理することになります。マンション全体の管理や修繕について話し合い、決定する組織が「管理組合」です。分譲マンションの所有者は、原則として全員が管理組合の一員になります。

こうしたマンションの管理や所有に関する基本的なルールを定めているのが「区分所有法」です。同法は2025年5月に成立し、2026年4月1日から施行されました。今回の改正は、すでに分譲マンションを所有している方だけでなく、これから中古マンションの購入を検討している方にも関係します。管理組合で物事を決める方法や、建物の修繕、建て替えなどの進め方が変わったためです。

今回は、改正区分所有法のうち、マンション所有者や購入検討者が知っておきたいポイントを分かりやすくご説明します。

マンション管理

(画像はイメージです)

改正区分所有法が施行された背景:マンションをめぐる「2つの老い」

今回の改正の背景には、マンションをめぐる「2つの老い」があります。

一つ目は、建物の老朽化です。マンションは築年数が経過すると、外壁、屋上防水、給排水管、エレベーターなどの修繕や交換が必要になります。

二つ目は、マンション所有者の高齢化です。高齢化や相続の発生により、現在の所有者が分からない住戸や、所有者と連絡が取れない住戸も増えています。また、管理組合の総会に参加する人が少なく、必要な修繕工事や管理規約の変更を決められないマンションもあります。

今回の改正は、こうした「建物と所有者の高齢化」に対応し、マンションの管理や再生を進めやすくすることを目的としています。

【ポイント1】管理組合の総会決議が進めやすくなった! 出席者基準の導入

マンションでは、管理規約の変更や共用部分の大きな工事など、重要な事項を管理組合の総会で決めます。

これまでは、総会に参加しない所有者が多いと、出席者の多くが賛成していても、マンション全体を基準とした必要な賛成数に届かないことがありました。改正後は、管理規約の変更や共用部分の大きな変更など、建て替えや建物の売却を伴わない一定の決議について、原則として総会の出席者を基準に決める仕組みになりました。

例えば、管理規約を変更する場合は、区分所有者数と議決権数のそれぞれについて過半数が総会に出席したうえで、出席した区分所有者とその議決権のそれぞれ4分の3以上の賛成が必要ですが、書面による議決権行使や、委任状によって議決権を行使した人も出席者として扱われます。

ただし、少人数だけで自由に決められるようになったわけではありません。また、建て替え、建物全体の売却、取り壊しなど、所有権そのものに大きく関係する事項は、引き続きマンション全体の所有者数や議決権数を基準に判断します。中古マンションを購入する際には、管理組合の総会がきちんと開かれているか、重要な議案が長期間先送りになっていないかを、総会議事録で確認することが大切です。

【ポイント2】所在不明・連絡不通の所有者を決議の母数から除外可能に

築年数の古いマンションでは、相続が発生したものの名義変更がされていない、登記上の住所に所有者が住んでいないなど、現在の所有者やその所在が分からないケースがあります。このような所有者も決議の計算に含まれると、必要な賛成数を確保できず、修繕工事や管理規約の変更を進められないことがありました。

改正後は、必要な調査を行っても所有者やその所在が分からない場合、裁判所の手続きを経ることにより、その区分所有者と議決権などを総会決議の母数から除外できる制度が設けられました。

ただし、単に総会に出席しない、管理費を滞納している、管理組合からの連絡に返答しないという理由だけで除外できるわけではありません。所有者やその所在が分からないことについて、裁判所の判断を受ける必要があります。

また、所有者が分からない専有部分や、管理が不十分で周囲に被害を及ぼすおそれがある専有部分・共用部分について、裁判所が管理人を選任する制度も設けられました。

マンション購入時には、管理費や修繕積立金の滞納額だけでなく、長期間連絡が取れない所有者がいないか、管理組合が必要な対応を行っているかも確認しておきたいところです。

【ポイント3】耐震・バリアフリー・配管修繕など安全対策工事の要件緩和

マンションの共用部分を大きく変更する場合は、管理組合の総会で多くの賛成を得る必要があります。

今回の改正により、建物の安全上の問題を解消する工事や、バリアフリー化のために必要な工事については、一定の条件を満たす場合、必要な賛成割合が4分の3以上から3分の2以上に緩和されました。対象となるのは、例えば次のような場合です。

  • 耐震性や火災に対する安全性が不足している場合
  • 外壁などが落下し、周囲に危害を与えるおそれがある場合
  • 給排水管の腐食などにより、衛生上の問題が生じるおそれがある場合
  • エレベーターの設置など、バリアフリー化のために必要な場合

ただし、すべての修繕工事や設備変更を3分の2で決められるわけではありません。法律で定められた条件に当てはまる場合に限られます。

必要な工事を進めやすくなる一方で、その工事費は原則として管理組合が負担します。購入前には、修繕積立金が十分にあるか、今後大きな工事が予定されていないか、工事に伴う一時金の徴収や修繕積立金の値上げが検討されていないかを確認する必要があります。

【ポイント4】共用部と専有部の配管工事を一体的に実施できる仕組みの導入

マンションの給排水管は、建物全体で使用する共用部分の配管と、各住戸の専有部分にあたる配管がつながっています。建物全体の配管を交換する際には、共用部分だけでなく、専有部分にあたる配管も同時に工事した方が効率的な場合があります。

今回の改正では、管理規約に特別なルールを定めることにより、共用部分の工事と同時に行う必要がある専有部分の配管などの工事を、共用部分の工事と同じ決議方法で決められる仕組みが設けられました。

ただし、管理組合が所有者の承諾なく、住戸内を自由に工事できるようになったわけではありません。管理規約に必要な定めがあり、総会で所定の決議を行うことが必要です。また、すでに自費で配管を交換した所有者との費用負担をどう調整するかなど、所有者間の公平性についても検討する必要があります。

中古マンションを購入する際には、外壁や屋上防水だけでなく、給排水管の更新時期や工事費用が長期修繕計画に含まれているかも確認しましょう。

【ポイント5】「一棟リノベーション(建物更新)」や敷地売却など再生の選択肢が拡大

古くなったマンションの将来については、これまで「修繕を続ける」か「建て替える」かという選択肢が中心でした。

しかし、建築費の上昇や容積率の制限、所有者の費用負担などにより、建て替えが難しいマンションもあります。今回の改正では、建て替え以外にも、次のような再生方法が法律上整備されました。

  • 建物の骨組みを残し、すべての住戸を含めて建物全体を改修する
  • 建物と土地をまとめて売却する
  • 建物を取り壊してから土地を売却する
  • 建物を取り壊す

建物の骨組みを残して全体を改修する方法は、「建物更新」といい、一般には一棟リノベーションと呼ばれることもあります。建て替え、建物更新、建物の取壊しなどを決めるには、原則として、区分所有者数と議決権数のそれぞれ5分の4以上の賛成が必要です。建物と敷地をまとめて売却する場合などは、区分所有者数と議決権数に加え、土地に関する権利の持分価格についても5分の4以上の賛成が必要になります。

ただし、耐震性が不足しているなど、法律で定められた客観的な問題がある場合は、必要な賛成割合が4分の3以上に緩和されることがあります。

築年数の古いマンションについて、「将来、建て替えになれば資産価値が上がるかもしれない」と考える方もいますが、実際には簡単ではありません。建て替えや一棟リノベーションには多額の費用がかかり、所有者に追加負担が生じることもあります。工事期間中の仮住まいや、工事後に取得する住戸の広さなどについても調整が必要です。

総会議事録に建て替えや一棟リノベーション、敷地売却などの検討が記載されている場合は、検討の進み具合や想定される費用負担を確認する必要があります。

【ポイント6】海外在住所有者への対応を円滑化する「国内管理人」制度の新設

東京や神奈川のマンションでは、所有者が海外に住んでいるケースもよくあります。こうした海外に住む所有者と管理組合が連絡を取れない場合、総会の案内、管理費や修繕積立金の徴収、修繕工事の連絡などに支障が生じることがあります。

今回の改正では、海外に住む所有者に代わって、日本国内で管理組合とのやり取りなどを行う「国内管理人」という制度が設けられました。国内管理人は、総会の案内を受け取る、所有者に代わって議決権を行使する、専有部分について一定の管理行為を行うなどの役割を担います。

ただし、管理費や修繕積立金を支払う義務が、所有者から国内管理人に移るわけではありません。国内管理人は所有者に代わって支払いを行うことができますが、支払義務を負うのは、あくまでマンションの所有者本人です。海外居住者が多いマンションを購入する場合には、所有者との連絡方法や、国内管理人に関するルールが整っているかも確認するとよいでしょう。

区分所有法改正に伴う「標準管理規約」改定と個別の規約見直しの重要性

区分所有法の改正に合わせて、国土交通省が公表している「マンション標準管理規約」も、2025年10月17日に改正されました。

マンション標準管理規約とは、各マンションが管理規約を作成・変更する際の参考となるひな型です。法律そのものではありません。そのため、標準管理規約が改正されても、それぞれのマンションの管理規約が自動的に変わるわけではありません。各管理組合で、現在の管理規約が改正後の区分所有法に合っているかを確認し、必要な部分を変更する必要があります。

中古マンションを購入する際には、改正区分所有法に合わせた管理規約の見直しが行われているか、今後見直す予定があるかを確認しておくとよいでしょう。

失敗しない中古マンション選び! 契約前に確認すべき必須資料10選

マンションの管理状態は、外観や室内を見ただけでは分かりません。購入前には、次のような資料や情報を確認することが重要です。

  • 管理規約と使用細則
  • 直近数年分の総会議案書と総会議事録
  • 長期修繕計画
  • 修繕積立金の残高
  • 管理費・修繕積立金の滞納状況
  • 修繕積立金の値上げや一時金徴収の予定
  • 大規模修繕工事の履歴と今後の予定
  • 給排水管やエレベーターなどの更新予定
  • 建て替えや一棟リノベーション、敷地売却などの検討状況
  • 改正区分所有法に合わせた管理規約の見直し状況

今回の法改正により、管理組合は必要な修繕やマンションの再生について、以前より話を進めやすくなりました。

ただし、法律が変わっただけで、マンションの管理状態が自動的に良くなるわけではありません。大切なのは、管理組合がきちんと総会を開催し、修繕計画や費用負担について所有者同士で話し合い、必要な対応を進めているかどうかです。

まとめ:資産価値を守るマンション選びは信頼できるプロとともに

マンションを購入することは、自分の部屋だけを購入することではありません。建物全体を共同で管理する管理組合の一員になることでもあります。

REDSでは、物件価格や室内の状態だけでなく、管理規約、総会議事録、長期修繕計画、修繕積立金の状況なども確認しながら、中古マンション購入をサポートしています。

気になるマンションが見つかった際は、購入後も安心して住み続けられる管理状態なのか、将来大きな費用負担が生じる可能性がないかという点も含めて、ぜひご相談ください。

※本記事は、2026年7月時点で施行されている法令および法務省・国土交通省の公表資料をもとに、一般の方向けに制度の概要を説明したものです。個別の管理組合運営、総会決議の有効性、管理規約の解釈については、弁護士やマンション管理士などの専門家へご確認ください。

出典・参考資料

  1. 法務省「老朽化マンション等の管理及び再生の円滑化等を図るための建物の区分所有等に関する法律等の一部を改正する法律について」
  2. 法務省「マンションの管理・再生の円滑化等のための改正法」概要資料
  3. 国土交通省「マンション標準管理規約」
  4. 国土交通省「令和7年マンション標準管理規約改正の概要」
  5. 国土交通省「令和7年マンション標準管理規約改正・説明資料」
  6. e-Gov法令検索「建物の区分所有等に関する法律」

 

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    267

    2 か月前

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    2 か月前

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    4 か月前

    木村さんに中古マンション購入のサポートをしていただきました。
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    2 か月前

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