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公開日:2026年5月17日  有馬 春志

【2026年度税制改正】インボイス制度の経過措置が変更|2割特例の後継「3割特例」と仕入税額控除のスケジュール

REDSの宅建士、有馬です。

2023年10月に始まったインボイス制度には、制度定着のための負担軽減措置(経過措置)が設けられてきました。当初は、売り手側の「2割特例」や買い手側の「8割控除」が2026年秋に終了・縮小する予定で、事業者の負担増が懸念されていました。

そこで2026年度税制改正(令和8年度)では、内容を見直したうえで段階的に移行する方針が示されています。措置が打ち切られるのではなく、期間が延びたことは、多くの事業者にとって朗報といえそうです。事業者であれば知っておきたい改変の中身や延長の期間などについて解説します。

インボイス制度

(画像はイメージです)

2割特例・8割控除(経過措置)のおさらい

インボイス制度(適格請求書等保存方式)では、免税事業者だった個人事業主・フリーランス・小規模法人の一部が、取引上の要請などで課税事業者へ転換しました。消費税の納税義務が生じることは資金繰りに直結するため、急激な負担増を緩和する目的で複数の経過措置が用意されました。

  • 売り手側:2割特例…免税事業者がインボイス登録により課税事業者となった場合、原則計算(本則課税)や簡易課税ではなく、売上にかかる消費税額の2割を納税額として計算できる特例です(計算が簡単で、納税額が抑えられるケースが多い)。
  • 買い手側:免税事業者等からの仕入れにかかる控除(いわゆる8割控除)…免税事業者などインボイスを発行できない相手からの仕入れについても、一定期間は仕入税額相当額の80%を控除できる経過措置です。

どちらも時限措置として設計され、当初は2026年秋に大きな節目(終了・縮小)を迎える想定でした。

【変更点1】2割特例は終了へ。個人事業主は後継の「3割特例」(2027・2028年)

2割特例は、2023年10月1日から2026年9月30日を含む課税期間までが対象とされてきました。そのため、2026年10月以降は本則課税または簡易課税へ移行し、税負担が増える見込みでした。

2026年度税制改正では、個人事業者に限り、2割特例の終了後に納税割合を「3割」にした特例(3割特例)を設け、2027年分・2028年分(2年間)に適用できる方向性が示されています。

〈ポイント〉

  • 対象:免税事業者からインボイス登録により課税事業者となった個人事業主(基準期間=前々年の課税売上高1,000万円以下など、従来と同様の要件)
  • 期間:2027年分・2028年分(暦年)
  • 内容:売上に係る消費税額の3割を納税額として計算
  • 注意:法人は3割特例の対象外となる見込み(2割特例終了後は本則/簡易へ)

【変更点2】仕入税額控除(免税事業者等からの仕入れ)は「7・5・3割控除」へ段階縮小

免税事業者など、インボイスを発行できない相手からの仕入れにかかる控除(現行80%)も見直されます。当初は2026年10月から一気に50%へ下がる予定でしたが、税制改正では段階を細かくし、負担増のペースをゆるやかにする方向です。

期間 控除できる割合(予定)
2023年10月1日〜2026年9月30日 80%(8割控除)
2026年10月1日〜2028年9月30日 70%(7割控除)
2028年10月1日〜2030年9月30日 50%(5割控除)
2030年10月1日〜2031年9月30日 30%(3割控除)
2031年10月1日以降 控除なし

 
買い手側はコスト増が段階的になる一方、最終的には控除がゼロになるため、免税事業者との取引が多い場合は中長期の見直しが必要です。

今から準備しておきたい3つのこと

  1. 納税・コストの試算:個人事業主は「3割特例」「簡易課税」「本則課税」で、法人は「簡易課税」「本則課税」で、どれが有利か早めにシミュレーション。
  2. 取引先の棚卸し:免税事業者(インボイス未登録)の外注先・仕入先を一覧化し、控除率の低下(80→70→50→30→0)を踏まえて条件を再確認。
  3. 制度終了後を見据えた体制づくり:将来の控除ゼロを前提に、価格設定・契約条項・経理フロー(会計ソフト設定や証憑管理)の整備を進める。

まとめ

  • 売り手側:2割特例は終了予定だが、個人事業主は2027・2028年に3割特例で段階移行。
  • 買い手側:免税事業者等からの仕入れ控除は80%→70%→50%→30%→0%へ。
  • 早めの試算と取引先整理が、資金繰り・価格交渉のリスクを下げます。

参考:制度の詳細・要件は、国税庁の「令和8年度税制改正特集(インボイス見直し)」などで必ず最新情報をご確認ください(法令・通達の更新により内容が変わることがあります)。

 

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有馬 春志

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※2026年07月19日現在 本社・首都圏営業所の数値

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    3 か月前

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