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公開日:2025年7月6日  木須 陽子

発じん性が比較的低めの石綿含有建材レベル3について解説

皆様こんにちは、【REDS】不動産流通システムの木須陽子です。石綿(アスベスト)を含む建材は、飛散の危険性に応じてレベル1~3に分類されます。今回は、発じん性が比較的低めの石綿含有建材レベル3のお話をします。

戸建て解体

(画像はイメージです)

レベル3の石綿含有建材の特徴

多種多様な製品

主なレベル3の石綿含有建材は、スレートボード、せっこうボード、パーライト板、ビニル床タイル、ソフト巾木、フリーアクセスフロアなどの板状の製品のほか、ルーフィング、壁紙、ビニルシートなどのシート製品、セメント円筒、セメント管、耐火二層管などの円筒状の製品、空調ダクト、給水管のパッキン、ポンプ軸部のグランドパッキンなど設備系の製品だけではなく、床材の接着剤、耐火パテなど不定形の製品もあります。

「建材データベース」には、レベル1は42製品、レベル2は59製品、レベル3は2025製品が掲載されており、レベル3の製品数は全体の95%を占めます(2022年2月情報)。

表面仕上げや複合製品に注意

施袖(せゆう:上薬を施すこと)したけい酸カルシウム板や、突き板(天然木を薄くスライスした板)を取り付けたボード類などのように、表面観察からでは石綿含有建材であることがわかりにくい建材も多数存在します。

またこれらが単独で使用されておらず、天井の下地にせっこうボードを貼り、その上から岩綿吸音板を貼って仕上げた天井や、鋼板製間仕切り壁の心材(芯材)としてけい酸カルシウム板第1種が使われ、その間にロックウールが充填されている製品など、石綿含有建材とそれ以外の材質のものとの複合化された建材も使用されています。

また、レベル3の石綿含有建材は、各メーカーが多種多様な製品として開発し、市場に流通させました。そのため、同様の石綿含有建材であっても異なる名前が付けられています。

不定形な製品と現場での混合と添加

石綿は不定形な接着剤、パテ、混和剤、塗り壁材料、塗材など、添加剤としても使われています。他に増量剤としての用途もあります。これらは現場で適宜ほかの材料と混合して使用されていたものと考えられ、使用状況や頻度は混合を行った作業者によって異なります。

このため、石綿含有の混和材・添加材が使用されている可能性がある建材を書面調査や現地調査などにおいて特定することは極めて困難であり、現場で混合された石綿含有材料の存在は否定することができません。

レベル3建材のリスク

レベル3建材は事業用の建築物だけではなく、戸建て住宅などにも幅広く使われています。石綿が含まれていることを知らずに、安易に解体・改修工事などの作業を行えば、そこから発生する粉じんによって、作業者や周辺にいる人が石綿ばく露するおそれがあります。

石綿含有廃楽物がリサイクル施設に持ち込まれてしまうと、破砕処理の際の石綿飛散や、石綿含有建材の破片が混入したリサイクル資材の再拡散につながります。そのため、解体・改修工事に際しては、的確に石綿含有建材の使用状況などを調査し、含有が確認された場合は、適切な飛散やばく露防止措置と、発生する廃棄物の適正処理が求められます。

規制と除去時の対策

レベル3の石綿含有建材も、石綿則、大防法、廃棄物の処理及び清掃に関する法律などの規制対象となります。その他の材料も同様に除去工事における石綿の飛散レベルに応じた工事方法を要請されます(例えば、空間ダクトパッキン、キャンバス継手、配管保温材など)。

除去時の対策としては、切断以外の方法で除去すること(石綿則第6条の2)、それが著しく難しいときは湿潤化すること(大防法施行規則別表第2)などが求められ、けい酸カルシウム第1種を切断などの方法により除去するとき、および建築用仕上げ塗材を電動工具によって除去するときはビニルシートなどで隔離し、常時湿潤な状態に保つことが求められます(石綿則第6条の2第2項)。

施工時期による石綿含有の有無の推定

調査では、建材の種類と施工時期を把握し、下に示したそれぞれの建材の種類の製造時期と比較することが大切です。

レベル3の石綿含有建材は、種類や品数がレベル1、2よりも非常に多く、建材に製造会社、製品名などの印字が残っていない場合があり、メーカー名や商品名は特定しにくいのですが、建材の種類がわかれば、その製造時期から石綿含有の有無を推定できます。

例えば、窯業系サイディング、押出成形セメント板、けい酸カルシウム板第1種などの製造時期は2004年までであり、竣工時期がこれより以前であれば、石綿合有の可能性が高いのです(ただし、この製造時期の終期では代替材料が製造されており、石綿を含有していない材料も存在する)。

レベル3の石綿合有建材の種類および製造時期

壁・天井

  • 石綿合有スレートボード・フレキシブル板:1953~2004年
  • 石綿含有スレートボード・平板:1931~2004年
  • 石綿合有スレートボード・軟質板:1936~2004年
  • 石綿含有スレートボード・軟質フレキシブル板:1972~2004年
  • 石綿含有スレートボード・その他:1953〜2004年
  • 石綿含有スラグせっこう板:1978~2003年
  • 石綿含有パルプセメント板:1961~2003年
  • 石綿含有けい酸カルシウム板第1種:1960~2004年
  • 石綿含有ロックウール吸音天井板:1964~1987年
  • 石綿合有せっこうボード:1970~1986年
  • 石綿含有パーライト板:1951~2004年
  • 石綿含有その他パネル・ボード:1954~2004年
  • 石綿含有壁紙:1969~1991年

耐火間仕切り

  • 石綿含有けい酸カルシウム板第1種:1961~2004年

床材

  • 石綿含有ビニル床タイル:1952~1987年
  • 石綿含有ビニル床シート:1951~1990年
  • 石綿含有ソフト巾木:1960~1966年

外壁・軒天

  • 石綿含有窯業系サイディング:1960~2004年
  • 石綿含有建材複合金属系サイディング:1975~1990年
  • 石綿含有押出成形セメント板:1962~2004年
  • 石綿含有けい酸カルシウム板第1種:1960~2004年
  • 石綿含有スレートボード・フレキシブル板:1952~2004年
  • 石綿含有スレート波板・大波:1931~2004年
  • 石綿含有スレート波板・小波:1917~2004年
  • 石綿含有スレート波板・その他:1930~2004年

屋根材

  • 石綿含有住宅屋根用化粧スレート:1961~2004年
  • 石綿含有ルーフィング:1937~1987年

煙突材

  • 石綿セメント円筒:1937~2004年

設備配管

  • 石綿セメント管:1931~1985年

建築壁部材

  • 石綿発泡体:1973~2001年

※出典:国交省・経産省「石線(アスベスト)合有建材データベース(2015年2月版)」

 

次回は、レベル3の石綿含有建材の種類のお話をします。

 

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木須 陽子

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