不動産売買の際に支払われる手付金とは？　役割や金額相場を解説

こんにちは。不動産流通システム、REDSエージェント、宅建士の鈴木朋子です。

不動産の売買契約では、手付金の支払いが重要な役割を果たします。手付金は、契約の成立を証明するものであり、契約の履行を確実にする保証金としても機能します。しかし、手付金の意味や支払いタイミング、相場金額など、理解しておくべき点が多数あります。

本ブログでは、手付金に関する基本的な知識から具体的な対処法まで、幅広い情報をわかりやすく解説していきます。不動産の売買を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

（写真はイメージです）

手付金とは？

手付金は主に買い手が取引金額の一部を売り手に支払う形で行われるもので、契約を確認し、取引の実行意思を示す役割を果たします。

手付金の額は取引金額によって異なりますが、一般的には取引金額の一定割合（一例として10％）が支払われます。契約が成立すると、手付金は取引金額から差し引かれます。

手付金は、売主にとっては契約の確認や買い手の真剣度を確認する手段となりますが、買い手にとっては手付金を失う可能性があるリスクもあります。そのため、手付金を支払う際には注意が必要です。契約条件や解除の可能性についてよく確認しましょう。

手付金の意味と役割

手付金は不動産の売買契約が成立した際に買主から売主に支払われる金銭で、契約の成立を示す証として機能します。手付金には以下の3つの役割があります。

1．契約の成立を証明する役割：手付金は契約の成立を示す証として機能し、売買契約の有効性を保証します。

2．売主の債務不履行への対処：手付金は売主の債務不履行に対する補償としても機能します。もし売主が契約を履行しなかった場合、手付金は買主に返還されるだけでなく、損害賠償や違約金として買主に支払われることもあります。

3．契約の解除権を持つための保証金：手付金は買主に契約の解除権を与える保証金の役割も持ちます。買主は手付金を放棄することで一方的に契約を解除することができます。手付金は不動産売買契約において双方の信頼関係を築き、契約の安定性を確保するために非常に重要な要素です。

手付金の相場金額

手付金の相場金額は、物件の売買価格や工事価格の5～10％に設定されることが一般的です。具体的な金額については、以下のような範囲で考えることができます。

• 購入や建設する物件の価格が3,000万円の場合、手付金の相場は150万～300万円となります。
• 市場の一般的な傾向として、手付金の相場は5～10％とされています。
• ただし、取引によってはこの相場金額と異なる場合もあります。

手付金の相場は、取引の確実性を保証するために設定されています。適切な金額を設定しないと、売主や買主が簡単に契約を解除する可能性があり、問題が生じる可能性があります。

手付金の範囲は、売買価格や工事価格の5～10％が一般的とされていますが、下限としては特に設定されていません。一方、上限は法律で定められています。売主が宅建業者でない場合、手付金の上限は売主と買主の合意によって決まります。売主が宅建業者の場合は、手付金の上限は物件価格の20％までとなりますが、一般的には物件価格の10％以内に設定されます。

手付金は契約の確実性を高めるために非常に重要です。適切な金額を設定することで、売主と買主が取引を円滑に進め、約束を守ることができるようになります。手付金の相場を把握しておくことは、物件の購入や建設における財務計画の立案にも役立ちます。

手付金を支払うタイミング

手付金の支払いは売買契約が成立する際に行われます。この支払いは契約の証拠となります。手付金は契約書にも明記されており、重要な事項ですので、契約を結ぶ前にきちんと説明を受けることが必要です。

手付金の支払いタイミングには以下の3つの特徴があります。

1. 売買契約時に支払いが行われます。
2. 未完成物件の場合、買主が売買代金の5％以上または1,000万円以上を手付金として支払う場合、売主は契約終了まで手付金を保全する義務が生じます。つまり、売主が倒産した場合でも手付金が返還されることになります。
3. 完成物件の場合も、手付金として10％または1,000万円以上を支払うと、売主に同様の保全措置の義務が発生します。

まとめ

手付金は不動産取引において重要な役割を果たします。契約の成立を示す証として機能し、売買の信頼関係を築くための保証金でもあります。手付金の相場は一般的に取引価格の5～10%とされていますが、状況によって異なる場合もあります。

手付金の支払いタイミングは売買契約時に行われます。不動産取引を検討している人は、手付金の意味と役割、そして支払いに関する知識を深めておくことが重要です。