みなさま、こんにちは。《仲介手数料無料または割引》不動産流通システムREDSエージェント、宅建士の濵﨑です。
最近、「AIで仕事が本当に楽になったな」と感じることが増えました。文章を作ったり、情報を整理したり、分からないことを調べたり。これまで時間をかけていた作業も、AIを使うことにより短時間でできるようになっています。
不動産業界も、これからAIによって大きく変わっていくのではないでしょうか。では、実際に不動産の購入や売却は、AIによってどのように変わっていくのでしょうか。

(画像はイメージです)
不動産購入でのAI活用|物件や住宅ローンを比較する
不動産を購入するとき、まず大変なのが情報収集です。
「このエリアの相場はいくらなのか」
「この物件は割高なのか」
「住宅ローンはどこがいいのか」
「複数の物件の違いは何なのか」
これまではインターネットでひとつずつ調べたり、不動産会社に質問したりする必要がありました。AIを使えば、条件をそろえた物件資料や金融機関の情報を基に、こうした情報を整理する手助けになります。
例えば、複数の住宅ローンについて、金利だけでなく、借入期間、毎月の返済額、手数料、団体信用生命保険(返済中の死亡などに備える保険)の保障内容を比較する。物件についても、価格、専有面積、築年数、駅からの距離、管理費、修繕積立金、階数、方角などを一覧にして比較する。さらに「自分たちの条件で考えた場合、何を重視して比較すればいいのか」といった整理をすることもできます。
もちろん、金利や融資条件は金融機関の商品や審査結果などによって異なります。AIは古い情報や誤った回答を示すこともあるため、最新の条件を金融機関の公式情報で確認し、返済額も金融機関の試算などと照合する必要があります。
それでも、たくさんの情報を整理してくれたうえで、「何を確認すればいいのか」を明確にする道具として、AIはかなり便利だと感じています。
AIで不動産資料を整理するときの確認ポイント
不動産取引では、実はかなり多くの資料を確認します。マンションであれば、管理規約や使用細則(暮らし方のルール)、長期修繕計画、重要事項調査報告書(管理費や修繕積立金などの管理情報)、管理組合の総会議事録などがあります。これまでは、こうした資料を一つひとつ読み込み、必要な情報を探していました。
AIを活用すれば、こんな使い方ができます。
「ペット飼育の制限について探して」
「駐車場のサイズ制限と料金を整理して」
「リフォームに関する規定を抜き出して」
「買主にとって注意が必要な事項を整理して」
もちろん、AIが抜き出した内容をそのまま信用するのではなく、該当ページや前後の文脈、例外条件を原資料で確認する必要があります。資料が最新かどうかも確認したいところです。それでも、何十ページ、場合によっては何百ページもある資料の中から、まず必要な情報を探す作業を効率化できるのは、不動産の営業担当者にとっても大きなメリットです。
個人情報や非公開資料をAIに入力する前に
資料には、氏名や連絡先、所有者・居住者の情報などが含まれることがあります。AIに読み込ませる前に、入力してよい資料かを確認し、不要な個人情報は削除・マスキングしましょう。サービスの利用規約、学習への利用、データの保存・共有範囲と、会社の情報管理ルールを確認することも欠かせません。
不動産売却でのAI活用|データを販売計画に生かす
売却についても、AIの活用方法はこれから広がっていくでしょう。
例えば過去の販売データから、問い合わせ件数、ほかの不動産会社からの販売状況の確認、内見件数、購入申し込み、成約までの日数などを分析できれば、以下のようなことを推測でき、販売計画を考える材料にもなります。
「この条件の物件では、どの程度の問い合わせが見込めるのか」
「現在の価格設定では、どのくらいの販売期間が想定されるのか」
「価格を変更すると、問い合わせがどう変わる可能性があるのか」
将来的には、過去のデータをもとに
「この条件の物件では、何件くらいの問い合わせが見込めるのか」
「内見件数と購入申し込みには、どのような傾向があるのか」
といったところまでAIが分析し、販売スケジュールを組むこともできるようになるかもしれません。
ただし、AIが「何月に必ず売れる」と予言することはできないでしょう。
不動産は一件一件条件が違いますし、市場環境や競合物件によっても結果は変わります。分析に使うデータが少なかったり、特定の地域や物件に偏っていたりすれば、予測にも限界があります。AIはあくまで、営業担当者が販売戦略を考えるための材料として活用するものだと思います。
AIでは把握しきれない現地の状態を確認する
ここまでAIの便利な部分を書いてきましたが、不動産の営業担当者として、これからも大切にしたいと思うことがあります。
それは、「実際に物件を見ないと分からないことがある」ということです。
例えば「南向き」「眺望良好」「日当たり良好」と物件資料に書かれていても、実際にどのような景色が見えるのか、どの時間帯にどれくらい日が入るのかは、現地で確認したほうが分かりやすいでしょう。同じ南向きでも、目の前に建物があるのか、開けているのかによって印象は大きく変わります。
室内の状態や加工画像と現況の違いを見る
室内も同じです。写真ではきれいに見えていても、実際に見ると壁や床の傷、水回りの状態、建具の使用感、部屋の広さの感じ方など、写真だけでは分かりにくい部分があります。
今後、AIによる画像補正や、写真に家具などを合成するバーチャルステージングが進化すれば、写真から受ける印象と実際の室内との違いを確認することが、より重要になるかもしれません。
これは、AIが悪いということではありません。AIによる画像加工や情報整理は、適切に使えば、物件の魅力を分かりやすく伝えるための便利な技術です。広告に加工画像を使う場合は、加工した内容が分かるようにし、傷や周囲の建物などを消して実際より良く見せるといった、誤解を招く表示を避ける必要があります。
ただ、「きれいに見える」ことと「実際にどうなのか」は別の話です。だからこそ、AIで多くの情報を簡単に集められるようになったとしても、最後は「実際に見る」ということが大切なのです。
まとめ|AIを活用しながら現地確認を大切に
AIで「調べる・整理する・比較する」。
人が「見る・感じる・確認する」。
これからの不動産探しは、そんな姿になっていくのではないでしょうか。
AIによって物件情報を集めたり、住宅ローンを比較したり、大量の資料から必要な情報を探したりすることは、これまで以上に簡単になるでしょう。その分、不動産の営業担当者には、単に物件情報を伝えるだけではなく、実際の現地でしか分からないことを確認し、お客様に伝える役割がより求められるのではないかと思います。
「写真では分からなかったけれど、実際に見るとこうだった」
「この眺望なら、将来的な建物計画も確認しておいたほうがいい」
「室内はきれいに見えるけれど、ここは実際に見て確認しておきましょう」
こうした一つひとつの確認が、最終的な購入・売却の判断につながります。
AIは、うまく活用すれば、お客様と向き合うための時間を増やしてくれる道具になるのではないでしょうか。これからは、AIに任せられることはAIに任せる。そして、人が担う「現地を見ること」「お客様の話を聞くこと」「一緒に考えること」を大切にする。
AIが進化する時代だからこそ、私は不動産の営業担当者として、「実際に見る」という基本をこれまで以上に大切にしていきたいと思っています。
記事を執筆したエージェント
- このエージェントに相談する
-
070-8344-9240